感想やお気に入り登録までいただいちゃいまして、日々眺めて嬉しくなっちゃってます。
順番はともかく、書きたいキャラは少なくとも5人決まっていますので緩くお付き合い頂けましたら幸いです。(少なくともトリを飾るのはミネ団長になる予定)
前話で下手に蜘蛛と花の生態を絡めたタイトルを付けることができてしまったせいで、今回もなんか良いの無いかな……と調べるハメになり遅くなりました。あとサクラコ様書くの難しいッピ……とうめきながら書いてました。対戦よろしくお願いします。
あ、お試しでアンケート設置してみたのでよろしければ是非ご回答ください。
※原作既読推奨です。
現在→1年前→現在で視点変更してます。
トリニティ総合学園、日が沈み始めたとある一日。とある広場にて。
大鍋や折り畳みの机を乗せた台車を押しながら、シスターフッドの少女達が帰路に付いていた。
「今回の炊き出しも
「救護騎士団と連名の合同開催ができるようになってからは本当に平和になりましたね。ありがたいことですわ」
本日はシスターフッド及び、救護騎士団の連盟で炊き出しが行われていたのだ。
かつてはシスターフッドと一部ボランティアの生徒のみで行われていたこの炊き出し、食料を独占しようと襲撃を仕掛けてくる不良生徒の対応でいくらかの食事をダメにしてしまう事や、迎撃のために使用された弾薬費が嵩んでいく等の問題が起きていた。が、救護騎士団側からの提案により合同での開催が半年ほど前から行われていた。
救護騎士団のモットーは『救護が必要な場に救護を』。
それは傷病に対する対応だけではなく、誰もが健康に健全に日々を過ごせることを目指しそのためにあらゆる救護を行う。という意味なのだ。それ故に炊き出しは救護騎士団としても積極的に行いたい活動なのだが、シスターフッドがかつてより行ってきた活動に横入する形だと受け取られてしまう事を鑑みて中々手を出せずにいたのだ。
しかし、それも今代の『シスターフッドの長』と救護騎士団のNo.2である『団長補佐』に繋がりができたことで穏便に解決した。
これによってボランティアを行う広場の警備を救護騎士団が行い、炊き出しの提供をシスターフッドが行うことで安全を確保。そして安全を確保できたことにより余裕が生まれた両者の協力でさらにカウンセリングや簡易の診察を行う場を追加で用意。
規模が増し、警備も厳重になっていくことでこれまで襲撃を行っていた不良生徒も不利を悟り、素直に炊き出しに参加するようになったのだ。
もちろん、これらは完全な無償というわけではなく、炊き出し終了後の食器洗いや広場の清掃、後日の雑草抜き等の参加を条件として行われているものである。
「確か……救護騎士団のミカサさんの方から提案して頂けたのでしたっけ?」
「ええ、サクラコ様とご歓談なされているときに話題に出たとか」
などと、長々と来歴を語ったものの年頃の少女にとってはもっと大事な話題がある。
「……やはり、サクラコ様とミカサさんは
――そう、恋バナである。
ささっ、と周囲に自分たち以外の人影が無いことを確認した後、一人のシスターが抑えた声で切り出し、それを待っていたと言わんばかりに他のシスターたちも口を開く。
シスターエイコの証言。
「……わたくし、趣味で遠出して写真を撮ることがあるのですが、見てしまいましたの……私服のお二人が連れ立って仲睦まじく歩かれているところを……!」*1
「まあっ」
「デート……ですわ!?」
シスタービイコの証言。
「私は夜の聖堂で静かに微笑みあっているお姿を見ましたわ」*2
「あらあらあらっ」
「逢引き……ですわ!」
シスターシイコの証言。
「あたしも見たぜ……見ましたわ。ミカサ、さんの胸元に顔を埋めて深呼吸するサクラコ様の姿を、な……!」*3
「な、なるほどっ」
「まぐわいですわ~~~!!」
ワイワイ、きゃいきゃいと声は抑え目ながらも白熱していく話題に、気づかぬうちに誰もが足を止め道の端で話し込む形になってしまっていた。
それ故に、気づけなかったのだ。
「アヒュッ」
上司であり、自分たちが盛り上がっていた話題のその人。歌住サクラコの到来に。
「んんっ。シスターサクラコ様、ごきげんよう。いえ、本日の炊き出しが中々スムーズに進められたものですから、ご協力頂いた救護騎士団の皆様にどういったお礼をするのが相応しいかと皆で話し合っていたのですわ」(早口)
一人がすかさず立て直し、それらしい状況説明をする。
「なるほど。そうだったのですね……。(なぜ早口に……?)
救護騎士団の皆さんは贈り物でも高価なものは断られてしまいますから……手ごろな値段のアソートクッキーなどが良いかもしれませんね」
「(通った……!)ありがとうございます。参考になりますわ」
「いえ、あくまで私の一意見ですから。皆さんの考えの邪魔になっていなければ良いのですが……」
「中々意見がまとまらないところでしたので、サクラコ様のご助言に感謝いたしますわ」
咄嗟の言い訳が通ったために、つい欲が出てしまった。
「……その、参考にお伺いしたいのですが、仮に、仮にですよ? 救護騎士団宛てではなく、ミカサさん個人に贈り物をされるならサクラコ様はどういった物を用意されますか……?」
「ミカサさんへ、ですか? そう、ですね。」
サクラコは数瞬、考え込むように口元へ手を当てて。
「――私の時間。でしょうか」
とんでもない爆弾を落とした。
「(感謝の物を贈られるよりも、たわいもない話をしたり、のんびりと一緒に同じ時間を過ごす方が嬉しい。という話を本人から伺ったことがありますし……あ、本人から答えをあらかじめ聞いていたというのは少々ずる……だったでしょうか?)」
「(人生の)じ、時間!?
(まさかこの先を共に歩もうという大胆なプロポーズ!?)」
「そ、それはもう……!」
「~~~ッ(
所詮、はたから見えた状況をキャッキャと『もしかしたらそうかもしれない』とはしゃいでいた所へ、それを嘲笑うようにいとも容易く行われた婚姻の宣言*5に少女たちの思春期脳はフィーバータイムへと突入する。
「(意図せずとはいえ、あらかじめ答えを知っていた形になるので)少々ずるい回答でしたね……」
「そ、その。直截な質問になってしまうのですが、サクラコ様にとってミカサさんは、いったいどういうご関係なのでしょうか……?」
おずおずと差し出された追加の質問に、親しい相手について話せることが本当に嬉しいと言わんばかりに微笑んでサクラコは答える。
「『友人』ですね。ああ、あるいは『先生』。でしょうか?」
「(シャーレの特権を簒奪し、人生を共にするミカサさんをその座に挿げ替えこのキヴォトスを夫婦二人で支配すると……)そういうことなのですね、サクラコ様。……わかりました。わたくし、覚悟を持ってお二人の
「私も……!」
「二人には路地裏で死にかけてたあたしを拾ってもらった恩があるんだ! あたしも協力する!」
「……? ええと、ありがとうございます?」
急な激励に目を白黒させながらも、ひとまずそれを受け取ってしまったサクラコは視界の端に映った鮮やかな夕焼けに意識を移す。
「(――そういえば、ミカサさんに初めて会ったのもこんな夕焼けが綺麗な日でしたっけ)」
◆
――初めまして。救護騎士団所属、1年の
私とミカサさんが出会ったのは1年ほど前の事。
出会いは完全に偶然でした。
進級したばかりではあるものの、家柄や他に候補が居なかった等の理由から次期シスターフッドの長として選ばれ――候補、ですらなかった――教育や、過去にシスターフッド、更には前身たる『ユスティナ聖徒会』が行ってきた事。引いては――シスターフッドのみが知っているトリニティという学園の歴史の継承に、少しばかり疲れてしまって。
衝動的に一人になりたくて、立地の利便性の問題で現在はあまり使われていない古い聖堂に足を運んでいる最中に見慣れない男子生徒が……それも救護騎士団の制服を着た人物が一人で手元の地図と周りとで目線を行き来しながら歩いているところを見かけてついつい声を掛けてしまったのが、彼との出会いでした。
「……んー。ここと、ここ。実際見てみるとここもちょっと古くて危ないか……?」
「……あの、どうかされましたか?」
ぴく、と肩をわずかに揺らし、サラサラと手元の紙に何やらを短く書き足した後、こちらへと振り向いてペコリと頭を下げて彼は自己紹介をした。
「初めまして。救護騎士団所属、1年の
「まあ、新入生の方でしたか。
初めまして。シスターフッド所属、2年の歌住サクラコと申します」
ペコリ、とお互い改めて礼をする。
「ところで、貴方は何をされていたのですか? その……道に迷ってしまったのであればご案内しますが」
彼の手元にちらりと目線が落ちる。
ぱちぱち、と彼は瞬きをした後、手元の地図に注がれる視線に気づき、ああ、なるほど。と一つ頷いて手元の地図をこちらへ見せる。
地図には建物や通路の所々に赤丸や赤字で注意書きが書かれていた。
「救護活動の一環として、地図上から考えられる危険個所と実地で見比べを行っていたんです。
トリニティは歴史の長い学園ですから、どうしても安全衛生的な観点から見たときに旧態依然なところはありますし、経年劣化で弱くなっているところもありますから。
……夢中になり過ぎて、気づけば思っていたよりも遠くまで来てしまっていて自分でもびっくりしましたが」
「なる、ほど?」
どちらかというと、それはティーパーティー――この学園の生徒会――が手を出すべき事案なのでは?
そんな疑問を私が抱いたのに気付いたのか、彼はあはは、と頭をかく。
「
怪我人を直すだけではなく、怪我人を出す可能性のある場所の把握ないしは改善も救護活動に含まれると俺は考えています。……まあ、校内の改善はウチの一存では決められないのでティーパーティーへ報告書としてまとめて提出しつつ、救護騎士団内部で要警戒場所として情報を共有するくらいが今のとこは限界ですけどね」
「……! なるほど。そういうことでしたか。素晴らしい取り組みだと私も思います」
環境救護、そういった考え方もあるのですね……! ……あれ、ではミネさんのアレは一体……?
同学年の行う救護というにはいささか”暴”の面が際立つ救護について考えていると、彼は少し考え込むような仕草の後に切り出す。
「もしお時間があればで良いのですが……この辺りについて案内して頂けないでしょうか、歌住
――せん、ぱい。
――――先輩。
ぴしゃり、と衝撃が走る。
シスターサクラコ様でもなく、サクラコ様でもなく。
先輩。ふ、ふふふ……。
「そうですね、よろしければこの辺りについては私もいくらか知見がありますのでよろしければ案内させていただけませんか」
「本当ですか! ありがとうございます!」
そもそもなぜこんな所まで一人で来たのかすら忘れて、下級生の純粋な先輩呼びに機嫌を良くして意気揚々と先導する上級生の姿がそこにはありました。というか、私でした。
……だって、先輩呼びがあまりにも新鮮だったので……。
それからこの辺りの建物に関する来歴や、私の知っている限りの老朽化している箇所を案内し、最後にたどり着いたのが本堂……の横に中庭を囲むように造られた屋根付きの廊下――
「最後はここですね。ここは立地の問題であまり人が来ないので、簡単な清掃ならともかく大規模な補修もあまり行えていなくて……」
「なるほど。今のところは問題なさそうですが、天井付近がやや古くなってきていますね。
……しかし、こんなにも綺麗な中庭があるのに普段人が来ないというのは……もったいないですね」
「わかっていただけますか!? そうなんです。ここの中庭は他とはやや趣が異なっていて、私も疲れてしまったときは時折訪れて――こほん。失礼しました」
「ふふ、いえいえ。確かにここは素敵な場所ですね。俺も好きですよ」
「そう、ですか。うふふ、ここを気に入ってくださる方が増えるのは――少し、嬉しいです」
「こほん。歌住先輩のおかげで俺の作業も予定よりかなり順調に進められました。
お礼、といってはささやかですが、よろしければコレ貰ってください」
中庭を前に話し込んでしまって少ししてから、そういって彼から差し出されたのは小さなキャラクター付きのキーホルダーだった。
黒いもちもちとした全身に、デフォルメされた骨のお面がアクセントとなっている。
「あ、ありがとうございます。その、これは一体……?」
「え、スカルマンですよ。モモフレンズの」
……し、知りません……。も、もしかして結構流行っているのでしょうか。
「その……このスカルマン、さんとモモフレンズ? というのは結構流行っていたりするのでしょうか……?」
「まさか――モモフレンズを知らないんですか!? 凄い流行っているのに!?*6 今の流行りと言えばモモフレンズ一択と言わんばかりの大人気コンテンツですよ!?*7」
「そんなに流行っているんですか!?」
た、確かにこの子は結構可愛らしいですね……。
「私は今時の流行りというものに疎くて……そのせいか、他の方たちから……いえ、なんでもありません」
「――わかりました。歌住先輩、先輩のために今時のありとあらゆる流行りをお伝えしましょう――」
モモフレンズに始まり、流行りの番組やスイーツ、ファッションやレジャー施設等の知識が目まぐるしく教え込まれました。
「そ、そんな……! ポイント決済は別に最新技術では無いのですか……!?」
「今では一般的なものです」
知らなかった知識の奔流に流されそうになりながらも、”次期シスターフッドの長”の立場やこの学園の”後ろ暗い歴史”とは関係のない。ただの学生としてのこの時間がもう少し、なんて欲張ってしまって。
『サクラコ様ー。どちらにいらっしゃいますのー』
少し離れた場所から、私を呼ぶシスターの声が聞こえた。
「あっ、……すみません。お時間が来てしまったようです。もう少しこうしていたかったのですが……」
ああ、本当に名残惜しいのですが……これも私の”お役目”なのですから。
踵を返し、別れを告げようとする私を、彼は私の手を取って遮った。
「何を」
彼はしーっと口元に人差し指を立ててイタズラっぽく笑った。
「――これ、ナイショですよ?」
彼が本堂から回廊につながる出入り口へ、いつの間に用意したのか見慣れない手袋をはめた手をスイと振ると――瞬く間にそこには大きな蜘蛛の巣が出来ていた。
「! これは」
『あら、こんなところに大きな蜘蛛の巣。……蜘蛛さんには悪いですが、ここに巣を張られても困りますし……明日の朝の清掃で巣ごと木の近くに移動させていただきましょう。
むむむ、それにしても立派な巣ですわね……。ああ、いけないいけない。
サクラコ様をお探ししなくては。蜘蛛の巣があるということはこちら側にはサクラコ様はいらっしゃらないのでしょうね。いったいどちらにいらっしゃるのでしょうか……?』
かつかつ、とこちらへ来ていたシスターは回廊につながる出入り口に張られた蜘蛛の巣に気づくと少し立ち止まった後にこちらへ気づくことなく立ち去って行った。
「これは……」
「さて、これで少しは時間ができましたよ? 歌住先輩。
――ほら、いつの間にかこんなにも綺麗な夕日が差し込んできていますし、もうちょっとだけ、お話していきませんか?」
「……! ええ、――よろこんで」
いつの間にか、本当に綺麗な夕日が中庭に差し込んでいて……。
――次期シスターフッドの長の歌住サクラコは少しだけ、ほんのすこしだけお休みさせてください。
今はただのトリニティ総合学園2年生の歌住サクラコとして、この心優しい新入生と話してみたいのです。
「……ああ、それと私のことはサクラコで良いですよ、
「ふふ、はい。改めてよろしくお願いします。サクラコ先輩」
◆
なんて、携帯につけた思い出のストラップをもにもにとつまみながら思い出を振り返った数日後。
「うおーっ! はなっ、HA☆NA☆SE!!!」
「くっ、やはり立ちはだかりますか! 正義実現委員会 剣先ツルギ!」
「サクラコ様とミカサさんの将来のために……!」
「ミカサク万歳イイイィィィィッ!!!」*8
「やかましいわ馬鹿ども」
「「「「あふんっ」」」」
「――という事件があったんですけど、ご説明願えますか? サ ク ラ コ せ ん ぱ い ?」
「ど、どうしてぇ……」
――一部シスターフッドによる武力蜂起が起きかけてミカサに詰められ、サクラコ様の顔はシワシワになった。
が、ストラップをきっかけに初めて会ったころの思い出話に花が咲いたのでなんだかんだ楽しかった。そして散々怒られた後に帰ってきたシスフモブはその光景を見て再犯を決意した。
result
なんだかんだ楽しい時間を過ごせたのでサクラコ様の勝ち。
約束されたシスフモブの武力蜂起part2が待ち受けている事実からは目を逸らすものとする。
シスフモブが恋愛脳過ぎるけどええんか?という問いに対しては「キヴォトスでは(以下略)」というキリノの名言で返させていただく。
ブルアカって似た名前の子多いですよね…、二次創作やってると間違って書いてないか不安になります。(同トリニティにミカは居るし、コラボキャラでミサカがいるのに主人公にミカサとかいう紛らわしい名前を付けてる件については見なかったこととする。いやホント新キャラで主人公と名前被りありえそうなラインの名前で怖い)
その点、サクラコ様は間違えることが無いから本当に助かるッピねぇ。
■豆知識
・「クモは洞窟に巣を張り修道女を救う」
元ネタは『マタイによる福音書』その他類型の話。
”ヘロデ王の迫害を逃れるため、ヨセフとマリア、幼子イエスが身を隠すために小さな洞窟に立ち寄った。その洞窟の入り口に小さなクモが巣を張ったことによって、後を追ってきた兵士たちが洞窟の前まで来たが、「こんなに入り口のクモの巣がきれいに張っているのだから、誰も中に入っていないはずだ」と思い込み、中を捜索せずに通り過ぎた。”という話から。
この話は類型がいくつかあるらしくて、その中でも修道女を同様に救った話から一部要素を採用。
・サクラコ様がミカサとの関係を先生と表現した理由
最新の流行を教えてくれるから。
・サクラコ様はミカサのこと好きなんか?
サクラコ様はこの世の大体の存在の事を好ましく思ってるよ(過激派)
しいて言えば「下界博士」と「箱入りお嬢様」だよ。え、それって大体好きになるやつ? スゥー、うん。まあ、どうだろね?
各話に出てきた陣営の掲示板回いる?
-
いる
-
あれば嬉しいかも
-
いらん