アルセウスによって異世界に来たがなんか想像してたのと違う   作:2ザクチキ

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大変遅くなりました。楽しんでいただけたら幸いです。


存在しない記憶ほど厄介なものはない

あっ!草むらからミュウツーが飛び出してきた!

 

「貴様らを纏めて殲滅する。」

なんて物騒な鳴き声なんだ…。

そこは「みゅう!」じゃないのかというツッコミはさておき、状況を整理しよう。目の前には黒い装束のニケが2人いる。容姿から察するに双子、そして近接型。こちらの戦力はミュウツー。そして昨日の反省を生かした手持ちポケモン達。

 

そして、昨日の戦いで全身筋肉痛の僕か……。僕にあの2人のうち1人の攻撃が当たったら多分落ちるな。

 

「っ!?こいつは…!」

 

「あらあら、まさかこんなところで会うなんてね。」

 

「え?ミュウツー知ってるんです?」

 

草むらから一般トレーナー レイジが飛び出してきた!

二つ名ビキニのおねえさん!

 

やべぇ性癖がバレる。

まあいいかどうせ見られてないし。

 

「あ、指名手配されてる子もいるわね。」

 

何か指名手配されててグラスフィールド。

 

「丁度良い。…君とは一戦交えたいところだった。」

 

「それってミュウツーのことですよね!いいd」

 

「違う。君だ。」

 

ゆけ!ガブリアス!みがわり!

 

「ガウウ?」(え?俺?)

 

「この子ですよね!」

 

「違う。今、ボールから鮫を繰り出した君に言っている。」

 

「ぼくぅ!!?」

 

「聞いていたぞ。あのリリスと互角に戦ったそうだな。それも剣を使って…」

 

「そして、リリスを退け、ゴッデスの指揮官を誘拐…今や君は注目の的だ。」

 

それは事故だよ!

なんであの時、専用技が2回も出るんだ!

こんなことならゆびをふるなんて使わなきゃよかった!

 

「ちょっと待ってください。メカゴリラと戦えたのは戦う前に色々と仕込んでいたからであって、」

 

「御託はいい。私と戦え。」

 

クソ!目が合ったポケモントレーナーと同じくらい戦闘が避けられない!

 

「ふええ…、そんなぁ僕戦いたくないよぉ…。」

 

ギルガルドを出した。

 

ギルガルドはこちらをじっと見つめ、一言発した。

 

『王となれ。』

 

「!?!?!!!!」

 

それはトレーナーに覚悟を示せとの啓示であった。

 

「それならもう、ね……。」

 

ギルガルドを掴み、手首を切る。血が落ち、血溜まりができた。血溜まりに手を突っ込み、中から刀を取り出した。

 

ジャキンッ!!

 

レイジは屍山血河を取り出した…!

 

「ちいかわするしかないよねえ!!」

 

「なんだその赤い刀は…!」

 

よく見ると相手も赤い刀身の刀を使っている。

おそろっちですね!ギルガルド!

 

「ギルギル!」

 

その様子を見た姉妹は何を思ったか一瞬動きが止まった。

 

「…どうやら私達は気が合うようだな。」

 

「いざ尋常に…!勝負…!」

 

近接戦闘部隊の紅蓮が勝負をしかけてきた!

 

突然切りかかってきた!

ギルガルドのキングシールド!

攻撃は防がれた!

 

「ワ、ワァーーー!」

 

レイジの連続R1攻撃!

紅蓮は刀で弾いた!

 

「そんなものか!全力を出せ!」

 

紅蓮の連続斬撃!

レイジは刀で弾いた!

 

「もう…ヤダーーーッ!!」

 

戦技、死屍累々!!血を纏った斬撃が紅蓮を襲う。

 

「何ッ!!」

先程まで素人当然の動きが急に洗練された動きに切り替わった。

 

致命的な損傷は受けなかったが何度か刃が身体に掠った。

 

「…君、何者だね?」

 

「…チイカワッ!」

 

「そうか…言葉は不要か。」

 

「さぁ続けよう!共に参ろうではないか!」

 

「ヤァアアアア!!」

 

「その動きはもう見切った!」

 

再び紅蓮の攻撃をギルガルドが防ぐ。

 

「また君か!邪魔をするならば…!」

 

ギルガルドはシールドフォルムからソードフォルムへとチェンジした!

ギルガルドのせいなるつるぎ!

紅蓮は刀で弾いた。しかしあまりの一撃に怯んでしまう。

 

「っ!?」

 

ギルガルドは王者の印を所持していた。故に怯んだ。その隙に赤い斬撃が紅蓮を襲う。

 

「なんとかなれーーーーーーーッ!!!!」

 

………

 

薔花は見た。

少年が自分を傷つけた上で自分達と同じ色の刀身の刀を得たことを。

自分の妹と斬りつけ合う様子を。

瞬間、脳裏に過った。

 

存在しない記憶を。

 

少年と彼女が互いに木刀を構えている。

少年が突っ込むが、彼女は容易く躱し、彼を圧倒してしまう。

 

「また、私の勝ちだな。」

 

「うぅ…、酷いよぉ…。」

 

「泣くな。私達の弟なら尚更な。」

 

「厳しくしすぎよ。レン。」

 

「姉さんはこの子に甘すぎる。だから何時まで経っても強くなれないのだ。」

 

「無理をさせてはいけないわ。レン。」

 

「さぁ、立って〇〇。手当してあげる。」

 

「うぅ…薔花お姉ちゃん…。ありがとう。」

 

「ふふっどういたしまして。」

 

あったかもしれない平穏な日常。それは突然壊される。

 

「〇〇…!何故だ!!何故、人類を裏切った!」

 

「何故…?そんなの当然でしょ。人類はこのままじゃラプチャーに勝てない。僕自身の力と僕の仲間達でこの世界から争いを消す。」

 

「それに言ってたよね。姉さん。甘いだけじゃ強くなれないって、だから僕は、自分に厳しくした。」

 

手首を見せる。そこには悍ましい切傷があった。

 

「ほら見て?僕、弱い自分が嫌いすぎてこんなになっちゃった。」

 

傷口に刀を当て、出血する。そして血溜まりができる。そこから赤い刀を取り出す。

 

「僕は自分がどうなってもいい。このまま化け物になってラプチャーも人類も根絶やしにする。そうすれば、皆幸せになれるんだから…。」

 

少年は私達に背を向け、ミュウツーとギルガルドに向かい合う。……待って。

 

「さあ…行こうか。」

 

「終わったのか?」

 

「ああ……血の繋がりなんてない姉達よりも僕は君達を信用する。」

 

「どんな異形であれ生まれた者達は蔑まれて良いはずがない。まともじゃない者達の味方に僕はなろう。」

 

『それでこそ我が王…いや血の君主よ。』

 

「最後に1つ挨拶して良いかな?2人とも。」

 

「ああ。これが"最後"になるだろうからな。」

 

少年は振り返る。

 

「じゃあね。姉さん達。楽しかったよ。"家族ごっこ"」

 

そして現実へと戻る。

 

視界が涙に溢れていた。

 

「ああ…あなたは…。」

 

「私達の"弟"だったのね。」

 

紅蓮に迫る刀を自らの刀で受け止める。

 

「……………。」

 

「は?」

 

 

………

 

 

突然の事実。どうやら僕はこの姉妹の弟だったらしい。

 

「んなわけあるかァァァ!!!」

 

だって初対面ダゾオメェ!

偽りの記憶にこう血がカッカ騒いできた!

血の君主の力は確かに得たよ?(アルセウス経由で)

そもそも僕はヒスイ時代に転移されてから誰かに預けられたりとかしてないし!それ以前の記憶ならまだしもさぁ!!

 

『王よ。惑うことなかれ。目の前の相手は何であれ斬り捨てるのみ———。』

 

「そうだ!それこそギルガルド!今一度力を…!」

 

ギルガルドを持って再び指を振る。そうすれば昨日の一撃を…!

 

ジャキンッ!!

 

ギルガルドは倒れた!

 

『お逃げなされ…我が王…!この者…只者ではない…』

 

ギルガルドがボールに戻った。

 

「ぎ、ギルガルドおおおおおお!!!?」

 

「ふぅ~まずは1人…いや剣だから1振りかしら?まあいいわ。」

 

「私達の弟を返して貰うわ。」

 

「貴様…!よくもギルガルドを!」

 

ミュウツーが構えた。

 

「あなたこそ、私達の弟を誑かして王にしようだなんて許せないわ。」

 

「王だと…?ギルガルドが言っていたのはレイジの呼び名だ!それ以外は何のことだかさっぱりわからんぞ!」

 

「急にどうした!?姉さん!この少年とは初対面のハズだが!!」

 

よかった!妹の方がまともだった!

 

「レン?忘れたの?この子は…私達の

 

「レイジは私のトレーナーだ!!!断じて貴様ら鉄人形の弟ではない…!!!」

 

ミュウツーがはどうだんを撃つが薔花はそれを躱した。

 

「私達のたった1人の弟よ。」

 

「貴様…!存在しない記憶を押し付けるな!!」

 

ごもっともである。

 

「ねえ、貴方本当に覚えてないの?私の名前、思い出せない?」

 

「今日が初対面なので知りません。さっさと…」

 

指を振る。ここはひたすらに指を振る。

…………期待の技が出た。この状況を打破する技を。

 

「お眠りいいいいいいいい!!!!!」

 

レイジのダークホール!!

 

「よっしゃあ!!2人ともGETォ!!これにて万々歳雨降って地固まるとはこのことy」

 

黒い球体に切れ目が無数に入る。

バリィンっ!!!

 

中から薔花が出てきた。

 

「ゑ?」

 

「お姉ちゃんを狭い場所に監禁だなんて…知らない間に独占欲が湧いちゃったのかな?」

 

「だいじょーぶ♪そんなことしなくても私があなたを捕まえちゃうから。」

 

目にハイライトが灯ってない笑みを浮かべながら彼女は近づく。

 

「その前にレンを解放しないとね。ちょっと待っててね。レイ?」

 

知らない間に変な呼び名がつけられた。これはやばい。

 

「ミュウツー…。メガシンカ。」

 

「ああ…。」

 

ミュウツーはメガミュウツーYにメガシンカした。

 

「あの球体もろとも!!サイコブレイクだぁ!!!!」

 

「言われなくともだ!!!」

 

一方その頃、ヨノワールは近接戦闘部隊が基地に居ない隙に指揮官を襲撃した。

 

「…もう一度チャンスをあげます。私達にニケ製造の設計図をお渡しできませんか?」

 

「断るッ!貴様らのような得体のしれない奴に渡してしまえば私の立場が…!!」

 

「大体なぜあんな使い捨ての量産型に拘る!?あんな鉄クズ……」

 

「ほう…鉄クズですか?人類の為に戦う彼女達を鉄クズ呼ばわりとは…許せませんね。」

 

「待ってくれ!頼む…!命だけは…あ、ああ!!」

 

ヨノワールは指揮官の頭を鷲掴みにし、肉体から魂を取り出した。

「これで…十分な人質は取れたでしょう。指揮官が居なくなった部隊は散り散りになり、戦力が衰えますが…。」

 

執務室にあったモニターを見る。画面の向こうでは、ラプチャー達をゴルーグやサザンドラが撃退している様子が映し出された。その奥ではリリーバイスがゴッデスを指揮して戦っている。

 

「代わりに私達とゴッデスがラプチャーと戦っているので問題はないでしょう。」

 

「さて、ご主人への手土産…そして今後の鍵となるニケ製造技術の入った記録媒体を受け取ることにしましょう。」

 

………

 

竹林を抜け、僕はひたすらに早く動いた。後ろからサイコブレイクのエネルギー波が押し寄せてくる。

しかしそれよりも早く動く人影が見えた。あのニケだ。

 

ムクホーク達と合流し、空高く、舞い上がる。

 

後ろからは誰も追いかけて来ない。何かが僕の足に触れようとしたが離れていく。

 

ミュウツーは無言で彼女の姿をじっと見ている。

 

息を切らしながら走ってきた僕にムクホークが何があったか聞こうとしたが察してくれたのか何も聞かなかった。

 

空を飛びながらミュウツーが話しかけてきた。

 

「危ないところだったか?レイジ。」

 

ミュウツーが心配そうに聞く。

 

「私はお前と彼女達との関係を知らない…。もしかしたら本当に…」

 

「それはない。それはないよ。ミュウツー。」

 

「僕はあの人達とは全く関係ない。」

 

「そうか…存在しない記憶を押し付けられるのは嫌なのはわかる。」

 

「だが私は…奴等と話し合うべきではないかと近々思うようになったのだ。」

 

「意外だね。君からそんな言葉を聞くなんて。心変わりでもした?」

 

「…あの姉妹を見て、ミュウのことを思い出しただけだ。」

 

「そっか…次会った時、考えておくね。」

 

ヨノワールと約束していた待ち合わせ場所に辿り着いた。辺りは霧に包まれており、人や動物の気配はしない。あるのは森に囲われた湖とその上にある桟橋のみ。

 

その場所は自分達のいた世界のとある場所と同じだった。

 

「もどりのどうくつ…。この世界にあるということは…」

 

「……久しぶりですね。レイジさん。」

 

「ゼドァ!」

 

洞窟の前にある男が立っている。その隣には犬の姿をしたジガルデがいる。

 

「Fさん…。それにジガルデも。」

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。話がまとまってきたので投稿スペースを早めます。
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