■シリーズ
最終回に向かう奈落家

■キャプション
また一つ、彼女らの自由が進む。

1 / 1
----------------------------------------------------------------


■まえがき

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ 奈落家のいつもの設定確認

・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回はカフェ。モデルは珈琲館。)

・奈落家の服装は、原作通り。

・奈落さんと分身たち皆生存していて
人見蔭刀に仕えて
皆一緒に人見城に住んでいる設定です。

・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
(5月末~6月初めあたり)

ストーリーのジャンル:ほのぼの・少しコミカル

(pixivにも同時に投稿)

では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。

----------------------------------------------------------------



第1話

帰還は遅れると奈落に言ってあるから

きっちり夕はんまでに帰らなくていい。

 

季節は梅雨前。

しかし若干悪天候。

外は小雨。少し肌寒い。

 

人見家の姉弟 神無、神楽、白夜の三人は

仕事が終わって夕方過ぎ、

前から気になっていたいい感じのカフェに入る。

 

角の広めのテーブル席に付いて

ホットコーヒーを3つ注文する。

 

座ると共に出て来たお冷は

水がたっぷりで氷も多め。

「生き返るわー」と神楽。

三人はそれまで仕事だったので

のどが渇いていた。

神楽の言う通り生き返るが

安い幸せである。

 

ホール担当のメガネのおねえさん店員は、

三人の注文したホットコーヒーのカップを

それぞれの利き手に向けて置いてくれる。

 

給仕の仕方も言葉遣いもすごく丁寧だ。

 

店員さんのとても良い対応も相まって、

「やっぱ遠くの大きな自由より

近くの小さな自由だよなー」と神楽。

 

そう言って飲んでいるのは

一番安いブレンドコーヒーである。

 

だが、シンプルな味わいでとてもおいしい。

 

今日も小さな自由を享受する三人。

 

白夜が神楽に答えるように言う。

「まぁな。でも俺は遠くの自由に

あこがれてるだけでもいいと思うぜ?」

 

「えー、でも今、自由してんじゃん?」

 

「…してる」

神無も。

 

「そうだけどさ、もしもの話、

小さな自由は自由でいいけど、

結局、救いはねえじゃん?

だったら幻でも大きな自由に

あこがれるだけでもいいと思うんだ」

 

「あたしらとの自由はどうでもいい訳?」

神楽が言うと、

神無もぷくっと少しふくれっ面な顔をして見せる。

 

「そうじゃねえよw

なんか、あこがれつつあんまり期待しないで

目の前のことをその都度きちんとしてこうかなってさ」

 

「じゃあ結局、小さな自由は楽しむんじゃん」

 

「そうなんだけど、ただ最後の最後は期待しないで

おこうかなって話。姉さんたちに最後に

奈落に奪われている心臓が戻っても

俺の命は最後の最後まで奈落と一蓮托生だし、

本当の自由は無いかもなってさ」

 

「あたしが言うのもなんだけど、別にいいさ。

本当に最後まで一緒にはいられねえかもしれねえ。

でもせめて途中くらいは一緒に楽しもうぜ?」

 

「…楽しもう」

神無も。

 

「ああ。頼む」

白夜は救われたかのようにはにかんで返答した。

 

「と言う訳で、」

テーブルのボタンを押して店員を呼び、

バニラとチョコのアイスクリームセットを

注文する神楽。

 

「姉さん、自由だなーw」

 

「…w」

神無もウケている。

 

いつもの三人に戻った。

 

「いーの! これは経費じゃねえから

奈落にバレねえ」

神楽が小さくフフンとした後、

顔をほころばせた。

 

神無と白夜も同じ物を注文した。

 

そのとき、自由は確かにそこにあった。

カフェの優しいBGMが三人をそっと包んでいた。

 

店の外の植え込みには、

小雨に濡れたあじさいが穏やかに咲いていた。

 

おわり

 

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。