Pokemon Legends YAKUZ−A!   作:洋菓子職人II

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ピュールの相棒ズルッグはジャッジアイズの人気投票1位のあの人です!
 ※因みに昨日までは田中シンジをインストールする予定でした


カズマ、バトルゾーン本参戦!

夕暮れに染まり、電脳的な赤いホロが浮かび上がり始めたバトルゾーン。その入り口のゲート前で待っていたのは、ダンスの練習を終えたデウロと、もう一人のMZ団メンバー――ピュールだった。

 

 「お待たせ、二人のとも! 結構待った?」

 

 タウニーが手を振りながら駆け寄ると、デウロがすぐに笑顔で振り返る。

 

 「ううん、わたしも今来たところだよ! あ、カズマも一緒だったんだね!」

 

 デウロの言葉に、隣にいたピュールが不思議そうに視線を動かした。その目は、タウニーの隣に立つグレーのジャケットの男――顔面凶器さながらの以下省略、カズマを捉え、怪訝そうに細められる。

 

 「タウニー……ボクは街中で『16歳の男』を必死に探してたハズなんですけど。一応聞きますけど……そこの隣に立ってる明らかにその筋の本職っぽい男の人は、一体誰なんです…?」

 「あはは! ごめんピュール、紹介するね。この人が新メンバーのカズマだよ! でカズマ、こっちがMZ団のピュール!」

 

 タウニーがあっけらかんと紹介すると、ピュールは「はぁ……?」と文字通り唖然とし、何度もカズマの顔と体格を凝視した。しかし、そこはさすがMZ団のメンバー、及びミアレシティの住民だ。その凄まじいオーラに圧倒されつつも、腰を抜かすことなくカズマの正面へと歩み出た。

 

 「……なるほど。タウニーが言ってた16歳って、アンタのことだったんですね。ボクの想像の斜め上を突っ走りすぎてて、正直めちゃくちゃビックリしてますよ。ボクはピュール。よろしくお願いします。カズマ」

 

 「あぁ。カズマだ。……すまねぇな、お前を無駄に歩き回らせちまったようだ」

 

 カズマが低く重厚な声で応える。しかし、その二人のやり取り――何より、この男を前にして、平然と「アンタ」呼ばわりして見下さないピュールの態度を特等席で見ていたニシキは、完全にキャパシティをオーバーしていた。

 

 ニシキは丸い目を白黒させ、胸ビレを頭に当てて、ガチガチと小刻みに震えながら現実逃避の海へとドボンと飛び込んだ…

 

 『おい…おい…嘘だろ……?… 待て、待ってくれカズマ……。女だけじゃねえ、この街は男のガキまで頭のネジがハジけ飛んでやがる……ッ! なんだよピュールって奴、お前のツラを正面から拝んどいて、平然と『アンタ』呼ばわりしやがったぞ……? ビビるどころかタメ口混じりの敬語ってどういう度胸だよ!?』

 

 ニシキはハァハァと激しく息を荒くしながら、床の上で力なく横たわり、狂ったように尾ビレをパタパタと打ち鳴らした。

 

 『あ、ありのまま今起こったことを話すぜ……。俺らが今いる場所は、本当は華の都『ミアレシティ』なんかじゃねえ……。一歩歩けば常識が通用しねえバケモノどもがウジャウジャいる、血煙の血闘郷、修羅の街――『身荒死亭』だったんだよォォォッ!!! カズマ、俺らとんでもねえディストピアに足を踏み入れちまった!間違いないッ!!そうだと言ってくれ!!!』

 

 言葉にはならないが、ニシキの脳内ではあまりのカルチャーショックに、ミアレの漢字表記が最高にヤバい暴走族の当て字のようになっていた。

 

 隣では、ススムが『先輩、お気持ちは分かりますが、ワシらは前を向いて突き進むしかありませんわ……』と、モーモーミルクの余韻に浸りながら冷静に先輩を宥めている。

 

 カズマはそんな相棒の錯乱?を綺麗にスルーし、ジャケットの襟を軽く直しながら、ピュールとデウロに向かってドッシリと頷いてみせるのだった。

 

 「よし、それじゃ改めてバトルゾーンの基本ルールを説明しておくね。――まず一つ目。バトルゾーンに入ったら、手持ちのポケモンは常にボールから外に出して連れ歩くこと!」

 「ボールから出しておく、か。何故だ?」

 

 カズマが問いかけると、タウニーはゲートの奥に広がる、夕闇に包まれた薄暗い路地を指差した。

 

 「この中ではね、屋根の上からの奇襲や、曲がり角での待ち伏せによる『不意打ち』が公式に認められているんだよ。不意打ちが認められている理由は、理不尽に遭っても対応できるか、本物のトレーナーとしての技量を見極めるため。そして、ボールから常に外に出して連れ歩くのは、今言った不意打ちとかの理不尽な状況を、運営が『意図的に』引き起こしやすくするために設けられているルールなの」

 「なるほどな。綺麗事の並んだ机の上の勝負じゃなく、ハナから不条理な修羅場を生き残れるかどうかを試すってわけか」

 

 カズマがグレーのジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、不敵に目を細める。ニシキは『うへえ、どいつもこいつも物騒なこと考えやがるぜ……』と、抱えられた腕の中で小さく身を震わせた。

 

 「そう。だからカズマが先制攻撃として、気づいていない相手に不意打ちを仕掛けることも勿論できるからね!」

 「……だが、俺は背後から人を襲うような真似は、あまり好まないんだがな……」

 

 カズマが不機嫌そうに眉根を寄せると、タウニーは「ふふ、カズマらしいね」と微笑み、二つ目の指を立てた。

 

 「じゃあ二つ目! ポケモンバトルをするときは基本的に一匹だけ、及びタイマンをすること! ポケモンの所持は最大六匹までだけど、一回の戦闘時間が長くなっちゃうからね。まぁ、これは最初のランクの話で、これからランクアップしていけば、二匹、三匹を繰り出す複数戦もできるようになるよ」

 「タイマン、か。そいつは分かりやすくていい。階級が上がれば、それだけ大掛かりな抗争(バトル)になるってわけだな」

 

 カズマが納得したように頷くなか、タウニーは最後に、少しだけ声を潜めて真剣な眼差しを向けた。

 

 「最後にカズマには全然関係ないことだと思うけど……格下ばかりと戦うと『ペナルティ』を食らうから、絶対にやっちゃダメ。弱い者イジメだし、運営はそんなことをするトレーナーを絶対に認めないって言っているよ」

 

 タウニーは少しだけ複雑そうな、怒りと割り切れない感情の混ざった瞳で路地の奥を見つめた。

 

 「……ただね。世間じゃ手段を選ばず強引な力でポケモンを従えている悪徳トレーナーが問題になってるけど、このバトルゾーンはちょっと違うの。強引に従えているんじゃなくて……ポケモン自身が悪辣というか…そう言った悪質なトレーナーの言うことを聞くの。悪には悪の『絆の形』がある。お互いが悪意で深く結びついて、喜んで格下を蹂躙してる……あたしは正直、そんなの認めたくないんだけどね……」

 

 タウニーの言葉には、ミアレの裏社会の暗部で「悪の絆」を武器にのし上がろうとする、冷酷な連中への深い憤りが滲んでいた。カズマはタウニーの言葉の裏にある不穏な影を感じ取りながら、どっしりと胸を張った。

 

 「心配いらん、タウニー。俺の生き様(ポリシー)としても、自分より弱い奴に拳を振るうような真似は絶対にせん。――戦うなら、自分より強い奴か、あるいは……」

 

 カズマは腰元を軽く叩き、新しく入ったススムと、腕の中のニシキを見つめる。

 

 「戦うべき理由がある奴だけだ。それが悪辣な絆を誇る奴らなら、俺たちの絆で真っ正面からその(つら)ァ叩き潰すまでだ…!」

 

 「うん……! ありがとう、カズマ!」

 

 カズマの力強い言葉に、タウニーの表情は一瞬で晴れやかな笑顔へと戻った。ピュールは「へえ……。やっぱりアンタ、16歳とは思えないほど芯が通ってますね」と緩い敬語で感心し、デウロも「カズマ、今の本当に格好いいよ!」と目を輝かせている。

 

 カズマはタウニーに言われたルールに従い、一度ススムをモンスターボールへと戻した。現在の手持ちは、小脇に抱えたニシキだけ。理不尽な奇襲に対抗するため、準備を整えてからバトルゾーンに踏み入れた。

 

 カズマに続いて、タウニーたちもそれぞれの相棒をボールから解き放った。その時、ピュールが呼び出したのは、格闘タイプのポケモン――『ズルッグ』だった。

 

 だが、そのズルッグは光から現れた瞬間、だるそうに腰の皮を引っ張り上げる仕草を止め、その切れ上がった三白眼をギリリとカズマ、そしてニシキへと向けた。

 

 『……あァん? 何やコラ、新メンバーだか何だか知らねえが、舐めたツラして俺らのシマに足踏み入れとんか。おい、カズマいうたな?お前、ええ度胸しとるやないけ。…ちょい待て…そこまでガタイが良すぎる16歳がいてたまるかよ!どんな遺伝子してんだテメェ!』

 

 言葉は通じない。しかし、その立ち振る舞いから放たれるのは、ぶっきらぼうなチンピラ風の口調と、隠しきれない鋭いツッコミ気質――不器用にメンチを切りながらも、その圧倒的な風格に内心ツッコミを禁じ得ないその様子は愛されるツッコミキャラの雰囲気を醸し出している…

 

 「はいはい、『トオル』いきなりメンチ切らないの。キミは本当に、すぐにそうやって虚勢を張るんだから」

 

 ピュールは焦る様子もなく、むしろトオルの不器用なツンデレ気質をすべて分かっているかのように、優しく微笑みながらその頭をポンポンと宥めた。

 

 『るせえ! 虚勢なんか張ってねえわピュール! 俺はただ、このおっかないツラした新入りに、先輩としての教育をしてやろうってナシをしてんだよ! ……お前、俺の心配する前に、自分の緩いガードをどうにかしろっていつも言ってんだろ!』

 

 ピュールを「お前」とぶっきらぼうに呼びながらも、その言葉の裏には、ピュールを置いてけぼりにしないトオルなりの不器用な信頼と深い気遣いが滲み出ている。

 

 そのトオルのギラついた、しかしどこか筋の通った闘志を見たカズマは、グレーのジャケットのポケットからゆっくりと手を抜いた。そして、低く、重厚な声でぽつりと呟いた。

 

 「……そうか。よく考えなくても、ここにいるトレーナーは全員ロワイヤルの参加者。ルール上、ピュール……お前とここで戦っても、何も問題はないわけか」

 

 カズマの目が、静かにバトルの色へと染まっていく。するとピュールは「えぇ……?」と困ったように肩をすくめ、ため息交じりに頭を掻いた。

 

 「勘弁してくださいよ、カズマ。ボク、正直バトルはそんなに得意じゃないんですけど……。本当にやるんですか?」

 「あぁ。相棒がその気になっているのなら、その喧嘩を買って付き合ってやるのも、トレーナーの務めじゃないか?」

 

 カズマは小脇に抱えていたニシキをそっと地面に降ろした。ニシキは床の上で器用にバランスを取りながら、今朝の鬱憤をすべて晴らすかのように、丸い目をパッと見開いてトオルを睨み返す。

 

 『おうおう、面白えじゃねえかズルッグの兄ちゃんよぉ! 挨拶代わりにそのスカしたツラ、俺の『たいあたり』でひっくり返してやるよ! カズマ、俺にいかせてくれ!』

 「気合入れてけよ、ニシキ」

 

 カズマがどっしりと軸足を構え、グレーのジャケットの襟を軽く正す。

 

 「はぁ…これも『理不尽』の一つ、という訳ですか…行きますよ…『トオル』!」

 『おうよ!』

 

 相棒の暴走により、唐突に始まったMZ団の身内同士による、不器用な男たちの『理不尽』なタイマンバトルが、いま静かに幕を開けようとしていた…!




 本当はルカリオに春日一番を入れる予定だったけど思い返すとルカリオに適正のある如くキャラが多すぎて悩んできた…

 桐生ちゃんで懐き進化を満たしているキャラが多すぎるんですよ…シンジ、大吾、ファイター…あ〜…どうしよう…
 大吾がトレーナーなら峰がルカリオになれるしどうすれば…

 ガバガバチャート練り直すしかないのかぁ…?
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