設定が被っちゃった…!いないと思ったから執事にしたのに…!
でもマイス、面白くて良き( ^ω^ )b
「どうして、俺の事を知っている?」
多少の困惑と警戒を綯交ぜにしながら、ショウマ様は問いかける。う~む……どうにも彼、ないし彼らは闇菓子に関わっているグラニュートの中でどういう評判なのかイマイチ把握していない様な感じだ。
まあ、彼らからすればヒトプレスを回収して人間たちを解放出来れば良い訳だからあまり関心が無いのも無理は無い話か。
「先の言葉通り私はニエルブ様の助手です故、ショウマ様のデータには逐一目を通しております」
「データだと…」
「はい。ショウマ・ストマック、ストマック家の末弟にして唯一のグラニュートと人間の間に産まれたハーフ。父のブーシュ・ストマック氏の死後、ストマック社から粛清という形で暗殺をされかけ、母と死別しつつ人間界に落ち延び、仮面ライダーとして闇菓子に関わったグラニュートを狩るものとして活動、現在は…まあここまでにしましょうか」
「そんなに詳しく俺の事を……!」
流石に他人の目がある今、『はぴぱれ』の事はまで喋ってしまえば、復讐という名の八つ当たりをしようとしているジープを喜ばせるだけだろう。最悪、お嬢様も便乗しかねない。淑女として恥ずべき行為は、執事として見逃せん。
「赤ガヴの事なんてどうでもいい!私が、コイツを倒さなきゃいけないんだ!……誰が、お前の助けなんて……「勘違いをされては困ります」っ!?」
フラフラとダメージの蓄積した身体で前に出てきたジープを遮りながら俺は彼の足を払い、のけ反った勢いのまま宙に浮かせて彼のガヴにベイクマグナムを突き刺す。
「かは……ッ!?」
「な、なんでジープを!?」
「私はお嬢様の命に従ったまで。貴方の言い分を聞く義理はございません。……それに、出来もしないことを口にするものではありません」
そのまま威力を調節したベイクマグナムを連射し背後に押し戻す様にジープを吹き飛ばす。
「グアァアアアア!!!??」
「仲間じゃ、無いのかよ…!?」
「我がジャルダック家の教育方針です。聞き分けのない子供には鉄槌を。……お陰で何度お嬢様に拳を振るうハメになったことか」
マジで年を重ねる事に我が儘がグレードアップしていくからなウチのお嬢様は。最初は叩くだけで済んでいたのが今では拳骨を落とさねばならないのだからお手上げだ。
「お前ェ……っ、よくも……!」
「それはご自分の立場を弁えてから言って欲しいものですね、婿殿。それよりもお嬢様!見ていないで婿殿を回収して下さい!」
恨みがましい視線を向けてるがクソガキの言い分なんぞゴミだ、ゴミ。グラニュートは力が全てであり、ジープはショウマ様に敗けたのだ、自分たちのルールを受け入れられないのは本気で見苦しい。
そう思いながらも、少し離れた場所でニヤニヤしながら見ていたお嬢様に声を掛けると、頬を膨らませて抗議しながらこちらにやって来る。
「酷い執事。主人の夫をぶっ飛ばしただけに飽き足らず、趣味まで奪うなんて」
「お嬢様の、ひいてはジャルダック家の為ならば何度でもそうしましょう」
「知ってる♪ほらジープ」
いつも通りのやり取りをしながらお嬢様は婿殿の側に寄り添って、楽しんでいる様な慈しんでいるような優しい顔をしながら支えていた。
「ァ……リゼル……」
「ダスクの戦いなんて久しぶりよ!見ないと損よ損!」
……これあれだな、俺とショウマ様をだしにしてジープの惨めさを煽って壊れていく様を楽しむ気だな。ホンっと悪趣味なんだからウチのお嬢様は……。
「フゥ……お待たせ致しましたショウマ様。始めましょうか」
「どうしても、やるのか?」
「はい。私自身、今どれだけやれるのか確かめたいので……お相手を勤めさせていただきます」
宣言と同時にベイクマグナムからサクッサクッという擬音がそのまま弾丸として放たれた。
「ハッ、デアッ!」
しかしそこはショウマ様に一日の長あり、既にブレイクッキーとの戦闘をこなしていた事による経験から即座に
「これぐらいは捌きますか!」
ベイクマグナムの銃身でレイピアを受け止めながら、氷の様な青い複眼が俺を睨み付ける。主役のライダーの闘志って間近で敵として受けるとおっかない事この上ないな。
「どうしてストマック社に加担する!」
「無論、我が主のご意向によるもの!……要するに仕事です」
「そんなことで、皆の幸せを奪わせ……うわっ!?」
主人公らしい問答だが、今口にした通り仕事なのでね。悪いけど小手先を使わせて貰おうか!
ビターガヴからガヴガブレイドを飛び出させ、ショウマ様を怯ませると、そのままブレイクッキーの力で炎を纏ったガヴガブレイドを斬り上げる。
「なんの!」
しかし間一髪ショウマ様は後ろ宙返りを放ち、俺の斬撃を避けると、レイピアの先端からアイスクリーム状の弾を放ってくる。
「今のを避けます……か!」
炎を纏ったままのガヴガブレイドでアイスクリーム弾を溶かして払いながらショウマ様に接近するが……。
『ホイップパーティー!』
「これは!?くぅ…!!」
既に第2の布石として放たれていた、ショウマ様のアイスクリームの眷属が俺に対して長槍で応戦し、動きを封じに掛かる。
「しゃらくさいですね。ですが、眷属は往々にして本体よりは弱いもの……ほらこの通り!」
いかにショウマ様の眷属といえどビターガヴの力には及ぶべくもなく、長槍を持ち上げてがら空きになった眷属の胴体を真っ二つに斬り捨てる……しかし。
『『デコレーション!』』
『『ホイップパーティー!』』
「まだまだ!」
追加で二体放たれたソフトクリームの眷属が両脇から長槍を振り下ろす。でも、眷属の力は既に見切っている。
「甘いですよ」
特に苦労することなく受け止める事に成功、恐らく追撃してくるであろうショウマ様を迎え撃つ為に前に出ようとするが――俺の体が前に出ることなく引っ掛かるように止まる。
「っ、と…なんです?」
受け止めた筈の長槍から両腕が離れない。それどころか茶色いベタつく何かに絡め取られている?……この匂いは……キャラメルか!?
「貰った!」
『カッチーン!アイスイリュージョン!』
困惑して対処が遅れている私を他所にショウマ様が赤ガヴのゴチゾウを風車の様に回すと、私の周囲をアイスクリーム状の氷の槍が展開される。
「ダアアアアアッ!!!」
気合い一閃とばかりにショウマ様が吼えると、それに呼応して展開された氷の槍が一斉に私目掛けて飛んでくる。流石に直撃は不味いな!
「スゥゥゥゥゥ…………フンッ!」
大きく息を吸って全身に力を籠めながら両腕にくっついたままの長槍を自分から絡める様に掴み、眷属ごと振り回して氷の槍を打ち砕く。
「ハアァァァアアッ!!」
「そんな!?」
ショウマ様は必殺のつもりで技を放ったのだろうが、この場合技を放った時点で眷属を消しておく、もしくは眷属を3倍は召喚して完全に俺の動きを封じておくべきだったのだが……それでも。
「フゥー……いやはや、流石はショウマ様。直撃していれば死にはしなくとも重症でしたね」
誇りを払う様に身体を叩くと、ブレイクッキーの鎧がボロボロと崩れ落ちていく。ある程度クッキーが身代わりになったとはいえ無傷では済まなかったか……もうクッキーが仮面と左肩、胴体に半分程しか残っていない。
「成る程、今までのグラニュートたちが敗れた理由がよく分かります」
応用力と手数が凄まじすぎる。それにショウマ様本人の戦闘センスもずば抜けている上、人間界に来るまでの過酷な環境に耐え抜いた忍耐。これらが合わさって今までの戦いを生き抜いてきた……素直に感服する。
「そんなこと、褒められたって嬉しくないよ……」
「でしょうね。貴方はいつも最後の猶予をお与えになる……お優しい方なのでしょう」
「なら……どうする?二度「そのセリフにはまだ早すぎるのでは?」えっ?」
危ない危ない、流石に今止めを刺される気は毛頭ないぞ?第一、まだ鎧が砕かれただけで俺はピンピンしているというのに。
「まだ、そこまで追い詰められてはいませんから」
あくまで優雅に、執事として主の品格が疑われる様な事の無いように、堂々と闘志を燃やす。
「さあ、いつまで見ているのです?主のピンチですよ?眷属だというのなら駆けつけなさい」
この場で眺めているのは何もお嬢様や婿殿、ショウマ様のゴチゾウだけではない。無論、我がゴチゾウも待機させている。呼び掛けに答える様に物陰からスパーキングミが飛び出す。
「そのゴチゾウ……!」
「どうか悪趣味と思われぬよう。何分、勝手が分かっているのはこちらの姿ですので」
飛び出した勢いのままビターガヴに自ら食われるスパーキングミ。弾き飛ばされ昇天されていくブレイクッキーを見送りながら、ビターガヴのレバーを回してボタンを叩き込む。
『ギャハッハッハッハ!』
『スパーキングミ…! ヤミー…!』
残り少なかったクッキーの鎧が姿を消し、代わりに素体から湧き出る様にジュワジュワと炭酸の音を響かせスパーキングミの鎧が形成される。
「俺の、そっくりさんが使ってた…!」
「先程も述べた様に、こちらの方が勝手が良いのでね!」
再び現れた因縁の姿に呆然としている所悪いが、速攻を決めさせて貰う。伸ばした腕でショウマ様の襟首を掴み、そこを起点にゴムが戻る反動を使い、膝を打ち付ける。
「うわっ!?」
大きくのけ反りながらもショウマ様は素早くバク転、即座に反撃に打って出る。手の甲のアイスを舐めるとその冷気をそのまま吐き付ける。
「ハアァアアアッ!!」
「そう何度も動きを停められては敵いません」
着地狩りを狙ったのだろうが、一歩俺の方が速く着地し、その衝撃をそのままグミの反動に変えて飛びかかる。
「オオオオオオッ!」
「ダアッ!」
膝蹴りの時に手放したショウマ様のレイピアとガヴガブレイドを手に斬りかかる。だがショウマ様は自身のガヴガブレイドを鋭い氷に包み、リーチを伸ばす事で俺の二刀流を防ぎきる。
そのままつばぜり合いに発展し、動きが止まる俺たち。方やグラニュートとしての自力で勝るが攻めきれない俺、一方のショウマ様は手数と応用で乗りきっているが極めきれない。ここにきてお互いが思うことは同じだった。
「つ、強い…、あと一歩攻めきれない…!」
「末恐ろしいお方だ…一体何度感嘆させられることか。ここまで手こずるのは初めてですよ」
加えて、ショウマ様は未だ全力ではない。マーゲンやランゴを打倒したという二つの姿をまだ残している。ビターガヴに成り立てで能力に慣れていない今の俺ではまだ倒せないだろうな。
だが、俺にも勝機が残っていない訳では無い。ショウマ様の
「くっ……あっ!?」
その瞬間が訪れる。ショウマ様のアイスのゴチゾウがドロドロと溶け、力が失われ、生体鎧も同様に溶けて消えてしまう。当然、俺が手にしていたレイピアも消えてしまうが、ガヴガブレイドは自前の物。悪いけど…。
「時間切れですか……呆気ないですが、此にて終いに御座います」
多少の勿体無さや残念感を感じながらも、俺が職務を放棄する事は無い。ジャルダック家の障害足りうるグラニュートハンターには退場願うとしよう。
「ま、まずっ…!」
「おさらばです。ショウマ様!」
ガヴガブレイドをショウマ様目掛けて振り下ろ――した所で、光の矢が無数に放たれ、ガヴガブレイドと俺をショウマ様から弾き飛ばす。
『ヴラムシューティング』
「ガッ……!?」
「あっ、ラキア!」
その矢を放ったのはもう一人のグラニュートハンター。ミリタリーアーマーの様にプリンを身に纏う仮面ライダーヴラム。……ニエルブが造った厄介者である。
「だる…、無事かショウマ」
「ありがとうラキア」
「礼はいい……しかしまたビターガヴか……ニエルブの奴、厄介な事を」
気だるげに歩みながらも此方にしっかりと照準を向けながらショウマ様を庇う様に立ち塞がるラキア。…正直、気まずい。幼い頃に近くに住んでいた事もあり、知らぬ仲って訳でも無い……。
「厄介なのはこちらのセリフです。……まったく、ニエルブ様から貴方の事を聴いた時は何をしているのかと思えば……随分同族狩りが板に付いたのではありませんか?ラキア」
「その声……ダスクか?」
ラキアは俺の声を聞き、ビターガヴの正体に気づいたようで、普段ダウナーな態度であまり表情を変えない彼にしては珍しく驚きを隠せていない。
「ラキア、知り合い?」
「……昔馴染みだ。まさかストマック社に居たとはな」
「利害関係が一致しただけです。私個人としては別段、ストマック社にも闇菓子にも興味はありませんよ」
「鼻に付く喋りしやがって……!」
ラキアは先程の弓――ヴラムブレイカーを鎌に変え、俺に振り下ろすが、間合いを見切ってガヴガブレイドで受け止める。
「昔のようにはいきませんよ。こちらにも立場があるので」
「相変わらず、ありもしない力を求めてんのか!」
「そうですね……でも今は存在するんだよ、ラキア」
問答もそこそこ、ラキアを蹴りながらヴラムブレイカーを弾き、甘そうなプリンの仮面に殴りかかり――受け止められる。
「それが、ビターガヴだって言うのか」
「お前だって、力を求めたから
「……だる」
気だるげに苛立ちながらラキアの鎌が振るわれ、チェーンソー状の刃でスパーキングミの生体鎧が抉り剥がされる。やっぱり、ラキアの方が一枚上手かぁ……。
「グッ、言葉と行動が一致しないのは変わりませんな」
「黙れ……!」
鎧が剥がれた部分を的確に狙いやがるラキアの攻撃をいなしながら、先程見つけたあるものを回収する。
『アァ~!?』
『ワッ!?』
「捕まえましたよ」
それはショウマ様のゴチゾウ。それも都合よく水色のグミのゴチゾウの様だ。暴れる彼らを抑えながらビターガヴにスパーキングミを入れ換えて再び赤黒いグミの鎧を纏う。
『スパーキングミ…! ヤミー…!』
「確かこうするのでしたね」
そのまま連続で青のゴチゾウ、パンチングミを二匹連続でビターガヴに喰らわせる。
『BITE グミ BITE グミ BITE グミ』
『ギャハッハッハッハ!』
『パンチングミ…! ヤミー…!』
シュワシュワコポコポと水色のグミが両腕に纏われパンチングの名の通りふた回りほど巨大になったグミの豪腕が形成される。スパーキングミと同系統のゴチゾウ故が凄く相性が良い。妙な拒絶も無くショウマ様のゴチゾウの力が使えるようだ。
「そんな!俺のゴチゾウたちが!」
「ええ、全く嬉しい誤算だ。これで足りなかった手数と決め手が増えました!」
ソーダグミの両腕を打ち鳴らしてその豪腕をラキアに振るう。当然腕が大きくなった分速度は落ちてしまったが故、ヴラムブレイカーを盾にして受け止められるが……
「ラキア、駄目だ!」
「な、ガハァ!?」
受け止められると同時にグミがその弾性によって伸縮する事で反動を産み出し、反動から衝撃に変わってラキアを弾き飛ばす。
「正味、貴方が一番厄介なんだ。これで決めにする」
グラニュートであるラキアは力任せに押し通る事も頭脳戦で絡めとる事も出来る万能型の戦士だ。止めを刺せるうちに刺しといた方が様々な面でもジャルダック家にとって良いだろう。
『BEAT YOU BEAT YOU BEAT YOU』
巨大なグミの拳の隙間にビターガヴのレバーを挟んで回し、エネルギーを豪腕に漲らせる。……メチャクチャ回しづらいなコレ。
レバー操作に四苦八苦しながらもどうにか溜めきり、反対の拳でスイッチを叩き込む。……ちゃんと当たってるよね?
『ギャハッハッハッハ!』
『DEVOUR…! パンチングミ…!』
グミの拳の内部でエネルギーと共に炭酸がシュワシュワと迸り、弾ける。スパーキングミと反応を起こしているのか、以前ニエルブに見せられたショウマ様の戦闘記録の拳よりも威力が高い気がする。
「ハァアアアア!!」
「させ、るかぁ!」
『ケーキング!』
右の豪腕がラキアの胴体を捉える寸前でケーキの王冠と鎧を纏ったショウマ様が割り込み、レイピアで受け止める。
「ウ、ォオオオオオオッ!!!」
「ショウマ……そのまま抑えてろ!」
ショウマ様がグミを抑えている間にラキアが復帰、直ぐ様俺にヴラムブレイカーを振りかぶる……ご丁寧に必殺技まで使用して。
「これで終わりだ……ダスク!」
『ヴラムスラッシュ』
エネルギーを纏い、更に鋭く狂暴になったチェーンソーが俺の首目掛けて放たれるが……
「甘いよラキア、お菓子の様に甘い!」
「なに…!?」
グミの豪腕は右だけじゃなく左にもある!俺はその左の豪腕でヴラムブレイカーをレイピアと同じように受け止める。
「クソッ…!」
「負けるかァァ!」
「いいえ!此度は私の勝ちだ!」
多少不恰好になるが、二人が両腕を支えてくれるなら話は別だ。俺は両腕を受け止めさせたまま前のめりになり、地面が陥没する程大地を踏みしめて二人をガードごと押し込んで吹き飛ばす。
「デェヤァアアアア!!!」
「「グァアアアアア!!?」」
爆発と共に吹き飛ばされた二人はダメージの蓄積によるものか、鎧が溶け変身が解除された。
「ダスクの奴、噂で聞いたよりも強くなってやがる……!一旦退くぞショウマ!」
「う、うん…!」
連戦でボロボロのショウマ様よりダメージの少ないラキアが彼を担いで去っていく。相変わらずこういう危機に関する判断は速いなぁ……でも。
「逃がしませんよ」
そう易々と逃げられてもこちらが困る。俺は去っていく二人の背中に向けてベイクマグナムを構える。確実に葬る為に最大火力でだ。
「ジャルダック家の不利益足り得るお二人にはここで――ゴハッ!?」
そう思いベイクマグナムにスパーキングミを装填しようとするその時――突然、胸とビターガヴに痛みが走り、身体から閃光が迸りながら変身が解除された。
「ゲホッ!ゲホッ!……ァア"、こ、れは……?」
それと同時に力が身体からフッと抜けてその場で踞り、口から冗談の様な量の血の塊が吐き出される。
「なん、デ……あぁ……そう、いう事、ですか」
苦しみながら昇天していくパンチングミと未だ痛みを強く訴えるビターガヴの現状から察するに、自分から産み出された訳ではないショウマ様のゴチゾウを直接ビターガヴに使った事の反動ですねコレ……。迂闊だったなぁ…。
「……お二人、は、もう行ったか……」
既に撤退して姿が見えないショウマ様とラキア。……まぁ、いきなり仮面ライダーを二人も倒すなんて都合の良い話があるわけ無い。打ち勝って撤退させられただけでも初陣は成功だろう。
「お嬢様と、合流して……研究室でニエルブと相談、だな」
口元の血を拭う事すら忘れている癖に長年の賜物か、自分が吐いた血をベイクマグナムにブレイクッキーを装填して放つ火炎弾で滅却する。
「これで良し。さて、婿殿共々、大人しく帰って下さると嬉しいんだが……」
まあ、無理だろうなと半ば諦めつつ、お嬢様の元に戻る。判明した自分自身の問題の解決に注視しながら……。