人類防衛特殊部隊フェンリア   作:瀬笈鵺

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今回は前回が遅かったので今回は少し早めに。楽しんでいってください。


連れ帰れぬ者

防壁内第6地区酒場。酒場とは言え酒は少なくどちらかと言えば集会所、または子供達の遊び場。その酒場のとある一席。

 

少女「本当にあの子に協力するの?」

少年「ああ、『約束』だからね。僕はあの人に頼まれた事を守りたいんだ。」

少女「でも、それはこっちを敵に回す事になるけど?」

 

少年は水の入ったコップを手に取り水を飲み干す。コップを置き、口を開いた。

 

少年「あっちにとっては僕なんかどうでもいいと思っているかいいコマのどっちかだからね。それだったら、彼女に人類の『希望』となってもらいたいね。君も、協力してくれるんだろ?」

少女「まぁ、ね。命令聞いてるよりこっちが楽しそうだし。」

少年「はは。それじゃ、行こうか。」

 

フェンリア基地からの通信

これよりブリーフィングを行う。今回の任務は行き先のわからんブレ軍曹の捕獲だ。備品を持ち込んでいるおかげでどこに行ったかわかるのが幸いだ。いちいち生命確認装置を付けてあるからな。ここから南南西にある森に居るのが確認された。あそこは前々から調べようとしてはいたがタイミングが悪くバースの襲来が来るものでな。出来ればそこの調査を頼みたい。それと、美波二等兵は負傷中のため彼女には気を使いたまえ。美波二等兵を指名するセーラ大尉にも問題があるがな。以上だ。グッドラック、幸運を祈る。

 

5月17日23時。

フェンリアから南南西の森、中部。

 

セーラ「まさか、こんなに遅くなるとはね。暗視装備も支給しとくべきだったかな。」

美波「時間、見ておけばよかったですね。バース、黒いから発見が遅れるかも。」

ラーミ「足元に注意を。木の枝が折れた音だけでも気づかれます。」

 

セーラ達はゆっくり索敵をしながらブレの反応がする方へ進んでいく。セーラが端末を見ながら反応を追いかける。約5キロ先で反応が止まっているのがわかる。暗く、木が多い。さらに夜で新月と明かりが少なく手元にある弱めの懐中電灯だけが頼りである。バースは森に入った時点で全く気配が無くなり不気味なほど静まり返っている。

 

美波「スコープ使ってもやっぱり見えにくいな〜。2キロ先が限界です。」

セーラ「2キロ、か。あともう少しだよ。このまま」

 

バンッ!バンッバンッ!

銃声が響いた。3発全てこちらに飛んできたがセーラの頬を1発掠めただけで済んだ。

 

セーラ「隠れて!」

 

セーラ達はとっさに近くの木に身を隠す。そしてセーラの端末にメッセージが届いた。「すぐにきえろ」と。

 

セーラ「あいつかしら?しっかし、サプ無しで撃ってくるとは・・・。」

美波「バースに場所を教えるものですよ。」

ラーミ「それより、こっちの心配をしたほうがよろしいかと。」

 

今まで気配のなかったバースが大量にいた。人型が中心だが美波から見れば新種が2体いた。腕に巨大な砲台がついたものと全身に刃がついているものだ。

 

セーラ「げ、ブレード型。」

ラーミ「砲撃型もいますよ。無傷での生還は不可能ですね。」

セーラ「その上、美波ちゃん負傷なう。ラーミちゃん、美波ちゃんのバック。美波ちゃんは私が気を引いてるから狙撃を。特にブレード型。あれは近接殺しだから私じゃ歯が立たなくてね。」

美波「了解です。(ブレード型、か。頭まで刃があるな。刃と刃の間を狙わないと。)」

 

セーラがナイフを2本構えバースに突っ込んでいく。砲撃型から発射される砲弾をナイフを使い軌道をずらしかわす。そしてそのままバースの頭部を切り裂き次の標的へと向かう。そのナイフさばきはまるで踊るかのよう。美波は木を背にしセーラの近場にいるブレード型や遠くにいる砲撃型を撃ち抜く。ラーミはセーラを無視しこちらに来るバースをワルサーP99で撃つ。

 

美波達が戦闘しているのを遠くから眺めている二人がいた。

 

少年「うーん、やってるやってる。手助けいるかな。」

少女「無理じゃない?」

少年「はは。そうだねぇ。アレぐらいならいいでしょ。」

少女「バレるわよ?」

少年「いいさ。死なれちゃ困る。」

 

美波達を見ていた少年は額に指をあて、目をつぶった。

 

セーラが無双していたが想定外のことが起きた。

 

セーラ「やば、ナイフ弾かれた!」

美波「セーラさん!っ!?こんな時に弾切れ!?」

ラーミ「美波!前!」

 

美波の正面に砲撃型が構えていた。セーラは人型が四方から迫ってきており今にも飛びかかりそうになっていた。しかし、バース達は皆同じ方を向いてそちらに走っていく。バース達がいなくなり静けさが戻るとセーラがへたり込んだ。

 

セーラ「し、死ぬかと思った。」

美波「助かった、の?」

ラーミ「今までに見ない行動ですね。とりあえず、体制を整えてブレ軍曹のところに行きましょう。」

 

セーラは弾かれたナイフを拾い、美波、ラーミはリロードする。ブレのところに向かうとブレは木を背もたれにし座っていた。あちこちが泥と血に汚れている。

 

ブレ「なぜきた。」

セーラ「殴ってでも連れ戻してこいってさ。ほれ、行くぞ。」

ブレ「・・・俺はここで終わりさ。せめて、これを持ってけ。」

 

ブレが出したのはメモリースティック。セーラはそれを受け取り、ブレに手を差し出す。

 

セーラ「悪いけど、連れて帰らないとこっちが面倒なのさ。ほら。」

ブレ「・・・俺は、幸せ者だな。」

 

ブレはセーラの手をとり立ち上がる。そのまま肩を借り引きずられる。そのまま20分。森を出て少しのところで止まる。セーラはブレを座らせ美波に話しかける。

 

セーラ「美波ちゃん。基地にヘリ要請してもらえる?」

美波「わかりました。」

 

美波が無線をかけたがすぐに終わった。ため息をつきセーラの方を向く。

 

美波「徒歩で帰ってこい、ですって。」

セーラ「ち、楽できないか。ん?どしたブレ?」

 

ブレが苦痛の表情で腹を押さえていた。心配して顔を覗き込んだがブレは思いっきり突き飛ばした。

 

セーラ「いって!なにすんのよ!」

ラーミ「セーラ大尉、大丈夫ですか。」

美波「セーラさん大丈夫?」

 

美波とラーミはセーラの側による。セーラはブレを見るがどうも様子がおかしい。いきなり咳き込み始め、口から黒い液体が大量に出始める。そして仰向けに寝転がりはじめる。それでも咳き込み続け、黒い液体は出続ける。

 

セーラ「お、おい。ブレ?」

 

その言葉はブレには届いていない。目は見開き明後日の方向を向いている。そして腹だけが異様に膨らみ、服を破り破裂した。セーラの足元に肉片や血が飛び散る。そして破裂した腹から約160センチのバース。頭にはいくつか穴があき、赤い眼光が光る。バースの顔がはっきりしており口があることが判明する。そして刃は欠けており、身体のあちこちは破損している。そのバースを美波は見たことがあった。そう、あの研究所で見たものだった。

 

セーラ「う、嘘、でしょ・・・?」

ラーミ「・・・!?」

美波「ひっ!?」

 

美波は座りこんでしまう。足は震え立てない状態になってしまった。そんな中セーラが美波をおんぶする。

 

セーラ「美波ちゃん、怖いのは私も。だけど、あいつはもう、いない。撃って。」

ラーミ「セーラ大尉私が」

セーラ「いいえ。耐久が不明な以上、ドラグノフが有効。気づいてないから、美波ちゃん早く。」

 

美波は震えている腕にを上げドラグノフを持ち上げる。腕が震え銃口が定まらない。そこにラーミが銃口を持ち、抑える。照準が定まり、美波が引き金に指をかけた。

 

美波「・・・さよなら、隊長。」

 

ゆっくりと引き金を引き、バースの頭部を貫く。バースは黒いチリとなっていき、消えていった。

 

ミッションファイルNo.3「連れ帰れぬ者」終了。




はい、ミッションファイル3終了です。
次も早くあげれるよう、頑張ります!ではみなさん、さようなら〜
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