亡き神思ふ神物語   作:星零

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【起点の章第四話 ―襲来―】

 村の中央にある大木で、能力をいざ試さんとしているあかばがいる。真琴は優しく笑みを浮かべながらあかばの能力を楽しみに待っている。

 しかしそんな中、唯一さろあだけが警戒態勢に入っていた。その姿をあかばと真琴は全く気付いていない。

 

「...やっぱり来たか」

 

その一言が放たれた瞬間だった。

 

ブゥン!

 

 あかばのすぐ近くに謎の青いポータルが出現し、その中から一瞬で光の槍が放たれている。あかばは予想もしていない為に避けられる体制でもない。しかし、さろあが地面を一回蹴って、一瞬であかばに向けられている光の槍を拳でへし折る。

 

「あーもう、せっかく楽に始末できると思ったのに...めんどくさいなぁ」

 

光の槍が放たれた青いポータルから、一人の人物が怠そうに姿を現す。見た目は人間のようだが、明らかに服装がこの世界の人のものではない事は見て分かる。さろあが二人を守るように前に移動した。さろあからは、少しばかりの怒りの感情が出ているのが分かる。

 

「何の用だ、ここに来る必要は無い筈だ」

 

さろあが強く拒絶するように言い放つと、その人物は怠そうな態度を変えずに、頭をポリポリ掻きながら再び喋り始めた。

 

「え~?だってソイツを殺しに行けって言われたんだから、しょうがないでしょ」

「それに、本当は僕だって面倒くさいからやりたくないんだけど」

 

それを聞いてもさろあは動揺せずにいるが、あかばと真琴は一体何の事か分からずにいる。

 

「あの、さろあさん...その人の事、知ってるんですか?」

 

あかばがさろあに聞くも、さろあは振り向かずに頷くだけだ。まだ緊張状態で互いに動かないが、謎は増える一方だ。

 

「...あいつはな、お前を殺しに来たワカイと同じように、お前を殺そうと企んでいる連中の内の一人だ」

 

ぞっとした。まさか複数人そんな人達がいるなんて、あかばは想像していなかったのだ。真琴は知らない為、理解できていないが、さろあの言葉から目の前の人物は良くない人物というのは感じ取った。

 

 

「そんなことよりさ?僕早く帰りたいんだよね。だから、この村諸共、消えてもらうから」

 

その人物がそう言った瞬間だった。村の外の四方八方から、大量の足音が聞こえてくる。それはまるで地鳴りのような雰囲気で、あかばだけでなく、村の人々の恐怖を駆り立てる。

 

 

「お前...何してくれてんだ」

 

さろあが怒りを込めて言い放ち、瞬時に判断を下す。

 

「この感じ、恐らくアイツは大量の屍を召喚した可能性がある。俺は村の外周に押し寄せているソレを潰しに行くが...あかば、お前一人ソイツを倒すんだ。すまない、頼んだ」

 

そう言ってさろあは一瞬で姿を消し、村の外周の敵を殲滅しに向かった。そしてそこには動揺しているあかば、状況を理解しようとする真琴、ニヤリと不敵に笑う人物の三人が残された。

 

「わ...私、村の皆を助けに行きます!」

 

真琴は村の一住民として、自分ができることを最大限やろうと、村の人々に外に出ないように言いに向かった。

眼の前の人物は真琴に目もくれず、ただあかばだけを見つめる。

 

「ようやく邪魔者が消えたよ...さて、覚悟してね?一瞬で終わらせてあげるから」

 

戦いは一瞬で始まった。目の前の人物が光の槍を持ち、その場から消えたかと思うと、一瞬であかばの背後に移動していた。

 

「うわっ!?」

 

あかばはギリギリの反応で前に転がり、攻撃を躱す事に成功したが、依然として状況は不利のままだ。

 

「あれ?今ので殺したと思ったんだけどな...」

 

そして光の槍を構え、あかばに向けなおす。

 

「そうだ、冥土の土産に教えてあげるよ。僕は"ムクロ"。君を殺しに来た、ただの『天使』さ」

 

それを聞いた瞬間。あかばは理解できなかった。目の前のコイツが天使?そんなこと納得できるはずがない。動揺を隠せないまま、ムクロの攻撃を何とか避け続けるしかできない。

村の外からはさろあが戦っている音が聞こえている。それもあってか、思考が纏まらない。

 

「そんなに隙、見せていいんだ?」

 

気が付くと、ムクロの光の槍があかばの胸目掛けて迫っていた。

 

「!?」

 

あかばはハッとして、咄嗟に避けるも、槍は無情にも脇腹を軽く抉る。

 

「うぐっ!?」

 

強烈な痛みが脇腹を襲う。あかばの脳内が、大きく"死"の一文字に支配される。一方ムクロは、攻撃を当てた事に興味はなく、ただ早く仕事を終わらせたいかのように再度光の槍を構える。

 

「はぁ、所詮さろあが守ってないとこの程度だよね。はーぁ...これじゃあ能力を使わなくても行けたかも」

 

ムクロのその言葉は、呆れからくるものだったのかもしれない。だが、それはあかばに能力という存在をを思い出させるキッカケになったのだ。

 

「そ、そうか...今の僕は、能力が使えるんだ!」

 

あかばの目に、希望の輝きが戻る。

 

「ん~?」

 

ムクロは首をかしげてあかばを見つめる。でも全く興味を示さない。ムクロにとっては、あかばはただの面倒くさい対象なのだ。

 

 

あかばの能力とは・・・そして、ムクロを倒すことはできるのか。あかばの反撃が始まる。

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