SCP×ブラッドボーン   作:概ね右翼

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ヤーナムって結局なんなんですかね。


SCP-YYYY:古都ヤーナム

アイテム番号: SCP-YYYY

 

オブジェクトクラス: Euclid

 

特別収容プロトコル:

SCP-YYYYの出現が確認された山間部周辺、半径10km圏内は「地盤沈下および崩落リスク範囲が増大」を理由とした立入禁止区域に指定されます。区域境界線には物理的障壁および監視カメラを設置し、無人偵察機による常時監視を行ってください。

SCP-YYYY内部へ侵入、あるいは遭遇した人物は、即座にクラスA記憶処理を施したのち、隔離施設にて詳細な医学・精神鑑定を実施してください。帰還した人物に認められる身体的変異や異常行動、特に「古都ヤーナム」への異常な執着や記憶の混濁が確認された場合、当該被験者は直ちに拘束・隔離を行ってください。

 

説明:

SCP-YYYYは、SCP-XXXX近隣の山間部に出現する、19世紀イギリスの都市様式を彷彿とさせるゴシック様式の建築物が密集した都市遺構です。出現地点は流動的であり、夜間の条件下において、対象が「遭難」するプロセスを経て内部へ侵入する事例が確認されています。

本オブジェクトの最大の特徴は「地理学的観測の拒絶」です。高高度からの衛星写真や航空写真において、SCP-YYYYが位置するはずの座標は常に異常性の確認されない山間部として撮影され、都市の存在を一切確認できません。しかし、地上レベルでの観測において当該座標に踏み入れた対象は、極めて短時間の歩行により、通称「古都ヤーナム」と呼ばれる未確認の都市部へ到達したと報告しています。

なお、当該都市を「古都ヤーナム」と呼称する理由は帰還者の供述に基づくものですが、この名称の起源および対象が抱く強烈な既視感は、脳神経への直接的な作用を伴う認識改変、あるいはミーム的汚染に起因すると推測されます。SCP-YYYYとSCP-XXXXとの空間的・現象的相関性が示唆されており、SCP-XXXXの調査には細心の注意を要します。現在、本オブジェクト内部への計画的な探査許可は、精神汚染リスクの観点から発行されていません。

 

補遺:エージェント遭難事案報告

 

インタビュアー: カレル博士

 

対象: エージェント・ワラー

 

事案概要:

SCP-XXXX探査支援のため周辺を警備していたエージェント・ワラーは、夜間、通信が途絶。13時間後に区域外にて保護されました。

 

〈記録開始〉

 

カレル博士: 貴方が見たものについて詳細を話せ。

 

ワラー: あれは……夜間にSCP-XXXXへの探査支援へ向かった時のことです。

 

カレル博士: 時刻は覚えているか?

 

ワラー: 確か……20時から21時あたりだったはずです。月光もなく、視界が悪かったので定かではありませんが。……道なりに進んでいたところ、ふとGPSを確認したら、位置情報がロストしていました。道は整備されていたはずなのに、気づけば見たこともない景色の中にいたんです。

 

カレル博士: 道を間違えたのではないか?

 

ワラー: いえ。整備されていた道から外れるような地形ではありません。道なりに進んでいたはずが、境界線もなく、唐突に風景が切り替わったのです。

 

カレル博士: 空間転移……いわゆるワープをしたという解釈でいいのか?

 

ワラー: いえ、そんな生易しいものじゃありません。街と森の境目が認識できないまま、気づけば「ヤーナム」に足を踏み入れていました。自分の足で、境界を超えたんです。

 

カレル博士: [キーボードを叩く音] なるほど。視覚的な詳細は? 建物の構造や、看板などはあったか。

 

ワラー: 19世紀イギリスの街並みを、より高く、鋭利にしたような建物が密集していました。黒い石造りで、窓には一切の光がない。看板……あったかもしれませんが、文字がぐにゃりと歪んでいて読み取れませんでした。

 

カレル博士: 住民の姿は?

 

ワラー: [沈黙] いませんでした。ですが、窓の隙間から何かが私を見ている「視線」は、全身で感じました。それに、街のどこからか、耳を澄ませないと聞こえないような微かな赤ん坊の泣き声が……。

 

カレル博士: その「古都ヤーナム」という名称は、どこで認識した。

 

ワラー: [少しの間の後、声のトーンが平坦になる] ……教会の尖塔を見上げた時、何故か自然と口から出たんです。「あそこは古都ヤーナムだ」と。誰かに、頭の中に直接情報を流し込まれたような気分でした。

 

カレル博士: [キーボードを叩く音] 帰還経路は。

 

ワラー: 気がついたら、森林地帯にいました。……ですが博士、おかしい。街にいたのは数時間だったはずなのに、時計の針は13時間進んでいました。

 

カレル博士: 承知した。これより貴方を医学的隔離区画へ移送する。身体的な異変はあるか。

 

ワラー: [少し笑いながら] ……喉が異常に渇く以外は、すこぶる健康ですよ、博士。本当に、今までになく体が軽い。あの街の空気は、病気を忘れさせてくれるんですから。

 

カレル博士: ……インタビューを終了する。

 

 

探索および実践運用プロジェクト案:SCP-YYYY内部調査

 

文書ID: YYYY-P-01

 

担当: カレル博士

 

承認: サイト管理官

 

目的:

1. SCP-YYYYの物理構造調査: 建築素材の分析、時間軸のズレの測定、固有の生態系(動植物、および異常個体)の把握。

2. SCP-XXXX-A(古い血)の実践投与試験: 異常環境下における被験者の精神的安定性および身体能力の維持・強化を確認する。

3. 汚染耐性の測定: SCP-YYYY内に存在する既知の認識改変・ミーム汚染に対する、SCP-XXXX-Aの保護効果(または相互作用)の評価。

 

概要:

本探索には、SCP-XXXX-Aを投与済みのDクラス職員2名を投入する。SCP-XXXX-Aの特性である「自己修復能力」および「環境適応の促進」が、SCP-YYYYという閉鎖空間において、被験者の生存率とデータ収集能力をどの程度向上させるかを検証する。

 

装備:

標準探索用カメラ・音声レコーダー

ポータブル環境分析キット

SCP-XXXX-JP-A 投与済み(投与量:計100ml)

緊急帰還用ビーコン(※空間異常により機能しない可能性があるため、あくまで保険として携帯)

 

カレル博士の注釈:

「かつて我々は、この血液を単なる治療薬として捉えていた。しかし、SCP-YYYYが現実を侵食し始めている今、それは『敵地で生き残るための必須装備』に変貌した。彼らが現地で何を見て、血液がどう反応するか……これは医学的実験を超えた、進化論的実験となるだろう。」

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