(悪いな弔、タイムリミットだ)
「……私が来た」
「来たなヒーロー……社会のゴミめ。脳無、イレイザーを抑えとけ」
「させっかよ……あ?」
目の前に相澤先生は居なかった。オールマイトがあの一瞬で……。
(ったく、馬鹿げたスピードだ)
「死柄木弔」
「黒霧。一人はやったか?」
「それが……1名逃げられまして……」
「……お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしてたよ」
「申し訳ございません、死柄木弔」
「はー…帰ろっか」
(……脳無は、残すのか)
(いや、持って帰る。これでも傑作だ)
(そうか)
「……終わった?」
「みたいだな……」
「相澤先生、手当を……!」
「いい。まずはお前らの安否確認を……」
冷静だな、ほんと。先生も怪我酷いだろ。痛いはずだ。
……それも、俺達が生徒だからか?
(舐められてるな、本当に)
「他の先生方も来た。並べ」
「その、残ったヴィランは……」
「こっちで対処する」
「は、はい……」
「……本当に、死なないんだね」
「一度死んだら、それをトリガーとして再生し始める。どんな怪我だろうど治るし、欠損をしてもくっつくか生えてくる」
「……それを知ったのは、なんで?」
「死んだからに決まってるだろう」
「……何で?」
「……さあな」
帰り道。クラスメイトの質問攻めに合うと予想したので、手早く帰ろうとしたところを葉隠に捕まえられた。
そういえば、帰り道が一緒だったな。
「老化は進む。病気じゃなくても、老衰で死ねるさ」
「そういうことじゃなくて……」
「じゃあなんだ。何が言いたい?」
「……痛くないの?」
「痛い」
「……嫌だよ。永井くんが何回も死ぬところを見るの」
葉隠なりの心配だろう。いや、不安か。人が死ぬところを見たくないのは、日本人としては当然だろう。
死は、日本人にとって遠いものだ。ヒーローが殉職しても、オールマイトが活躍すれば目はそちらに行く。たかだか一ヒーローが死んでも、あまり民衆の興味はない。
その死が、日常的に起こることを危惧している。
「あと何回死ぬかわからんが……まぁ、上手くやるさ」
「……死なないでよ」
「それは……出来ない相談だ」
「おはよう諸君」
「相澤先生!」
「命に別状はなかったのね。安心したわ」
「ああ。それと……永井」
「はい」
「俺達教師は、お前を守れなかった。生きていようと、お前は一度死んだんだ」
「……」
「あの時あの場に出てきたことは、後で説教とする」
「……はい」
まぁ、当然だな。
「そして……まだ戦いは終わっていない」
「なんだって……!?」
「まさか…」
「また敵が──!?」
「雄英体育祭が迫っている!」
「クソ学校っぽいの来たーー!!!!!」