ようこそ完璧超人の教室へ   作:nyasu

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始めよう口止めによる荒稼ぎへ

私がやってきたのは職員室であった。

頭脳明晰な私が導き出した答えを確認するためである。

ワクワク、ワクワク、おっと年甲斐もなくはしゃいでしまったな。

 

「何をしている、高円寺。レクリエーションが終わった後もやることはあるぞ」

「答え合わせがしたくてね。時間は取らせないさ」

「私が聞き入れるとでも?」

「聞き入れるとも、私の推測を学年全体に知らしめられたくないならね」

「……良いだろう、聞かせてみろ」

 

職員室に着いた私を出迎えたのは、今から移動するとばかりに資料を持った茶柱であった。

彼女はため息をつくと、一旦荷物を置いて椅子に座り、腕を組みながら話を聞く姿勢になる。

まずいですよ、下乳の下に腕を置くとは……下品な女だな。

一周回って何か冷めた自分がいる、悲しい。

 

「それで、何の答え合わせがしたいんだ?」

「当然、ポイントのことさ。先程の説明は意図的な隠蔽が見受けられたね。10万ポイント、毎月支払われる保証はないのだろう?」

「学園はお前たちの能力に応じてポイントを支給する。それが答えだ」

「この期に及んで誤魔化そうとは、ナンセンスだね。この私の頭脳を誤魔化すことは出来ないのだよ」

「だったらどうする?退学覚悟で、その持論とやらを吹聴するか?」

 

フフン、と勝ち誇ったかのように茶柱が足を組み直す。

ミニスカートの前を足が、フンくだらない視線誘導め。

私に通用すると思っているなら無駄である、黒だ。

それはそれとして、話を続ける。

 

「構わんよ。退学したなら他の学校にでも行けばいい。監視カメラの数々、生徒を評価し、そこから支給されるポイントは変動するのだろう。学年すべてが一律4クラス、Aになるにつれて羽振りもいいねぇ。クラス同士で争わせてるんじゃないか?そもそも、私からしたら私以外の人間が月10万ポイントを貰うには評価が高すぎるねぇ」

「憶測だな。だが、下手な混乱を生みかねない憶測だ。その憶測が正しいかどうか、それを私は答えることが出来ない」

「答えないでなく、答えることが出来ないか。なるほど、よく分かったよ。ところで、この事を友人と共有することは、学園側として困るのかな?なに、友人と言っても1学年ほどさ」

 

退学はしたくないけど、みんなにも教えてあげたほうが良いだろう。

全くもってその必要性はないと考えられるが、どっちに転んでも問題ない。

 

「はぁ……正解だ高円寺。この学校では、各40名ほどの4クラスで競い合わせている。確かに、月に160名、1600万円相当のポイントは現実的ではない。その上で、こちらとしては最初の1ヶ月は公開されては困る。そこで取引だ、お前が公表することで損失を防げる400万ポイントを渡す事で公表しないで欲しい」

「ノープロブレム。ポイントが貰えるなら公表しないでおくと誓ってあげよう」

「今年は優秀だな。最も、こんな形で発揮してほしくなかったがな」

 

何か知らんけどポイント貰えたな、ラッキー。

これは戦力の幅が広がるね、やりたいことが増えるというものだ。

 

「話は以上だね。さらばだ」

 

よーし、もっと増やすぞ。

 

「はぁ……頭が痛くなってきた」

 

聞こえてるぞ、ティーチャー。

 

 

 

さて、ポイントを貰った私は授業をサボってゲーセンにやってきていた。

なんでかって?大体、サボる奴はこういう所にいるからさ。

そして、キョロキョロしている私に話しかけてくる先輩達の集団があった。

 

「おいおい、初日からサボってるのか新入生?」

「まさか先客とはね。何もしなくても毎月10万も貰えるのだから、これくらい許されるさ」

「なるほどな。さてはお前、Dクラスだな」

「どうしてDクラスだと分かったんだい?」

 

そ、それは……と言い淀む先輩の学生。

ふむ、箝口令当たりでもあるのかな。

ペナルティがあると思ってもいいか。

 

さて、この学校は欠点がある。

クラス同士で争わせるなら、何か上位クラスである恩恵が必要な点だ。

逆説的にDクラスという支給ポイントが低そうなクラスは恩恵に預かれていない。

そして、三年間の継続であるならば、最後の年だけで恩恵を得られるAクラスになることは難しい。

であれば、3年時のCとDクラスはクラスの順位を上げることは考えてないと思われる。

 

頑張ったところで得る物がないならば、少なくとも退学にならない程度には怠惰を貪るだろうね。

退学の取り消しは労力を使いそうだが、点数を買う程度なら大してポイントも使わない。

有給のようにポイントで休みを取ることも可能だろうね。

それならクラスへの影響も皆無。

つまり、最終学年はクラスではなく個人主義、個人でポイントを集めると見ていいだろう。

 

「私も遊ぶポイントが欲しいんだが、10万では足りなくてね。それで、初めてやるのだが、ポイントを賭けて勝負をしたいと思ったんだ」

「カモられるだけだと思わなかったのか?それとも何か裏があるのか?」

「最終的にトータルプラスになればいいのさ。それに負けても来月には、また10万ポイント貰えるからねぇ」

 

その言葉に、話しかけてきた名も無き先輩は笑みを浮かべていた。

どうやら、私がカモに見えてるようだね。

 

「フリースローならやったことがあるんだ。あのゲームで勝負しないかい?そうだな自信があるから1万ポイント賭けよう。助っ人を呼んでもいいよ」

「へぇ、おもしろい。おい、バスケ部の実力を見してやれよ」

 

私が目をつけたのは転がってくるボールをゴールに入れる回数を競うゲーム。

玉遊びはしないものだが、簡単だろうね。

バスケとか難しそうだからやったことないんだよなぁ。

 

「ほぉ、ポイントを入れれば始まるんだね」

「悪いな1年、ポイントは頂きだぜ」

 

ビーっという音と共に大量のボールが落ちてくる。

どうやればいいんだろ、頑張るぞ。

ボールを手に持ち、頭で放物線を思い描く。

 

「左手は添えるだけ……か」

 

うお、思ったとおりに飛んで行く。

軽く投げればいいのか。

 

「やるじゃねぇか1年」

 

隣では、バコンバコンと一定のリズムで助っ人に呼ばれた先輩がシュートし、ボールがゴールポストに入っていく。

なるほど、壁の反射を利用していれるのか。

点数差は2点くらいが丁度いいかな?

少しだけペースを速めてシュートする。

思い通りのコースで、思い通りの速さでシュートが決まる。

ゲーム終了の音と共に点数が表示される。

 

「点数は!」

「あー、惜っしい〜!」

「ギリギリの勝負だったねぇ」

 

勝ち過ぎず、負け過ぎず、点数差2点で私が勝った。

約束は律儀に守るのか文句を言いながらも先輩は点数を譲渡してくる。

うわぁ、いい子だなぁ。

 

「おい、1年。俺と勝負しな」

「良いだろう、リベンジかな?」

「いや、次はレースゲームだ」

 

言われて指刺されたのは車の座席を模したゲームだ。

ほぉ、こういうのもあるのか。

 

「レートは1万だ。行くぜ」

「ムッ、なるほどそういう仕様か」

 

ゲームが始まった途端、先輩のキャラが物凄い勢いでダッシュしたのに対して、私のキャラはノロノロスタートする。

恐らくタイミングよくアクセルを踏むと速くなる仕様なんだろう。

 

「なかなかどうして、勝手が分からない物だねぇ……おっと、バナナは転ぶのか」

「最終ラップだ!頑張れ!」

 

コース取りは何となくだが、こうすれば速いと分かる。

だが前の方にいけば青い甲羅で爆発に巻き込まれ、手に入れたキノコを使えば加速してコースアウトする。

他にも背後から赤い甲羅を当てられたり、雷が落ちてきたり、どうやらアイテムによる妨害ありのゲームのようだ。

 

「よっしゃぁぁぁ!1年、ポイントを出せよ」

「まぁ、待ちたまえ。コツを掴んだよ。2万ポイントでリベンジさせて貰えないかい?勝てば3万、負けても−1万だ。そちらに損もないはずだ」

「いいぜ、へへへ、このゲームなら勝てそうだからな」

 

2回目のリベンジは当然だが、私が勝った。

強過ぎず、弱過ぎず、初見のゲームで負けても最終的に勝つ。

ポイントがちょっとずつ増えていく。

 

「画面端!あっ、バースト読まれて、あぁぁぁ!」

「惜しかった!今のは勝てた!」

「おい、1年!次は太鼓勝負だ、バチは持ったか!」

「おいおいアイツ死んだぜ、マイバチも持ってねぇ素人が勝てるわけねぇぜ」

「うわぁぁぁぁ!」

「そんなポイントに差がない!次は勝てそうだからリベンジしろよ、初見で鬼はマグレだぜ」

 

このあと、めちゃくちゃゲームでポイントを荒稼ぎした。

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