「とりゃ!はっ!」
可愛らしい声と共に放たれるコナミの攻撃だが、一撃一撃が鋭くて全然可愛くない。しかも手数もあって、攻撃の圧ならタチカワと同じくらいだ。
「ちっ……!スラスター!」
俺はスラスターを使って強引に吹き飛ばす。しかし追撃に入ろうとした時だった。小南が吹っ飛びながら2振りの手斧の柄を合わせると合体して、柄にも刃がある薙刀に代わり、地面に突き刺して勢いを殺す。
そして俺の追撃に対して、バトンのように武器を振り回してくる。
「ちっ!」
俺はレイガストを細かく動かして捌いているが、攻めている手数については向こうのほうが上だ。これだけタチカワの時のようにいずれ押し切られる。
そう判断した俺は前に出て、向こうの武器が振り回せないように密着してから足払いを仕掛ける。
しかし向こうも読んでいたようで距離をとりながら武器を振り回してくる。その攻撃をガードしながらスパイダーを放つと武器の柄部分に当たるが……
「解除よ」
コナミの武器が分割されて手斧に戻ると、スパイダーも外れてしまう。俺は直ぐに距離を詰めながらレイガストを振るう。対するコナミは二振りの手斧を交差する形でガードしながら蹴りを放ってくるので、同じように蹴りを返す。
互いの蹴りがぶつかり合って弾かれる中、軽い武器を持つコナミが距離を詰めてくる。俺はこの状況を打破する為、コナミを投げようと右腕を伸ばすと、小南は右に避けようとして……
「「あ」」
コナミの腕を掴もうとしたが、胸を鷲掴みにしてしまう。それにより互いが動きを止めてしまう。
しかしコナミの方が先に再起動して、真っ赤になってワナワナ震え出す事で俺も再起動してしまい……
「どこ触ってんのよ馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
大噴火に巻き込まれてしまった。
「ぶははははっ!マジかアイツ!おもしれー!」
「がっつりと掴みやがったぞ!アイツ勇者だな!」
「国近といい、綾辻といい、アイツはおっぱい星人なんじゃねぇのか?」
客席にでギャラリーは爆笑したり、呆れたり、冷たい眼差しを宿したりしながら訓練室を見る。訓練室では大噴火した小南がギャーギャー叫びながらコネクターを使って巨大な斧を展開して、直次に振り回している。対する直次はなんとか凌いでいるが、レイガストはどんどん破壊されている。
「ナオ君…………………」
そんな中、遥はドス黒いオーラを放ちながら直次を見ていて、周りにいる人間は冷や汗を流しながら距離を取っている。
「まあまあ落ち着きたまえ。気持ちはわかるけど、ナオ君が戻ってきたら怒りを沈めるべきだと思うなー。ナオ君ってシンプルだし、怒りをぶつけ過ぎたら距離を置かれるよ」
そんな中、空気を変えようと柚宇が遥に話しかけるとオーラが多少弱まる。
「国近先輩……言ってることはわかりますけど……」
腹が立ってしまう。柚宇のおっぱいも堪能しているのに、小南のおっぱいも堪能しているとなればダメだとわかっていてもイライラしてしまう。
「これから頑張って君以外のおっぱいに興味を持てないようにすれば良いじゃないか」
「そ、うですね。わかりました」
柚宇は面白そうにそう言っていくと遥のオーラが消えていく。変わりに恥じらいの色満載で柚宇は愉悦を感じるのだった。
それと同じタイミングで訓練室にで直次が小南の斧によって真っ二つになった。
『模擬戦終了!勝者小南桐絵』
模擬戦終了のアナウンスが鳴りトリオン体が修復される。コナミとの模擬戦は3本先取で1ー3でコナミが勝った。胸を揉んでしまった事によるコナミの怒りは半端なく、簡単に2本取られて、3本目で多少怒りが弱まったので勝てたが、4本目で怒りが再燃した事に加えて負けた怒りも合わさって押し切られてしまった。
「俺の負けだ。それと一戦目の事故は済まなかった」
俺は頭を下げて謝罪する。さっきまでは暴走していたコナミに押されていたが、謝るべきだ。
「うっ……!ま、まあアレはアタシを投げようとしたんだし、もう良いわよ。ただし次やったらぶっ飛ばすから!綾辻ちゃんや国近ちゃんの胸を堪能しているアンタからしたらまな板かもしれないけど、あるんだからね!」
「まな板?いや、普通に膨らんでいたから「堂々と言うな馬鹿ぁ!」ぶぐっ!」
思い切りぶん殴られてしまう。フォローしたつもりだったんだが……
「全員の模擬戦が終わったらもう10本やりなさい!帰ってきたばかりのアンタにはデリカシーの意味をみっちり仕込んであげるわ!」
コナミは俺に指を突きつけてから訓練室から出ていくが、デリカシーってどんな意味なんだ?言葉じゃ説明出来ないのか?
そう思いながらも俺は次の模擬戦の準備を始めた。
それから俺はヨネヤ、ミドリカワ、ウタガワ、ツジ、カゲウラ、キトラ、ミワ、カラスマ、イチジョウ、カザマと様々な相手と剣で競ってから、追加でコナミと10本勝負をした。
その際に5ー5で引き分けとなって、デリカシーは人対する細やかな気配りや思いやり、物事の扱いにおける繊細さという事を教わったが、発言については毎回思った事を直ぐに話すのはダメと思うようになった。
しかもコナミとの模擬戦が終わってからはハルちゃんにも怒られたし。
「あー、疲れた」
俺は自室に戻り息を吐く。長期戦は経験がないから疲れてしまった。特にジンとの闘いはかなり神経を使ったからな。本当に未来視ってぶっ飛んだサイドエフェクトだよな。
内心ため息を吐きながらゴロゴロして、そろそろ風呂に行くかと思った時だった。
ピンポーン
いきなりインターフォンが鳴るので、ベッドから起き上がってドアを開けるとハルちゃんがいた。
「ナオ君、ちょっと良いかな?」
「何だハルちゃん。今日は疲れたし、今から風呂に行くから急ぎの用じゃない明日にしてくれないか?」
俺が話しかけると、ハルちゃんは急にモジモジ始める。何事かと思っていると意を決したように口を開ける。
「あ、うん。そのお風呂なんだけど……一緒に入らない?」
「え?」
ハルちゃんの提案に変な声をあげてしまう。確かに俺はジンとの模擬戦で、ジンに勝ったら一緒に風呂に入るって内部通信でハルちゃんにそたい言われたが……
「あの賭けは無効だろう?」
ジンとの模擬戦の結果はドロー。引き分けだ。
つまり勝ってもなくて負けてもないので賭けは成立してないので、失念していた。
しかしまさかハルちゃんからそんな提案がくるとは予想出来なかった。
「ほ、ほら。黒トリガーの説明の時にお風呂に入る時には違和感があるとか言ってたし、サポートをしようかなって。それに昔はよく一緒に入っていたじゃん」
「いや、それは子供の頃だし……」
あの頃はただの友達としか思ってなかった。しかし成長して性知識も得て、自分から誘うなんて全く考えられなかった。
「私は大丈夫だから……ほ、ほら行くよ……!」
「あ、お、おい!」
ハルちゃんは俺の手を引っ張って風呂場に向かう。確かにジンとの模擬戦は一緒の入浴によってやる気を出したが、本当に入る事になるとは予想外だ。
というか大丈夫か?絶牙によって更に綺麗になったハルちゃんと一緒に風呂に入ったら理性を失ったりしないよな?