4月。
桜の木々が新入生を歓迎するように咲き誇る中、俺は雄英高校の広大な敷地を歩いていた。
推薦入試での合格が決まってからというもの、火伊那の用意した15億の大邸宅とプロのお手伝いさんたちの環境に慣れるまでは正気を保つのに四苦八苦していたが、今日からは待ちに待った高校生活が始まる。
「えっと、一年A組の教室は……」
巨大な校舎の廊下を進んでいると、少し前方で緑色のもじゃもじゃ髪の少年が緊張でガチガチになりながら歩いているのが目に入った。その尋常ではない様子に見かねて、俺は後ろから声をかける。
「よう。君もヒーロー科の新入生?」
「ひゃ、ひゃいっ!?あ……は、初めまして! 緑谷出久です!」
飛び上がらんばかりに驚いた緑谷出久は、借りてきた猫のように硬直してしまった。
前世の記憶を引っ張り出すまでもなく、絵に描いたような人見知りタイプだ。俺は少しでも緊張をほぐそうと、穏やかに笑いかけた。
「俺は筒美緋色。そんなに緊張しなくて大丈夫だよ……ちなみにさ、緑谷君はヒーロー誰が好き?」
「えっ!?好きな、ヒーロー……!?」
その質問を投げかけた瞬間、緑谷君の雰囲気はガラリと変わった。
「そ、それはもうオールマイトだよ! どんな絶望的な状況でも必ず笑顔で人々を救い出す圧倒的な強さと安心感!デビュー当時の映像なんて今でも一日に何回も見返すくらいで、あの背中が僕の理想のヒーローの原点で――!」
先ほどまでの人見知りっぷりが嘘のように、怒涛の勢いでオールマイトの魅力を語り出す緑谷君。
その凄まじい熱量とオタクトーク全開の様子に、俺は少し圧倒されつつも「やっぱり平和の象徴は凄いんだな」と純粋に感心しながら相槌を打った。
そんな話をしているうちに、俺と緑谷君は目的の教室の前へと到着した。
「扉……大きいね」
「ああ…デカいな。バリアフリーを意識してるのかな?」
目の前にある『1-A』と書かれた扉は、見上げるほどに巨大だった。
いくら何でもこれはデカすぎだろと思う反面、これだけ大きければジェノサイダーでも難なく通れそうだと心の中で思いながら、俺は扉を開けて中に入った。
教室には、すでにほとんどの生徒が揃っていた。
中に入った瞬間、緑谷君が「うわっ……」と小さく声を漏らし俺の背中に素早く隠れた。
不思議に思い緑谷君が見たであろう方に目を向けると、足を机に乗せて踏んぞり返っている凶悪そうな少年と、それを大声で注意している真面目そうな眼鏡の少年がいた。
「緑谷君、彼らと何かあったの?」
「! 君はあの時の……!」
彼らと何かあったのか聞こうとした矢先、こちらに気付いた眼鏡の少年が大股でこちらへ歩いてくる。
「俺は君の事を誤解していた。君はあの実技試験の本質を誰よりも先に見抜いていたのに・・・すまない!」
「え…?あ!いやそんな……僕も別に見抜いてたわけじゃ」
よく分からないが、一般入試試験で緑谷君と眼鏡の子は何かあったらしい。
推薦入試組の俺は一般入試で何が起きたかなんて全く分からないのでちんぷんかんぷんだ。
「えっと、君の名前は? 俺は筒美緋色。推薦組だ」
「!? すまない、自己紹介が遅れた! ボ――俺は飯田天哉。私立聡明中学出身だ」
眼鏡の彼――飯田君は、まさに絵に描いたような委員長気質な男だった。
彼によると、一般入試の実技試験で現れた巨大な0ポイントヴィランに誰もが逃げ出してる中、緑谷君だけが逃げ遅れた子を助けるため立ち向かったようだ。
それを見て飯田君は試験じゃなければ自分だって――と考えたところで、説明されなかった
「へ~……緑谷君、君中々ド派手――」
大変興味深い話を聞くことが出来た矢先、視界が突如として背後から伸びてきた柔らかな両手によって遮られる。
「だ~れだ?」
耳元で囁かれた弾むような、しかしどこか粘り気のある少女の声。
全く予想だにしていなかった事態に、俺は本気で困惑していた。
転校を繰り返し各地で友達は作ったが、入学早々こんな悪戯をしてくる相手など皆目見当がつかない。
「……ごめん。素直に誰だか分からない……ヒントをくれるか、手をどかしてほしいな」
俺がそう答えた瞬間、俺の目を覆う手の温度が心なしか冷たくなったような気がした。
「嘘……私の事忘れちゃってる?……冗談だよね。意地悪してるだけだよね……そうだよね! だって優しいヒロ君が私の事忘れるなんて、そんな事ないよね。だって私の事大好きって言ってくれたし、一緒のクラスになれたらいいねってメッセージくれたじゃん。それなのに忘れちゃうなんて…………もう、意地悪が過ぎるよヒロ君。あんまり意地悪されちゃうと私――酸出しちゃうよ」
低く、押し殺したような声で、まくしたてるようにブツブツと呪詛のように紡がれる言葉の羅列。
オタトークしてる時の緑谷君みたいだと俺が呑気なことを考えている間にも、触れられている瞼が微かにひりひりと熱を持ってきたような気がした。
「顔を見ないと本当に分からないよ」
それを気のせいと片付けた俺は、目を塞いでる手を優しくどかして振り返る。
振り返った先にいたのは、ピンク色の肌と髪に昆虫の触角のような黄色い小さな角を持つ少女だった。
その特徴的な容姿に、記憶の引き出しが合致する。
「もしかして三奈ちゃん……?芦戸三奈ちゃんか!? 幼稚園から小学1年まで同じクラスだった」
「――っ、そうだよヒロ君!」
名前を呼んだ瞬間、三奈の瞳に鮮やかなハイライトがパッと戻り、満面の笑みと一緒にもの凄い勢いで俺の胸に飛び込んできた。
「ひっどいよヒロ君! 本当に忘れられたと思って焦っちゃったじゃん!」
「はは……ごめんごめん。小学校1年生の終業式以来だから、少し時間かかっちゃった」
先ほどまでの不穏な空気は霧散し、抱きしめられる強い衝撃と女の子特有の甘い香りに戸惑っていると――。
シュルルッ!
「わっ!?」
突如として三奈ちゃんの身体にピンク色の細長い物体が巻き付き、彼女の身体を俺から無理やり引き剥がした。
その物体の出どころを見て、俺は物体の正体とそれを操る人物の正体にすぐに合点がいった。
「梅雨ちゃん!」
「ええ、緋色ちゃん。お久しぶりね」
三奈ちゃんを器用に剥がしたのは、愛知時代(小2~小3)の友人である蛙吹梅雨の“舌”だった。
彼女はポーカーフェイスのまま、パチパチと大きな目を瞬かせている。
一方で、剥がされた三奈ちゃんの顔からは再び表情とハイライトが消失していた。
「ヒロ君…私の時は少し時間がかかったのに、蛙吹さんの事はすぐ分かったんだ……へえ…ふーん」
親指の爪をガリガリと噛み締めながら、誰にも聞こえなさそうな小声でブツブツと呟く三奈ちゃん。
不穏な火花が二人の間で発生しようとした矢先、教室の扉がガラリと開き新しく生徒が入ってきた。
「あ! あの時の地味目な子!」
太ってるわけではないが、愛嬌のある特徴的な丸顔の子――三重時代(小4~小5)の友人、麗日お茶子だ。
彼女は緑谷君と少し会話を交わした後、俺の姿を見つけてぱぁっと顔を輝かせて駆け寄ってきた。
「あ――! 緋色君、久しぶり!」
「久しぶりだねお茶子ちゃん。また同じクラスになれて嬉しいよ!」
満面の笑みを浮かべるお茶子ちゃんに素直な気持ちを伝えつつ、昔の三人の友人と高校で同じクラスになるという奇跡としか表しようがない偶然に思いを馳せる俺に、紫色のブドウのような頭をした小柄な少年と、金髪に黒い稲妻のメッシュが入った少年の二人が血涙を流さんばかりの嫉妬心を剥き出しにして猛然と絡んでくる。
「おいおいおいおい! 何なんだよお前!入学初日から女子3人と知り合いってどういうことだ畜生!」
「ずるいだろお前! その顔か!その白銀と赤のオサレ髪のせいか! 許せねえ!」
「いや、みんな小学生時代の友達で」
「「幼馴染みだぁ~!?」」
必死に弁解する俺の横でお茶子ちゃんがふふっと微笑みながら、自身の制服のポケットから一枚のカードを取り出した。
「ふふん……そうだよ。私、緋色君とは特別な絆があるんだから。――ほら、この子も元気だよ?」
それは鋼の鎧を纏った二足歩行の犀のモンスター――メタルゲラスの『ADVENT』カードだった。
それを見た飯田君が、眼鏡を光らせロボットのような鋭い腕振りをしながら猛烈な勢いで近づいてくる。
「待ちたまえ麗日君!学校へ
「あ!? これは玩具じゃなくて」
「待て飯田!それに触るな!!」
俺は咄嗟に手を伸ばして制止しようとしたが、一歩遅かった。
飯田君の指先がお茶子ちゃんの手にあるカードに触れた――その刹那。
キィィィィィィン!!
突如として教室全体の窓ガラスから、耳障りな金属音が鳴りだし鏡面が歪み始める。
「な、なんだ!?」
飯田が音のする方へ振り向いた次の瞬間、窓ガラスの鏡面を突き破るようにして灰色に輝く金属の皮膚を持った巨大な犀のモンスター――メタルゲラスが、現実世界へと飛び出してきた。
「グルゥァァァァッ!」
「なっ!? うおあああ!?!?」
主の制止を無視して自身のカードに無断で触れた飯田君を敵と見做したメタルゲラスは、飯田君にその巨体と自重を利用した容赦のないタックルを浴びせた。
「ぶふぉっ!?」
変な声を上げて、机をいくつか巻き込みながら教室の壁まで吹き飛ぶ飯田君。
「うわあああ!? バケモノが出たァァァ!」
「ヴィランの襲撃か!?」
突如として現れた正体不明のモンスターに、教室内のクラスメイトたちは数人を除いて大パニックに陥った。
俺と三奈ちゃん。梅雨ちゃん。お茶子ちゃん。そして背が高く、腕が複数ある顔をマスクで隠した男子――障子目蔵君だけは事情を知っているため見慣れたものを見る目で落ち着いており、唯一緑谷君がかっちゃんと呼んでた子だけが戦闘態勢を取り始めている。
「皆落ち着いてくれ、敵じゃない!これは俺の個性の一部なんだ!」
俺は慌てて前に出て、メタルゲラスを宥めながらクラスメイトたちに説明を始めた。
「筒美君、それはどういうことだ!?」
床に倒れた飯田君が痛む身体を押さえながら叫ぶ。
「俺の個性は『ミラーライダー』。こいつみたいな、
俺の必死の説明と、メタルゲラスが俺の言うことを聞いて大人しく鏡の中へ戻っていく様子を見て、クラスの混乱はようやく収まった。
「あなたも持ってたのね、お茶子ちゃん」
目が笑っていない梅雨ちゃんが、自身の制服のポケットからカメレオンみたいなモンスター――バイオグリーザのカードをすっと取り出して見せた。
「あ、あなたも持ってたんだ…」
「ええ。私は小学校3年の時に緋色ちゃんに貰ったの」
「へえー、二人ともヒロ君から貰ってたんだねー」
二人の会話を聞いていた三奈ちゃんが、すっと二人の間に割って入る。顔は朗らかな笑みを浮かべているが、瞳の奥にはドロリとした嫉妬の炎が燃え盛っていた。
「でもね…私も
三奈ちゃんは『ヒロ君に』という部分をこれでもかと強調しながら、紫色のコブラみたいなモンスター――ベノスネーカーのカードを見せる。
お茶子と梅雨ちゃんの眉が、ピクリと動いた。
「すげえなおい……お前、そんなバケモノを何体も従えてんのか?」
赤髪のツンツン頭の男子が、感心したように話しかけてきた。
「俺、切島鋭児郎!よろしくな!」
「改めて、筒美緋色だ。よろしく、切島君」
「で……さっきの話だけど、全部で何体いるんだ?」
切島の問いに、俺はポケットから残りのカードの束を取り出した。
「全部で11体だ。ほら、これらが残りのカードだよ」
扇状に机に並べたのは、紅蓮の龍――ドラグレッダー。漆黒の蝙蝠――ダークウイング。巨大な蟹――ボルキャンサー。全身武器庫な水牛――マグナギガ。エイの姿をした――エビルダイバー。ガゼルみたいなギガゼール。
並べられた禍々しくも美しい6枚のカードに、周囲の生徒たちから感嘆の声が漏れる。
「すっげえ……じゃあ、あと2体はどこにいるんだ?」
さっき突っかかって来た金髪君が、純粋な疑問を口にしたその瞬間だった。
「――お友達ごっこがしたいなら余所でやれ。ここはヒーロー科だぞ」
教室の入り口付近から、極めて気だるげで冷徹な声が教室に響き渡った。
全員の視線が一斉に声のした方へ向かう。そこには黄色い寝袋にすっぽりと収まり、芋虫のように床に横たわっている不審な男がいた。ジッパーを下げて顔だけを出したその男は、充血した目でクラスの面々を睨みつけている。
教室がその異様な光景に静まり返る中、俺は隣にいたブドウ頭君と金髪君の肩をそっと叩き、小声で耳打ちした。
「なぁ…あの寝袋の角度だと、お茶子ちゃんのスカートの下のパンツ丸見えだと思うんだけど?」
「「なっ、何だってぇぇぇ!?」」
声を抑えつつ、二人は文字通り飛び上がって驚愕した。
すると、寝袋の中からノロノロと這い出てきた男はボサボサの髪を掻きむしりながら、死んだような目で俺をジロリと睨みつけた。
「……角度は厳密に調節してある。見えてない」
「「弁解したァァァ!?」」
二人のツッコミが響く中、不審な男は起き上がり寝袋を片付けながら淡々と告げた。
「静かになるまでに8秒かかった。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。……担任の相澤消太だ。よろしく」
不審者もとい――相澤先生は体操着の束を取り出し、教卓の上にドサリと置いた。
「早速だが、それを着てグラウンドに出ろ。入学式やガイダンスなんて無駄なものはない。雄英は自由な校風……それは教師にも適用される。お前たちの実力を測らせてもらう」
その言葉に、教室中に驚きの声が広がった。しかし、文句を言っている時間はない。
クラス一同は一斉にジャージを手に取り、更衣室へと動き始めた。
~~~~
男子更衣室へと向かう渡り廊下。
俺は人混みから少し離れて歩く、障子目蔵君の隣へと滑り込んだ。
「障子君」
『……筒美か。何か用か?』
障子君は俺に目を合わせず、複製腕の一つに作った口で返事をした。
顔を合わせてくれない事にショックを受けつつ、そうされても文句を言える資格がないのを分かっていた俺は周囲に聞こえないよう、声を落として切り出した。
「あの日……約束を破って、本当にすまなかった」
『何のことだ筒美。俺と君は、今日が初対面のはずだが』
「惚けないでくれ。あの夏、俺は君と『明日もまた遊ぼう』って約束したのに、次の日に行けなかった。あの日の夜、急に病状が悪化して……都市部の大病院に緊急搬送されたんだ。その後、体調が良くなってからもう一度あの村を訪ねたんだけど、君はもういなくて……ずっと、謝りたかったんだ」
『そうか……』
俺の言葉を聞いた障子君はそれ以上何も言わず、ただ黙って歩みを早めて立ち去っていった。
しかし彼の右腕は、制服の胸ポケットに仕舞い込まれた白虎を彷彿させるモンスター――デストワイルダーのカードを衣類越しに優しく、そして決して離さないと言わんばかりに強く、愛おしげに握りしめていた。
(……裏切られたわけじゃ、なかったんだ。あの日、俺を置いていったわけじゃ……。ああ、良かった…緋色)
障子の脳裏に、あの辛かったけど光り輝いていた夏の記憶が鮮明に蘇る。
異形型の個性のせいで、村の大人たちから“汚れた血”と差別され、理不尽な暴力に遭っていた孤独な日々。
そんな中、火伊那の仕事の都合と療養のため村にやってきた緋色だけは、周囲の目を盗んで自分に優しくしてくれた。
ババ抜きやボードゲームで一緒に遊んだり、一緒に食べたアイスやチョコ菓子の味は今でも忘れられない。
遊ぶようになって四日目の帰り際、障子は勇気を出して緋色に尋ねたのだ。
「俺のこの姿が、怖くないのか?」と。
その時、緋色は穏やかに笑って答えてくれた。
『怖くないよ。どうしてって?――そんなの、見れば分かるよ。君は優しい人だから』
あの夜、緋色を襲った病魔の本当の原因について二人とも知る由もない。
ただ、緋色が自分の意志で約束を破ったわけではないという事実だけで、障子の心は救われていた。
障子は更衣室の手前で足を止め、自身の本当の口から、掠れた声で問いかけた。
「……何故、俺だと分かった? 体格だって似ても似つかなくなって、マスクもしているのに」
振り返った緋色は、あの夏の日と全く同じ、穏やかで真っ直ぐな瞳で答えた。
「そんなの――見れば分かるよ」
その答えを聞いた瞬間、障子の目元が優しく緩んだ。目の前にいる少年は、あの頃の優しく、眩しかった
「ありがとう…筒美」
そう小さく呟き、障子は更衣室へと入っていった。
一方その頃――女子更衣室。
そこは、男子更衣室の穏やかな空気とは根底から異なる息が詰まるほどの深海のような重圧に満ちていた。
体操着への着替えを終えたはずの三人の少女たち――芦戸三奈、蛙吹梅雨、麗日お茶子が、一歩も動かず互いを猛烈に睨み合っていたのだ。
三人の瞳からは完全にハイライトが消え失せており、更衣室の鏡がその異常な光景を不気味に映し出している。
「ねえ……ちょっと聞きたいんだけど」
三奈ちゃんが笑みのない顔で口を開き、ドスの利いた声を出す。
「あんたたち二人ともさ――ヒロ君とどういう関係なわけ?」
「それはこちらのセリフよ、芦戸ちゃん」
梅雨ちゃんが教室にいた頃より、明らかに低い声で返す。長い舌が威嚇するように、口元でピクリと動いた。
「私は幼馴染よ。でも緋色ちゃんは私の心を開いてくれた大切な人で、私たちは深い絆で結ばれているわ。後から出てきた泥棒猫さんたちに、馴れ馴れしくされるのは感心しないわね。ゲコ」
「違うよ……」
お茶子ちゃんがメタルゲラスのカードを握りしめながら、二人を冷酷に見据えた。
「緋色君は……私が一番辛い時に助けてくれた、私だけのヒーローなの。モンスターを預けてくれたって事は、私が緋色君の
バチバチと目に見えない漆黒の火花が、三人の間で激しく飛び散る。
それは
これから始まる個性把握テストの前に、一人の少年を巡る壮絶なヤンデレたちの戦争へのカウントダウンが静かに、しかし確かにゼロを刻もうとしていた。
感想・高評価待ってます