イアスに接続したアキラとゾロは、対ホロウ6課と共に浮遊した巨大なエーテリアスを追っていた。
だが、道中に複数のエーテリアスが現れて立ち塞がる。
ゾロは『和道一文字』と『三代鬼徹』を鞘から抜いて黙々とエーテリアスを斬り伏せる。
それは、対ホロウ6課も同様だ。
そうして、エーテリアスを片付けて、浮遊した巨大なエーテリアスを追う。
「一体どこだ?・・・あんなとこに!」
浅羽悠真は浮遊した瓦礫を伝って浮遊した巨大なエーテリアスを追っている星見雅を見つけた。
その星見雅は浮遊した巨大なエーテリアスの側にいる子分みたいなエーテリアスを斬り伏せて浮遊した巨大なエーテリアスの進路に回り込んで、居合の構えを取る。
『ガアアアアアァァァァァァァ!!!』
浮遊した巨大なエーテリアスが襲い掛かろうとした瞬間、星見雅は刀を抜いて斬った。
だが、僅かな傷をつけただけで終わり、浮遊した巨大なエーテリアスは逃げてしまった。
イアスに接続したアキラとゾロ、対ホロウ6課は地面に着地した星見雅に駆け寄る。
「(星見雅・・・噂通り強ぇな)」
「いたいた、課長ー!」
『えっと・・・対ホロウ行動部のお仕事に『プロキシの逮捕』なんてないよね・・・?』
リンは今更自分たちの心配をする。
「課長、ご無事でしたか。首尾はどうでしたか?」
「芳しくは、なかったな。先の一振りは・・・むぅ、『茶碗を砕く木槌と思へば』・・・『黒板を伝う白墨が如し』と、言ったところか・・・」
「包丁でバターをズバーー!したかったのに、まな板にドンッ!しちゃったってことだね!」
「蒼角ちゃんさぁ、もっとわけ分かんないよそれ・・・」
星見雅の表現がよく分からず、蒼角が分かるように訳そうとするが、別の意味で分からなくなってしまった。
そこに、月城柳が分かりやすい訳をした。
「課長曰く、『ニネヴェ』に重傷を負わせられなかったとのことです。引き続き目標を追跡する必要があるかと」
「はいはい、斥候やりまーす。まー・・・あんなでかいの、見失うほうが難しいけどね」
だが、この場に複数のエーテリアスが集まってきた。
「エーテリアスが集まってきているようです。課長と『ニネヴェ』の先頭を聞きつけたのでしょう。処理は任せてくださいますか、課長?」
「あぁ、対ホロウ6課・・・総員、迎撃準備」
星見雅がそういうと、対ホロウ課は集まってきたエーテリアスを掃討していた。
一方、ゾロはイアスに接続したアキラの側にいた。
『ゾロ、君は行かなくていいのかい?』
「必要ねぇだろ。・・・それに、こっちを見てる奴がいるからな」
『・・・』
ゾロがそういうと、正面にいきなり『タナトス』が現れた。
そして、『タナトス』はイアスに接続したアキラとゾロに弓を向ける。
「ちょっと下がってろ」
ゾロがそういうと、イアスに接続したアキラはゾロに従い、物陰に隠れる。
一方、『タナトス』はゾロに矢を放つが、『武装色の覇気』を纏わせて一時的に黒刀になった『和道一文字』と『三代鬼徹』によって弾き返される。
そして、ゾロはそのまま渾身の一振りを『タナトス』に放った。
「二刀流」
『ー"七百二十煩悩鳳"ー』
その斬撃は螺旋状の軌道を描き、地面を斬り裂きながら『タナトス』に直撃し、『タナトス』はバラバラになってそのまま消滅した。
「・・・」
一方その頃、対ホロウ6課もエーテリアスの掃討が終わったが、星見雅はゾロの放った斬撃を見て、とある人物と重ねていた。
それから、対ホロウ6課とイアスに接続したアキラとゾロはスコット前哨基地に戻るのだった。
スコット前哨基地に戻り、対ホロウ6課は一息ついて雑談をしていた。
雑談の内容は、ナビボンプだと勘違いしているイアスに接続したアキラについてだ。
浅羽悠真は学会がボンプの論理コアに特別な『しつけ』をしていると疑っていたが、レイによって『独立調査チーム』を率いているアキラの私物であると説明された。
その説明により、対ホロウ6課の面々の視線はアキラに一直線になった(因みにゾロは出入り口でアキラの帰りを待っている)。
「確かに、調査協会は民間から調査チームを募っていると聞いたことがあります」
「当局のアホより、民間人のほうがよっぽど頼りになるとはね・・・なんともはや」
「次は逃さない」
「・・・まさか、僕に言っているのか?」
アキラは自身がプロキシであることがバレ、逮捕されるのではないかと思い、身構えた。
「いつもながら、人をビビらせるのがお上手ですねぇ。課長」
「課長曰く・・・あなた方の調査チームとまた協力できる機会があれば、ぜひ逃したくはないとのことです。まだ公務中ですが、戻って報告をしないといけませんね。我々は先に失礼します」
月城柳はそう言い、対ホロウ6課の面々は公務に戻っていった。
それからアキラはレイに『審査』の合否について聞いた。
結果はもちろん合格だ。
合格とされた理由は、本来審査にはなかった『ニネヴェ』の鎮圧成功に協力し、五体満足で生還した。
これが、主な合格の決め手だ。
合格と聞いたアキラは出入り口に行くと、ゾロだけではなくリンもいた。
「お兄ちゃん、迎えに来たよ!」
「そんなに会いたかったのかい?」
「・・・だ、誰もお兄ちゃんの心配なんてしてないもん!私はイアスが心配だっただけ!初めての零号ホロウとはいえ、まさか、『ニネヴェ』に対ホロウ行動部まで出てくるなんて思わないじゃん・・・」
「だな。それより、結果はどうだった?」
「ゾロ、どうせ察しているんだろう?合格したって」
「やっぱり!だってゾロがいるんだからね!」
「はいはい。それじゃあ、帰ろうか」
「待て」
アキラとリン、ゾロはスコット前哨基地を後にしようとすると、後ろから声を掛けられた。
その声の主は星見雅だった。
「先ほどの剣技、実に見事だった。それに、その腰に差している二振りの刀もかなりの名刀と見る。お前、名はなんだ?」
「(もしかしてこの人、ゾロのことを聞いてる?それにこの人・・・新エリー都最年少の『虚狩り』星見雅・・・!?)」
リンは一目見ただけでゾロに話しかけてきた人が星見雅だと理解した。
今の新エリー都に星見雅の名を知らない者などいない。
それぐらい、星見雅は新エリー都で有名人なのだ。
「(頼むぞゾロ・・・どうかバカ正直に本名だけは言わないでくれよ・・・!)」
「(名前か・・・偽名を言わなきゃいけねぇんだが、何も思いつかねぇな。ま、ここはばあちゃんの名字を使わせてもらうか)」
ゾロは心の中で考えがまとまり、星見雅に向かって名前を言った。
「・・・おれは"霜月"ゾロだ」
ゾロは自身の祖母の名字である『霜月』をロロノアに変えて言った。
アキラとリンはゾロが自身の名字を変えて言ったことにホッとしていた。
だが、星見雅は『霜月』と聞いた瞬間、僅かに動揺を見せていた。
「もういいか?おれたちは早く帰りたいんだ」
「待っ・・・」
「課長」
星見雅はゾロを引き止めようとしたが、背後からとってもとーっても笑顔な月城柳に肩を掴まれた。
「課長、公務中ですよ?」
「だが・・・!」
一方、アキラとリンとゾロは星見雅が月城柳によって足止めを喰らっている隙をついて、大急ぎで車に乗り込んだ。
「ふぅ、危なかった・・・あの人、ゾロを引き止めようとしてたし。もしかして、ゾロの実力を見抜いているとか?」
「さぁな。それより、さっさと帰ろうぜ」
ゾロがそういうと、アキラはハンドルを握ってアクセルを踏み、車が動き出した。
「(それにしてもあの女・・・おれがばあちゃんの名字を使った時、動揺してたな。おれの見間違いだといいが、厄介なことにはならないでくれよ・・・)」
ゾロは車の中で厄介なことにならないように願うのだった。