超闘争ALT プロジェクト・ファンタズマ -i   作:独立傭兵月兎(仮)

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ALT-10.Shining

勝負はついた。

ツクヨミの空には、私の勝利が大々的に映し出されていて。

辺りからは歓声が響いていた。

 

私はそれに目もくれず、未だ立ち上る土煙のなかに歩みを進める。

 

「うへぇ…これじゃ、

どっちが勝ったか解んないや…」

 

左腕は千切れ飛び、折角の衣装も焼け焦げてしまっていて。

だけどそれでも、九朗のくれた髪飾りだけは輝いていた。

 

「…居た。」

 

 

─────────────────

 

 

「…動け、俺の身体…

まだだ…これから、もっと、面白く…!」

 

九朗は動かなくなったその身体を動かそうと、

必死になっていた。

 

「まだなんだよ…

やっと、満たされたんだ、だから…っ」

 

まだ終わらせたくないと、泣きそうな顔で。

 

「九朗。」

私は優しく、

だけど何処にも行かないようにだきしめた。

「…っ、かぐや…?」

 

「かぐや、すっごく楽しかったよ。九朗は?」

 

 

「…ああ、すごく、面白かった。

終わらせたく、無い程に。」

 

口惜しそうに、九朗は言う。でもね?

 

「…終わらないよ。

 

終わらせるわけ、無いじゃん。」

 

 

「…かぐや?」

 

わたし、もう我慢しない。

 

 

「…好き。

九朗、大好き。

 

かぐやね、九朗の為に強くなったよ。

これからだって、九朗が望むなら何度だって戦ってあげる。

 

…それだけじゃないよ?

かぐや、九朗とやりたいこと、いっぱいあるもん。」

 

 

 

「九朗に、かぐやの作った料理を食べて欲しい。

それで、九朗に美味しいって言って欲しい。

 

九朗の歌声が聞きたい。

また九朗と彩葉と歌いたい。

何でもない日でも、みんなで一緒に居たい。」

 

想いが、どんどん溢れてくる。

 

 

「…九朗に、側に居て欲しい。

 

 

彩葉も、九朗も。

みんな連れていくの。

そこに、九朗が居なきゃ、絶対やだ。

 

…だから、いっしょに帰ろう?」

 

そう言って、もっと身体を密着させる。

 

 

少しの沈黙の後、ずっと私の言葉をただ聞いていた九朗が、口を開いた。

 

「…かぐ、や」

 

動かない筈の、彼の手先が持ち上がる。

…黒い外装が剥がれ、辛うじて動くようになった腕に武器は握られておらず。

ただ、どこまでも優しい抱擁を受け入れてくれた。

 

 

「帰っても、いい、のか?」

 

ボロボロと、九朗の纏っていた黒い殻が崩れていく。

 

「良いに決まってるでしょ。」

 

私が口を開くより先に。

後ろから、彩葉も九朗を包んだ。

 

「九朗の身体も、ちゃんとあるよ。

戻ってきて欲しかったから。

…それに、私も九朗の事が好きだから。

芦花も、カヨコも、広美も、リンちゃんも。

みんな、九朗を待ってたんだ。」

 

「…だから、安心して降りてきてよ、九朗。」

 

九朗がやってくれたように、優しく頭を撫でてあげる。感覚こそ無いだろうけど、九朗に届いて欲しいから。

 

 

「…かぐや、いろは」

 

 

やがて、全ての殻は剥がれ落ちた。

そこに居たのは。

 

 

 

 

 

 

「…また、お前に助けられたな…

 

ごめん…ありがとう…ッ」

 

 

 

 

雨は止み、再び綺麗な夜がやってくる。

私たちは九朗が現実へと帰るまで、

その身体を抱きしめ続けた。

 

─────────────────

 

 

 

 

 

九朗の部屋

 

 

意識が浮上する。

久し振りの肉体はあまりにも重く、

そして視界は殆ど失われていた。

 

…だけど、そこに沢山の待たせてしまった人達が居るのは確かで。

 

右手に感じる暖かさは、

間違いなく「彼女」のもので。

 

 

 

 

 

「ただいま、かぐや」

 

 

 

 

 

 

「…おかえり、九朗っ!」

 

 

 

 

顔すらもう見えやしないけど、確かに彼女が笑った気がした。




…これにて、此方の怪文書は終了となります。


ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

また、元となる「超闘争」を書き、三次創作のお許しを下さった四脚好き様、そして「超かぐや姫!」「ARMORED CORE 」をこの世に産み出した方々に多大なる感謝を。
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