その後日談的なものです
おそらく十二時間ほどでしょうか
ほぼノンストップでクリアしました
プレイ中に号泣、クリア後に号泣、書きながら号泣
ある意味では涙の結晶とも呼べる作品です
個人的な話ですが、この五年で出会った作品の中で最も好きな作品となりました
素晴らしい出会いをありがとう
そんな想いと勢いで書き上げたとても短い後日談
ぜひ呼んでもらえれば嬉しいです
「お姉ちゃん、久しぶり」
お姉ちゃんとお別れをしてから五年。私はあの日お姉ちゃんと出逢った公園を訪れていた。
「見て、私もこの春から高校生になるよ」
お姉ちゃんと同じセーラー服姿で、軽くポーズをとってみせる。
「どうかな、似合ってる?実はちょっとだけ自信あるの。だって私はお姉ちゃんの妹だからね」
自分の言葉なのに恥ずかしくて笑ってしまう。誰もいない公園で、誰も返事はしてくれない。それでも私は――深呼吸をしてから、できるだけ丁寧に言葉を紡ぐ。
「あのね、お姉ちゃんの死様手帖を真似して、毎日の出来事を書き留めるようにしてるの。名前は――生様日記」
私は鞄から小さめのノートを取り出し、それを胸元に抱き寄せてから、指先で撫でるようにそっとページを開く。死様手帖と同じ、毎日の写真に文章が添えられた作りにした。こうすればお姉ちゃんをずっと近くに感じられる気がしたから。
「ほら、写真撮るの上手になったでしょ?これはこの前お父さんとお母さんと買い物に行った時ので、こっちは友達と帰りに寄り道した時のやつ」
ゆっくりとページを捲る音と優しい風。気がつけば自然と笑顔になっていた。それなのにどうしてだろう。こんなにも穏やかな気持ちでいるはずなのに――私から零れたのは静かな本音だった。
「やっぱり寂しいよ」
私は溢れる涙を隠すこともせずに、感情のまま独白する。人目も気にせず、声を荒らげて泣きじゃくる。寂しい、会いたい、もう一度だけ。そんな言葉を何度も繰り返してしまう。こんな姿をお姉ちゃんが見たらなんと言うだろうか。きっと柔らかく温かな手で包み込み、優しい声で慰めてくれるのだろう。そんな想像を重ねるほど、想いは抑えられなくなっていく。それでも最後に残るのは、今を生きる私の確かな答えだった。
「私は幸せだよ。お姉ちゃんが守ってくれたこの命があるから、毎日笑って、毎日泣いて、毎日生きていける。お姉ちゃんの妹として生きることができて本当に幸せなの」
私は大きく息を吸ってから、まだ涙に濡れた満開の笑顔で空を見上げる。どうかこの想いが届きますように。そんな祈りも願いも全て込めて、私は精一杯に叫ぶ。きっと今も天国から見守ってくれている、たった一人の大切な人へ。
「お姉ちゃん、大好きだよ!」
お姉ちゃんのことが世界で一番大好きな詩歌より。
生様日記の最初のページ。そこには死様手帖の最後と同じ写真が貼ってある。二人で撮った唯一の写真。あの瞬間を私は絶対に忘れない。私の命の始まりには、お姉ちゃんがいる。いつかお姉ちゃんにこの生様日記を直接渡す時、とても喜んでくれると思う。今から楽しみだけど、それはまだずっと先。今は天国まで遠回りの途中だから。だからね、約束通り待っていてほしいな。私のお姉ちゃんのこと、私の人生のこと、全部伝えるから。その時はたくさん話を聞いてね。
「それじゃあまたね、お姉ちゃん」
私は生様日記を鞄に仕舞い、背を向け歩き始める。背後の木が揺れ動いたような気配に振り返った私は、そこにいないはずの、それでも確かにここにいたはずのお姉ちゃんに微笑みを残して、その場をあとにした。
本当に短いですね
それでもたくさん想いを込めました
ぜひ感想など聞かせていただけると嬉しいです