扉の形を元に戻し、覗いてみると地下に続く螺旋階段。だが俺はカラス、自由落下に身を任せて地面に近づいたら翼で制御。
着いた地下は薄暗かった。部屋が一つだけあり、鉄格子みたいなのが見える。中に入ってみると、辺りには壊れた人形……人形に囲まれた身としては、言葉に困る光景だ。
「そこにいるのは……だぁれ?」
部屋の隅になんか居るんだけど!? 薫、見てきてよ!
『しょうがないなぁ……待っててね』
俺の身体から出て行く半透明な男の娘……薫。ていうかなんで俺以外には見えないんだろう。魂で繋がってるから俺以外には見えないとか?
『ただいま。なんかね、少女が居たよ』
少女? まあ、化け物じゃないだけいいか。それにしてもこの部屋の空気っていうか、気が淀んでるなぁ……こういったことには敏感だから勘弁してほしい。
それじゃあ、少女とやらに会ってみようか。
ぴょんぴょんと跳ねて少女がいるところに行き、目の前で止まる。
「……鳥さん?」
そこには綺麗な金髪と、七色に輝く異形の翼を持った少女がいた。またもや超絶美少女である。幻想郷ェ…………。
「なんでこんな場所に鳥さんが居るの?」
そう言って少女は俺を両手で包み込んで目の前まで掲げた。くりくりした目が可愛らしいのである。うむ、眼福。
それより少女よ、なんでこんな場所に居るんだ? って言っても、聞こえないか。
「えっとね…情緒不安定だからとか、気が触れているからだとかで閉じ込められているの」
ふ~ん、気が触れているね……なんで?
「狂気がなんとか……ってお姉様が言ってたような……わかんない」
そう言って首を傾げるこの少女。つられて首を傾げる俺。そんなこと言われても俺もわかんない。取り敢えず、この少女から滲み出ている禍々しい力をどうにかしよう。
ということで、変えてしまってもいいか? 何か大切な力とかじゃないよな?
「違うよ? でもこれのせいでお外出られないし……」
ほうほう、そうかそうか……じゃあ俺が外に連れ出してやる!
「本当ッ!?」
うむ、ついでに色々教えてやろう! だから今までのお前についての話をしてくれ。つまり、お話しようぜ!
「うん! 私はフランドール。フランって呼んでね!」
俺はコウヤだ。よろしくな、フラン!
「うん、よろしくねコウヤ!」
こうして俺達は様々なことを話した。どうやらフランは一般常識を知らないらしい。それとお姉様とやらと一杯お話がしたいと言っている。
せっかく家族がいるんだ……絶対に話させてやりたいよな!!
よし、じゃあフラン! 俺の能力で狂気をどうにかして、ついでに常識や手加減なども教えてやろう!
「お願いします!!」
早速禍々しい力を無害なもの……何にしようか…酸素とかでいいや。酸素に変化させて霧散させる。
そしてこの部屋の中の時間の流れを数十、数百倍と何倍にも速い速度に変える。周りの世界は平常運転なのに、俺達二人だけは思考と身体にかかる時間が十年分位である。
数分で十年もの体験……これでバッチリだろう。俺はカラスなので歳を取らないように身体を変化させた。
物覚えがいいので一年で知識を身につけた。数学とか学校で習うこと。要らない知識も教えたけど、いっか。
で、残りは戦闘経験を積む。ついに俺の人間化もしました。肉体を人間に変えたのだ。生前と同じ姿だ。ま、普段はカラスなのでまたいつか説明をな。
この部屋から出ていないので滅茶苦茶ボロボロになったりしたが、俺が能力で元通りにした。
言っておくが、俺達マジで強くなったぜ? なんせ九年間ずっと戦ってたり、身のこなし方の研究してたから。フランの力なんて元の倍以上ある。
『言っておくけど……』
ん? なんだ、薫。あ、そうだ! 薫も人化出来るようにしたし、本人の希望もあって何故か女になった。フランも知ってるが、俺の中にいる時だけは聞こえないらしい。
『本当に今さらなんだけどね……コウヤのカラス姿の時、なんでフランに考えが伝わるの?』
………………………え? あ!? ホントだ! 十年ぶりだけど聞いてみる、俺の声聞こえるのか!?
「うん、お兄ちゃんの声は最初から聞こえてたよ? こう……頭に直接響くみたいな感じ?」
う~ん…なんでだろう? ま、その御蔭でフランとこうしていられるし、いいか。
あと、人間時にお兄ちゃんって呼ばれてからカラスでもお兄ちゃんって呼んでる。傍から見れば異様だよな。ただ、俺が言わせたわけじゃないからな。
じゃ、十年経ったNEW俺達……外に出ますか!
「うん! 行こう、お兄ちゃん!!」
ああ、十年ぶりの外へ!
無理矢理感あるけどいいよね!
後二話で終わりですね。二話出したらこっち(サイト)一本に絞ります。
※詳しいお話は番外編にあるので、そちらをどうぞ。