東方憑鴉録   作:きりがる

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第17話 カラス、胡散臭いのに会う

 

 咲夜が止めていた時間を解除して俺達も宴会に戻る。再びうるさいほどの賑やかさが溢れだしてきた。

 

「あら? コウヤじゃないの。フランに会いに来たの?」

「コウヤさん! 撫でさせてください!」

 

 そう言ってきたのはパチュリーだった。ついでにこぁも。あ、それとカラスに戻ってるし重力魔法も解いた。結論、邪魔にしかならない、とのことだから。

 

 大人しくこぁに撫でられながら目の前のチャイナ服とレミリアを見る。いやぁ、スマンなレミリア。あの時邪魔しちゃってさ。

 

「へぇ~、これがカラスのコウヤさんですかぁ~。案外可愛いものですね」

「あ、美鈴さんもそう思いますか!? 今までカラスなんてそんなに意識してませんでしたけど、コウヤさんは可愛いです!」

「私にも撫でさせてくださいよ~」

 

 そう言って手を伸ばして撫でてくる美鈴とかいうチャイナ服。うむ……いいものだ。何がとは言わないが。

 

 揉みくちゃにされる俺を見て笑っているフランと咲夜。このやろう…笑うくらいなら助けろっての!

 

 暫く揉みくちゃにされた後、次の所に飛んで行くと……あのクソ天狗がいた。そう…俺に怪我を負わせたクソ天狗が居た。

 

『どうするの? 殺っちゃうの?』

 

 それは最終手段な。それよりUターンだ。Uターン。インメルマンターンだ。関わらないほうがいいと俺の本能が囁いている……が、隣の犬耳美少女を愛でたい。

 まあ無視するが。さって、逃げちまおうか。

 

『だね』

 

 そう思ってそのまま左に旋回して眼を付けられる前に撤退。そのまま神社の屋根の上に止まって、宴会を見る。

 

 酒をものすごい勢いで飲んでいる角のデカイ幼女。カメラで撮りまくっているクソ天狗。

 

 あん? あれは妹紅と慧音か。あ、川で出会った子も居るんだな。

 

 それにしても、フランもアリスも仲良く出来てるようだし、良かったよかった。

 

『なんか保護者みたいだね』

 

 二人共俺より年上のはずなのにな。ま、薫は同い年だし、そこまで気にすることはないか。なんでも投げやりだった前世に比べれば、結構変わったとは思うけど。

 

 それにしても、本当に色んな奴が居る。九尾の狐の美女に幽霊みたいな奴に、妖精みたいなものまで。お、あれは紫色の胡散臭いおばさ……

 

「誰が胡散臭いババアですって!!?」

「紫様!?」

 

 そして飛んでくる妖力弾。またかよ!? 誰もババアなんて言ってねえよ! そしてなんで的確に俺の方に向かって撃ってくるんだ? 他のやつという可能性がだなぁ!

 

「一体どうなされたのですか? カラスに向かって撃つなんて」

「いえ、なんか条件反射で撃っちゃったのよねぇ……なんでかしら?」

「知らないわよ。それに紫、あれって一ヶ月前の怪我したカラスよ」

「あら、本当ね。生きてたの」

「アリスが拾ったそうなの」

「ふ~ん…」

 

 しっかし吃驚したなぁ…驚いて避けなかったら直撃だったぞ。まあ、直撃したところで改造した我が肉体には怪我一つ無いんだろうけど。

 

 着弾した屋根の焦げを見ながら、嘴で突いていると、何かいきなり誰かから掴まれた。

 そして大量の目玉が! き、キモい!

 

『うわぁ!? 何これ怖いんだけど!!?』

 

 だよな! ぎょろりと動く目玉! そしてこの綺麗な手は誰のだ! この手の持ち主は絶対に美人だなとわかる手だ。

 突いてやれ!

 

「痛っ!? ちょ、痛いわよ!」

 

 あ? なんだ? と思って突きまわるのをやめて見てみると、なんと目玉は消えて胡散臭いおばさ……

 

「誰が……ババア、ですって……?」

「ギャッ!?」

 

 な、なんで両手でギュッと掴まれてるんでしょうか!? ミシミシ言ってて苦しいんですけど!? 

 

 そして俺の声が聞こえたのか、霊夢という巫女がすかさず胡散臭い人から俺を救い出してくれた。信じてたよ!

 

『なんて都合のいい……』

 

 五月蝿え。

 

「もう、何してるのよ紫。カラスが死んじゃうじゃないの」

「ごめんなさい……なんでか反応しちゃうのよねぇ……ホント、なんでかしら?」

「知らないわよ。ったく……大丈夫?」

「カァ…」

 

 思わず口から中身ゲロるところだったが、まあ大丈夫だぜ。死ぬかと思ったがな。死ぬかと思ったがな! 大事なことだから二回言わせてもらった。死なんけど。

 

 今度から目玉おばさんって呼ぼう。

 

「(ギンッ!)」

「………(プイッ)」

 

 見目麗しいスタイル抜群の超絶美人と呼ぼう。うん。あ、汗が止まらん……。顔背けてもまだ睨んでくるが、俺がそう思ったら何故か満足気に睨むのをやめた。

 

 言葉は通じなくても、こいつとなら何か意思疎通が出来そうな気がする。相手が一方的に感じるだけだけど。

 

 まぁ、おばさんなんて言えないほどグラマー美人だ。ぶっちゃけタイプだ。でも胡散臭さが少しばかり台無しにしてしまっているのだ。大人しくしてれば問題ないのにな。

 

 そんなこと考えてたら、なにやらその紫とか呼ばれてた奴に持ち上げられ、膝の上に乗せられ撫でられた。

 

「変なこと考えなければ可愛いじゃない」

 

 な、なんて都合のいい頭してるんだ、紫とやら。

 

「コウヤだったかしら? 普通のカラスよりも賢いのね。妖怪じゃないかと疑っちゃうくらい……」

 

 そして抱え上げられて何やら良からぬ目で見られる。

 

『コウヤ…大丈夫なの?』

 

 大丈夫だ、問題ない。あざとくして生き残ろう。こう…つぶらな瞳で首を傾げるという動作をだな。

 

『カラスの時しか出来ないね』

 

 黙らっしゃい。

 

 そして本当にしてやった。更に嘴の先で手を軽く撫で突くということもプラスしてやった。なんならはねやすめという技でも……。

 

「………妖力は無いし、普通のカラスね」

 

 そいつは良かった。記憶でも覗くことが出来るなら……別にやばくはなかったけど、やばかった。いや、やばくないけど。

 

『どっちなの?』

 

 やばくないです、はい。能力で侵入された瞬間に、自動でカラスの時の記憶に変わるから、俺になった時からの記憶は覗けやしない。心を読まれた時も自動でカーという声にしか聞こえなくなる。

 

 さとり妖怪が居ても問題なさそうだな。俺はカラスでしか無いのだ。カラスで兄でペットで俺で。………おや? よくわからなくなってきた。

 

 まあ、今はそんなこんなで紫の太ももの上で、ぬこ少女や狐美女に撫でられたりしている。喰われなくてよかった。焼き鳥は嫌だ。それにしても九尾の中に突っ込んでみたいものだ。なあ? 薫よ。

 

『そうだね~…もふもふしてそうよね!』

 

 だな! いつか突っ込んでやる。事故と言い訳して!

 

 




コウヤ「スキマ妖怪?否。断じて否! a shady monsterだ!」意味・胡散臭い妖怪
紫「焼き鳥の刑ね」
コウヤ「なぜわかる!?」
妹紅「ん?焼き鳥?任せろ!」
慧音「焼き鳥の慧音と聞こえた私は末期かもしれない」

じゃあ作者も末期ですね(笑)

3/23 あってもなくてもいいようなことを少し修正。教えてくださった皆様、ありがとうございます。
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