東方憑鴉録   作:きりがる

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お久しぶりです! すみません、本当に長い間空きました。
リアルがかなり忙しかったせいで、この作品のことが頭から抜け落ちていました。
相変わらず文字数は少ないですが、宜しくお願いします。


第18話 カラス、宴会にて酔う

 

 

 あれから結構経ち、辺りはすっかり真っ暗になっているのに、男が誰一人居ないこの艶やかな宴会は更にヒートアップしている。

 主に酔っぱらいのせいで。アリスも酔っている。咲夜もフランも適度に酔っているようで、頬を朱に染め色気が出ている。

 

 天魔もいつの間にか来ており、紫や狐美女と話をしていた。古参勢っぽいので知り合いなのだろう。紫曰く、天魔は霊夢とも知り合い。そして宴会にも色んな奴を呼んだらしい。

 

 そして俺は天魔に撫でられながら酒を飲もうか飲まないか悩んでいた。

 

 う~む…飲んだらこのカラスの貧弱ボディが…あ、強靭になったんだっけ? アルコールも分解できるんじゃないだろうか。

 

 こう…能力が勝手に何かに変えるとか。血液とかリンパ液とか?

 

『これってもし酔ったら、繋がってる僕も酔うのかしら?』

 

 それは分からん。

 

「ふふっ、コウヤもお酒飲んでみたいのですか?」

「クァ…」

 

 盃に入っている酒を天魔が口元に差し出してくる。

 それを小さく声を出しながら匂いをかぐ。あ、匂いだけで酔いそう……。

 

 だがしかし! ここでやめては男が廃る!

 

『僕は女だけど…』

 

 黙らっしゃい! 元男の娘!

 

 そろりと嘴を近づけて水を飲むように飲んでみる。そんな光景を周りの皆が見ていた。周りって言っても紫と狐美女と天魔だけだけど。霊夢とかは他の所行ってるし。

 

 一口、二口飲んでみるが……あ、これは駄目なパターンだ。

 

『酔った?』

 

 酔った。

 

 嘴を離すと酒が溢れ、喉元の黒い羽を濡らす。これが本当の烏の濡羽色…なんて!

 

『寒い…これは酔ってるね。オヤジギャグだ』

「あれ…? なんか寒くて酔いが覚めた気がする」

「妹様…?」

 

 なんかどこかでフランの声が聞こえたような……

 

 酒を飛ばすためにフルフルと頭を振ると、その勢いで身体が天魔の太ももの上からコテンと落ちた。

 そして立ってみようと思ったが、コテンと倒れる。また立とうとしたがコテン。こんなことを数回繰り返す。

 

『僕は酔わないんだね』

 

 そうね。あ~…フワフワするのじゃ~…いい気分? 

 

 やっと立てたと思うとあてもなくふらふらふらふら……千鳥足でそこらじゅうを歩きまわる。カラスなのに千鳥足とかw

 

 あ、コケる。イテテ

 

「カァ…クア…」

 

 もう立てない。ヘルプ薫!

 

『無理かな?』

 

 無理か~…転がろう。うん。コロコロ転がって再び進む。ダメだ、酔ってやがる。俺だけどな!

 

 そんなことをしていたら、不意に浮遊感が俺を襲う。顔を向けてみてみると狐美女が優しく持ち上げてくれていた。

 

「全く…何しているんだか」

 

 (´・ω・)スマソ

 

「ほら、戻るぞ」

「カ……」

 

 その大きな胸に抱かれて我帰還せり。オエッ…吐きそう。

 

 そして戻ると地面に下ろされるので、コテンとコケながらも誰かの太ももの上に飛び乗った。そこでゴロンと寝転がると、なんか…よく分からいけど、三つの物凄くほんわかした視線

 

を向けられた。

 

「あぁ、コウヤは可愛いですねぇ…」

「そうねぇ…ただのカラスだけど、式にしようかしら? そしたら妖力で妖怪になるかも」

「それでしたら紫様、私の式にしたいです。あれですね…橙は最高ですけど、カラスも中々…」

 

 何言ってるのか分からん。

 ただわかるのは、ここは紫の上だということで、撫でられているということだけ。な、なかなか上手いジャマイカ……。

 

 こうして神社での宴会は、俺が酔うということで何故か一部だけほんわかしてしまった。

 

 

◇◇◇

 

 

 宴会が終わってからは俺はアリスの家に帰った。まあすぐに出たんだけどな。

 

 そこから数日は天魔の所に行っていた。別に暇だったから。アリスも神社に行くって言ってたし。いや…紅魔館のパチュリーの所に行くんだっけ? 俺繋がりで知り合っていた。

 

 それにしてもカラスにも二日酔いとかあるのだろうか。天魔の所についたら直ぐに寝てしまった。一度起きても治ってなかったし。

 

 そんな体調の悪そうな俺を見て天魔が助けを。ありがたい。

 

「コウヤ、もしかして二日酔いなのですか? カラスにも二日酔いってあるんですね」

「クァ~~……」

 

 俺も初めて知ったよ。普通のカラスだけど普通じゃない俺はどうなっているんだろうか…まあいいか、面倒くさい。頭痛いし、考えるのやーめた。思考を放棄!

 

「そう言えば、友人の薬師に薬をもらってましたね。確か動物も大丈夫だったような……」

 

 そう言いながら棚を探している。

 

『動物にも効くなんて凄いね』

 

 だな。

 

 天魔がガサゴソ探しているのを見ながら薫と話す。上の棚がなかったのか、今度は下の棚を探している。おい、散らかすなって。誰が掃除すると思ってるの!

 

 少なくとも俺ではないけどな!

 

『カラスだもんね~』

 

 ね~。

 

 そして見つけたのか、手には小さな巾着がある。巾着ということは丸薬かな? 粉薬では無いだろう。

 

「見つかりましたよ。これを水に溶かしてですね…」

 

 小さな皿に水を入れる。

 

「カラスですから…少量でいいかな…」

 

 そしてなんと木匙を巾着に入れたではないですか! そして出てきたのは粉。まさか粉薬とは思わなかったぜ。

 

 それを水に入れて少し混ぜてから俺の所に出す。それに一言鳴き声で礼を言い、飲んでみる。ぐっ…に、苦いなおい…結構キツイか。

 

 それでも良薬口に苦しというのだから、相当効くのではないだろうか。なので我慢して全部飲むと、驚いたことに効果は直ぐに現れた。

 

 あの痛かった頭痛がスゥっと引いたのだ。まさかこんなに早く効くなんて…物凄い薬だな。現代医学では到底真似できない効果である。

 

「凄いでしょう? 飲めば直ぐに治るんです。昔から付き合いがある永琳に貰うんですよ。私も色々お世話になっています」

 

 ほうほう、そんなに凄いのか。そんなに凄い人なら見てみたいものだ。

 

「竹林に居ますけど、迷いの竹林は一度入るとなかなか抜けだせませんから、コウヤは入っちゃ駄目ですよ?」

 

 迷いの竹林ね…入るなと言われると入りたくなるのが生き物! 

 

 俺を撫でてから部屋を出た天魔を見送り、早速その迷いの竹林に居るなんとかさんに会いに行く。

 

『まぁ、コウヤなら大丈夫かな…?』

 

 きっとなんとかなる! 

 

 それじゃあ元気よく逝ってみよう!

 

『字が違うよ!?』

 

 気のせいだ。

 

 




コテンコテン倒れるコウヤを想像して悶えたりw
アカン、可愛すぎる!
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