東方憑鴉録   作:きりがる

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さぁて、ついに文を虐めるぞ、無抵抗な所を一方的に!
鴉だから鳥らしく行こう。うん。何されるかわからない恐怖がいいよね!


第22話 カラス、天狗を虐める

 

 

 永琳のところで暫くのんびりしてから、アリスの所に帰った。心配されたけど問題無いと体全体で表現。さすがアリス、俺の言いたいことを的確に当ててくる。そこに痺れる、憧れる!

 

 ただ、首のリボンとリングの名前を見られた時は凄い怖かった。修羅や、修羅がおる……

 

『逃げずに大人しくしてればよかったのに……』

 

 そうは言ってもな、薫さんや。あの顔と背後の修羅を見て、そこに留まっておくという選択肢があると思うか? 

 

『あ~…うん、ごめん。ないね』

 

 だろう? 俺の緊急回避は凄いとだけ言っておく。美人は怒ると怖いとわかった瞬間だったな。

 

 さて、今日は久しぶりにもう一回天魔の所に行こうと思う。飛び出てから此処暫く行ってなかったし、心配してるかもしれん。撫でられハゲる覚悟はできている!

 まぁ、幻想郷でもトップクラスの美人さんに触られるのは嫌ではない。寧ろ歓迎。

 

『コウヤ…? 何言ってるのかな?』

 

 きょーうのごはんはなーんだろなッ!

 

『まったく……』

 

 そう言いながらぶつぶつ呟きだした薫を無視して、アリスの家から飛び立つ。首には小さな包が掛けられており、その中にはアリスが作ってくれた、俺用の小さな昼食が入っている。

 

 おにぎりかな? パンかもしれない。この間焼いてたし。アリス女子力高すぎ。結婚して。

 

『コウヤぁ?』

 

 ドウシテドンドコドコ ナヅェダ!ナヅェドンドコドコ!

 

『ドンドコ五月蝿いんだけど!?』

 

 ……うん。

 

 魔法の森を抜けて大空を飛ぶ。チラホラと妖怪が飛んでいるが、カラスなんてものには興味ないらしく無視だ。眼を付けられても困るけど。あの天狗みたいに。

 あいつは敵だ、いつか倒す。蹴りつけてやる。突き回してやる。

 

 次第に山が見えてきたので低空飛行に入る。山に近づくに連れて飛んでる天狗の量が桁違いになってくるんだよ。きめえッス。

 

 木と木の間を器用にスイスイ飛び回り、天魔の家の窓まで飛ぶ。そして到着!

 

 久しぶりの天魔の部屋なのだが、どうも天魔は居ないらしい。何処に行ったのだろうか。トイレ? 風呂? コンビニ? おでんの卵、あるだけください。

 

『卵好きなの?』

 

 好きだな。何しても美味いじゃん。そうだ、天魔も天狗。見た感じカラス。つまりは鳥。産んでもらおう! 数百個くらい。

 

『いやいやいやいや!! 無理でしょ無理だよ無理に決まってるよ!』

 

 やっぱり?

 

『卵じゃなくって赤ちゃんだと……じゃなくって。その理屈だとコウヤも産めるからね?』

 

 俺が? 卵を? ハハッ! ワロス。人間が卵産める訳ないじゃない……か……あ、今の俺、鴉じゃん! もしかしたら産め…ねえよ! オスだよ! ……オスでも産めるの?

 

『さあ? 僕は知らないよ』

 

 俺も知らんよ。

 

 そんな下らないことを話しながら、天魔の部屋の中でゴロゴロしていたら、丁度天魔が帰ってきた。何時見ても美人ですね。

 そしてその後ろには、なんとあの忌々しい天狗が……射○丸とかいう変態野郎め!

 

『アウト! その名前は物凄くアウト!』

 

 気にするな。侮蔑の言葉に性別はない!! あ、なにげにこれ名言じゃないか? 皆も使っていいのよ? 言い訳には持って来いじゃないか。そして字が違うけどしゃりんがんって読むのよ。

 

「コウヤ!? 久しぶりですね! 元気にしてましたか? 居なくなってから来ないので心配してたんですよ」

「クァ」

 

 そんな事言いながら俺を抱き上げて、優しく撫でてくる天魔。怒ってないっぽい。ラッキーだ。

 

 幸せそうな顔して撫でている天魔に対して、後ろの天狗は顔を真っ青にして震えている。

 あれだ、天魔のペットだと思われているのかもしれない。そしてそのペットを殺しかけたことがバレたら、自分は何されるかわからないと。怖いですと。

 

「そ、それでは天魔様……わ、私はこれで……」

 

 震える声で言いながら立ち去ろうとする天狗。しかし、

 

「待ちなさい、文」

「ッ!」

 

 天魔が呼び止めたことで盛大に身体を跳ね上げさえながら止まった。よく見れば項や腕に汗をかいている。どんだけビビってるのだろうか。

 

 ザマァ。

 

「コウヤが居る、今が丁度いいですね。ええ、知ってますとも。紫から聞いてます。……貴方がコウヤを殺しかけたことをね」

「ぴぃッ!?」

 

 グワシッと、文と呼ばれるクソ天狗の頭を掴んだ。何それ怖い。威圧感が仕事しすぎ。ふと、天魔が俺のことを見ていたので、小さく首を傾げてみると、ニコリと笑いながら問いかけてきた。

 

「コウヤ、文に仕返しをしたいですか?」

「カアッ!」

 

 即答だった。コンマ一秒だった。

 

「ふふっ…いいですよ。させてあげます」

 

 天魔が俺を離したので、少しだけ羽ばたきながら地面に降りる。そして天魔は空いた手で文の口をふさぎ、そのまま膝かっくんして座らせ、床に寝させた。

 

 その瞬間、畳が蠢き、ロープのような形になって文を締めあげた。畳に張り付けにされた状態だな。いい光景だな。ザマァッ。

 

「ム~~ッ!!」

 

 羽まで張り付けにされてる。痛くないのだろうか。

 

「能力も使えなくしましたし、脱することは出来ないので、鴉のコウヤでもなんでも出来ますよ~。私は少し用事があるので出てきますね」

「カァ」

「あ、それと…」

 

 天魔が部屋から出て行く時に、振り返って俺の方を見てきた。

 

「後でその首のリボンと、リングの名前の件……詳しく聞かせてもらいますよ?」

「ピィッ!?」

 

 ニコリ。その誰もが見惚れるような笑顔は、俺には死神の微笑みに見えた。でもね、天魔さんや。鴉に何を求めてるんでせうか?

 喋れるけどしゃべりませんよ? 書けれるけど書きませんよ? 無視一択ですよ?

 

 まあいいや。出て行った天魔を見送り、とことこ歩いてクソ天狗……もとい文に近づく。そしておでこにぴょんっと飛び乗り、見下ろす。

 

「ム~~~~ッ!! ム~ッ!」

 

 わはは! 何言ってるのかわからねーぜ! 

 

 此処は鴉として過ごさせてもらう。紅く、無邪気な眼で眼を覗き込み、首を傾げる。

 そして突き刺さらない程度に瞼をツンツンと突くと、小さく悲鳴を上げていた。

 

 何これ、凄く楽しい。俺ってドSだったのか。知ってた。

 

 途中でアリスのくれた昼食食べてからはもう色々やった。調教タイムだ。こっそり天魔と同じ能力使って、感情を変化させたりした。恐怖とかに。

 頭動かせないから、俺がなにしてるかなんてわかんないよな。それが更に怖くなる。

 

 俺が動物の鳥である、鴉だと思われているから、何されるかもわからないという恐怖。もしかしたら肉を喰われるかもしれない。突かれまくるかもしれない。

 

 目玉を啄まれるかもしれない。そういえば、カモメがアザラシの目玉を喰う写真があったな。眼の中に頭突っ込んで眼とか脳とか喰ってたやつだったはず。あれを脳裏に見せてあげた。鳴いた。ぴぃって。

 

 あれしたら死んじゃうか~。ただでさえ、一時間恐怖状態に無理やり陥らせてから、拷問まがいのことしてるからなぁ……身体中汗まみれで、畳がびしょびしょだ。漏らしてないだけましか?

 

 それにしても……

 

「クァ…」

 

 エロい。うん、汗で張り付いてるから、その大きな胸やら臍やらが……な? 今は鴉だから欲情しないけど。胸はな、柔らかさと弾力があってトランポリンになった。つい面白くって十分くらい跳ねてた。

 

 その時だけは声の質が違ったな。はやく悲鳴にせねば(使命感)

 

 指齧ったり、臍突いたり、太もも突いたり、頭をゲシゲシ蹴ったり、目玉突いたりしてたら……泣いた。物の見事に泣いた。

 

 おでこに嘴で突きまくる時に、16ビート刻んでたら途中で穴空いて血がピューて出てきた。そして漏らした。

 最後の嘴で突く攻撃がキメとなったようです。ドリルくちばししとけばよかった。

 

 泣~かした、泣~かした。先生に言ってやろ~。せんせー! 斉藤が泣いt…斉藤がマッハで走りだした!? 先生! 美術部の斉藤めっちゃ速いんですけど! 涙でアーチ作りながら、漫画のように走りだしたんですけど! マッハで!

 

 懐かしい……。美術部の斉藤、何処行ったんだろうな……。

 

 そして文…ザマァ━━━━━━m9(^Д^)9m━━━━━━!!!!!!

 

 ふかふかの胸の乗り、見下ろしながら内心めっちゃ笑ってた。人が悪い? ばっか、鴉だから人じゃないよ。

 

 まぁ、とりあえずは俺に何かすると怖い目に会うということを刷り込んだし、いいか。

 漫画家ってさ、色々資料持ってるんだよ。そこでなぜかあった心理掌握の本や、拷問の本なんかも読んだよ。まさか此処で使うとは思ってなかったけどな!

 

 さて……きっと天魔もドン引きだろう。 

 

 

 




次は天魔のおこ状態でのレースになりそうな予感。
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