ショタおねモノに出るエロガキに転生させられたけど、俺前世でなんかした……?   作:胡椒こしょこしょ

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股間がハイウェーブ! 竿谷猿真!!


集落中で悪評が立っているのは、この男~~~~!

 『神はサイコロを振らない』。

 かの有名な物理学者、アルベルト・アインシュタインの言葉だ。

 

 けれど、この言葉は真実ではない。

 なんでそんな風に言い切れるのかって?

 それは、僕が実際に目にしたからだ。

 

 サイコロを振るう神を。

 手違いで死んでしまった僕に第二の生をやると嘯きながら、僕の資質をサイコロで弄ぶ姿を。

 人をよくわからないTRPGのキャラクターシートか何かだと思ってるかのような振舞い。

 

 そして……。

 

『名称:これ僕嚢

 効果:装備者の魅了判定の難易度を最低値にする。

 ただし、年上の美形の異性と邂逅した際、激情が出た際は即座に抱き着いて魅了判定を行わなければならない

 

 先天的に繁殖に特化した陰嚢。それは生命の本懐である繁殖に長けているが、それ故に制御するのは至難である。どういうことかって? エロ猿になるってことだよ』

 

「うおっw ショタおねモノのエロガキ出来てもうたんやがw ほんじゃ、これに合うようにパラメーター作るからちょい待ってね~」

 

「えっ!? ちょっ、まっ……!!」

 

 

 人をゴブリンみてぇなクソガキとして第二の人生を送り出す暴挙。

 なに? 僕は前世でどんな悪いことをしたんですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 この世界で生を受けて、気付いたことがある。

 

 ひとつはこの世界では怪魔なる存在が日々、人々の領域を侵さんと暗躍しているということ。

 そしてそれを退治する祓魔士として僕は生を受けたのだ。

 

 そして、もう一つは……。

 

「柊亜に、火凛。よくやったぞ、鍛錬の成果が出ている。……猿真。貴様は居残りだ。稽古中も鼻の下を伸ばしおって……その腐り切った本性叩きなおしてやる」

 

「は、はい……」

 

 他の男児・女児には優しい目を向ける美女が、僕を見て目を吊り上げる。

 まるで蛇蝎の如き嫌われ具合だ。

 

 まっ、それもむべなるかな。

 

『これ僕の! 僕のぉぉぉぉぉぉ!!!!! ほぎょぉぉぉぉぉおお!!!!!』

 

『なっ……!!!? 貴様っ!!! なにをしている!!!!! 放せっ!!!! 気色の悪い!!!!!』

 

 なにせ、僕に秘められた『これ僕嚢』がこの人との初対面時に発動してしまったんだもの。

 

 幼馴染の母親に、猿みたいに腰に抱き着いてヘコヘコ。

 そりゃ嫌われるに決まっている。

 

 ヤバいと思ったが抑えられなかった。

 身体が勝手にヘコついていたんだ。

 それに思考はチ〇ポになっていたことは認めざるを得ない。

 

 股間は無駄にデカく、神様の特典のせいで年上の美人を見るといつもこうだ。

 

 そう、いつもこうなのだ。

 どうにもこの集落には祓魔士が住んでいるのだが、どいつもこいつも見た目が整ってやがる。

 

 となるとどうなるか?

 集落中で猿みたいにへばりついてキモイ奇声を上げるクソガキの誕生である。

 

 ただそれだけじゃない。

 それに加えて、どうにも僕の家はグレーなことをやっているようだ。

 なんか家の蔵近くにいても、媚薬やら毒薬やらと物騒。

 

 怪魔と内通しているじゃないかと噂がある。

 そんでこの前……。

 

『インキュバスキングさんや、次は屋形船をチャーター致しまするぞ。……ええっ! ええっ! 次は女体盛り……それも別嬪な祓魔士の女体盛りを手配いたしまするぞ』

 

 ジジイがめちゃくちゃ怪魔と繋がっとるやん。

 それも意思疎通のとれるであろう上位怪魔と飲み会の場を整えて、挙句の果てには祓魔士を差し出す始末。

 

 そんな電話を現当主様は孫である僕の目の前でやったのである。

 アカンやろ、これ。

 

 祓魔士……それもこの集落では裏切者は族滅。

 今はうまいことやっているが、孫である僕にもこんな懐疑も籠った視線が向けられるような状況。

 いずれバレる……そうなれば……。

 

 ヤバい……どうすれば、末永く生きられるんだろう。

 

 

×××

 

 

 私の周囲に浮かぶ、無数の水の珠。

 自分の霊力が帯びる性質を理解し、行使する……祓魔士としての基礎の基礎だ。

 

 特に私のような『水』を帯びる祓魔士の場合は、早期の習熟が求められる物だ。

 空気中から水を集め、自身の扱いたい形へと変える。

 自由度が高い分、その把握のメソッドを幼少期から自分の中で築き上げられなかった祓魔士の未来は暗い。

 

「ここまでやれずとも、同じ五行における『水』を持つ身なんだ……自分の手の上に野球ボール大の水の珠を作り出す。やってみろ……まったく、聞いているのか?」

 

「き、聞いてますってぇ! うぐ、うむむむ~~……」

 

 目の前で鼻を伸ばしているエロガキはハッとした顔をして、唸り始める。

 先ほどまで、いやらしいことを考えていたのは丸わかりだ阿呆が……はぁ、まったく。

 

 竿谷猿真。

 この集落における御三家の一人……竿谷家の一人息子。

 

 とはいえ、怪しい動きを見せているのが竿谷家だ。

 同じ御三家の一角として、要警戒の家系だ。

 ……私が若い頃も、あの家のエロジジイが縁談を持ちかけて来たからな。

 勢力の拡大……野心に溢れている、あの年で息災なものだ。

 

 そして、そんなジジイの血を感じさせるかの如く、目の前のガキも問題児だ。

 集落中で女性への抱き着きなどの目に余る行為。

 御三家でさえなければもっと手酷いしっぺ返しに遭っているだろうが、周りの者どもも強く言えない様子。

 

 ……だからこそ、私が目を光らせねば。

 娘の幼馴染でもある……よくない影響があってはいけないからな。

 

「うぐぐぐ、ぎぎぎ……水の珠を作る……ううぅぅぅ……わからん……!」

 

「……はぁ、名前の通り貴様は猿か? ただやみくもに力んでも見苦しいだけだ。いいか? 水という物は空気中を舞っている。我々にとって一番身近な五行の一つだ。それを自分の手元に集めろ……何かしら、そういう物をイメージするんだ」

 

「ひ、ひどい言い草……で、でもやってみます!」

 

 ……唯一の救いは、目の前のガキは聞き分けは良いというところだろう。

 あのエロ猿めいた所業がなければ、コイツも普通のガキだというのに……。

 

「で、出来ました……! 泉さん! 見てください!! 出来ましたよ!!」

 

『ママ! 出来たよ!!』

 

「っ! ……確かに、しっかりと水の珠を作れているな」

 

 ……自分の娘の、火凛の笑顔と重ねてしまった。

 もし、私の霊力資質が『火』であったのなら、こうしてあの子の成長を見ることが出来たのだろうか。

 霊力資質について教えることは……私には出来ない。

 任務で普段会えないというのに、祓魔士としての教練もほとんどが他人に任せている現状。

 

 自分の子供の面倒も見れないなんて、……私は無力だ。

 

 ……アナタ、どうして私たちを置いて逝ってしまったの。

 

「何かしらご褒美はっ……って、泉さん?」

 

「ああ、すまない。……そういえば、水を集める際、どういう物をイメージしたんだ?」

 

「……除湿器」

 

「フッ……良いじゃないか、家電を見習えばお前も幾分マシになるかもな」

 

「あっ、今バカにした!? 一児の母にあるまじき言動だろコレ……」

 

 うへっーと顔を歪める猿真。

 ふん、自分の日頃の行いを恨むんだな。

 教練の度に不躾な目線に晒されてきたんだ、今日一日はそれで弄ってやろう……ふふっ、いい気味だ。

 

「今日はもう遅い、家に帰るといい……それとも何かボタンを押さねば家に帰れないか? ん?」

 

「イイ笑顔で弄ってくるんだけど……そんなのなくても帰るよ!」

 

 そう言って、猿真はこちらに手を振りつつもこの場を後にする。

 言い返してはいたが、ずっと胸ばかり見ていたな……去り際まで変わらんか。

 

 

 

 

 (水を集めるの、泉さんの谷間に集まってる汗を見たらなんかうまいこと集められるようになった……とか言えるわけないよなぁ)

 

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