個性、海賊。ヒーロー向きじゃないって?これ以上ない英雄の個性だろ!   作:紡縁永遠

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女海賊、アン・ボニー&メアリー・リード

Side、海璃

 

 「なぁ、懲りたか?」

 「はい、」

 

 俺はいま、風穴の開いた頭のモギモギをそのままにして正座する峰田に一言聞いた。

 コイツが何をやったのかは数分前に遡る。

 

 「うしっ、略奪終了、撤収!」

 

 ここまでは問題なかった。アンとメアリーをそのまま、待機場所に連れて行ったら、まぁ言うが早いが、峰田がアンに欲情したのだ。

 

 「胸デカ!」

 

 パッン!

 

 案の定発砲音が響いて頭のモギモギに穴が空いた。緑谷、頭につけた状態は粘着力がないとか、血が出ないとか今そいう状況じゃないんだぞ。

 

 「あの…評価についてなんですが………」

 「ああ、存分に答えてくれ、」

 「その前に名前を教えてくれませんか?」

 「右の背が高い、銃を持ったのがアン・ボニー、左の方背が低い、カトラスを持ったのがメアリー・リード、」

 「なるほど、では」

 

 八百万の評価が始まる。

 

 「まずは、隣のビルを使っての侵入、最上階からは入ってこないだろうという予想を上回る行動は評価できるんですが、窓を蹴破って入るのはどうかと思います。セリフはオールマイトしか聞けていないので分かりかねますが、アン・ボニーさんの狙撃による援護も考えられた動きでした。役割分担がしっかりされていて迷いがなかったというところですね。飯田さんは、やはり意表を突いた突入に反応が遅れていたかなと。爆豪さんも同様で、メアリー・リードさんがいることを知らなさったとは言え反応が遅れていました」

 「その通り、窓を蹴破ったことに関しては今回は減点だ。中に人質がいれば怪我にもつながるし大きな音も出る。だが、英雄の召喚に対する使い方は良かった。役割分担ができている証拠だ。それで、少し解説してくれるかい?私も勉強はしているんだが、アルゴノーツで手一杯でね。あと原動はキャラ付けとしてはいいが、ヴィランらしくならないようにね」

 「了解」

 

 八百万とオールマイトの評価は、突入以外は好評価だった。言動はまぁギリギリ許可された。よかったよかった。

 

 「アン・ボニーとメアリー・リードについてですね。ではまずはアン・ボニーから―――

 

 大航海時代に実在した女性の海賊コンビ、アン・ボニーとメアリー・リード。まずはアン・ボニーから。

 

 アン・ボニー、

 アンはアイルランドのコークで、弁護士ウィリアム・コーマックと妾のメイドとの間に産まれた私生児だった。不義を犯した父親は妻と職を捨て、アンとその母とを連れてアメリカサウスカロライナ州チャールストン近郊にプランテーションを購入して移り住んだ。

 年頃になった頃、アンは男勝りな女に育った。彼女はかんしゃくを起して家で使っていた女中をナイフで刺した、などという噂が立ったほどであったが、これはでたらめであると思われる。

 

 「やってないわよ」

 「そうなのか?まあ続けるぞ―――

 

 父はアンに良縁を見つけて結婚させようと計画していたが、アンは父の同意を得ることもなくチャールストンに居た船乗りのジェームズ・ボニーと結婚してしまった。父は立腹して娘を勘当し、父の財産を得るあてがなくなった2人はバハマのニュープロビデンス島ナッソーへと移った。

 ナッソーは当時、海賊共和国と呼ばれる無法者たちの拠点であった。1718年にウッズ・ロジャーズ総督が島に到着すると、多くの海賊たちは王の恩赦を受けて足を洗った。ジェームズ・ボニーはこのさい、ロジャーズの情報提供者になったとされる。ジェームズは近海の海賊についてロジャーズに報告し、これによって多くの海賊が捕えられることとなった。アンは夫がロジャーズのもとで働くことを嫌っていた。

 

 「生前に最初に愛した方だもの当たり前よ」

 「だいぶ尻軽な気がするが」

 「マスターが魅力的なのが悪いのよ」

 「俺の責任じゃないだろ―――

 

 その後、アンはバハマの居酒屋でキャラコ・ジャックとして知られるジョン・ラカムと出会い、彼の恋人となった。ラカムはジェームズにアンと別れるなら金を払うと申し出たが、ジェームズはこれを拒否し、それどころかロジャーズ総督に報告した。

 総督はアンを召喚し、アンの行為を破廉恥であると非難し、ラカムのような悪い仲間とは二度と関わらずに夫と貞節に暮らすことを約束させ、もしこれが反故にされた場合はラカム自身にアンを鞭打たせると厳しく言い渡した。アンはラカムと共に駆け落ちすることを決め、男装して海に出た。

 

 「男装ですの?」

 「ああ、簡単に言えば女性差別に対する対処である。当日女性は男性に混じって船で働くことを禁止されていたからだな、ここで面白いことがあったんだが」

 「いや、なげぇよ!」

 「今から二人の出会いなんだが、」

 「もう少しダイジェストで頼む」

 「あ〜了解―――

 

 メアリとアンば互いに男装していたが同じ女性ということで意気投合、海に出てしばらく、アンが身籠っていることが分かると、ラカムは彼女をキューバに降ろしてその土地の知人に面倒を見させた。出産後、ラカムは再びアンを呼び寄せると引き続き海賊行為を働いた。

 1720年10月、ジャマイカの北岸にてラカムの海賊船がバハマ総督から派遣されたジョナサン・バーネット船長に捕捉されたとき、怖気づいたラカムたち男性乗組員が船倉に逃げ込んだにも拘らず、アンはメアリと共に激しく抵抗した。しかし奮戦虚しく制圧されて捕らえられてしまう。

 アンとメアリの裁判が行われ、死刑が宣告されたものの、2人が妊娠を主張したため、母親を処刑した巻き添えで子供も殺害してはならないという法律に基づき、刑の執行は出産が済むまで延期されることとなった。

 

 「妊娠しているか否かで刑が変わるのか」

 「子供に罪はないってやつだな。まぁ歴史のなかには子供で暗殺者もいるわけだけど」

 「今はなしで」

 「はいはい、話わ戻すとだな―――

 

 アンは無事に子供を出産し、チャールズ・ジョンソンによれば結局、彼女の刑が執行されることはなく、釈放された。

 

 「実際のところどうなんだ?」

 「マスターが望むなら何時でもどうぞ、そもそも、三年前から誘っているじゃないですか、」

 「羨ま―パンッ!―すいませんでした!」

 「懲りないなてめぇも、それじゃあ次はメアリー・リードだな」

 

 メアリー・リード、メアリ・リードとされることのほうが多い。

 メアリは1685年にイングランドで生まれたとされる。メアリの母は若くして船乗りと結婚し、息子を産んだが、夫は航海に出たきり戻らなかった。その後再び妊娠した母親は、己の不義を隠すために田舎の友人の元で暮らすと言い、息子を連れてロンドンを去った。

 やがて息子は幼くして死に、彼女は代わりに女児を出産した。それがメアリである。メアリの母親は経済的に困窮し、数年たってから再びロンドンの夫の母親の元に戻った。そして経済的な支援を得るために娘のメアリを男装させ、死んだ夫の息子であるように偽装したのである。

 

 「ここでの男装は差別が?」

 「いや、普通に息子として生かされたやつ」

 「肩ひじ張るんだよね、男装は、」

 「そういうもんか―――

 

 メアリは祖母に養育されたが、13歳のころにその祖母が死ぬと、裕福なフランス人貴婦人の元に奉公に出され、やがて軍艦での仕事を得た。水夫と言う奴だな。

 メアリが乗った船は海賊に拿捕され、ニュープロビデンス島ナッソーに連行された。メアリはナッソーで海賊として振舞い、ウッズ・ロジャーズ総督に投降した後も総督がスペインに対して準備した私掠船に乗り組んで反乱を起こした。

 メアリがアン・ボニーと知り合ったのはこの頃で、アンがメアリをハンサムな男だと勘違いして言い寄ったことが切っ掛けだ。

 

 「やっぱ尻軽じゃないか」

 「だってイケメンだったんだもん」

 「面食い?」

 「マスターは内面もしっかり見てるわよ」

 「そう、アンはアレでもしっかり考えるときは考えるよ」

 「いや、やっぱ長いよ…」

 「安心しろここからは行動が大体同じだから端折るぞ、」

 

 それで、共に行動をするようになるんだが、アンと同じく捕縛される。妊娠を主張したことで、死刑は免れたものの、メアリは獄中でひどい熱病に侵され、1721年4月28日に息を引き取った。その亡骸はジャマイカのセントキャサリン教会に埋葬された。

 

 「これが二人の来歴、アン・ボニーとメアリー・リード、女海賊を代表する自由を体現する英雄だ」

 「うん、詳しいんだね」

 「本人談だからな、」

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