銀河英雄伝説・次代篇 ~英雄の残光~   作:銀河の灯守

137 / 138
第九十二話「銀葉子爵の求婚」(新帝国暦二十四年・聖暦二十三年四月末)

【新帝国暦二十四年・聖暦二十三年四月 神聖黄金樹教国 聖都ラディークス 中央宇宙港】

 

グレーフェンベルク侯爵邸の晩餐会から数日後、フェリックスはマルケッルスに誘われ、聖都ラディークスの中央宇宙港を見学していた。

 

マルケッルスは、『銀葉子爵』の聖爵位を授かる〈聖章貴族〉である。

彼の口利きによって、帝国軍人であるフェリックスにも、一般の旅客区域だけでなく、民間貨物の荷役区域まで見学する特別な許可が下りていた。

 

軍用艦艇の出入りする港ではなく、民間の巡礼船、定期旅客船、近距離連絡船、貨客両用船がひっきりなしに行き来する、神聖黄金樹教国の聖都ラディークス最大の民間宇宙港だった。

 

発着広間へ足を踏み入れた瞬間、フェリックスは思わず足を止めた。

 

港は上下に何層も重なり、はるか上では白い長距離巡礼船が静かに離昇し、中ほどでは大型の定期旅客船が接舷している。下の航路には小型艇が群れのように走り、見上げるたびに別の船影が視界を横切った。

 

その中央に、一本の黄金樹が立っていた。

 

もちろん本物ではない。

半透明の金色の光で組み上げられた、巨大な立体案内表示である。

根は地下通路と乗換え区画を示し、幹には現在位置と主要広間の名が浮かび、枝は各デッキの発着場へ伸びていた。

葉の一枚一枚には便名、行先、搭乗時刻が表示され、接舷を許された船の前には、枝先から淡い金色の進路線が空中へ描き出されていく。

 

「……すごいな。まるで博覧会の会場だ」

 

フェリックスが思わず言うと、隣のマルケッルスが笑った。

「初めてこの港に来ると、皆そう言うんだ。軍港はさすがに敵国のお前には見せてやれないが、民間港もなかなかのものだろう?」

 

「いや、驚いたよ。船に乗る用事がなくても、見物に来たくなるな」

 

鐘を思わせる短い音のあと、搭乗案内が流れた。

便名と区画番号に続いて、母なる地球の加護を願う短い祈りが添えられる。

近くでは巡礼者の一団が胸の前で印を切り、売店では焼きたての薄パンと乾果、巡礼章が並んでいた。

 

帝都の宇宙港にも発着表示はある。だが、あれは人と荷を捌くためのものだ。

ここでは、港そのものがひとつの宗教的光景に仕立てられていた。

 

マルケッルスは、さっきからしきりに、荷捌き場に面した貨物取扱事務室の方ばかりしきりに見ていた。

 

「ところでマルケッルス。お前が今日一番見せたいのは、本当は港じゃないんだろ?」

 

「何の話だ?」

マルケッルスは素知らぬ顔をしたが、また貨物取扱事務室の方へ目を向けた。

 

やがて、その事務室の扉が開き、作業着姿の若い女性が出てきた。

 

濃い栗色の髪を後ろでひとつにまとめ、額には仕事の途中でほどけたらしい短い髪が何本かかかっている。すっと通った鼻筋と、やや勝ち気に見える灰緑の瞳を持つ、整った顔立ちの女性だった。

 

だが、最初に目につくのは容姿より動きの速さだった。

 

片手に端末を持ったまま、通りかかった運搬台を一台止めると、積荷の表示と端末の記録を照合する。数字を二つほど確かめ、作業員に何か短く伝えてから、もう次の表示へ目を移していた。

 

 

 

マルケッルスは彼女を見つけると、さりげなく前髪を整え、軍服の上着の皺を伸ばした。

襟元まで直してから、何事もなかったように手を上げた。

 

フェリックスは、その一部始終を隣で見ていた。

 

「あら、マルケッルス。いらっしゃい」

女性は確認を終えて歩いてきた。

 

「ああ、エリーゼ。忙しいところ、すまない。こちらが、話していた――」

 

「ごめんなさい。そこ、荷が通るわ」

 

二人が脇へ寄ると、大きな箱を載せた運搬台が目の前を通り過ぎた。

 

「ご紹介は、こちらでお願い」

 

「……分かった。こちらが、銀河帝国からの客人のフェリックス・ミッターマイヤー大尉だ。帝国の皇帝陛下の副官でもある」

 

「はじめまして、大尉。辺境司牧院のエリーゼ・ノイマンと申します。お越しになると伺っておりました」

 

彼女は姿勢を正して挨拶した。フェリックスも名乗り、見学を受け入れてくれた礼を述べる。

 

「せっかく来ていただいたのに、落ち着かない場所ですみません。この人が、貨物の積み下ろしを見せてほしいって。別に面白くないわよ、と言ったんですが、どうしてもって」

 

フェリックスが横を見ると、マルケッルスは窓の外へ顔を向けていた。

 

「帝国の大尉さんには、退屈でなければいいんですけど」

 

「何を言う。少なくとも俺は、何度来ても飽きないよ」

マルケッルスがすかさず答えた。

 

「あら、あなた、そんなに荷役の仕事が好きだったの?」

 

「……いや、荷物の話だけではないのだが」

 

「そうね。積み下ろしだけじゃ、面白くないものね。今度は仕分けの仕事も見せてあげるわ」

 

「……ああ。ありがとう」

 

フェリックスはとうとう笑いをこらえきれなくなった。

 

「どうかなさいましたか?」

 

「いえ。マルケッルスがこれほど貨物の仕事に熱心な奴だとは、俺も知りませんでした」

 

マルケッルスがフェリックスを睨んだ。

 

エリーゼは笑い、二人を荷場の見える窓際へ案内した。行き先ごとに分かれていく荷を指し示すと、マルケッルスはすぐに相槌を打った。

 

「あちらが次の船へ積む荷で、奥に入っていくのが倉庫へ預ける分です。マルケッルスの家の荷も、こちらを通ります」

 

「そうだったのか」

 

「あら、前に来たときにも話したでしょう?」

 

「……ああ、そうだったか」

 

「もう。あんなに熱心に見に来てくれるから、興味があるのかと思っていたのに、全然憶えていないのね」

 

「いや、興味はあるんだ。本当だ」

 

「だったら、今日はちゃんと憶えて帰ってね。お家の人に訊かれたら困るわよ」

 

「……分かった。今度こそ憶えるよ」

 

フェリックスは、エリーゼの顔を見つめながら真面目に頷いている友人を見た。

「お前、なかなか勉強熱心なんだな」

 

「……うるさい」

 

「そうか、じゃあ試験だ。あの荷は右と左、どっちの方へ行く?」

 

マルケッルスは少し考え、右を指した。ちょうどそのとき、荷は反対側へ曲がった。

 

フェリックスが友人を見ると、彼は小声で言った。

「……次に来たときは、ちゃんと憶える」

 

 

***

 

 

受渡しの仕事が一段落したところで、エリーゼが二人を休憩所へ案内してくれた。

 

茶を用意すると、彼女はフェリックスに尋ねた。

「ミッターマイヤー大尉は、帝国でも港へよくいらっしゃるのですか?」

 

「軍人ですので、軍港にはよく行きます。ですが民間の港をこうしてゆっくり見るのは久しぶりです」

 

「では、今日はあまり立派なところを御案内できませんでしたね。荷物の積み下ろしばかりで」

 

「いえ、十分面白いですよ。それに、彼がずいぶん楽しそうですから」

 

マルケッルスは慌てて茶を呑み込んだ。

「いや、実際に面白いんだ。君が普段どんな仕事をしているのか、よくわかる」

 

「あなたは何度も見に来てるでしょう? でも、そう言ってもらえると嬉しいわ」

 

マルケッルスはカップを置いた。

「それで、今度は君の仕事が休みの日でもいいんだけど」

 

「私の休みの日?」

 

「ああ。港でなくても、どこかで食事でもできたらと思って」

 

フェリックスは、持ち上げかけたカップを止めた。

 

「そうね。外の方が、落ち着いてお話しできるものね」

 

エリーゼは嬉しそうに頷き、フェリックスへ顔を向けた。

「ミッターマイヤー大尉は、こちら(ラディークス)ではどんな料理を召し上がりました?」

 

「……え? 俺も、ですか?」

 

「ええ。せっかく帝国からいらしてくださっているんですもの、聖都の名物料理をいろいろご紹介しますわ。侯爵邸の晩餐会のような御馳走は出ませんけれど」

 

マルケッルスは口を開けたまま、フェリックスを睨んだ。

 

「どうしたの、マルケッルス? 何か都合が悪かった?」

 

「……いや、そうじゃない。三人で、食事か……。楽しみにしてるよ」

 

フェリックスは黙って茶を飲んだ。エリーゼはもう、三人の都合が合う日を考え始めていた。

 

彼女が給茶台へ席を外したところで、マルケッルスが身を寄せてきた。

「……おい、フェリックス!どうしてお前まで来ることになったんだ?」

 

「待て。俺が誘ったんじゃないぞ。二人で行きたい、と誘えばよかっただろ」

 

「……そう言おうとしたんだ」

 

「楽しみにしてる、って聞こえたけどな」

 

「……聞こえてたなら、何とかしてくれよ」

 

「お前、侯爵邸では大貴族を相手にあんなに上手く交渉してたじゃないか」

 

「それとこれとは別だ……」

 

戻ってきたエリーゼが、二人の顔を見て笑った。

「あなたたち、本当に仲がいいのね。知り合ったのは、ほんの数日前でしょう?」

 

「ああ。そうだよ」

 

マルケッルスは何事もなかったように椅子へ座り直した。フェリックスも、差し出された茶のお代わりを受けた。

 

「エリーゼ。さっきの食事のことなんだけど、二人で――」

 

そのとき、彼女の端末が鳴った。表示を見た途端、笑みが消えた。

 

「ごめんなさい。辺境の診療所へ送る荷の連絡なの」

 

エリーゼは席を立って通話に応じた。フェリックスたちは茶を飲みながら待っていたが、話が進むにつれて、彼女の表情が険しくなっていく。

 

通話を終えると、エリーゼは席へ戻り、冷めかけた茶を一口飲んだ。

 

「医薬品を積み込む予定だった貨物船の到着が遅れるそうなの。予定していた引渡しに間に合わないし、薬は保管状態が悪いと劣化してしまう。急いで別の保管場所か、代わりの船を探さないといけないわ」

 

マルケッルスが尋ねた。

「それは大変じゃないか。俺に何か手伝えることはないか?」

 

「ありがとう。まずは状況を確かめてくるわ。少し待っていてくれる?」

 

「ああ、もちろんだ。待つよ」

 

エリーゼは二人に詫びて、足早に休憩所を出ていった。

 

 

***

 

 

しばらくして、エリーゼが二人を呼びに戻ってきた。

案内された待合室には、アロイジウス枢機卿もいた。

辺境司牧院の運営する診療所へ送る医薬品の荷の受渡しを確かめるため、港へ来ていたのである。

 

「困りましたな。迎えの者には、まだ出発せぬよう連絡したところです」

 

エリーゼが端末を卓上に置いた。

「貨物船の到着が遅れて、予定の船に積み替えられなくなりました。倉庫も、もう次の荷主が使っているんです」

 

「ほかに空いている倉庫はないのか?」

 

マルケッルスが尋ねると、エリーゼは首を振った。

「今のところは。薬品の容器は、規格に合った給電設備につないでおかないといけないから、空いていればどこでもいいというわけじゃないの」

 

「受取先へは、わしから話しておきましょう」

アロイジウスが言った。

「荷の置き場は、皆さんで何とか工面してくだされ」

 

エリーゼは少し考えてから、マルケッルスに向き直った。

 

グレーフェンベルク侯爵家は、聖都の宇宙港にいくつもの倉庫を所有していた。

 

「そうだ、あなたからグレーフェンベルク侯爵閣下に聞いてみてもらえない? 侯爵家の倉庫の中に、必要な設備があって、今すぐ使えるところがないかだけでも」

エリーゼは続けた。

「もし難しそうなら、無理しなくていいわ。ほかを当たるから」

 

「無理だなんて、とんでもない。俺に任せろ」

 

「ありがとう。休みなのに、また仕事を頼んでしまってごめんなさい」

 

「気にしなくていい。君の頼みなら、いつだって――」

 

「本当? 助かるわ!」

 

エリーゼは嬉しそうに端末を操作し、保管条件を送ってきた。

 

マルケッルスは、言いかけた言葉を呑み込んだ。

「……侯爵閣下なら、今日は港の別棟にいらっしゃるはずだ。会ってくるよ」

 

「ありがとう、マルケッルス。お願いね」

 

 

***

 

 

グレーフェンベルク侯は、別棟の打合せ室にいた。

二人の用件を聞くと、早速、家令へ保管条件を渡した。

 

「専用の給電設備が要るのだな。よし、心当たりを当たらせよう」

 

「ありがとうございます」

 

「しかし、マルケッルス卿。卿がわざわざ直接わしに頼みに来るとは、よほど気にかかる荷らしいの」

 

「はい。うちの荘園の者たちも世話になる診療所へ送る荷です。それに、受渡しを担当している女性が――」

 

侯の目が輝いた。

「ほう、例のエリーゼ・ノイマン嬢か?」

 

「……御存じなのですか」

 

「先日の宴であの娘御の名前が出たとき、卿は菓子を食べる手を止めたであろう」

 

フェリックスは笑いをこらえた。

 

侯は、倉庫の一覧を脇へ寄せた。

「なるほど、ノイマン嬢から卿への頼みであるか。そういうことなら、わしも話の聞きようがある。卿、どこまで進んでおる?」

 

「話、と申されますと?」

 

「ノイマン嬢への求婚は、もう済ませたか?」

 

「と、とんでもございません!」

 

侯は扇子で膝を打った。

「おお、まだなのか! よい、よい。それで、何が障害なのだ? 家柄か、親族の反対か?」

 

「いえ、そのような話には、まだ……」

 

「では、何が問題なのだ?」

 

「……彼女が、どう思っているか分かりません」

 

「ふむ。では、訊けばよいではないか」

 

侯は実に簡単そうに言った。

 

「閣下。私どもは、今日は求婚の話ではなく、倉庫の件をお願いに参ったので」

フェリックスが助け舟を出した。

 

「大尉も事情を知っておるのであろう? 卿からも、この朴念仁に少しは助言してやらんか」

 

「いえ、私もこうした方面には経験が少なく……」

 

「ほっほっほ! 金枝伯からあれだけ値を引かせた貴公子と、『皇帝の剣』として銀河に勇名を馳せる武人が、二人そろって娘御一人に手こずっておるとはな!」

 

マルケッルスも苦笑したが、手元の端末を開き直した。

「とにかく、今はこの荷を何とかしたいのです」

 

「もちろんよ。娘御の仕事を片づけてやらねば、ゆっくり話す暇もあるまい」

 

「……それと、もう一つだけ。できることなら、ノイマン嬢の担当する荷を、他の荷より優先的に取り扱っていただけないでしょうか。朝から彼女が走り回っているので、少しでも楽になればと……」

 

「よかろう」

侯は家令を呼んだ。

「保管場所と荷の扱いを頼む。それから、マルケッルス銀葉子爵とノイマン嬢が落ち着いて話せる場所も用意してやれ」

 

「お二人だけのお席でございますか?」

 

「適宜、よきように取り計らえ」

 

「どの程度の御用意を?」

 

「銀葉子爵にとって大切な御婦人だ。万全に整えよ。わしの名を出して構わぬ。決して粗相のないようにな」

 

マルケッルスが慌てて口を挟んだ。

「閣下、今日は倉庫の話であって、そのような話は――」

 

「分かっておる。だからこそ、ここが勝負どころよ!」

 

家令は侯とマルケッルスを交互に見てから、深々と一礼した。

 

「よい知らせを待っておるぞ、銀葉子爵」

 

「……はい。倉庫の件、よろしくお願いいたします」

 

侯は満面の笑みで二人を送り出した。

 

廊下へ出ると、マルケッルスがフェリックスを見た。

 

「……俺たち、倉庫の相談をしに来たんだよな?」

 

「ああ」

 

「途中から、何か別の相談になってなかったか?」

 

ほどなく家令から、保管先の照会には少し時間がかかるが必ず手配するとの連絡が届いた。

マルケッルスはエリーゼへ、侯が倉庫を探してくれることになったと伝えた。

 

家令からの連絡には倉庫以外のことは何も書かれていなかった。

 

 

***

 

 

港の管理窓口には、侯爵家から二件の依頼が届いた。

 

倉庫を探す件だけではない。

マルケッルス銀葉子爵とノイマン嬢の二人のために、特別な部屋を用意してほしいという依頼だった。

 

「侯爵閣下の御依頼ならば、特別貴賓室を空けましょう。午後の予定は移します」

 

今度は警備担当から問い合わせが来た。

 

「特別貴賓室を半日も押さえるとは、いったい何の行事ですか?」

 

「グレーフェンベルク侯爵閣下の御後援で、マルケッルス銀葉子爵とさる御婦人が対面なさるそうです。銀河帝国からお越しの賓客で、皇帝陛下の副官を務めるミッターマイヤー大尉も、立会人として御列席とのことです」

 

「おい、それは一大事ではないか!警備を増やさねば。儀礼担当の方にも伝えてください」

 

儀礼担当は、増員された警備と来賓室の予約を見て考え込んだ。

「銀葉子爵と御婦人の御対面、侯爵家の御後援、それに加えて皇帝副官の立会……御縁談でしょうか?」

 

「さあ。まだ確認は取れていません」

 

「それで警備があの人数ですか。こちらも儀仗を用意しないわけには……音楽はどうします?」

 

「正式な御慶事と分かってからでは遅いでしょう。準備は進めておきましょうぞ」

 

「……絨毯も?」

 

「もちろんです。緋色のものを用意いたしましょう」

 

ほどなく、長い巻物を載せた台車が届いた。

 

敷設係は入口から来賓室までを見渡し、もう一本必要だと連絡した。旗を運んできた者が、通路のどちら側へ立てるかを尋ねる。その後ろで、楽譜台を抱えた係員が道を空けてもらうのを待っていた。

 

倉庫の返事が来ないうちに、緋色の絨毯と儀仗要員と楽隊の手配が済んだ。

 

家令の端末には、「倉庫は照会中」「来賓の受入れは準備中」と返事が届いた。

どちらも、頼んだ仕事が進んでいるという内容だった。

 

そのころ、聖都の大伽藍へ送られた港湾警備予定の末尾には、こんな一文が加わっていた。

 

――マルケッルス銀葉子爵の御縁談に伴う対面の可能性あり。詳細未確認。

 

 

***

 

 

「ノイマン様。侯爵閣下の御助力について、正式なご説明のお席を設けました」

 

ノイマン嬢は荷の到着情報から顔を上げた。

「倉庫が見つかったんですか?」

 

「そちらはまだ手配中です。それより、お席の準備も整っておりますので、先に控え室へ」

 

「……倉庫より先に、ですか?」

 

担当者に引継ぎを頼み、案内に従っていくと、控え室には白い上衣と、黄金樹を刺繍した肩掛けが用意されていた。

 

「……これは何でしょうか?」

 

「正式なお席でございますので」

 

ノイマン嬢は困ったが、侯爵家の格式については耳にしたことがある。部屋の外では次々と人が呼ばれ、ここで服の話を続けても時間が過ぎるばかりだった。

 

上衣の袖を通すと、手首まで布が落ちた。いつもの癖で袖をまくりかけたところへ、係員が肩掛けを持ってくる。留め具を調整してもらい、ノイマン嬢は鏡の前で仕事用の端末を持ち直した。

 

「大変お似合いでございます。ミネルヴァもかくや、と申したところでございましょう」

 

「ありがとうございます。それで、どなたに荷のご説明をすれば?」

 

「銀葉子爵閣下もお越しになります」

 

「マルケッルスには、さっき私から説明しましたけれど」

 

係員は返事に困り、もう一度確かめてくると言った。そのとき、廊下から号令が聞こえた。

 

「……警備の方まで?」

 

「御来賓がおられますので」

 

「私、説明用の資料しか持っていませんよ」

 

「承知しております。もう少々お待ちください」

 

係員が出ていくと、彼女はマルケッルスへ連絡した。

 

『正装も警備も用意されてるけど、いったい何の説明会なの?』

 

すぐには返事がなかった。勤務先からは、貨物船の到着時刻について新しい連絡が届いている。

彼女は同僚へ返信し、荷の一覧を開き直した。

 

袖が卓の端へ触れるたびに、片手で持ち上げてから画面を操作した。

 

 

***

 

 

【同じころ 聖都ラディークス 大伽藍】

 

聖王ヴィルヘルミーネ臨席の政務報告は、終わりに近づいていた。

 

白い長衣の裾は足元に整い、聖王は朝から姿勢を変えていない。

玉座の後ろには、黒衣の守護、ヨーリクが控えていた。

 

最後の文官が進み出て、港湾警備の変更を告げた。

「聖都の中央宇宙港で、グレーフェンベルク侯爵家の御後援による特別な接遇が予定されております。銀葉子爵マルケッルスと、さる女性との御対面とのことでございます」

 

「何ゆえ、そこまで警備を増やすのか」

 

「銀河帝国からご来訪中のミッターマイヤー大尉も、立会人として御列席と伺っております。御縁談に関するお席でしょう。儀仗隊と緋色の絨毯まで手配されておりますので、あるいは求婚の儀かとも存じます。ただし、まだ正式な確認は――」

 

「……マルケッルス銀葉子爵の求婚の儀、とな」

 

聖王は顔を上げた。

「あの銀葉子爵か。我も幾度か目にしておるぞ。容姿端麗にして、挙措も優雅。宮中では若き貴公子の鑑と称されているのもよう知っておる。あながち誇張ではあるまい」

 

傍らに控えていた年嵩の女官が、一礼して口を開いた。

「仰せのとおりにございます。恐れながら、御婚約が調いましたなら、宮中にも少なからぬ落胆が広がるものと存じます」

 

「落胆とな。忠臣の慶事であろう」

 

「まことに仰せのとおりにございます。……ただ、マルケッルス銀葉子爵に心を寄せる者は、この大伽藍にも数多くおりますので」

 

「我も承知しておる。銀葉子爵が参内する日には、宮中の娘たちが何やら浮き足立つこともな」

 

女官は恐縮したように頭を下げた。

「聖王陛下におかれては、お見通しにございましたか」

 

「宮中のことゆえ、我の耳にも入る。されど、あの者は容姿ばかりが優れておるわけでもあるまい」

 

「はい。由緒ある家門に生まれ、若くして聖爵を賜った貴公子にございます。軍務においても才幹に恵まれ、第一聖団でも将来を嘱望されておいでです」

 

「うむ。忠勤に励む者と聞いておるぞ」

 

「お人柄も、まことに温厚でございます。下働きの者にも分け隔てなくお声をかけられますし、侍女が茶をこぼした折にも、御自身の軍服より先に、その者が火傷をしていないかと案じられたそうでございます」

 

「心根も優しいというのだな」

 

「はい。そのような殿方が、あの御容貌で優しく宮中の娘らに微笑まれるのでございますから」

 

女官は終始、厳粛な面持ちだった。

 

「マルケッルス銀葉子爵が参内なさる日には、御案内役を申し出る者が多く、担当を定めるにも苦労しております」

 

「案内など、一人おれば足りよう」

 

「皆、それはよく承知しております。ゆえに、なかなか譲り合いがございません」

 

居並ぶ文官の一人が、かすかに咳払いをした。

 

「御婚約の報せが届けば、さぞ嘆く者もあろうな」

 

「御祝辞はすぐに整いましょう。ですが、心より寿ぐまでには、幾日かを要する者もおりましょうぞ」

 

聖王ヴィルヘルミーネはしばし沈思し、厳かに告げた。

「その心情は察する。されど、銀葉子爵一人に、宮中の娘たちすべての幸福を負わせるわけにはゆくまい」

 

「まことに、仰せのとおりにございます」

 

女官が深く頭を垂れると、聖王は最初の報告者へ目を戻した。

「して、銀葉子爵が伴侶に望む相手とは、いかなる者か」

 

「エリーゼ・ノイマンという名の平民にございます。辺境司牧院にて奉職し、民間港で診療所への物資など、救済貨物の受渡しに従事していると伺っております」

 

「……求婚の儀は、すでに始まっておるのか」

 

「いえ。まだ準備中と聞いております」

 

ヴィルヘルミーネは、しばし黙考した。文官は次の言葉を待ち、端末を両手で支え直した。

 

「マルケッルス銀葉子爵は教国軍にあって命を賭しての忠勤を重ね、国の安寧に力を尽くしてきた。その忠節と奉公、我は深く嘉するところである。臣下が生涯の伴侶を迎えんとするならば、君主たる我がその門出を寿ぐことに、何のためらいがあろうか」

 

居並ぶ者たちが頭を垂れた。

 

「まこと、ありがたき御言葉にございます。では、銀葉子爵へお伝えするよう――」

 

「我が直接、言葉を授けよう」

 

文官は、御祝辞を書き留めかけた手を止めた。

 

「よって、我はその場に臨席する」

 

一同は顔を上げた。謁見の予定を預かる文官が進み出るまで、誰も言葉を発しなかった。

 

「……陛下。恐れながら、本日午後には御謁見が多くございます」

 

「急を要する案件は、今ここで報告を受ける。それ以外の謁見は取りやめ、後日に改めて招くがよい。各院の職務まで滞らせてはならぬ」

 

「かしこまりました。ただ、港へは御祝辞をお届けするだけでも、十分な御恩寵かと――」

 

「我の出御に合わせて、先触れを遣わせ」

 

「……御意にございます」

 

文官は一礼して下がり、背後の者へ予定表を渡した。受け取った方が午後の欄を指すと、文官は首を振り、欄の全体を手で示した。

 

「若き二人が己が意思をもって結ばれるならば、我はその場に立ち会い、母なる地球の御前に、その門出を祝福しよう」

 

「……ははっ」

 

「直ちに出御の支度を整えよ。警護は所定の規律に従い、港湾の業務を妨げることなきよう取り計らえ」

 

「御意にございます!」

 

扉のそばで待っていた侍従が、駆け出しかけて歩調を改めた。礼をしてから退出するその後ろを、別の文官が追う。玉座の前では声を落とし、扉を越えたところから足音が急に速くなった。

 

「疾く、車の用意をせよ!陛下が港へお出ましになるぞ!」

 

 

 

背後のヨーリクは、終始一言も発しなかった。

 

――ああ、こいつ。求婚するところが見たいだけだな。

 

 

***

 

 

【同日午後 聖都ラディークス・中央宇宙港】

 

「聖王陛下が、御臨席になるそうです!」

 

港の儀礼担当者が、受け取った連絡を掲げた。

 

「やはり御縁談の話は本当だったのですね!」

 

「儀仗は増員を。至急、大伽藍の聖歌隊にも声をかけてください!陛下のお迎えの準備も!」

 

午前には「可能性あり」だった予定欄が、午後には「マルケッルス銀葉子爵の慶事・聖王陛下御臨席」に変わっていた。

 

聖王の席を用意すると、その前には空間が要ると言われ、来賓の椅子が横へ動かされた。

椅子を運ぶ者が絨毯を避けて通ると、今度は儀仗の列にぶつかりそうになる。

 

「そこは通さないでください。聖歌隊が入ります」

 

「では、椅子はどこから運べば?」

 

「少々お待ちください」

 

椅子を持った二人が立ち止まった。後ろに続く旗の係も止まり、さらにその後ろで、譜面を抱えた楽員が背伸びをした。

 

聖王警護の先遣要員が来ると、通路の両側に集まっていた者が一斉に場所を空けた。侯爵家の護衛も立つ位置を変える。整列し直した儀仗隊の向こうへ、また別の礼装の者たちが入ってきた。

 

通りかかった港の職員が、同僚に声を落とした。

「いったい、どのような要人を迎えるんだ?」

 

「エリーゼ・ノイマン嬢らしい」

 

「……うちのエリーゼだと?」

 

二人は控え室のある方を見た。誰かが聖王陛下も来ると教えると、それ以上は訊かず、見通しのよい場所へ移った。

 

 

***

 

 

昼食を済ませたフェリックスとマルケッルスが、特別貴賓室のある来賓施設へ呼び出された。

 

曲がり角の向こうに緋色の絨毯が延び、儀仗隊が並んでいる。軍楽隊はすでに楽器を構えていた。

 

「……なあ、マルケッルス」

 

「何だ」

 

「教国では倉庫をひとつ借りるのに、軍楽隊が要るのか?」

 

「……知らん。俺も聞きたい」

 

案内係は姿勢を正した。

「侯爵閣下の御後援による正式な御対面でございます。聖王陛下も御臨席になります」

 

「聖王陛下が!?」

 

フェリックスは説明を求めた。

 

マルケッルスもノイマン嬢に会いたいと申し出て、控え室へ向かいかけたが、警護の者に止められた。出入口の確認中で、今すぐ通すことはできないという。

 

「待ってください! エリーゼ……いえ、ノイマン嬢には、何の行事だと説明したんですか?」

 

「侯爵家の御助力に関する、正式なお席(・・・・・)と」

 

「それだけですか?」

 

「はい。ほかに何か?」

 

「……いや、あるだろ。いろいろと」

 

フェリックスが侯の所在を尋ねると、別の打合せを終えてこちらへ向かっているところだという。家令も準備の経緯を確かめているらしい。

 

マルケッルスは携帯端末に届いていた彼女の問い合わせに気づき、急いで返信した。

 

『俺も知らない。こんな式典は頼んでいない。そっちは何と聞いている?』

 

そのとき、聖王の到着が告げられた。

フェリックスは案内係に、陛下へ事情を説明したいと伝えた。マルケッルスは彼女が出てくる場所を確かめ、反対側の通路へ向かう。

 

係員が、緋色の絨毯の端を示した。

「マルケッルス銀葉子爵閣下は、こちらへ」

 

「待ってくれ!俺はただ、倉庫の話をしに来ただけなんだぞ!」

 

「承っております、銀葉子爵閣下」

 

「……なら、どうしてこんなところに立たせるんだ?」

 

係員は困ったように黙ってしまった。マルケッルスは端末を握ったまま、彼女の控え室へもう一度連絡するよう頼んだ。

 

 

***

 

 

聖王ヴィルヘルミーネが、守護ヨーリクと警護を伴って姿を現した。

フェリックスが礼をすると、聖王は彼を認めて足を止めた。

 

「ミッターマイヤー大尉ではないか。卿も銀葉子爵の門出を見届けに参ったか」

  ――あら、フェリックス。あなたもプロポーズを見に来たの?

 

「……聖王陛下におかれましても、わざわざ御臨席とは」

  ――……なんでお前が来てるんだよ。

 

「銀葉子爵は、教国軍で忠勤を重ねてきた者である。その者が生涯の伴侶を迎えんとするならば、君主たる我が自ら祝福を授けることに、何のためらいがあろうか」

  ――マルケッルスがプロポーズするんでしょ?お祝いに来たに決まってるじゃない。

 

聖王は、一点の曇りもない厳かな表情で答えた。

しかし、フェリックスには、その瞳がほんの少し輝いたように見えた。

 

「ところで陛下。マルケッルス銀葉子爵の門出と仰いましたが、どのような御報告をお受けになったのでございましょうか」

  ――待て。そもそも何の話なんだ?

 

「グレーフェンベルク侯爵の後援のもと、意中の女性に生涯の誓いを捧げると聞いておる。卿も親しい友人と聞いておる。さぞ喜ばしいことであろうな」

  ――だって、あのマルケッルス銀葉子爵よ? あんな美男子で貴公子が求婚する式典なのよ! 恋愛小説三十冊分くらいの栄養が取れそうじゃない。見逃すわけないでしょ!

 

フェリックスは、先ほどから何度も目にしている儀仗隊と緋色の絨毯を振り返った。ようやく、すべての意味が分かった。

 

「……聖王陛下。恐れながら、重大な誤解がございます」

 

聖王ヴィルヘルミーネは、わずかに眉を上げた。

「申してみよ」

 

「マルケッルス銀葉子爵は、求婚のためにこちらへ参ったのではございません。侯爵閣下にお願いしたのは、医薬品を預ける倉庫の手配でございます」

 

聖王は、一度だけ瞬きをした。

「……求婚ではないと申すか」

 

「はい。少なくとも、本日そのような予定はございません」

 

聖王ヴィルヘルミーネは、しばしフェリックスを見つめた。

「……すぐに儀礼を止めよ。これ以上、進めてはならぬ」

 

文官が駆け出した。だが、反対側の扉には、すでに入場の合図が届いていた。

守護ヨーリクも警護要員へ停止を伝えた。

 

だが、もう楽隊の指揮棒が上がっていた。

 

壮麗な軍楽が鳴り響き、聖歌が重なった。

 

扉が開いた。

 

白い上衣と黄金樹の肩掛けをまとったノイマン嬢が、仕事用の端末を抱えて現れた。

 

儀仗隊が一斉に姿勢を正す。フェリックスは観覧席の前を離れ、絨毯の脇へ進んだ。

 

「おお……」

 

「なるほど、マルケッルス銀葉子爵のお相手だったのか」

 

「だから侯爵閣下が、あれほどの御準備を」

 

周囲から感嘆の声が漏れ、皆が絨毯の反対側を見る。そこには、顔色を失ったマルケッルスが立っていた。

 

彼女も青年に気づく。

 

「……マルケッルス?」

 

「待て、待ってくれ! エリーゼ、これは誤解なんだ!」

 

大音量の軍楽に声が消された。

 

指揮者のもとへ、ようやく中止の合図が届く。軍楽が止まり、聖歌も途切れた。

 

通路が静まり返った。

 

皆が、今度こそ子爵の言葉を聞こうと身を乗り出した。

 

「……これは、あなたが用意したの?」

 

「違う! こんな式典は頼んでいない。俺はただ、君の仕事を手伝いたくて、侯爵閣下に相談したんだ。倉庫を探していただけないかと。それから、君の担当する荷を優先的に扱えないかと……」

 

「……優先的に?」

 

「少しでも君の役に立ちたいと思って。だが、君に相談すべきだった!すまない!」

 

ノイマン嬢は、並んだ儀仗隊と、見物している同僚たちを見た。

 

「私がお願いしたのは、倉庫を探してもらうことよ。ほかの荷にも、待っている人がいるわ。私があなたに頼んで、〈聖章貴族〉の特権で特別扱いをしてもらったと、皆に思われるでしょう?」

 

「俺が勝手に頼んだことだ。君のせいじゃない」

 

彼女は抱えていた端末を示した。

「私は積み荷のご説明をすると聞いて、ここへ来たの。……それなのに、これは一体何なの?」

 

フェリックスは、絨毯の脇から二人のそばへ進んだ。

「ノイマン嬢。私も侯爵閣下への相談には同席しました。マルケッルスがこの求婚式を手配したわけではありません」

 

「求婚式……?」

 

彼女は言葉を失った。マルケッルスから届いていた返信を、端末で確かめる。

 

「……あなたがこれを頼んだんじゃないのね」

 

「ああ」

 

「でも、侯爵閣下に、私の荷を優先的に扱ってほしいと頼んだのよね」

 

「……そうだ」

 

「侯爵閣下のお名前で頼まれたら、港の人は簡単には断れない。あなたにも、それは分かるでしょう」

 

マルケッルスは答えられなかった。

 

「もう結構です。マルケッルス……いえ、銀葉子爵閣下(・・・・・・)」

 

「待ってくれ、エリーゼ。話を――」

 

「閣下(・・)がそんなことをなさる方だとは、思っていませんでした」

 

ノイマン嬢は聖王へ一礼すると、踵を返した。

 

儀仗隊が慌てて道を開ける。入場のときと同じ緋色の絨毯を、一人で戻っていった。

 

マルケッルスは二歩追って、止まった。フェリックスも、彼女を呼び戻すことはしなかった。

 

残った人々は、互いに顔を見合わせた。聖王の祝福を待っていた文官も、儀仗要員も、どうしてよいか分からない。

 

「……終わったのか?」

 

誰かが小声で訊いたが、答える者はいなかった。

 

儀礼担当者は慌てて退場の曲を指示した。

送られた曲目番号は、通常の退場曲の隣にあった「弔礼・退場」を指していた。

低く重い音が、通路へ流れ始めた。

 

葬送曲だった。

 

そのとき、家令を従えたグレーフェンベルク侯が会場に現れた。

「……なぜ葬送曲が流れている?何が起こっておる?」

 

 

 

マルケッルスが、フェリックスを虚ろな目で見た。

 

「……なあ、フェリックス」

 

「何だ?」

 

「……教えてくれ。俺は、これからどうすればいい?」

 

フェリックスは、荘厳な葬送曲を奏でる楽隊を見た。

 

「まず、あれを止めるぞ」

 

「それから?」

 

「今から潰れるまで、しこたま飲む。俺のおごりだ」




――「よりによって、あの男が生きておって辺境で海賊の参謀だと!? だいたい、あの男を参謀に据えるとは、その頭目も物好きな奴だ。俺なら、いくら積まれても御免こうむるぞ」

次回、『オーベルシュタイン、海賊団の参謀になる』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。