ラインハルトの息子は、父ほどの天才ではなかった。
ロイエンタールの息子は、ミッターマイヤーを父と呼んだ。
ヤン・ウェンリーの後継者は、英雄になろうとはしなかった。
そして、英雄たちに救われなかった者たちは、やがて彼らの敵になった。

英雄たちの時代は、終わった。

ラインハルトも、ヤン・ウェンリーも、もはやいない。

その銀河に遺されたのは、
父ほどの天才ではないと知る第二代皇帝アレク、
ロイエンタールの血とミッターマイヤーの愛を受け継いだフェリックス、
名も出自も持たぬ青年クライン、
魔術師の弟子ユリアン・ミンツ。

だが、英雄たちが築いた平和は、すべての人間を救ってはいなかった。

祖国とともに恩給を失った旧同盟軍人。
一万一千隻の味方を生還させながら、帝国から見捨てられた名将。
民主主義を愛しながら、ヤン・ウェンリーを「共犯」と呼ぶ革命家。

帝国や同盟が忘れた彼らの名を覚え、船を与え、居場所を与えた者たちがいた。

その旗には、金色の樹が描かれていた。

そして、後世の史家が「キベロン事件」と呼ぶ日を境に、銀河は再び動き始める。

終戦から二十余年。皇帝アレクたちの前に現れる新たなる敵――神聖黄金樹教国。

その艦隊を率いるのは、怪物でも狂信者でもない。
かつて、英雄たちの時代にも、新しい帝国にも救われなかった人間たちである。

これは、英雄の子らと、英雄に救われなかった者たちの物語。

銀河の歴史が、また一ページ。

【このあらすじは、2026年7月12日時点までに公開された内容を踏まえています。】

※本作はらいとすたっふルール2015年改訂版に従い執筆しております。
※本文には原作本編のネタバレ、および原作に登場しないオリジナルキャラクター・オリジナル陣営・オリジナル設定を含みます。
※ごく一部ですが原作キャラクターの死を含みますので、あらかじめご承知おきください。
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