父ほどの天才ではないラインハルトの息子アレク。
ミッターマイヤーを父と呼ぶロイエンタールの息子フェリックス。
二人のそばには、過去を語らない学友クラインがいる。

ラインハルトとヤンが去って二十年。
大きな戦争は絶え、人々はその静けさを平和と呼んでいた。

だが戦争が終わったからといって、すべての人間が救われたわけではなかった。

一万一千余隻の味方を生還させながら誰にも救われなかった叩き上げの老将。
〈守護天使〉を率い帝国軍から「死神」と恐れられる、姓も階級も明かされない男。
神を信じぬまま「聖将」となり二万隻を率いる海賊商人。
敗軍の中で最後まで陣形を崩さず新帝国には拾われなかった軍官僚。
民主主義を愛しながらヤン・ウェンリーを「共犯」と呼ぶ革命家。
そして幼い日にキルヒアイスに救われ、その背を追った末に帝国を去った騎士。

出自も思想も、彼らがここへ来た理由も同じではない。
ただ、帝国にも同盟にも居場所を失った者たちを拾う場所があった。
船があり、仕事があり、食べるものがあり、自分の名を呼んでくれる者がいた。

それはやがて国家を名乗った。
旗に掲げられたのは、金色の樹。
後世の史家が「キベロン事件」と呼ぶ日を境に、銀河は再び動き始める。
新たなる敵――神聖黄金樹教国。

父とは違う皇帝になろうとするアレク。
英雄の子らと、英雄たちの時代を生き残った者たち。
そしてその時代の光が届かなかった者たち。

これは英雄の残光が消えぬ銀河を生きる者たちの物語である。

【全五部構成】

第一部 この静けさを、平和と呼んでいた ★完結★
第二部 この戦を、まだ誰も知らない ★2026年9月11日(金)20時開始予定★
第三部 戦い方は、死者に訊く
第四部 それでも、人は祈る
第五部 朝市がひらく――終章

※本作はらいとすたっふルール2015年改訂版に従い執筆しております。
※本文には原作本編のネタバレ、および原作に登場しないオリジナルキャラクター・オリジナル陣営・オリジナル設定を含みます。
※ごく一部ですが原作キャラクターの死を含みます。
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