かぐや姫Ω   作:ワンホットミニット

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※本小説を読む前の注意事項※


本小説は、【超かぐや姫!】、並びに、【ウルトラマンオメガ】、そのどちらともを視聴したうえで読むことをオススメいたしますが、そうでなくとも楽しく読める作品を目指し、書かせていただきます。
当然、どちらかしか見ていないという方も多くいるため、そのような方々にも、本小説を読んで、こっちは見たけどこっち見たことなかったとなって、視聴することがあれば、両方の一ファンとしてとても嬉しく思います。
偏見かもしれませんが、ウルトラマンオメガの方が、見たことがないという人が多いと思います。なので、これを読んでウルトラマンオメガに触れる人が増えるならば、これ幸い。
ひいては、現在、テレ東系列毎週土曜朝9時放送中(YouTubeウルトラマン公式チャンネルでは毎週土曜朝9時30分から配信開始)の最新作、【ウルトラマンテオ】や、過去のウルトラマン作品にもどんどん触れてほしい。一ウルトラファンとしては、そんな気持ちでも書いてます。

そのうえで、両作品に関わったスタッフ・キャストの皆様。そして、1966年の放送開始から、今年60周年を迎えるウルトラマンシリーズ。それら全てへの、多大なるリスペクトを持った上で、本作は書かせていただきます。

併せて、超かぐや姫!公式サイトに記載のある、創作ガイドラインにも則ったうえで書いております。
( 参照元URL:https://www.cho-kaguyahime.com/special/detail.html?id=1024 )
そのため、本小説にも、本編設定とは異なる、独自設定が含まれている場合がございます。その点を予めご理解のうえ、お読みください。
また、創作ガイドラインに記載のある「作品ならびにファンを傷つける行為はご遠慮ください。」・「ファンのみなさま同士で二次創作をもとに批判することはおやめください。」という精神を持ったうえで、お読みいただくのはもちろんのこと、他の方のどのような作品であっても、同様のスタンスで見る・読むようにしましょう。

公式様が言っていることは、せーの、絶対!!!!!!(腹の底から叫びましょう)

以上が、読む前の注意事項となります。
長文、失礼いたしました。



それでは、今から少しの間、あなたの目はあなたの体を離れ、この不思議な小説の中に入っていくのです。



また宇宙人がやってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────こことは違う、どこかの地球

 

その地球の、日本のとある街の中。明らかに不自然な存在。もっと言えば、異物としか捉えられない存在が今現在3体いる。

その3体の大きさは、それこそ付近に立ち並ぶビルよりもはるかに大きい。まるで、周りの建物全てが、ミニチュア模型で作られたジオラマかと見間違う光景に見えるが、この世界においては、全てが現実である。

 

一体は、全体的なフォルムはずんぐりとしているが、その体つきと比例し、顔の細長さが生物的な違和感を覚えてしまう、全身が真っ赤な、巨大な生物。

もう一体は、全身が青緑色の、巨大な生物。赤い生物と比べると、顔も丸みを帯びているため、全体的なフォルムとしては、こちらのほうがバランスが良い印象を受ける。

 

このような巨大な生物達は、この世界においては、怪獣、と一括りにされる存在だ。

 

 

そして、残りのもう一体は、その2体とはビジュアルもフォルムも異なっている。

 

赤い顔に赤いボディ。銀色のラインは体の所々に入っているが、それでもやはり体の大部分を赤が占める。

ガラス細工のような青い目と、胸部に装着された銀色のプロテクターの真ん中に光る、五角形のガラスでできたような何かもまた特徴的であり、シルエットも、先程の2体と比べると、いわゆる、人型の体型をしている。故に、先ほどの赤色、というところと合わせると、この存在は、赤い巨人、と呼べる。

だからこそ、いや、だからか、こちらの方が姿形が見慣れているからか、強いて言えばまだ、こちらの方が親近感を抱きやすいフォルムである。

 

そんな赤い巨人は、2体の怪獣に向け、右手を向けると、開いている手の平を横に曲げた後、ギュッと握り拳に変える。

一見すれば謎の動作だが、この巨人は必ずといっていいほど、このポーズをし、そして、この地球にいる地球人も、この一連の動作を見慣れているほど、この赤い巨人は地球人にとっても親しみがあり、そして、信頼もされている。

 

 

というのも、この赤い巨人は、いわゆる、地球の平和を守る存在であり、平和を守るために、地球人と共に怪獣と戦う・・・という、よくあるヒーロー然とした存在ではない。

 

時には、怪獣を保護することもあり、彼とともに並び立つ地球人もその場合は、怪獣が地球上で人間と共存できるための手助けを、赤い巨人とともに行う。言うなれば、この赤い巨人と人間は、持ちつ持たれつ。そんな関係性なのだ。

 

 

そう、彼は、ただ地球人を守るだけではない。

 

この地球に生きる、全ての命を守り、いつか、全ての命が手を取り合っていける。そんな未来を目指し、地球に生きる全ての命と共に歩む─────ソラから落ちてきた宇宙人。

 

その巨人の名は─────

 

 

「ショワァッ!!」

 

 

 

 

 

ウルトラマンオメガ

 

 

 

 

 

そんなウルトラマンオメガだが、彼が現在向かい合っている怪獣は、その共存という理念から外れており、この地球に残した場合、他の生命体に大きな影響を与えるため、倒すしかない。そう判断し、倒すことを選んだ。それは、彼と共に並び立つ地球人も同じ考えだ。

その結論に至るしかないほどに、この怪獣たちは、悪魔と呼ばれる存在なのだ。

 

 

 

「アボラス、バニラ・・・かつて超古代文明を滅ぼしたとされる2体の怪獣・・・そっちの状況は?」

「もう間もなく新型レーザー砲を搭載したレーザービートルが到着予定です。そうすれば、どちらか一方を倒せるかと。また、新型レーザー砲から発射されるレーザーの想定温度をシミュレーションしたところ、体内の毒性も全て残らず、燃やし尽くせるという検証結果が出ています。」

「OK。じゃあだったら、あの赤いバニラをNDFが。青いアボラスを、オメガがなんとかしてもらえると助かるんだけどね・・・」

「ですね。ならば、後はオメガに、我々の作戦を伝えるだけですね。アユムさん、オメガは確か、日本語が通じるんでしたよね?」

 

オメガがアボラスとバニラと対峙している数キロ先、集合用テントがいくつも立ち、簡易的に設営された臨時のベースキャンプにおいて、重装備をしている紺色のミリタリー制服を着た男性、タイラ カズヤスは、それとは異なり、ベージュ色のジャケットを着た女性、ウタ サユキと話し合いながら、この後の作戦について話し合っていた。

 

「は、はい。そうですね。以前、ゲドラゴと遭遇した際、オメガにタブレットを通してゲドラゴの生態を伝えたところ、向こうも顔をこちらに近づけて話を聞き、理解を示してくれた後、仲間の怪獣と共にゲドラゴを山に戻してくれたことがありましたので、我々の言語が通じている可能性は、十分あり得ます。」

「わかりました。ビートルにスピーカーも搭載しておりますので、そのマイクのチャンネルをこちらに合わせれば、オメガに我々の作戦を伝えられるかと。以前報告書で読ませていただきましたが、確認が取れて一安心しました。」

 

ウタと同じ、ベージュ色のジャケットを着た女性、イチドウ アユムは、過去にオメガとコミュニケーションを交わした出来事をタイラに語り、タイラもまた、実際にオメガがそのようなことをしたという記録を見ていたこともあったことに加え、その当事者からの言葉ということもあったため、すぐ納得し、この作戦を進めるよう、部下に適宜指示をしていく。

 

現在、オメガが戦っている青緑色の怪獣のアボラスと、赤色の怪獣のバニラは、古代文明を壊滅寸前までに追い込んだという記録があり、加えて、体内に強力な毒素を持っており、闇雲に倒すと周囲を汚染するということが、調査結果からわかった。

だからこそ、現在このベースキャンプでは、現場でオメガと共に怪獣に立ち向かう、タイラが指揮を執る怪獣対処チーム、通称【NDF】と、ウタが班長を務め、アユムも在籍する、怪獣の調査・研究のほか、怪獣出現時の具体的な対策立案などを行う専門チームである【怪特隊】が連携をしている。

ちなみにこのウタ班には、もう一人いるのだが、その人物は今、ベースキャンプから離れ、ぎりぎりのところでオメガのサポートをしている・・・という体で話を回している。

そのうえで、怪特隊の調査の元、NDFに提案をした作戦は、宇宙由来の物質、カエン102を使った高出力レーザー砲で、体内の毒素ごと一撃で全て焼き尽くすという作戦が最も効果的であり、周囲への毒素の拡散も、最小限に抑えられるという結論に至った。

その準備を着々と進めている一方、アユムはパイプ椅子に座り、机の上に置いてある自分のパソコンを眺めながら、悩ましげな表情をしていた。

 

「・・・でも、なんでだろう?古代の文献では、アボラスとバニラは敵同士だったはずなのに、なんでお互いを攻撃しあったりしないの・・・?」

 

 

 

一方、オメガはアボラスとバニラと対峙をしているが、2VS1という、複数の怪獣を相手に戦ったという経験が彼には少なく、少し苦戦をしていた。しかし、だからといって逃げる訳にはいかない。距離を取り、気合いを入れ直すかのよう、ファイティングポーズを構える。

 

『オメガ、聞こえているか!聞こえていたら振り向いてくれ!』

 

そんな中、後ろから大きな声がしたため振り向くと、こちらに近づく一機の戦闘機の姿が見えた。その下部には、先程話していた、高出力レーザー砲が搭載されている。

 

『我々のレーザービートルの高出力レーザー砲にて、バニラを倒す!そうすれば街中に毒素が広がることはない!そのためにも、アボラスの足止めをしてくれないだろうか!?』

 

ビートルに搭載されていたスピーカーから流れてくるタイラの声に、OKと言わんばかりに首を縦に振る。

 

再度振り返り、アボラスとバニラと向き合った後、そちらに向かって走り出す中で、オメガの胸の真ん中に光るガラスでできたタイマー、カラータイマーから黄色い光が飛び出した後、その黄色い光は4足歩行の怪獣の姿にへと変化をした。

かと思いきや、怪獣がオメガに飛び込んだ次の瞬間、オメガの右腕と左足に鎧が装着され、頭の真ん中にある、トサカのようなものの形状も変化をする。

 

オメガは、メテオカイジュウと呼ばれる仲間の怪獣がおり、共に怪獣と戦うだけでなく、このように鎧になって力を貸し与えることにより、オメガはそのメテオカイジュウの力を使って戦うことができる。

先程出てきた怪獣は、トライガロン、と呼ばれる仲間のメテオカイジュウであり、トライガロンと一体化したこの姿は、トライガロンアーマーと呼ばれる。

この形態になることで、オメガはトライガロン由来のスピードをその身に宿し、目にも止まらない速さで動けるようになるのだ。

 

トライガロンアーマーの姿となったオメガは、物凄いスピードでバニラに近づいた、かと思いきや、直前に姿勢を変え、スライディングポーズを取ると、右腕に装着しているトライガロンの力が込められたクロー型の武器、トライガロンクローでバニラの足を切り裂く。

その予想外の攻撃により、バニラもバランスを崩し、その場に崩れ落ちた。

 

 

「まさか、我々の攻撃を確実に当てられるよう、バニラの動きを封じてくれたのか・・・?」

 

確かに先程、アボラスを足止めをしてくれと言って、向こうも首を縦に振ったため、同意してくれたようだった。

しかしまさか、その前にバニラの動きまで封じるとは・・・仕事が出来ると言うべきか、やりすぎだと言うべきか。そんなことを内心タイラは思いつつも、動きが取れなくなったバニラを見てすぐ、部下に指示をし、合図を出す。

 

「高出力レーザー砲・・・発射!!」

 

タイラの言葉の後、画面越しにではあるが、レーザービートルに搭載していた高出力レーザー砲から、レーザーが発射されたことを確認し、バニラに直撃する。

しばらくの放出の後、断末魔とともに、バニラは大爆発を起こした。

 

 

「ショアッ!」

 

一方のオメガは、アボラスと対峙しつつ、横目でバニラが倒されたことを確認すると、組み合っていたアボラスを力任せに引きはがした後、トライガロンクローで切り裂くと、その威力と衝撃で、アボラスの体から火花が上がる。

少し距離を取った後、再度オメガのカラータイマーから赤い光が飛び出すと、今度は赤い鳥のようなメテオカイジュウ、ヴァルジェネスが飛び出す。

ヴァルジェネスが上へ向かって飛んでいくが、すぐにUターンをし、オメガに飛び込むと、アーマーが変化をした。

 

両腕と両足、肩から脇の下・肩甲骨あたりにかけて、赤と金色のアーマーが装着され、先程のトライガロンアーマー同様、頭部のトサカも変化をした。そして、最も特徴的なのは、右手に握られている、ヴァルジェネスを模したハルバード。

これこそが、ヴァルジェネスと一体化したアーマー、ヴァルジェネスアーマーである。

 

ヴァルジェネスアーマー姿となったオメガは、右手で握っていたヴァルジェネスハルバードを両手で握って構えると、それを振り、数度アボラスを攻撃していくと、先程のトライガロンクロー同様、アボラスの体から火花が上がる。

さらに握る力を籠めた瞬間、穂先に炎が立ち、その状態のまま強く振りぬくと、アボラスは後方へと吹き飛ばされる。

 

そのすぐ後、オメガの胸の青く輝く器官が、青色から赤色になり、かつ、他の何とも例えられない音と共に、点滅をはじめた。

 

これは誰が言っているというわけではないが、NDFも怪特隊も、オメガがピンチな状態、あるいは、体力が残りわずかだという認識で考えており、事実、これが鳴ることが、オメガのエネルギーが残り僅かなことを知らせるサインとなっている。

そのため、まるでタイマーのようだということで、怪特隊はこの器官のことを、カラータイマーと呼称している。

 

カラータイマーが点滅した状態で、何度かヴァルジェネスハルバードを回し、石突を上に向けると、オメガの周囲に赤・青・緑・黄の光が現れると、それらが全て、ヴァルジェネスハルバードに集まっていき、穂先と石突が力強く輝く。

そして、再度両手で構えると、その穂先をアボラスにへと向けた。

 

「ショアアアアアアアアアアッ!!」

 

ヴァルジェネスアーマーの特徴である、火・水・風・土の四大元素の力を使える能力。その四大元素の力を全て込め、ヴァルジェネスハルバードの穂先から放たれる光線、ヴァルジェネスハルバードクアドランズがアボラスに直撃した後、断末魔とともに、アボラスは倒れ、大爆発を起こした。

 

 

その様を見たうえで、アーマーを解除し、元の姿にオメガは戻る。

そして、オメガにとってはいつも通り、空へと顔を向け、その場から飛び立とうとする。

 

 

 

「やあやあウルトラマンオメガ。さすがは、地球の守護者だけある。」

 

 

 

突如、誰かがオメガに声をかけてきた。

その声がする方向を見ると、その先には、黒いスーツと、ジャケットの下には黒いシャツを着た、一人の男性が立っていた。

年齢的には4~50代くらいだろうか。どこにでもいそうな男性に見えるが、この場にいるには、今はふさわしくない。ましてや、この地域一帯には、毒素が周囲に広がる可能性もあったため、緊急避難が呼びかけられていた。だから尚のこと、この男一人だけがここにいて、なぜこのように、オメガに語りかけているのか。全てが不可解な状況だった。

 

『お前、いったい誰だ!?』

 

オメガの中にいる存在。正確に言えば、オメガに変身している人間、ホシミ コウセイがオメガの姿を通して、その男に語りかける。

「おおっと失礼失礼、」と小さく笑みを浮かべながら手を挙げると、男は表情を戻し、オメガに言った。

 

 

 

「私はネメク。かつて君たちが見殺しにし、そして、生き残りも君が滅ぼした、ゲネスの生き残りだよ。」

 

 

 

ネメク、男は自らをそう呼んだ。

 

『ゲネスだって!?馬鹿な!ゲネスはあの時俺が!』

 

その男の自己紹介に、誰よりも驚いているものがいる。

それは、オメガの中にいる、もう一人の存在。正確に言えば、オメガそのもの。オメガの人格とも呼ぶべき存在である人物、オオキダ ソラトが、誰よりもそのことに驚いていた。

それは、彼の名前ではなく、その後に話した、出自の方にだ。

 

「そうだねえ。うん。確かに、君によって、生き残った仲間たちは殺された。ただねぇ、私はゲネスを離れる前に、他に楽に管理できる星がないかを探していた、いわゆる外回り組だったんだよ。だから、私は生き残っている。いやーすいませんねえ。仲間たちを殺した大罪人は、こんな説明聞きたくなかったでしょう?それはそうだ。また、罪の意識が出ちゃうかもしれないからねえ。」

 

ソラトが聞きたいであろう、なぜゲネス人の生き残りがいるのか。それを見越してか、ペラペラと喋りだすネメク。

だが、その言葉の節々に棘とまではいかないが、恨みを感じる言葉の言い回しに、底知れぬ気味の悪さや苛立ちを感じ、思わずコウセイがオメガ越しに口出ししようとした瞬間、

 

「あ、そうそう。私の贈り物はどうだった?」

 

脈絡のない謎の質問を投げかけてきた。その質問に、コウセイも次に言おうとしていたことが言えなくなる。

 

「いやね、アボラスとバニラ。君の力が今どんなものかを見たいと思って復活させてみてよかったよ~。おかげで、私は一つ決めたことがあるよ。ありがとうオメガ!」

 

笑顔を浮かべながら、ネメクが語りだしたこと。

それは、アボラスとバニラを復活させたのは、自分なのだということ。尚且つ、今の戦いを見て、決めたことがあるのだと嬉しそうに語る。

その話に驚きもするが、それと同時に、オメガの中にいるコウセイの心の中には、怒りが湧き出してくる。

 

『お前が復活させたのか!なんでこんなことを!?』

「ん?だって、私の仲間たちを皆殺しにしたオメガの今の強さがどんなものか知らなくちゃ。それに、あの2匹はいがみ合っていたそうじゃないか。どっちも強いのにいがみ合うなんてもったいない。だからね、私の力でね、彼らを仲良しこよしにさせてあげたんだよ。結果はおかげさまで、ベストコンビ。手を取り合って、オメガに立ち向かう!いやーどうだい、素晴らしい絆じゃないかい?」

 

ネメクが語った、この2体を復活させた経緯。加えて、アボラスとバニラが、なぜ本来は敵同士であったにもかかわらず、お互いを攻撃しなかったのか。その理由に、ソラトは心当たりがあった。

 

『お前、まさか!?』

「ああそうだよ。ゲネス人の持つ、怪獣を操る能力。あれをちょーーーっと使ってね。でもいいじゃないか。仲の悪いもの同士が仲良くなるなんて。いい化学反応が起きてると思わないかい?あ、でも負けちゃったけどね。ただまぁ、今回は君の方が強かった、それだけの話だよ。あの怪獣達は、運がなかったねぇ。」

 

ゲネス人たちがかつて使っていた、脳波を使って怪獣を操る能力を使った。だからこそ、アボラスとバニラは、本来敵同士であるにもかかわらず、全く争わなかった。NDFと怪特隊がずっと疑問だったことの理由はたった今判明したが、今は正直、そんなことは二の次三の次であり、それ以上に頭を占めているのは、目の前のこの、ネメクという存在。

先ほどからずっと感じていたが、その飄々とした態度と、何を考えているかわからない気味の悪さ。穏やかに喋っているようだが、語気を強めることもせず、アボラスとバニラが負けたことに対しても、何の感情も抱いていないようだった。むしろそれどころか、まるで他人事のように喋っている。

確かにこのアボラスとバニラは、古代の文献で悪魔だと言われていた。なので、倒されても仕方がない存在ではある。それはそうなのだが、それでも、この男は、命を、なんだと思っているのか・・・この男の態度に、ソラトとコウセイ、両者ともに、心の底から沸々と怒りが湧き出してきていた。

 

「おぉっといけないいけない。お時間が来てしまったようだ。」

『時間・・・?』

「ほら、さっき言ったじゃないか。決めたことがあるって。今のこの地球じゃ、ちょーーーっとゲネスを復興させるのは難しそうだ。君のようなセキュリティもしっかりしているからね。だからね、」

 

そこまで言うと、その両手に、2つの石が現れた。右手に持っている石の色は赤色・左手に持っている石の色は青色をしている。

 

 

 

「キミのいない時空で、ゲネスを復活させることにしたよ。それじゃあ、さようなら。ヴェス・オメガ。」

 

 

 

その2つの石を目の前でぶつけた瞬間、ネメクの後ろに巨大なワームホール状の謎の空間が現れ、ネメクは体を倒していくかのように、飛び込んだ。

 

『ソラト、あれってバロッサ星人が前にやってた!』

『ああ、ブルトンだ!あいつ、ブルトンの力を使って、別の時空に行くつもりだ!』

 

今ネメクが持っていた2つの石は、ブルトンと呼ばれる四次元怪獣のものである。

ブルトンは本来、巨大な宇宙を成立させるために様々な不条理を引き受ける歪みのような存在であり、一歩間違えれば、それこそ時空や次元も楽々と超越する、大事件を引き起こしかねないこともある。

しかし、広大な宇宙の中には、その破片やテクノロジーを技術力でカバー・応用し、瞬間的に何百・何千光年と離れた距離を、一瞬で移動できるワープ装置として利用している宇宙人もいる。

先ほどコウセイが言っていた、バロッサ星人という宇宙人も、かつて一瞬でコウセイの住むところに現れたと思っていたら、このブルトンの力を使い、すぐに母星へと帰っていった事例がある。

 

だが、先ほどのネメクの言葉からは、とてもではないが、どこか他の惑星へ行ったということは考えられない。おそらく、別の時空のどこかの世界で、彼らの種族であるゲネスを復活させようと企んでいる。

 

だからこそ、ソラトとコウセイの、ウルトラマンオメガのやるべきことは、決まっている。

 

『追うぞ、コウセイ!』

『ああ!あんなやつほっといたらまずいことになる!』

 

 

「ショワァッ!」

 

そのワームホールに、オメガも飛び込んでいった。

そして、オメガが飛び込んですぐ、そのワームホールは姿を消し、まるで何事もなかったかのように、辺りはこれまでと変わらない景色が広がっていた。

 

 

 

「重力波の乱れ、消えました!同時に、オメガの反応も消えました!」

 

一方、ウタやアユム、タイラたちがいるベースキャンプでは、一人のNDF隊員が状況を報告した。

アボラスとバニラをオメガと協力して倒したことで、全員が肩の力を抜き、激励の言葉をお互いに言い合おうとした矢先、いつもであれば、怪獣を倒した後、必ず空へと飛び去っていくはずのオメガの反応が、未だにそこに留まっていることを一人のNDF隊員が気付いた。

その様子が気になり、付近に置いていた監視用のカメラにチャンネルを合わせようとしたところ、なぜかどれも反応しなくなったため、偵察用のドローンを飛ばそうとした矢先、突如計器がけたましいアラートを鳴らしだし、異常な重力波の乱れを感知した。

慌てる現場だったが、ものの十数秒だっただろうか。その重力波の乱れも消え、そして、オメガの反応もまた、消えていた。だからこそ、この一瞬で何が起こったのか、怪特隊もNDFも、内容を把握しきれていなかった。

 

「ウタ先生、これは一体・・・?」

「I'm not sure. けど、オメガの反応も同時に消えたってことは、何かしらをオメガがしたか、あるいは、オメガがそこに飛び込んだか。なんにせよ、現場を見ないとわからないけど、さすがにまだアボラスとバニラの毒素が滞留している状況だから、現場検証はもう少し後にしましょう。」

 

冷静に、ウタとタイラが状況を整理している一方、アユムは離れた場所で、耳に装着していた通信機で、ある人物の名前を呼び続けていた。

 

「コウセイ君、聞こえる!?コウセイ君!」

 

コウセイである。

実はコウセイも、怪特隊・ウタ班のメンバーの一員であり、そして、ソラトもまた、怪特隊の一員、だった。

 

そして、アユムとウタは、そんな2人の正体を知っている。

 

 

コウセイが、メテオカイジュウを操る怪獣使いであることを。

そして、ソラトが、ウルトラマンオメガなのだということを。

 

 

しかし今、そのコウセイが、ソラトと融合・一心同体をし、ウルトラマンオメガになっていることは、アユムだけでなく、ウタも知らないことである。

 

だからこそ、先ほどの戦いでも、コウセイはこれまでと同様、メテオカイジュウを使って怪獣と戦うために、ベースキャンプから離れていった。そう話をアユムは受けており、そのことを承諾していた。

だが、先ほどの一件以降、コウセイと連絡が取れず、何度呼びかけてみても、向こうからの反応はない。

 

オメガがその場に留まり続けたこと。異常な重力波の乱れ。その重力波の乱れが消えたとともに消えたオメガの反応。呼びかけても反応がないコウセイ。

これらのことから導き出される結論は、たった一つ。

 

 

「・・・まさか、コウセイ君もソラトさんと一緒に・・・?」

 

 

 

「ジョワアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

一方、ブルトンの力によって開いたワームホールの内部では、異常な重力波の乱れの中でオメガは苦しんでいた。この異常な重力波の中というのは、例えるならば、台風の中に突っ込んでいるようなものだ。

更に、アボラスとバニラと戦っていたということもあってか、飛び込んだ時点で、エネルギーが残りわずかだったが、最後の力を振り絞り、変身が切れないように意識を保ち続けている。

そう思っていると、視線の先に、光が見えた。おそらくあれが、この終点であり、ネメクが向かった時空。しかし、状況が状況ということもあり、今のオメガには悠長にそこまで考えている余裕はないのだが、あそこへなんとしても向かうのだという強い気持ちで、最後の力を振り絞って進む。

そして、その光に入った瞬間、眩さで一瞬目がくらむ。

 

と同時に、変身が解除された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっへへー。よーし今日は激辛カップ麺残さず全部食べ切れるかチャレンジ動画撮るぞー!」

「・・・なんで私もそのための買い出しに付き合わなくちゃいけないのよ・・・」

「いいじゃんいいじゃーん。彩葉がいないとさーびーしーいー!それに考えてみて彩葉!こんないたいけな美少女が、一人で買い物に行って激辛カップ麺を買って帰っていくなんて!これなにかあるんじゃないかって、私警察に捕まっちゃうよ!?」

「はいはい妄想のお話をお聞かせいただきありがとうございます。」

「ひーどーいー!もっと興味持ってよーー!だって今日はさー・・・?」

 

どこかの町中を、ワイワイガヤガヤガヤ、あーだこーだと話しながら歩く2人の少女がいる。

一人は学生服に、紫色の髪色をした女子高生。髪を束ねているため、ロングヘアーだということが見て取れる。

そしてもう一人は、長い金髪のロングヘアーが特徴的な、ダボっとしたオーバーサイズのTシャツを着た、妹と思しき、この女子高生よりも少し下くらいの年齢の少女。

 

先ほどまで、こちらの金髪の少女のほうが主に話しており、話の内容からわかるように、彼女たちは動画のネタのための買い出しにへと外に出ていた。つまり、配信者である。

現在、彼女たち、というより、こちらの金髪の少女の方が張り切っているのだが、ある目的をかなえるため、数週間前に始めたばかりではあるが、日々、動画作りやゲーム配信などを行っている。

その甲斐あってか、少しずつ人気が出だしており、当初と比較し、何か動画のネタとなるものを買うためのお金も、少しは、どころか、そこまで困らないくらい稼げるようになっていた。

 

そんな本日の動画のネタは、激辛カップ麺を食べ切るというよくあるネタだが、彼女はやりたいと思ったらやる。二番煎じだろうがなんだろうが関係ない。やりたいと思ったらやる。ただそれだけなのだ。

そんな彼女に付き合っている、この紫色の髪の女子高生は、自分の決めたスケジュールが一日、また一日と狂っていくことに頭を抱えつつも、頼まれると、なぜか断れない。そんな自分に嫌気が差し、ため息をつく暇もなく、またマシンガントークが始まった・・・と思っていると、それまでの饒舌がピタリと止んだ。そのことに気づき、相手の方を見た。

 

「かぐや、どうしたの?」

「い、彩葉!あれ見てあれ!空!光!!」

「は?」

 

何を言っているのか全くわからなかったが、しかし、金髪の少女、かぐやが慌てて指差す先の空に見えるのは、

 

 

─────青い光の粒子が、ゆっくり地上へ落ちていく様。それはだんだんとだが、消えていき、指差した数秒後には、完全に光は消えた。まるで、蜃気楼のように。

 

 

「まさか・・・お迎え──」

「何あれ何あれ!!?私ちょっと見てくる!!」

 

言おうとしていた言葉は、この反応から見るに、おそらくかぐやも初見だ。

だからこそ、物珍しいものを見たからか、その光が見えた方向に、かぐやは全力で走りだした。

 

「えちょっと待ってかぐや!?あぁっもう!」

 

そのかぐやが走り去っていく姿を、後ろからもう一人の少女、酒寄 彩葉も追いかけていく。

じゃじゃ馬娘・おてんば・わんぱく。それらの言葉が全て当てはまるからこそ、一人にしたら大変なことになる。それは、一緒に住みはじめたこの数週間足らずでよくわかった。

だからこそ、彩葉もまた、走り出したかぐやを慌てて追いかけていく。

 

 

「・・・まさかまた、宇宙人、とかじゃないよね・・・?」

 

 

一抹の、不安を残して。

 

 

 

「ぁぁぁぁあああああああああいてぇっ!?いったたー・・・って熱っちぃ!?」

『コウセイ、大丈夫か!?』

「あ、ああ大丈夫。ちょうど出た瞬間に変身が解けたから、怪我ってよりも、めっちゃコンクリートが熱くって・・・てかあっっっつ!暑すぎんだろ!?」

 

先ほど見えていた光。それはまさに、ちょうど変身が解除されていくオメガの姿であり、光が全て消え終わった後、オメガはコウセイの姿に戻った。

しかし、運悪く、変身が解除されたタイミングが空の上だった。オメガの変身解除後、光になって地上に戻ることがほとんどなため、普段ならば安全に着地するのだが、今回は状況も状況だったため、不時着のような形で、地面に倒れこんだ。幸い、ギリギリまで光となっていたため、怪我もそこまでないことをソラトに伝えるも、それ以上にコンクリートの熱さと、気温の暑さに驚き、たまらず着ていた怪特隊のベージュ色のジャケットを脱ぎ、半袖のリンガーTシャツ1枚の状態となる。

 

だが、今この場にいるのはコウセイだけであり、ソラトという存在は、この場にはいない。

しかし、コウセイはちゃんと、ソラトに話しかけており、ソラトもまた、コウセイに話しかけている。コミュニケーションも、ちゃんと取れているのだ。

 

コウセイの視線の先にあるのは、首から下げているペンダント。銀色のカプセルのようなものの先端は、青く輝いている。

このペンダント、いやカプセルの名前は、オメガメテオ。これこそが、コウセイがオメガになるために必要なアイテムの一つでもあると同時に、この中にいわば、ソラトの魂がある。だからこそ、このメテオを介して話すことが、今コウセイがソラトと会話をすることができる、唯一の手段となっている。

 

そんな中、コウセイはそれ以上に大事なことに気が付いた。

 

「ていうか、ここが・・・?」

『ああ。ここが、別の時空だ。』

「これが、別の時空・・・?」

 

たどり着いた、別の時空。

想像していた先は、もっと高層ビルが立ち並び、空飛ぶ車が走っているような世界や、それこそお城や中世のヨーロッパの街並みが広がる、ファンタジーな世界を想像していた。そこまで詳しくはないが、本屋で見かける、異世界転生もの、というやつでは、そのような時代背景が多い。

 

しかし、今立っているこの場所は、コンクリートで舗装されている道。そして今、その上に立っている。辺りを見回してみても、コウセイの感覚からすると、どこにでもありそうな、平凡な街並みの、平凡な路地。建物の雰囲気に加え、家に立てかけてある表札に書かれている名前も、漢字の苗字ばかりなので、十中八九、日本で間違いないはずだ。強いて、季節が夏ということが、違いを表している程度だ。

つまり、ここはおそらく─────

 

 

「なぁソラト・・・ひょっとして俺たち、別の時空の、日本にやって来た、ってことか・・・?」

『多分、そうだろうな。』

 

 

たどり着いた先は、別の時空の、日本。

日本であるということは、つまりここは・・・別の時空の地球、ということだろう。

 

まさかのたどり着いた先が、先ほどと変わらない日本だということに驚きというか、がっかりというか、ほっとしているというか、色々な気持ちがコウセイの中で渦巻いている。だが、安心したこともまた、確かだ。もし仮にとんでもない過去だったら、それこそどうしたらいいかわからなかったが、これだけ時代が似通っているならば、まだ生きていける可能性はある。言語もおそらく、伝わるはずだ。

そんなことを思いながらも、コウセイはソラトに話しかける。

 

「さっきのゲネス人、確か、ネメク・・・って言ってたよな?あいつの感覚とか、わかるか?」

『どうだろうな・・・コウセイ、ちょっとだけ体借りていいか?』

 

体を借りる。それは、この半年の間で、コウセイとソラトが身に着けた、技の一つである。

短時間だけだが、意識や魂を、一瞬ソラトに意識を渡すことにより、コウセイの体ではあるが、オメガであるソラトの感覚で、見たり触れたり匂いを嗅いだりするなど、五感を通して色々なことを感じ取れるようになった。

ただし、これに慣れることで、コウセイの体に何らかの異常が出る可能性を考慮し、これは緊急時の対応にしようと、2人で話し合い決めた。

 

だが、今回ばかりは状況も状況ということで、一瞬意識をソラトに切り替えると、ソラトの意識となったコウセイは、くんくんと、辺りのにおいを嗅ぎはじめた。これが一番、何かの異変を嗅ぎ分けられる、主たる方法だったからだ。

しかし、一瞬首を傾げた後、意識をコウセイにへと戻した。

 

『・・・ダメだ、コウセイ。あいつのにおいっていうか、なんか、違和感みたいなのは嗅ぎわけらんなかった。』

「あー大丈夫大丈夫。まぁ、そもそもあいつと喋ってた時はオメガだったしにおいもそんなに──」

「うわ見て彩葉ー!なんかあの人めっちゃ面白いんだけどー!」

「こら!!人のこと指差さない!」

 

そんな話をしていると、突然誰かの声が聞こえてきた。それもかなり大声だったため、慌てて会話を止め、声がした後ろを振り返る。

 

 

そこには、2人の少女がいた。

 

 

 

「ハァッ、ハァッ・・・あんたねぇ、いきなり走り出して・・・!」

「うーん、いないなぁ。なんにもないなぁ。」

 

遡ること少し前、かぐやと彩葉は、先ほど見えた光が落ちた、であろう付近まで来ていた。

彩葉も運動神経はいい方だが、かぐやの無尽蔵のスタミナには舌を巻く。いや、子供だから、楽しいときは疲れたということは一切感じず、後になって、あー足がいたいー!疲れたー!などと言うのかもしれない。というより、そっちの方が困る。予習の時間がまた削られる・・・そんなことを彩葉が思うも、一方のかぐやは先ほどから、辺りをキョロキョロ見回している。先ほど見えた光は何だったのか。何か落ちていないか。今の関心の先はそれだけだ。

 

「ねぇ、やっぱなんにもないでしょ。あれは光の屈折かなんかによるもの。見間違いってことで・・・かぐや?」

 

適当な屁理屈をつけて帰ろうと提案しようとした彩葉だったが、ふと、かぐやがとある方向に体を向けていた。そして、耳に手を当て、その場でじっとする。

 

「・・・なんか聞こえた!あっち!」

「あっちょっと!」

 

耳に手を当てていたということは、何かが聞こえていたということ。そちらの方向に向かってまたかぐやは走り出し、彩葉もその後を追いかけると、路地の角を曲がった先に、一人の男性がいた。

手にはベージュ色のジャケットだろうか。それを持ち、何か一人でぶつぶつ喋っている。一見すると、ちょっと危ない。気味の悪さを感じ、帰ろうと言おうとした矢先、

 

「うわ見て彩葉ー!なんかあの人めっちゃ面白いんだけどー!」

「こら!!人のこと指差さない!」

 

モラルの注意がまず先だった。

 

 

 

そして時間を戻し、現在。

突然誰かの声が聞こえてきた。それもかなり大声だったため、慌てて会話を止め、声がした後ろを振り返ったコウセイの目の前には、2人の少女がいた。

 

一人は学生服に、紫色の髪色をした女の子。制服も着ているため、おそらく女子高生だろう。

そしてもう一人は、長い金髪のロングヘアーが特徴的で、かつ、ダボっとしたオーバーサイズのTシャツを着た、妹?と思しき、少し下くらいの年齢の女の子。先ほど大声を出したのは、おそらくこちらの金髪の髪の子のほうだろう。

 

「ええええ!?お、俺!?おおお、俺は別にな、なんにもしてないよ!あー、そ、そう!独り言独り言!独り言言ってただけでなんにも気にしなくていいから!さーて今日のご飯は何にしようかなーアハハアハハ・・・」

 

だが、この辺りには不幸にも、今は自分たちしかいない。つまり、この女の子は、こちらの様子を見て、声をかけてきたのだろう。だから慌てて、コウセイも慌てて、何もなかったかのように取り繕い、すぐさま振り返って立ち去ろうとする。

が、その進路を塞ぐように、かぐやが素早くコウセイの前に移動してきた。

 

「えー嘘だー!だってー、」

 

そう言うとかぐやは、更にもう一歩、コウセイに近づいた。

 

 

「お兄さんのこの、ペンダント?みたいなところから、もう一人別の人の存在を感じるよ。それも、さっきハッキリ声が聞こえてきたし。ねえねえ、違和感って何!?あいつのにおいって何!?オメガって言ってたけど、何それ!?」

 

 

その女の子の発言と、指差した先にあるオメガメテオに、コウセイは目を丸くすると同時に、怪訝な表情へと変わる。

今のソラトの声は、コウセイにしか聞こえない。一緒に苦楽を共にした、アユムやサユキがどれだけコウセイの近くにいたとしても、悲しいことに、その声は聞こえない。

にもかかわらず、目の前のこの女の子は、ソラトの声が聞こえていたという。しかも、その口から語った言葉は、オメガという言葉は自分が言ったにしても、違和感やにおいというワードは、ソラトが言った言葉だった。

なぜ、この子にはソラトの声が聞こえるのか。その理由を今すぐにでも問いただしたかった。

 

「ちょっとかぐや!いい加減にして!この人困ってるでしょ!あの、ご迷惑をおかけしてしまいすいませんでした!ほらあんたも謝って!」

「違うってば彩葉ーー!!本当にそうなんだってー!このお兄さんもう一人誰かと喋ってたんだってばーー!!」

「はいはい行くよ。」

「信じてってば彩葉ーー!!ぶええええええん!!えーーーーん彩葉のおにーーーー!!」

「あんたがいきなり知らない人に迷惑かけるからでしょーが!!」

 

だが、そのコウセイの願いは、図らずも消えた。

彩葉、とこの少女が呼ぶ女子高生が、まるで迷惑をかけた子供を叱り、謝る母親のような対応をした後、先ほどの少女、この彩葉という少女が言うには、かぐやという名前のようだ。

そのかぐやの手首を握って引っ張って帰ろうとするが、当のかぐやからすれば信じてもらえないのがショックなのか、ひたすら泣きわめいている。

 

『・・・なんだあれ?』

「えっ?」

 

だが、突如足を止めたのは、帰ろうとする彩葉の方だった。

かぐやが話していた目の前にいる男性とは、また違う男性の声が聞こえた。聞き間違いかもしれないが、それでも、何かが聞こえた。

 

「今、別の男の人の声が・・・」

『ん?あれ?君も俺の声、聞こえるの?』

「うえあああっ!?なんですか!?どこから話してるんですか!?えぇっ!?お、おばけ!?」

「えっ彩葉も聞こえるの!?ほらやっぱり私嘘ついてないでしょー!」

「嘘でしょ!?君も聞こえてるの!?」

 

先ほどまで聞こえていなかったはずの彩葉にも、ソラトの声がちゃんと聞こえているようだった。だが、コウセイから見て、今の反応からすると、ああして注意した時は聞こえていなかったが、何かがきっかけで、今彼女は聞こえるようになっている。そう見えた。

一方の彩葉も、自分自身がこのことにとても驚いており、いったいこの声は何なのか、何が起きているのかと理解が追いつかない中、ふと、握っていたかぐやの腕に視線がいった。

 

 

「・・・ひょっとして・・・コレに触れてるから?」

 

 

彼女の目に留まったのは、かぐやが子供の時、いや赤ん坊の時から今まで、ずっと身につけている、謎のブレスレット。ただでさえ数日で今の大きさになったかぐやにも驚きなのだが、それと同じく、このブレスレットもまた、サイズがどんどん大きくなり、常にジャストサイズにフィットしていった。

これが何なのかは今もってわかっていないのだが、ただ、本当にたまたまなのだが、引っ張ってこの場から去ろうとした際、思わずかぐやの右手首を握ってしまったため、自然と今、このブレスレットに自分の手が当たっている。

謎の声が聞こえてきた原因として今考えられることは、それしかない。

 

「・・・あの、どなたか知りませんが、試しに何か話してもらえますか?」

『え、俺に言ってる?』

「はい。あなたです。」

『ん?おう、わかった。じゃあ、もしもー』

 

そこでかぐやの腕から手を離した瞬間、何も聞こえなくなった。

そしてまたパッとかぐやの、今度は直接ブレスレットを掴んでみる。

 

『ーい聞こえてるかー?おーい!』

「・・・やっぱりこれだ・・・ちゃんと聞こえてます。どこのどなたかは知りませんが・・・」

「あーんもう彩葉ー、私の腕ばっかり掴んで~。かぐやのこと、そんなに好きなの?」

「違うわ!!・・・あーもうなんなのこれ・・・また私、変な宇宙人に会っちゃったの・・・?」

「いや、俺はれっきとした地球人なんだけど・・・」

『俺も変な宇宙人じゃないんだけどな。けど久しぶりだなー。こうして、コウセイ以外の誰かと喋んの。』

「うわー!何この状況何この状況!彩葉、これ夢!?」

「・・・夢だと思いたい・・・はぁぁ・・・なんでこんな立て続けに宇宙人と会っちゃうの私・・・」

 

こんな短期間で、2人目の宇宙人と出会ってしまったかもしれないショックに、茫然自失となり、困り果てる彩葉と、地球人だと言ってもなかなか信じてもらえず、困るコウセイ。

それとは対照的に、この状況が楽しくなっているかぐやと、久しぶりにコウセイ以外の人間と喋っていることで、若干テンションが上がっている、オメガメテオの中にいるソラト。

 

 

 

 

 

─────さてさて、この物語は、正史とは少し違う歩みをした、かぐや姫の物語。

 

 

─────ある日、月からやって来た宇宙人のかぐやと、育ての地球人こと、彩葉が出会ったのは、月からのこわーいお迎え・・・ではなく、地球のえらーい帝・・・でもなく、

 

 

 

─────ソラから落ちてきた、ウルトラマンなのでした。

 

 

 

─────こうして、宇宙人が2人。地球人が2人。時空を超え、出会うはずのなかった者たちが出会った時、果たしてどんな物語が生まれるのか。それは、誰にもわからない。

 

 

 

「ってー、キレイに〆すぎちゃったかなー!あ、でもでも、今読んでるみんな、ヤッチョのナレーション、どうだった?というわけで始まった、ウルトラマンオメガと超かぐや姫がクロスオーバーする、作風が似てるのにありそうで今までなかった前代未聞の二次創作小説!いったいこの先どうなるのか!?それは読んでみてのお楽しみ!さあ来週もみんなで見よう!」

「ヤチヨ誰に向けて喋ってるの?あとこの作品は毎週更新じゃないよ。」

 

 

 


次回予告

「どうも~!忠犬オタ公でーす!」

「乙事照琴でーす。」

「てかさ、最近マジ暑くない!?地球どうなっちゃってんの!?」

「そうだよねぇ~。でもこればっかりは我々にはどうしようも出来ないから。こういう時は部屋を涼しくして熱中症にならないように過ごすだけだよ。」

「あーもーこんな時だけは海外の涼しいとこ住みたーい!そっから配信活動したーいー!リモート可の生活だしそうしよっかなー!てことで、次回のかぐや姫Ωは、【住むとこどうしよう】」

「オタ公ちゃんが海外に住まれると時差でこっちが困るんだけど・・・」

 

 




こんにちは。こんばんは。おはようございます。おやすみなさい。ヘイs・・・嘘ですごめんDQNなりたい。



というわけで、お久しぶりの方はお久しぶりですし、はじめましての方は、はじめまして。
もう二次創作書かないつもりだったのですが、先ほどヤッチョさんが言っていたように、作風が似てるのにありそうで今までなかったこの2作品。誰かやると思ったら誰もやらなかったので、私が書きます。

いや、俺が書く。

でもって、活動報告に以前アップしていましたが、この小説を投稿するにあたって一番相応しい日は、もうこの日しかないでしょうよ。
わからない人は今日がなんの日か調べてください。もうこの日しかスタートするしかないんですよウチは。
なんでこの日に金◇ーはシン・ウルトラマンやらへんの???


ここであらかじめお伝えをしておくと、基本的には、土曜の朝9時台に更新するつもりです。
なんでかって?ウルトラマンの時間だからに決まってるだろお???

でもって、毎週更新ではなく、不定期に、土曜の朝に更新するつもりです。
そして毎話、このくらいの文字数になります。


だからこそ、ここでアンケートを取らせてもらいます。

前作では、私はWeb小説のルールなんて知らず、書いたものをそのままドカーンとえーい☆って感じでアップしてたのですが、これ読みずらい?と思ったため、今後の話の投稿の仕方を決めたいがため、アンケートを取らせていただきます。

具体的に言うと

A:かまわんこのまま一話長くても構わんから全部一気に上げろ
B:できれば1話を分割して読みやすくしてほしい

選択肢はこの2つとなるため、よければ、アンケートお答えいただけますと幸いです。
というか、大真面目に、この反応次第で、どう投稿するかがガチで決まるため、回答をお願いしたいところではあります。
回答がなかったら、もうあとは作者の感性でどっちかにするか決めます。
その回答を見たうえで次回あげますので、次回更新は少しお待ちください。

また、活動報告でも書いていますが、本小説はpixiv様でも連載をしております。
そちらはページ分けという機能があるため、1話まるまるどかんとあげておりますが、その機能がないため、アンケートを取っているというのも理由となります。

ではまた次回お会いしましょう。

今後の本小説の投稿スタイル

  • 一度に全部まとめて読ませるスタイル
  • 1話を分割して何話かにするスタイル
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