夢の力で青春を手助け   作:ライダー志望

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学校再建

○月Ω日 曇り

 

日付がヒヨリ達のおかげで分かったので、本日からこの日付で日記に記入していく。

彼女達の要望だった物は可能な限り持ってきたけど、彼女たちからは眠そうな目で珍獣を見るかのような目を向けられた。

何故眠そうな目を聞いたら、昨日から起きていたそうだ。私が何処から物資を調達していたのか確かめるのが目的で。

けど、私は寝たままで起きる気配がない。それどころか、変な靄が天井に掛かると、そこから落とされたように物が出てきて目を疑ったとのこと。

 

その話を聞いて、私はそうやって現実に物が運び込まれていたんだと納得した。摩訶不思議な明晰夢パワー、バンザイ!!

そして、今回のガシャポンガチャは四回!カプセムが四つも出てきた。その内の二つは【ストリームカプセム】と【ヴォイドカプセム】で、残りの二つは全く知らないカプセムだった。

一つは赤色で、右拳でパンチを繰り出す絵柄のカプセム。もう一つは紫色で、手品を披露する絵柄のカプセムだ。白いゼッツフォンで確認したら、【スマッシュカプセム】と【マジックカプセム】という名称のカプセムだった。

何でラッシュカプセムの事と言い、原作にはないカプセムが出てくるんだろうな?本当に分からない。

 

食料はヒヨリ達のなけなしの分を一口分けてもらい、彼女達の物資の回収に参加させてもらった。メインは食料であるが、売れそうな物も一緒に探してもらった。

その結果は好ましいものではなかった。食料はなし。見つかったのは爆弾のみ。さすがに爆弾は売れない。全く可能性がないわけじゃないけど、売るにはリスクが高すぎる。確か兵器には使用も製造も禁止された物があった筈だし。

本当にどうしたものかと考えていたら、アズサから私が夢で回収している物を売ったらどうかと提案された。

 

その提案に対し、私は正直に不安要素が強いことを伝えた。私自身把握出来ていない力で得た物が、何かしらの切っ掛けで消えてしまう可能性が過っていると。もしそうなってしまったら、買い手は絶対に怒り狂い、報復するだろうと。

私のその意見にアズサは不満げながらも引き下がってくれた。せっかく提案してくれたのに申し訳ないと感じたよ。

そう思いつつ他に方法がないか悩み……ヒヨリが外で拾った雑誌を見て、あることを思い付いた。

 

そう夢の中から回収した物を売るんじゃなく、アリウスの外で回収したゴミを直して売ろうと。

幸いなことに、リカバリーカプセムの力は現実でも作用するのは実証済みだ。崩れかけの天井をリカバリーで修繕して安全を確保したからな。

よし。明日すぐにアリウスの外に行こう!その為にリュックやクーラーボックスを用意しておかないとな!

 

 

○月§日 外は晴れ

 

本日はあちこちでゴミを漁りました。犯罪行為だけど、きっと見逃してくれる筈。

ゴミ漁りは本来はやってはいけないことだから、本当は私一人で行こうとした。けど、彼女達の中で私を一番信用していないミサキと一緒に行くこととなった。

ミサキが私がアリウスから逃げると口にし、私はそれを否定しても全く信じなかった為、監視役として同行する事で折れてもらった。まぁ、ミサキの考えは当然のものだから仕方ないが。

 

ヒヨリの時と同じように《明晰夢》の力でカタコンベと外への直通ルートを作り、ミサキと共にアリウスの外に出た。

外に出たらすぐに変身解除して、直通ルートを消した。そのままにしていたら、アリウスの存在を他の誰かに気付かれるかもしれないからな。

それで改めて外の光景を見渡したけど、本当にアリウスとは大違いだと思ったよ。飲食店も並んでいたし。

その飲食店を見て、私に悪い考えが浮かび上がった。早い話が廃棄商品を頂こうと。

 

私は飲食店ではなく、売店のゴミ捨て場に目を付け、クリアカプセムで姿を消してから廃棄商品を回収した。売店の食料品は梱包されているから、回収がとてもしやすいと睨んで。幸い、ゴミ捨て場には監視カメラの類はなかったし、私の睨み通り食料品は容器に詰められたままだった。全部回収するのはマズイので、二、三個だけ回収した。もう一ヵ所探して、そこからも回収した。

思わぬ形で食べ物を手に入れた私は、本来の目的である廃品回収に努めた。粗大ゴミを求めて歩き周り、クリアカプセムで姿を消しつつ、一目を盗んでゴミを回収した。中には銃身が壊れた銃火器もあった。銃も壊れたら普通に捨てるんだな。いや、銃身が破裂したように壊れているから、捨てるしかないんだろうけど。

 

そうして幾つかゴミをアリウスへと持ち帰り、リカバリーカプセムの力で綺麗に直させてもらった。この銃器は一週間ほど様子を見て、何も問題なければ売って金に代える予定だ。

それと持ち帰った廃棄食品は、みんなで美味しく頂いた。ヒヨリはわんわん泣いて食べてたけど。最後の晩餐って、死刑囚の死刑前日の食事扱いかと思わずツッコミを入れたけど。

それと今回のガシャポンガチャは三回。出たのはヴォイドカプセムが二つと【バリアカプセム】だ。

 

さて、今回の夢での作業は廃品回収ではなく、この殺風景な場所を《ゼッツルーム》のように整えることにした。たまには違うことをしたいしね。

試しに《ゼッツルーム》を想像してこの場を作り替えようとしたけど、上手くいかなかった。もしかして、部屋作りは手作業なのか?夢なのに全然自由じゃないな。それとも段階を踏まないと作れないのかと思った。

なので、試しに二階建てのような部屋……ブレイカムバスターの剣先で線引きしながら思い浮かべたら、徐々に形が作られていった。夢の中の部屋作りはこうなのかと自分のことながら呆れたよ。

 

 

○月¶日 曇り

 

仮住まいの廃校舎が定住化しそう。

今日は新しい発見がないかとアツコの提案で廃校舎の探索をした。爆弾の件があるから、まだ何か残っているかもしれないと私も含めて皆が賛成した。そしたら調度品っぽいのが見つかった。砕けてガラクタと化していたけど、そこはリカバリーであっという間に直したけど。これも外で売れるかな?

後、この廃校舎は裏手も含めて結構広い。だから思い切って裏手を畑にすることにした。サオリ達には馬鹿を見る目で見られたけど。

 

普通にスコップで掘っていたら大して土を掘り起こせないから、ラッシュカプセムで擬装変身して能力使って掘りまくった。見た目はシュールだったかもしれないが、気にしない。生きる為に必要なことだからな。

そしたら、サオリが何で此処までするのかと聞いてきた。アリウスの外に行けるのだから、内戦が続くアリウスから逃げた方が安全じゃないのかと。

それに対して私は、外に出ても大差がないと返した。何せ私はキヴォトスについてほとんど知らないし、身分もなければ金もない。ゴミ漁りの生活になるのが目に見えているし、落ち着いて暮らせるとも思えない。それなら、このアリウス自治区の問題を解決した方が結果として安心して暮らせる。

 

そう答えを返したら、サオリだけでなくヒヨリ達も微妙な表情をしていた。間違った事は何も言っていないつもりなんだけどな。それとも世界観の違いから常識も違っているのかな?いや、アリウスではサオリ達の考えが当たり前で、私の考えが異常なのかもしれない。

どっちにしろ、私の行動は変わらないけど。今日のガシャポンガチャは二回で、ヴォイドカプセムしか出なかったけど。

 

 

×月×日 晴れ

 

ここ暫くの間は忙しくて、日記を書く暇がなかった。夢の中でも大忙しだったし。

簡単にこの日記に書くとすれば、面倒を見る相手が増えた。数人から十数人に。

畑作りの翌日に、武装集団がこの廃校舎に攻めてきた。ヘイローを破壊されたくなかったら、大人しく物資を渡せと。その言葉に対して私は首を傾げていたら、サオリ達が丁寧に教えてくれた。

ヘイローの破壊は“死”であると。

 

マトモな武器もないから、ここは大人しく従うべきだとサオリは告げたが、私は首を振って否定した。ここで大人しく従っても、アリウスの現状な何も変わらないと。本当にアリウスの今を変えるなら、今までと違う行動でないといけないと。そして、その可能性があるのだと。

私はサオリ達をバリアカプセムの力を使ってバリアを張り、武装した彼女達と対峙する。あの時は状況に流されたが、今回は明確な意思を持って向き合う。

 

私はまず、対話による説得を試みた。このまま奪い合うだけでは共倒れになると。今はアリウスの“外”に行ける方法があり、食料をこの地で作れるようになれば互いに奪い合う必要がなくなると。

私のその説得に何人かは顔を見合わせたが、銃を降ろすには至らなかった。そんな夢物語は存在しないと。そうしないと生きていけないと。ヘイローもない奴がでしゃばるなと。

その言葉に対し、私は決して夢物語ではないと証明する為に、彼女達の目の前でナイトインヴォーカーバックルを装着し、最初に手に入れたラッシュカプセムを中央の窪みにセットした。

 

今までは無言で変身していたが、今回は自身への誓いも兼ねて告げた。“擬装”ではなく“変身”と。疑似ライダーでありながら仮面ライダーとして。

――ノクスナイトでも、ナイトセブンティーンでもない。自称ではあるが、仮面ライダー“ナイトアリウス”として。

変身した私の姿に彼女達は驚き、困惑したが、すぐに手持ちの銃を構え直して発砲した。私はそれらを軽々と躱した。

そして、私はブレイカムバスターをランチャーモードに組み換え、彼女達の手元の銃だけを撃ち抜いた。いくらヘイローとやらで丈夫とはいえ、子供を直接撃つのには抵抗があるからな。それに、力で無理矢理抑え込むのも違うとも思ったしな。

 

銃を破壊され、武器を失った彼女達はその場でへたりこんだ。もう好きにしていいと。

その言葉通り、私は私達に協力して欲しいと伝えた。人が多ければ、出来ることがそれだけ増えると。彼女達と目線を合わせて。

そんな私の言葉と態度に、彼女達は泣きながら頷いてくれた。事の次第を見守っていたサオリ達も、反対する様子はなかった。

そうして急遽人数が増えたことで、私は世話しなく動くことになった。外で如何にも治安が悪そうな場所で悪徳業者のような感じで物を売り、そのお金でジャガイモと野菜の種を買った。肥料は現地で調達したが。

 

後、此処の噂を聞きつけたのか、子供達が次第に集まってきている。中には襲撃してくる子達もいるが、その子達も説得に応じて畑作りに今も協力してくれている。

このアリウスが徐々に一つになっていく……その事実に今も私は嬉しくなる。今育てているジャガイモと野菜が上手く育ったら、穀物の栽培にも手を出そうと思っている。小麦と米……加工の問題を考えたら米だけにすべきかな。小麦は小麦粉にしないといけないし。

 

 

□月∇日 雨

 

これは決意表明だ。あの見た目怪人の女性、ベアトリーチェからアリウスを守り抜くために。

その切っ掛けはアツコが拐われたからだ。それも何時も一緒に行動していたサオリ達に大怪我を負わせて。しかもタチが悪いことに子供たちにやらせてだ。ご丁寧に場所を指定した手紙まで残して。

この時点で罠でしかなかったが、アツコを見捨てるのは論外だったので手紙の示す場所に向かうことにした。その時、サオリが怪我を押して自分も行くと言って駄々を捏ねた。本当は連れて行きたくなかったけど、後から着いてくるのが見え見えだったから仕方なく一緒に行くことにした。一人で来いとも書かれてなかったし。

 

それで指定された場所に辿り着いたら、見事な待ち伏せ態勢だったよ。ご丁寧に気絶しているアツコを椅子に縛り付けて。

ベアトリーチェは全ては虚しい、どこまで行こうと全ては虚しいと宣い、私のやってる事も虚しいと否定した。そして、憎しみこそが世界の真理だと。

その言葉に対し、何で憎しみだけは例外なのかと聞いた。“全て”なら憎しみも虚しいに含まれていないとおかしいんじゃないかと。その根拠は何なのかとしつこく問い質したら、頭がおかしいと罵倒して逆ギレしてきた。

 

しかも、抵抗したら生徒達の首輪の【ヘイロー破壊爆弾】を爆破するとも脅してきた。もう、完全に彼女達を使い捨ての道具としか見ていない。もう、絶対許せないと私もキレた。

だからマジックカプセムの力で首輪を全部外し、ベアトリーチェに叩き返した。ベアトリーチェが爆発に包まれている間にアツコを救出し、無理矢理脅された彼女達も含めてサオリに預けて離れてもらった。ここからは大人の戦いだったからな。

その結果、ベアトリーチェをアリウスから追い出すことには成功した。アリウスの支配者と呼称していたから、念のために退学届にもサインさせて。

 

本当は覚悟を決めて仕留めるべきだったんだが、ベアトリーチェはかなり身体が丈夫なのか必殺技を何度も叩き付けたのに倒れなかった。下手したらじり貧で此方が負けていたかもしれない。

加えて、ベアトリーチェは絶対に諦めていない。必ず、復讐しに戻ってくる。その確信がある。生徒の首にヘイロー破壊爆弾等と言う、名称からして絶対殺す爆弾を首に巻き付ける外道でもあるし。

アリウスの復興とベアトリーチェ対策……思い返す度に気が重くなるがやるしかない。彼女達の未来を、奪わせてはしない。

 

 

 




オリジナルカプセム紹介

【スマッシュ】
フィジカム系統のカプセム。単純な一撃の威力なら通常カプセムの中では上位に位置する。
変身に使用すると両腕にゴツいパンチンググローブが装備される。見た目は仮面ライダーゼロワンに登場するバルカンのパンチングコングフォームの両腕。
必殺技は渾身の右ストレートを放つ『スマッシュフェイタル』。衝撃で地面が抉れる威力。
ベアトリーチェにはランチャーモードのブレイカムバスターの必殺技を叩き込んだ。

【マジック】
パラダイム系統のカプセム。その名称の通り、手品のように瞬間移動したり、物を消したり出したりできる。本作ではチートカプセム三号の称号を得ている。
変身時には背中にマントを靡かせている。
必殺技は瞬間移動して常に蹴り飛ばす『マジックフェイタル』。

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