転生したので、好きに生きる   作:牛丼の並、汁だくだくで。

6 / 6
どうぞ


ギルドに帰ってきちゃった

 ルーシィが無意識に出た言葉が聞こえてきた。それは小さな声だった。

 

「ウルの氷は溶けて水になっちゃって、そして海へと流れていく。それでもウルは生きてるんだ。グレイはそう言ってた。あたしもそんな気がするな、海になったウルは二人の弟子をずっと見守るの。もうケンカしないでねって。」

 

 エピローグ的な事を喋っていた。思い出として刻み込むように。

 ここは、聞かなかったことにしよう。

 俺が首を突っ込むところではないな。

 そうして、気が緩んだ空気の中でナツが大きな声で話し出した。

 

「いあーー!!!おわったおわった!!!」

「あいさー!!」

「本当、一時はどうなるかと思ったよ、すごいよね、ウルさんって。」

「これでオレたちもS級クエスト達成だー!!!」

「やったー!!」

「もしかして、あたし達も2階へ行けるのかな!?」

「はは…。」

 

 だいぶ気が緩んでるな。俺とエルザが何故ここにいるのか忘れているんじゃないか?横を見たら般若がいた。

 

「そうだ!!お仕置きが待ってたんだ!!!」

「その前にやることがあるだろう。悪魔にされた村人を救う事が今回の仕事の本当の目的ではないのか?S級クエストはまだ終わっていない。」

「だ…だって、デリオラは死んじゃったし、村の呪いだってこれで…。」

「いや、あの呪いとかいう現状はデリオラの影響ではない。」

 

 そうなのか、俺もこれで村の呪いは解けたと思い込んでいた。

 エルザの見解だと儀式によって発生した膨大な魔力が村の呪いの原因なのだとか。

 知識のない俺は力になれないだろう。ならば黒子に徹していよう。

 

「んじゃ、とっとと治してやっかー!!!!」

「あいさー!!!」

「どうやってだよ…。あっ。」

 

 グレイが振り向いた。離れた場所で休息しているリオンがいた。

 

「オレは知らんぞ。3年前、この島に来た時に村が存在することは知っていた。しかし、オレたちは村の人々には干渉しなかった。奴等から会いに来ることもなかったしな。」

「3年間一度もか?」

「そういえば、遺跡から毎晩のようにムーンドリップの光がおりていたはずだよね?なのにここを調査しなかったのはおかしな話だよね。」

「んー、すまない。知識の足りない俺の疑問だから見当違いなのかもしれないが、いいか?」

「そんなに遠慮しなくていい、気になるなら何でも聞いてくれ。」

「ありがとう、もし村人の呪いとやらの原因が儀式により発生した膨大な魔力の光ならば、なぜリオン達は何も影響がないんだ?」

「たしかに、オレもそれは疑問に思っていた。3年間、オレたちも同じ光を浴びていたのだからな。」

 

 リオンが俺の疑問に対して同じことを思いついていたようだ。

 見当違いな考えじゃなくてよかった。間違っていたら恥ずかしいからね。

 

「気をつけな、奴等は何かを隠している。まぁ…ここからはギルドの仕事だろう。」

 

 これ以上はリオンも話す気はないと顔を背けてしまった。

 エルザが村に向かおうとギルドメンバーに声をかけて歩き始めた。

 

「何、見てやがる。」

「お前もどっかのギルドに入れよ、仲間がいて、ライバルがいて、きっと新しい目標が見つかる。」

「フッ…くだらん、さっさと行け。」

 

 

 

 村に近づくにつれて、不思議な現象が起こっていた。

 それは、俺とエルザが来る前に破壊されたはずの村が元通り綺麗になっていたのだ。

 村に到着して、村長と話すために息子の墓の元は向かった。

 村長がいつ月を破壊するんだ、的な事を訴えてきたのだが、エルザがその前に確認したい事があるからと、村人達を広場に集めるよう指示を出した。

 

 

 村人全員が集まって、エルザは全体を見るために歩きながら話し始めた。

 

「整理しておこう、君たちは紫の月が出てからそのような姿になってしまった。間違いないか?」

「ほがぁ、正確にはあの月が出ている間だけこのような姿に…。」

「話をまとめると、それは3年前から、と言うことになる。」

 

 村人達は、それくらい経つかも?と、周りと確認しながらざわざわし始めた。

 エルザは気にせず続けた。

 

「しかし…この島では、3年間毎日、ムーンドリップが行われていた。遺跡には一筋の光が毎日のように見えていたハズ。」

 

 だがその瞬間、エルザは「きゃあ!?」と、悲鳴をあげながら落とし穴に落ちていった。

 ハッピーは落とし穴も復活したことに驚き、ナツとグレイはエルザの反応にかわいいとドギマギして、ルーシィは私のせいじゃない!と言い訳を続けていた。

 だがエルザは何事もなかったかのように登り、話を続けた。

 メンタル強いな。

 

「つまり、この島で一番怪しい場所ではないか。なぜ調査しなかったのだ?」

「そ…それは、村の言い伝えであの遺跡には近づいてはならんと…。」

「でも、そんな事を言ってる場合じゃないよね、死人も出てるし、ギルドへの報酬額の高さからみても。」

「本当のことを話してくれないか?」

 

 村人達はざわざわとしていたのだが、村長は声を出した。

 

「そ…それが、ワシらにもよく…わからんのです。正直…あの遺跡は何度も調査しようと思いました。しかし、近づかないのです。遺跡に向かって歩いても…気が付けば村の門、我々は遺跡に近づけないのです。」

 

 近づけないと言う村長の言葉にグレイ、ルーシィ、ナツは三者三様の驚き方はしていた。たしかに、不思議な事だ。でもそれは本当のことなのか?俺には判断がつかない。エルザは何かわかってるようだし、黙ってよう。

 

「やはり、か。」

 

 そう言って、先ほどまで着用していた鎧から、ごつい鎧に変わった。

 

「ナツ、ついてこい。これから月を破壊する。」

 

 エルザ、ナツの2人は村の物見櫓に上がっていった。

 

「エルザ、月を壊すならあの遺跡の方がいいんじゃね?ここより高いし!」

「十分だ、それに遺跡へは村人は近づけんからな。」

 

 どうやら、鎧は巨人の鎧で投擲力を上げる装備、槍は破邪の槍といい、闇を退けるものらしい。

 めっちゃかっこいいな。俺も専用装備とか欲しいな。

 それはさておき、月を壊す方法は、先ほどのエルザの装備の力と槍の石突きをナツが全力で殴り、ブーストして壊すみたいだ。

 それでも、月まで届かないと思う。何をする気なのだろうと月を見た。そういえばこの島に来て初めて空を見上げた気がする。なんか違和感を感じる。何か圧迫感のような?空が低く感じる。そこで俺は何かに気づいた。何かはわからんが、上空に何かがあるんだろう、エルザはそれに気づいたからこそ、これで壊せると考えているようだ。

 すごいな、おれも知識をつけるべきだろうか。

 エルザが槍を構えて、ナツに声をかけ、ナツは呼びかけに応じて殴りつけて、エルザは投擲した。ミサイルのように高速で上空へと飛んでいき、空を割った。

 どうやら上空に儀式によって発生した邪気の膜が様全体を覆っていたようだ。それが破壊されて、真の月が顔を出して、村の呪いは解けた。

 村人達は光に包まれ、収まったが、姿が変わらなかった。

 

「元に、戻らねぇのか…?」

「いや、これで元通りなんだ。邪気の膜は彼等の姿ではなく、彼等の記憶を冒していたのだ。」

「記憶?」

「夜になると悪魔になってしまう、という間違った記憶だ。」

 

 なるほど、彼等は元々悪魔だったというわけか。

 エルザ以外の全員が驚き、村人達はまだ混乱している。

 リオン達が無事なのは人間だから、この邪気の膜による記憶を冒すのは悪魔のみらしい。

 背後から何者かが来た。声をかけてきてから、ナツ、グレイ、ルーシィが驚いていた。どうやら顔見知りのようだ。

 しかも、その背後から来た者は村長の死んだはずの息子だったらしい。

 なんやかんやで解決したみたいだ。

 

 

 

 村長の息子が生きて戻ってきた。それからグレイ達の治療をして休息をして、完治した。

 だが、グレイの顔に傷が残ったようだ。

 それをルーシィが四つん這いで、胡座をかいてるグレイに顔を近づけて傷を見ていた。

 この距離感、ルーシィの無防備さ。この2人は付き合っているのだろうか?

 

「キズなんてどこに増えようがかまわねぇんだ。目に見える方はな。」

「お、うまい事言うじゃん。」

「ルーシィは随分グレイと距離感が近いな。無防備だし。グレイもその距離感に違和感を感じていない。お前達は付き合っているんだな。いつからだ?」

「え!?付き合ってないわよ!?距離感とか無防備な部分とかは意識してなかっただけよ!!!」

「そうだ!!オレとルーシィは付き合ってないぞ!」

「そうなんだ、街で見かける恋人のような距離感だから勘違いしていたよ。だけど、2人して顔を赤らめて否定していると、意識し合ってるみたいで初心みたいだ。おもしろい2人だな。」

 

 そんな雑談をしている時に、エルザと村長が話している。

 内容は、報酬は受け取れない、ギルド側で正式に受理しているわけではないからだ。追加報酬の鍵だけを貰うらしい。

 行きに頼った海賊船でみんなとマグノリアの港に帰ってきた。

 鍵は黄道十二門の鍵だったらしい。帰り道みんなで話していた。

 エルザがギルドに戻り次第、ナツ、ハッピー、グレイ、ルーシィの処分を決めるらしい。しかもアレとやらが罰らしい。ルーシィと俺は皆が怯えるアレが気になるところだ。

 そんなこんなでギルドへ向かってるのだが、なにやら街が騒がしい。

 ギルドが見えてきた。だが、明らかにおかしい。

 謎の鉄柱が突き刺さって、破壊されたギルドが見えてきた。

 

 なにがあったんだ?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:50文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

『ONE PIECE:黒雷の流儀』(作者:トート)(原作:ONE PIECE)

【悪魔の実を持たぬ最強の覇王が、勝気な少女に恋でひれ伏す新世界長編】▼悪魔の実の能力を持たず、絶大すぎる覇気だけで2年前から「8億4000万」の懸賞金を懸けられていた伝説の男・シルバ。▼ただ睨むだけで男を失神させる「王の眼(覇王色)」を持つ彼には、「女には絶対に手を出さない(女にだけ負ける)」という不器用な流儀があった。▼2年後の新世界――。▼海軍を壊滅させ…


総合評価:35/評価:-.--/未完:13話/更新日時:2026年05月23日(土) 00:25 小説情報

呪術廻戦×NARUTO(作者:C2秒)(原作:呪術廻戦)

呪術廻戦の世界にNARUTO世界の能力を持った転生者を無理矢理押し込んだ作品です。▼原作知識必須▼ストーリーはヒロイン以外原作準拠!▼プロットは最後の方まで作ったけど、調子いい時しか筆が進まないので完結は未定。


総合評価:135/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年04月06日(月) 19:19 小説情報

美女の多い世界に転生した(作者:インフェルノ)(原作:FAIRY TAIL)

▼FAIRYTAILを読んでいた青年が勉強疲れで死んで天使によってこの世界に落とされたお話。▼※本格的に物語が動くのはギルド加入後から、さらに言うなら第十話の「闇を恐れて」から辺りです。加入前はチュートリアルみたいな感じです。▼


総合評価:486/評価:8/連載:20話/更新日時:2026年05月17日(日) 16:45 小説情報

解放者の旅路(作者:アートレータ)(原作:HUNTER×HUNTER)

もしかして俺って強い?でもやりたいことないしなぁ…どないしよ?なオリ主が旅をしていく話 ▼思いつきと勢いで書いただけの駄作です。結末どころか先の展開も考えていないので思い付いたら投稿していきます ▼ご都合主義、独自設定を多分に含みます。ご注意ください


総合評価:248/評価:7.17/連載:5話/更新日時:2026年06月20日(土) 21:00 小説情報

Re:術式が百式観音ってマ?(作者:隣の家に晩飯凸する止まらないゴルシ)(原作:呪術廻戦)

過去作のリメイクです。▼書くだけ書いてみて、投稿するか非常に迷った末に供養。▼人気が出るか気が向いたら続きを書くかも


総合評価:284/評価:7/連載:4話/更新日時:2026年05月08日(金) 08:36 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>