推定女皇の息子がTHE CHOSEN ONEな話 作:テンページ
第一話 そっけないロノモン、トラブルメーカーナベモン、マイペースイスモンと俺
謎の小さい三体の生き物を釣って数日後、俺はこいつらに振り回されていた、彼女らにこの世界の外から来たことを伝えるとガイドを買って出てくれたのだが問題はそれからだった。
この三匹、めちゃくちゃ飯を食うので食費が半端ないのである、あの小さい体以上の食べ物を食べているので体の中にブラックホールを飼っているに違いない。
そんな三匹の特徴を紹介しよう。
三匹の中でそっけなくて赤黒いやつはロノモンだ。
かなりそっけなくてかなり無気力だ、俺が話しかけても「…そう」だったり「…うん」だったり聞いているのか聞いていないのかわからない
だが結構真面目でトラブルばっかり起こすレイモンを止めたり、常に寝ているイスモンを起こしたりしている。
しかし一定値ストレスが溜まるとめっちゃ泣く、とんでもなく泣いてグズる。
これをあやすのがめんどくさい、めっちゃ声大きいし。
次にザトラブルメーカーな金髪な奴はナベモンだ
かなり物知りでいろいろなことを教えてくれるのだが、不意に目を外すといなくなっており必ずトラブルを起こす。
キャッツテールの猫を怒らせて猫パンチでペチペチされてたり、花屋さんの花に変な薬品を垂らして巨大化させてたりなんかはまだかわいい方で、この前なんかはティマイオスの錬金台を爆発させてぶっ壊し、俺が弁償する羽目になった。
以来ロノモンに頼んで監視させたり、ハーネスをつけて遠くに行かないようにしている。
最後にマイペースな白いやつはイスモン
こいつはいつもふわふわしていてマイペース、やたらと俺の頭で寝たがる。
理由は「一番落ち着くから」らしい
そのせいで首が痛いし肩が凝って仕方がない。
っていうかこいつがいつも頭で寝るせいで髪が平べったくなってモンドの衛兵さんに笑われたことがある、解せぬ。
こんな三匹を連れて、今日も食費を稼ぐため冒険者協会の依頼をあくせくとこなすのだ
ドミトリーはモンドの清泉町の近くにヒルチャール駆除の依頼を受けたので三匹を連れて清泉町までやってきた。
依頼者によるとかなりヒルチャール達が大型の集落を作っており、自分たちでは手に負えないらしく困っているとのことだ。
「ロノモン、サクッと終わらせたいから頭の上のイスモン頼む。」
「……わかった。」
ロノモンがイスモンを抱えて俺の頭から離すとイスモンが「うーん」とうなりながら目を擦る。
そして彼は肩を馴らしながら手袋を着けてヒルチャールの群れに近づくと手の中に氷元素を集中させて氷の剣を生成し、踏み込んだ瞬間氷元素の爆発が起きた。
ヒルチャールの群れのうち三匹が一瞬で氷の剣の軌跡通りに真っ二つになる。
「ー!!」
切られたヒルチャールは声も上げられずに消え、氷の剣が粉々になる。
それに気づいたヒルチャール暴徒が斧を振り上げるが氷元素で大剣を生成した彼に縦に一刀両断された。
そうして、片手剣、大剣、斧、戦槌、ランス、レイピアと生成する武器を変えながらヒルチャールを蹂躙していく
最後に残ったのは木楯を持ったヒルチャール暴徒だった。
ヒルチャール暴徒は木楯を構え、彼に向かって突進するが彼は避けようとはせずに大鎌を生成し深く踏み込むと姿が霞んで消えて、かなり特徴的な空間が震える音が鳴り響き、ヒルチャール暴徒とその木盾ごと一本の線が空間上に引かれる、
それを見ていたナベモンが感嘆の声を漏らす、ロノモンは相変わらず無気力でイスモンはボーっとしていた。
そして目撃者が一人、彼のそばに拍手をしながら近づいた。
「いやはや、あまりに素晴らしい戦闘だったよ。」
「ガイアさんか…どうしました?」
「もともとここのヒルチャール達は騎士団が片付けるよていだったんだが、思わぬ御業を見てしまったよ……いやほんとにすごいな。」
「ガイアさんも頑張ればできるかもですよ?」
「冗談はよしてくれ、そうだこの後あいてるか、奢るぞ。」
「え、いいんですか、ありがとうございます!!」
そうして三匹のゆかいな仲間とドミトリーはモンド城のエンジェルズシェアに向かった。
ドミトリーは未成年なのでお酒は飲むことはできないがエンジェルズシェアはソフトドリンクも売っているので未成年でも入ることができる。
ロノモンとナベモンを見える場所に座らせ、イスモンは相変わらず彼の頭の上でぐったりとして居る。
「そういえばこの小さい生き物は何なんだ?」
「いやぁ…俺もよくわからないです、なんの生き物なんでしょうね」
「でもなんだか栄誉騎士のパイモンに似てる気がするんだがな…」
「栄誉騎士って金髪の旅人のことですよね、風魔龍騒動を解決したっていう」
「そうだ、旅人のそばにも似たような奴がいる。」
「もしかしてそのパイモンの親戚だったり?」
「かもな」
会話がひと段落するとガイアは午後の死というカクテルを飲むと話の内容を変えた。
「ところでドミトリー、お前は自分の出自は知っているか?」
「まったくもって知らないです、俺をここまで育てたのは義理の父と母なので…」
「そういえばお前もこの世界の外から来たんだったか…」
「でも俺はこの世界出身らしいですよ、魔女会のオクタヴィアさんが教えてくれました。」
「そうか……ならこれは俺の妄想半分に聞いてくれ」
するとガイアはドミトリーは彼にカーンルイアの話を聞かせた、そしてカーンルイアの人間には星形の瞳があること、そして漆黒の厄災という災害が起こって、カーンルイアの人間に不死の呪いと荒野の呪いが課されたことを。
「なるほど、たしかに俺がカーンルイア人っていう説ですね、いい話が聞けました。」
「まぁ……俺の妄想半分の話だ、あまり考えすぎるなよ。」
彼らは気づいていなかったが、二人が話している最中、ロノモン、否、死の執政ロノヴァは彼らを注視し続けていた。
そうしてしばらく話した後、ガイアと別れた。
「……ドミトリー」
「どうしたロノモン。」
「彼の話はどう思った?」
「ガイアさんの話?」
「そう、カーンルイアの話」
「興味深い話だった、たしかに俺は
「……呪われてたってことは今は呪いは解かれているの?」
「そういうこと、呪いを解いたのは俺に魔術を教えてくれた師匠なんだけどね。」
「……そう」
ロノモンは深く息を吐いた、夢にも思わないだろう、自身が呪いをかけて名を奪ったはずの人物が呪いを解かれ、今や自身の全力以上の力を持っているなど…ロノモンは憂鬱になるしかなかった。
そのころ、スネージナヤ某所
ファデュイ執行官統括、道化が報告を受ける。
モンドに駐在しているファデュイがドミトリーと三匹を目撃し、一応報告という形で上官に伝え、それが偶然、道化まで報告がいきわたった。
後日、ファデュイ執行官が女皇陛下の元に集められ、こう命令された。
「息子を……、ドミトリー・サレライネンは傷一つなく生かしたまま連れて来い、死の執政はどんな状態でも構わないが残り二人の執政もむす…彼と同じく無傷で連れてこい。」
それは神の心の任と同時進行で進められることになりった。
この時の状況を執行官たちが語った。
「あの時の女皇陛下の顔は信じられなかった、今まで無表情だったその顔がすごく明るくなったと思ったら次の瞬間ものすごく怒ったようなな顔をしていたんだ」
「あんな女皇陛下の顔、初めて見た。」
「仕方ないだろう、今まで探し求めた息子を見つけた気持ちは私にはわかる、そしてその息子が自身が最も憎む存在の近くにいるときの気持ちもね。」