アルキード国王は私が提供した様々なチーズをとても気に入っており、 特にお気に入りだったのが、食べるとテンションが上がる「はりきりチーズ」であった。
「うむ、この辛味と酸味の絶妙な味わいに、身体がはりきれる効果もあるのは素晴らしいな」
そう言いながら「はりきりチーズ」をパクパク食べていたアルキード国王。
各種チーズを食べて、すっかり元気になったアルキード国王は、ソアラからの提案もあり、自分達が楽しむだけではなくアルキード国内に私が持つ様々なチーズを広めようと考えたようだ。
国民達にアルキード国王御用達のチーズと伝えて美味しいチーズを配っていくと「いやしのチーズ」を食べた国民が「身体の疲れが消えたぞ!」と驚いていたりもしたな。
ハート型で淡いピンク色な「いやしのチーズ」には体力回復効果があり、食べると疲れが消える効能があるチーズであったので、アルキードの国民達は「いやしのチーズ」を「魔法のチーズだ!」と喜んで食べていた。
アルキードの国内に広まった様々なチーズについては、他国にも噂が伝わっていたりもしたようで、隣接したベンガーナだけではなく、少し離れたロモスや海で分かたれているパプニカから人が訪れることもあったそうだ。
私はチーズしか入っていなかった道具袋に、他の道具が入れられないか試してみたりしてみたが、チーズ以外は入れることが出来ずに、道具袋に弾かれてしまう他の道具。
こんなの道具袋じゃないわ、ただのチーズ袋よ、なんて台詞が頭を過ったが、だったらチーズ入れればいいだろ、という玄田ボイスが聞こえた気がしたので、試しに「ふつうのチーズ」で作ってみたチーズフォンデュが道具袋に入るか確認してみると、ちゃんと入ったので、チーズ系の何かならこの道具袋に入るらしい。
やっぱりチーズ袋じゃないかこれ、などと思いながらも、アルキード国内でチーズの布教をしていた私に、熟練の魔法使いらしき老年の男性が「魔法のチーズってのには、呪いを解呪するなんてもんはあったりするのか?」と聞いてきた。
「呪いの解呪効果があるチーズはないが、もし呪われている誰かが居るなら力にはなれると思うぞ」
「見るからにあんたは只者じゃねぇが、真っ直ぐな目をしてやがるから悪党には程遠そうだな。呪いをどうにか出来るんなら、助けてほしいやつが居る」
マトリフと名乗った魔法使いの男性が使用した「ルーラ」の魔法で、アルキードからロモスまで移動した私は、ロモス王国の森にあるというネイル村までマトリフに案内される。
ネイル村でロカという重度の呪いを受けていた戦士の男性を紹介されたが、どうやらマトリフが助けてほしいのは、このロカという男性であるみたいだ。
錫杖を鳴らし、ロカという男性に使用するのは竜神王が使える「竜神の封印」であり、一時的に強力な封印を施すことによってロカの身体を蝕んでいた呪いを完全に消し飛ばす為、数分だけ身動きできなくなるように「竜神の封印」をロカに施すと、ロカの身体を蝕んでいた強力な呪いを消し飛ばすことに成功。
ドラクエ8の主人公に竜神王が使用していた「竜神の封印」によって、様々な呪いがドラクエ8の主人公だけには効果がなく弾かれることになっていた。
暗黒神ラプソーンの呪いすらも弾く、強力な「竜神の封印」は、ロカの身体を蝕んでいたキギロとやらの呪いも消し去ることが可能であったようだな。
呪いによる死を待つだけであったロカが、完全に呪いから解放されたのは間違いない。
呪いを解呪するというよりかは、より強力な力で強引に押し流して消し去ったというのが正しいが、ちゃんと呪いが消えたのなら問題ないだろう。
呪いによって弱った身体を鍛え直すつもりであるロカからは「ありがとな」と礼を言われ、マトリフからも「ロカが嫁さんと子ども残して死ぬなんてことにならなかったのはあんたのお蔭だな。ありがとよ」と感謝された。
それからマトリフの「ルーラ」でアルキードへと戻してもらった私は、再びアルキードでチーズの布教に励んでおく。
アルキード国王にも変わらずチーズを提供しておくと、毎日「はりきりチーズ」を食べていたアルキード国王は、上がったテンションで毎夜、正室や側室相手にハッスルしていたようで、アルキードに新たに王子が数名産まれることになったそうだ。
毎日お楽しみでしたね、って感じだったアルキード国王は王子の誰かに国王を継いでもらいたいと考えていたらしく、ソアラの夫が新たなアルキードの国王となる可能性は、それなりに低くなり、王子を産んだ正室や側室に取り入ろうとしていたアルキード国王の家臣達。
冷遇とまではいかないが、王子が数名産まれたことで、最優先されることはなくなったソアラは、愛を育んだバランと結婚したいという気持ちが強くなっていたみたいで、アルキード国王に直談判し、バランとの結婚の許可を得ていた。
ソアラとバランが結婚してから、アルキードから離れたいと言い出したソアラからの提案もあり、テランに移り住むことになったソアラとバランの2人。
「ルーラ」の魔法も使おうと思えば使えた私は、テランに移り住んだソアラとバランにチーズを配達したりしながら、アルキードの近況などを報告していく日々を過ごす。
そんな日々の最中、行き倒れていた魔族の少年を保護したというソアラとバランに、魔族の少年ラーハルトを紹介されて、ラーハルトにもチーズを布教してみたりもした。
ソアラとバランに恩返しをする為に、強くなりたいと考えているようだったラーハルトに、軽く稽古をつけてやったりもしてみたが、ラーハルトには槍が向いているかもしれない。
たまに深紅の巨竜の姿になった時に、自然と抜け落ちて生え変わる角や牙に、脱皮した時に残る皮などの素材が貯まってきたりもしていたんで、これを素材に武器や防具などが作れないか試してみたが、試行錯誤を繰り返して「竜神の槍」と「竜神のローブ」を完成させた私は、それをラーハルトにプレゼントしておく。
竜神王素材の装備は、かなり質が良かったようで、ラーハルトは槍とローブをとても気に入っていたみたいだ。
並みのドラゴンの素材とは比べ物にならない竜神王素材の装備を、バランが羨ましそうな目で見ていたので、今度バランにも竜神王素材の装備を渡しておくとしよう。
アルキードに沢山王子が産まれたことで、ソアラとバランの結婚が認められたところもあったかもしれません