ロン・ベルクから2刀流を習い始めたバランは、修復が完了した「真魔剛竜剣」と「バランの剣」による2刀流で戦えるように鍛練を積み重ねていた。
ちなみにロン・ベルクによって鞘だけを改造されることになった「真魔剛竜剣」は、自己修復機能を強めて、魔法剣の魔法を強化する効果を持つ竜神王素材の鞘を得て、後付けで強化されていたな。
バランの鍛練に付き合いながら、ディーノの世話をしていく日々。
バランが巧みに2刀流で戦えるようになり、ディーノが誕生してから3年が経過した頃、世界各国に「マホカトール」の結界を設置しにいったアバンが戻ってきたが、アバンの弟子であるヒュンケルはこの3年間で身長が少し伸びていたようだ。
ラーハルトも同じく身長が伸びていたりもしたが、まだまだ成長期なヒュンケルとラーハルトは、これから更に身長が伸びることだろう。
ディーノもすくすくと健やかに育っていて、愛情を持ってディーノを育てているバランとソアラは、とても優しい眼差しでディーノのことを見ていた。
ディーノが遊んでも問題ない玩具などを作っておこうかと考えて、毒などが含まれていない安全な木を素材に積み木を作っていた私を無言で手伝ってくれたロン・ベルクは、何だかんだでディーノの面倒を見てくれることが多い。
木製細工を作ることも得意なロン・ベルクの手助けもあって、完成した積み木をディーノに渡してみると、楽しそうに積み木で遊んでいたディーノは、積み木を積み重ねていたな。
ディーノの遊ぶ姿を眺めながら、アバンが世界各国を巡る旅をしていく最中に巻き起こった出来事などを教えてもらうことにした私は、語り始めたアバンの話を聞いていく。
世界各国に破邪結界を設置しながらアバンは各国の様子を確認したりしていたようだが、パプニカのテムジン司教と賢者見習いのバロンが「マホカトール」の結界に弾かれたことで、邪悪な存在を弾く「マホカトール」に弾かれる程に邪悪だと認識されたことが広まったテムジンとバロン。
破邪の力が強化されたアバンの「マホカトール」は、凶悪な邪心を抱く存在すらも弾く結界となっていたらしく、それは人間であっても例外ではなかったようだな。
アバンの「マホカトール」に邪なる存在と認識されたテムジンとバロンは本性を露にすると、人が乗り込めるように改造されたキラーマシンに乗り込んだバロンを暴れさせようとしたそうだが、アバンとヒュンケルによってキラーマシンは破壊され、中に搭乗していたバロンと、逃げようとしたテムジンは捕らえられて牢獄行きとなったとのことだ。
パプニカではそんな騒動があり、世界各国を巡る旅の最中には他にもトラブルが起こることもあって、何事もない旅とは行かなかったアバンとヒュンケルの旅路。
デルムリン島というモンスターしか居ない島には、穏やかなモンスター達が住んでいて、魔王の邪気による影響でモンスター達が狂暴化しないように、デルムリン島全域に「マホカトール」の結界を設置したりもしたアバン。
そんなアバンに感謝したきめんどうしのブラスという存在が、デルムリン島のまとめ役であったりもしたそうだ。
最後にロモス王国にあるネイル村にもアバンは立ち寄ったようだが、ネイル村にはアバンの友人であるロカが居て、呪いが消えてから鍛え直し、武者修行していたロカは更に強くなっていたらしい。
ベルクスという武器が本体な存在達と、幾度も激闘を繰り広げて打ち倒していったことで、戦士としてレベルアップしていたロカは、破邪の洞窟で鍛え直したアバンとも真正面から戦える実力者となっていたようだった。
装備していた武器の質で勝っていたアバンが勝利したが、ロカにも良い武器を渡しておきたいと考えたアバンは、ロン・ベルクにロカの武器の作成を頼むつもりであるみたいだな。
今のアバンと剣で張り合える戦士には興味がある様子を見せたロン・ベルクは「そのロカって奴は連れてこれるか?そいつの腕前次第で、武器を用意してやるかは決める」とアバンに言っていて、それを聞いたアバンは「直ぐに連れてきます」と言うと破邪の洞窟で身に付けたという「リリルーラ」でロカの下に瞬時に移動し、ネイル村からロカを連れて戻ってきたアバン。
いきなり連れて来られたことに戸惑っていたロカにアバンは「此方が凄腕鍛冶師のロン・ベルクさんです。ロカの腕前がお目に叶えば、わたしの剣と同じ素材で武器を作ってくれるかもしれませんよ」とロン・ベルクのことを紹介していた。
「やってやろうじゃねぇか!」
そう言いながら気合いを入れて剣を構えるロカを相手に、ロン・ベルクは「星皇剣」を1本だけ持ち、本気の2刀流ではなく加減した1刀流で手合わせするつもりのようだった。
それから互いの剣を交えていった両者は、豪快な剣を振るうロカを相手に、流れるように剣を操るロン・ベルクが優勢となっていたが「その豪剣は悪くない」とロカを褒めていたロン・ベルク。
激しく剣を打ち合わせていった両者の剣撃は、止まることなく続いたが、ロカがロン・ベルクから距離を取ると、深く深く息を吐きながら、剣の切っ先を地に突き刺した。
そして剣の柄頭に両手を添えて「正統の構え」という構えを取ったロカは、カール騎士団に伝わる技を放つ為、ロン・ベルクからの攻撃を待つ。
ロン・ベルクが繰り出す斬撃を、迎撃するようにロカが「正統の構え」から放ったのは、カール騎士団に代々伝わる奥義。
「豪破一刀!」
アバンから聞いたところによると、相手の動きを「正統の構え」の状態で観察し、弱点となる場所を見抜いて高速の斬撃を繰り出す技こそが「豪破一刀」であるが、ロン・ベルクの闘気を纏わせた「星皇剣」を両断する程の威力は、流石に出せなかったようだ。
「良い技だ。守り抜く為の騎士の剣、といったところか」
ロカの「豪破一刀」を受け止めたロン・ベルクは、構えていた「星皇剣」を下げると「お前には鎧付きの魔剣を作ってやろう」とも言っていたが、ロカのこともロン・ベルクは気に入ったのだろう。
その後、竜神王素材を用いてロカの為に作成された「竜鎧の魔剣」は、ゴツい鞘を持つ魔剣であり、鞘に納めた魔剣を掲げて「アムド」と言うと、鞘が鎧と化す機能がついている「竜鎧の魔剣」は、戦士であるロカも喜ぶ魔剣であったようだ。
まあ、ロカが喜ぶ姿を見ていたアバンも嬉しそうにしていたが、大切な友人が居るのは良いことだな。
「真魔剛竜剣」の新たな鞘にギガデインの魔法剣を納めるとミナデイン級にまで強化されたりしますね