白春の目覚め   作:ライム酒

25 / 26
第十話 渡人の願い # 04-06

# 04 さいはての唄

 

 

 朝の薬師(くすし)は、今日も首を振って帰った。黒髪を短く切り揃えた、少年か少女か見分けのつかない小柄な者だった。

 

 初めに呼ばれたのは郷の年寄りの男だった。三日ほどで来なくなり、代わりにこの者が来るようになった。この者の顔に見覚えがある気がして、ムネチカはどこで見たのかを思い出せずにいた。

 

 庭ではシューニャが首飾りを陽に透かしていた。

 オシュトルが縁に腰を掛け、シューニャが透かした玉を差し出して見せた。

 

 めいめいに動くと決めてある。ムネチカは門を出た。

 

 アシワラの郷はどこを歩いても水音が絶えない。ムネチカは行く先を決めずに、その音の低いほうへ低いほうへと下りていった。

 

 舟着きの手前に縁台が出ていた。日除けの下で老人がひとり、湯呑みを両手で包んだまま舟着きを眺めている。先日、唄の噂を交わしていた片割れの姿はない。ムネチカが会釈をすると、老人は湯呑みを持ち上げて応えた。

 

 水音のあいだに、別のものが混じった。

 

    鴉は唄う、さいはての國を

    西風に向かいし、死の砂漠の先

    深き断絶に、上古(じょうこ)梯立(はした)て、生命の樹へと至れ

 

 西の果て。砂漠を越えた先。深き断絶と、そこに架かる梯立(はした)て。

 一行ごとに道が近づいてくる。並びは辿る順のとおりだった。

 イヅモを通る道だった。地図に無いはずの國の在り処が節に乗っている。

 

 老人が一度、声のほうへ顔を上げた。それから湯呑みへ戻った。

 ほかは誰も顔を上げない。足を止める者もいない。

 

    鴉は唄う、秘められし(まこと)

    其の國、「贖罪」と御名は申して

    皇神(すめがみ)の去りし、隠り世なり

 

 細いが、よく通る声だった。二番へ入って、節が一度上がる。

 足が止まった。

 

「この声……まさか……そんな。そんなはずは……」

 靴底が石を噛んだ。

 舟着きを回り、洗い場を抜け、柳の下をくぐった。

 堤の上に女がひとり立っていた。

 

 旅装だった。履物は草臥れ、裾にはこの土地のものでない色の土がこびりついている。

 

「━━お待ちになって!」

 

 女の背が止まった。肩が上がり、手が口元へ動く。短い咳が一つ。

 女は振り返らない。

 

「フユ様」

 肩がわずかに動いた。

 

「その声……ムネチカ……?」

 

「はい。……小生です」

 

 振り返った顔は、鼻から下を紫の布当てが覆っていた。

 しかし、ムネチカの叔母フユに変わりなかった。

 

「……ごめんなさい、ムネチカ。行かなくてはなりませんの」

 フユは荷を持ち直した。

 

(わたくし)にはまだ、やらなければならない事が……」

 言葉の終わりが咳に飲まれた。背が折れ、肩が上下する。布の上から手を当てたまま乾いた音が三度、続けて鳴った。

 

「そのお躰で何をなさるのです」

 

 フユは舟着きから離れる方向へ足を向けた。

 ムネチカはその後ろにつづく。

 

 人の絶えた水際に出た。葦が高く、対岸は見えない。

 

「聖上に、お診せください」

 

「フフ……貴女は、そういう子でしたわね」

 フユは葦のほうを見ていた。

 

「その咳で、まだ唄うおつもりですか」

 

「……御前へは、参りませんの」

 

「何故です」

 答えは無い。

 

「突然いなくなって……どれだけ、心配したか」

 

 葦の鳴る音があった。フユは水面を見ている。

 

「どうしても訊きたいことが、ありました」

 

「あの日、フユ様がお答えにならなかったことです」

 

「父上様は……いえ」

 

「ジュウベエは、一族を殺め、母上様と小生を手に掛けようとしたのですか」

 

 荷の紐が、爪の先が白くなるまで絞られた。

 

「……どこで、それを」

 

「アシワラの試練で、見ました」

 

「アシワラの……試練」

 フユが繰り返した。知らない言葉を、確かめていた。

 

「小生が赤子であった頃の記憶(おぼえ)を、この目で見ました。覚えているはずのないものです」

 風が向きを変えた。

 

義姉上(あねうえ)様がお決めになったことです。(わたくし)が動かしてよいものでは……」

 

「母上様には小生が聞きます」

 

 フユの肩が下がった。荷の紐が指から滑って、腿のあたりで揺れた。

 

「……大きくなられましたわね」

 

「はい」

 

「……判りました。ただし、(わたくし)の申せることだけ」

 水面に落としていた目が、そこで上がった。

 間があった。

 

義姉上(あねうえ)様と貴女に兄が手を掛けようとしたことはありませんわ」

 否を言うとき、フユの声は低くならなかった。

 

「では、一族を殺めたのは」

 

「……ヨモヅの者を斬ったのは事実ですわ」

 

「何故」

 

「兄は貴女と義姉上(あねうえ)様を護ったのです」

 

「……何から」

 

 フユの唇が二度、音のない形を作った。

 

「フユ様」

 

「ヨモヅから」

 

「━━ッ何故、誇り高きヨモヅの一族が」

 

「それをヨモヅの口から申し上げるわけには参りませんの」

 フユはまっすぐに立っていた。咳が近いのか、喉の下が細かく動いている。それでも背は伸びたままだった。

 

義姉上(あねうえ)様のご決断を(あだ)にしてしまいますわ」

 指が袖の内で握られ、また開いた。もう一度握られたとき、開かなかった。

 

「わかりました。ですが、フユ様」

 

「はい」

 

「聖上のもとへは小生がお連れいたします」

 

 フユの手が、耳の後ろへ回った。

 結び目がほどけ、紫の布が手の中へ落ちた。

 

 鼻から下が、ムネチカの知っている面差しではなかった。白い毛が頬を覆い、口許の形が変わっている。人の顔がそこにあると言うには、遠い。

 

「この顔で、御前に出よと仰いますの」

 

 ムネチカの喉が一度、上下した。

 

「……そのお顔は」

 

生命樹(アクシャナ)の権能を浴び続ければ、ヒトは形を保てませんの。深く入るほど、早く」

 布は握ったままだった。

 

「彼の地の者に情を移し、知り得たことを渡しました。ヤマトに背いた者が、いかな顔で御前へ参れましょう」

 

 水が葦の根を打った。

 

「……ですが、後悔はしていません」

 

 フユの握る布から目を上げて、ムネチカが言った。

「それでも、命だけは繋いでいただきます」

 

 フユが笑った。息だけの短い笑い。

 

「敵いませんわね」

 

「母上様に、似ましたので」

 フユが布を顔へ戻した。耳の後ろで結び目を作ってから、堤の道へ足を向ける。今度は来たほうではなく、郷の側へだった。

 葦の向こうで水鳥が立った。

 

 ムネチカは半歩下がって、叔母の歩幅に合わせた。

 

 

# 05 シューニャとオシュトル

 

 奥の間の障子は閉まったままだった。シューニャはその前に立って、廊下の角を見ている。館の者が出てきて首を横に振る。

 

 縁にオシュトルが腰を掛けていた。片膝の上に肘を置いて、庭のほうを向いている。その隣に腰を下ろした。首飾りを陽に透かすと、玉の内側で光が回って、指の腹に色を落とした。

 

「今朝も、入れてもらえなかった」

 玉の回りが止まった。

 

「前より、ずっといいって。……見てないけど」

 

「……ああ」

 オシュトルはしばらく庭の草の倒れるほうを向いていた。それから膝から手を離して、板に手をつく。

 

「街のほうへ行くか。日が高い」

 先に立った背中が門へ向かう。シューニャは首飾りを襟の内へ落とし、小走りでその後についた。

 

 郷の道脇には洗い物の桶が伏せてある。軒下の縄に、干した魚が並んで揺れていた。二人ぶんの足音が土を擦る。

 

「あの二人、わたしについてきたから、あそこに居たんだよね」

 言い終わりが口の中でこもった。

 

「……ううん。ちがう」

 シューニャが自分で打ち消した。

 

「それだけじゃない。アーヴァ=シュランにも。わたしのためにみんな行くことになるんだよね」

 足を出す幅が狭くなった。

 

「あそこには教皇(シャントゥーラ)ってヒトが居るって言ったでしょ」

 

「あのヒト、わたしの命が欲しいってあの時言ったの」

 足音がひとつ、途切れた。

 

「わたしが居なくなれば、あの國は助かるんだって。……なんでわたしなのかは、教えてくれなかった」

 

 オシュトルが振り返った。

「——シューニャ」

 柳の影が肩の上で揺れる。日の下で、その目がまっすぐこちらへ向いた。

 

「シューニャは渡さない」

 

「えっ?」

 

「誰が何と言おうと、その命は誰にも渡さない。俺が承知しない」

 声が低かった。

 

「……でも、あのヒト、國のためだって」

 

「國のためと言って、人ひとりを寄越せと言う者に道理はない」

 

「……うん」

 

「それに、シューニャは俺の家族だ。家族を犠牲にはさせない」

 シューニャの顔が上がった。二度、強く頷く。

 

「……うん。わたしもね。父さまや、オシュトル。……ううん」

「トリコリさんも、ネコネも、ミカヅチもムネチカも。みんなみんな大事だよ」

 

「そのとおりだ」

 

 シューニャはオシュトルの隣まで並びまた歩き始める。

 

「……ねえ。オシュトルは、どんなものを見たの」

 

「あの日、俺が見せられたのは面を付けた俺だ」

 道が開けて、水の匂いが濃くなった。葦の穂が肩の高さで並んでいる。

 

「あの形に覚えがある気がしていた。……ディコトマ様が頂いておられるものと、似ていた」

 シューニャはディコトマの部屋に飾られた面を思い浮かべた。

 

「相手も、山ほどもある躰だった。人のものではない。……俺もそいつも倒れた」

「倒れ、元の姿に戻った俺は誰かへ面を渡していた。相手の顔は見えなかった」

「面のほかにも何か託した気がする。……そこが判らない」

 葦が切れて、舟着きが開けた。

 

 沖のほうで櫓が鳴って白い帆がひとつ、ゆっくりと横へ滑っていく。

 

 石垣の際で、二人ぶんの足が止まった。

 

「……オシュトル」

 

「ん」

 

「それ、わたしのと同じだよ。オシュトルがいなくなる話だよ」

 舟が一艘、石垣へ着いた。艫の男が棹を立て、荷の受け渡しが始まる。

 

「……そうか」

 

「わたし、誰にも犠牲になってほしくない」

 握った中で、玉の角が指に当たった。

 

「オシュトルにも」

 シューニャは言い終えた。胸の奥がずきずきする。

 

 舟着きの声が一段高くなって、俵がまた一つ、石垣の上へ積まれた。

 

 

# 06 揃う

 

 

 奥の間の障子が開いた。そろそろ目を覚ます頃だろうとのことだった。

 縁にオシュトルが腰を掛け、隣でシューニャが首飾りを襟の内へ仕舞っている。柱の際でミカヅチが夕陽に照らされた庭を見ていた。

 

 廊下の板が鳴った。ムネチカが角を曲がってきて、三人の前で足を止める。息が少し上がっていた。

 

「オシュトル殿。ミカヅチ殿。シューニャちゃんも」

 名を順に呼んでから、息を一つ整えた。「小生に、付いてきてくださいませ」

 

「どこへだ」

 ミカヅチが柱から背を離した。

 

「水際の茶屋まで。……訳は、着いてからでもよろしいかしら」

 言い終わるより先に、身体が半分、廊下の先へ向いていた。

 

「判った」

 オシュトルは縁から腰を上げた。シューニャが跳ねるように続き、ミカヅチが門のほうへ顎をしゃくった。

 

 日が落ちると行き合う者は少ない。表の戸はどこも閉てられ、隙間から膳の匂いが道まで出ている。四人ぶんの足音が土を踏む。

 

「至宝は兄者へ渡した」

 ミカヅチが前を向いたまま言った。

 

「……ライコウ様が?」

 

「え、来てるの?」

 オシュトルに被せ、シューニャが列の脇から首を出す。

 

「今は屋敷にいる」

 

「アシワラは、ライコウ様の故郷ですもの」

 ムネチカが言い添えた。

 

「……来ていても、おかしくはないか」

 言いながら、オシュトルの足は渡しの板を踏んだ。

 

 縁台の並びに、人はもういなかった。並びの奥の高灯籠だけが火を揺らしている。ムネチカが先に立ち、奥の一間の閉てられた戸へ寄った。手が戸に掛かって、そこで止まる。

 

「この中にいらっしゃるのは、小生の叔母です」

 指が戸板の上で揃えられた。

 

「躰を悪くしておられます。……聖上のもとへ、小生がお連れいたします」

 声は戸へ向いたままだった。

 

「……その前に、どうか、あの方の話を聞いてくださいませ」

 頭が下がった。結い上げた髪の飾りが灯を受けて小さく光った。

 

 戸が横に滑った。

 灯皿を一つ置いた狭い間だった。壁際に女が座っている。紫の布が顔の下半分を覆い、布の上の目がまっすぐ戸口を向いていた。

 

「お連れになったのですね」

 布ごしでも声の芯は細らなかった。

 

「フユ様。この方たちと、アーヴァ=シュランへ渡ります」

 ムネチカが敷居を越え、脇へ膝を折った。

 

「ムネチカ。その國の名をこの方の前で」

 オシュトルの声が低かった。

 

「フユ様はあの國におられました」

 ムネチカがオシュトルへ向き直って言った。

 

「えっ、そうなの?」

 シューニャが戸口から首を伸ばした。布の上の目が三人をひとりずつ渡っていく。

 

「貴方達が、アーヴァ=シュランへ渡られるのですか」

 

「はい」

 オシュトルは敷居を越え、膝を折った。板の間は二畳ほどで、四人が入ると膝と膝が触れそうになる。シューニャが隣へ座り、ミカヅチは戸口の柱を背にして腕を組んだ。戸が閉まると、流れの音が薄い壁の向こうに遠くなった。

 

「……でしたら、すこしだけ、お話を聞いてくださいませ」

 荷の紐が膝の前へ引き寄せられた。

 

「あの國には、(わたくし)達ヤマトの民と何も変わりないただ日々を懸命に生きる、ヒトが住んでおります」

 布の上の目が細められた。

 

「……人が」

 

「そのヒト達が、住むところを追われております」

 布の縁が息でひとつ膨らんで戻った。

 

「追われているとは、どういうことですか」

 オシュトルが訊いた。

 

「あの國は、樹の力があってはじめてヒトが住める所ですわ」

 

「その力が薄れております。住めるところが年ごとに狭くなって」

 膝の上で手が組み直された。

 

 シューニャが驚いた顔でつぶやく。

「あの、教皇(シャントゥーラ)ってヒトに見せてもらったやつだ」

 

「……あれ、本当のことだったんだ」

 言い終わりが小さくなった。

 

「外れの集落の者はみな中央へ移りましたわ」

 

「……頼らずに済む道は、無いのか」

 戸口のミカヅチだった。

 

「……アーヴァ=シュランにいる者は、もう樹の無いところでは生きられません」

 布の下で息を継ぐ音がした。

 

「では、なぜフユ殿はこうしてここに」

 問うたのはオシュトルだった。

 

 フユの手が布当ての結びに掛かり、ほどけた布が膝へ落ちた。頬から顎を白い毛が覆っている。口許の形は人のそれから遠い。獣の顔だった。

 息を呑む音が三つ鳴る。

 

「あのヒト達を、見捨てないで━━」

 咳が言葉を折った。ムネチカの手が伸びかけて、フユの掌がそれを制した。

 

「……いただけませんか」

 

 窓の紙は灯の色が映る。その色の中で、オシュトルは口を開いた。

 

「なぜ、樹が弱っているのですか」

 

(わたくし)には判りませんでした」

 目が一度伏せられた。

 

 灯皿の芯が鳴って、火が一度細くなり、戻った。

 

 オシュトルが居住まいを正し、フユへ向き直った。

 

「フユ殿」

 呼びかけて、間を置かずに続けた。「聖上のもとへ、我らもお供します」

 

「異存はない」

 

「わたしも行く」

 

「オシュトル殿」

 ムネチカだった。その手が叔母の背へ添えられた。フユの目が四人の顔をもうひとりずつ渡っていく。

 

「……よろしいのですか」

 

「あの國の話は、聖上にも聞いていただかねばなりません」

 布の落ちた顔がわずかに上がった。

 

 オシュトルが続けた。「共に、都へ参りましょう」

 

「じゃあ、みんないっしょだね」

 

 フユの手が膝の布を取り、顔へ戻した。結び目が耳の後ろで結ばれる。

 




話10『渡人の願い』 執筆の時系列

作業の記録。六場面=10-1 至宝の報告/10-2 母と息子/10-3 雷嵐一過/10-4 さいはての唄/10-5 シューニャとオシュトル/10-6 揃う。題の〈渡人〉は表向きフユを指す——話6でムラサメが「取り逃がした」と言った渡人の答えがこの話であり、読み終えると、これから渡る四人の名でもある。

Ⅰ 前半(10-1〜10-3)——雷の一家の修復
2026-08-16〜17 10-1 至宝の報告

話9の校了直後に着手。カード21稿(D-ltma-03〜23)。アヅマとライコウは途中参加から在席が決まり、褒めの宛先はミカヅチ本人・箱はミカヅチへ返る・アヅマの「私はだめだな」を誰も継がない、が確定。1,035字・24帯。

2026-08-17〜18 10-2 母と息子

㋐部屋→㋑花畑→㋒墓の三場に。母がまだ娘を現在形で語る冒頭、「……いえ。母上」の呼び直し、「小さなミカとも、お別れしなくてはね」。後日、10-3の㋒①②(アヅマが花を拾い直す段)をこちらへ移設した(D-822e-16)。

2026-08-18〜19 10-3 雷嵐一過
命題=アシワラの家の者が、それぞれ自分への責めと向き合う。父は下ろし、兄は下ろさない(D-ltma-54・55)。テーマの語〈帝の揺り籠〉を落とさない。ミカヅチの「何故、ミライは薬が足りなかったことを知っていた」→「……俺が話したからだ」の兄弟の問答が核。

Ⅱ 後半(10-4〜10-6)——渡人
2026-08-19〜20 10-4 さいはての唄

旧10-5(縁台の唄)を統合して一場面に(D-822e-22)。フユが気づく引き金はシューニャ案からムネチカ自身へ。素顔(獣化)の開示、父ジュウベエの部分開示(乱心ではない・ヨモヅから護った・それ以上はヨモヅの口からは言えない)、「聖上のもとへは小生がお連れいたします」。

2026-08-21〜22 10-5 シューニャとオシュトル

旧10-6を繰り上げ(D-f12b-01)。秘匿を一旦解く裁定(D-f12b-04)で〈教皇がシューニャの命を求めた〉が二人の対話に開き、目的が「渡る目的の再確認」から「二人が、互いに〈守るべき対象〉になっていることを確かめる」へ差し替わった(D-18ed-23)。視点はシューニャ(D-18ed-04)。恋の一段目は結びの内面一段だけに残る。

2026-08-22 10-6〈揃う〉の新設と設計

フユの託しを置く場として新設(D-4a4b-01)。場は水際の茶屋の密会。カード検証2体→指摘3件(四人で向かう/戸を開ける前に伝える/樹と民の答えを逃げない)→〈民の生体依存〉を開く裁定(D-18ed-39)。

2026-08-23 台本の仕切り直し

前セッションの57帯表は帯単位の当て込みが痩せて「検討が表面的」と中断。段の設計からやり直す裁定(イ)で八段に組み直し(D-0a9d-01・02)、締め=「あの國の話は、聖上にも聞いていただかねばなりません」(D-0a9d-03)、言霊者は役職名のみ(D-0a9d-04)が立った。

2026-08-23 起稿と監督レビュー三巡

第4稿台本から起稿。①インライン5件+総評「台詞と地の文のバランスが崩れている」②PR #86 の8件(発言の後の地の文は改行/読点は長文とタメだけ/水の流れを厚くしない/小道具を触らせすぎない=D-0a9d-10)③「これでは締めれていない」→帯57「共に、都へ参りましょう」+帯58「じゃあ、みんないっしょだね」の結び(D-0a9d-11)。第2巡で10-3の薬の問答を20帯→12帯へ、⑤段を監督逐語で圧縮(D-0a9d-14)。

2026-08-23 監督の刈り込み

「読み返してみると地の文が多く読みづらかった」「やたら歩幅を説明して情景が貧相」——台詞ごとの挙措の実況と距離の実況を削減。10-6では②の灯り2帯・⑤の帯39・⑦の教皇・言霊者の手がかり(帯45〜49)が落ち、冒頭が〈障子が開く・二人はそろそろ目を覚ます頃〉に変わった。開示は温存へ復帰(D-0a9d-16)。

2026-08-23 検査と読者

機械検査・器検査・条件A(台詞269件の話者特定)・①出所照合・⑧一読・読者A/B(6場面)で23件を採って直した(D-0a9d-13)。感想工程は読者1体×2条件に縮小して話09・話10を実施(D-0a9d-17)——引用照合133件・捏造0。⑦の削除を欠落と挙げた読者は0。圧縮後の薬の問答は両条件で「効いた場面」入り。

2026-08-23 題と校了

場面題6件と話の題『渡人の願い』が確定(D-0a9d-18。校了(D-0a9d-19)。確定形=10-6は2,096字・帯番号1〜58(欠番11)・実数47帯。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。