ワトーに案内された裏のジャンク置き場には、所狭しと機械部品が積み上げられていた。
エンジン、配線、冷却装置、ジェネレータ、ドロイドの残骸──。
一見すると廃品の山だが、整備士の目から見れば宝の山でもある。
ワトーは山積みになった部品の一つを指差した。
「コイツはT-14型ジェネレータ。此処らでこの型を揃えたのはワシしかおらん。最もこれを買うくらいならおニューを買ったほうが安くつくがな?」
クワイ=ガンは静かに頷く。
ハイパードライブジェネレータの交換には、この部品が必要だ。
多少高くても購入するしかない。
ワトーは商人らしい笑みを浮かべながら尋ねた。
「へっへ……ところで旦那、予算の方はいくらまで出せる?」
「共和国の通貨で2万代だが……」
その返答を聞いた瞬間、ワトーは鼻で笑った。
「共和国の? 此処ではそんなもん紙クズだ! 他のはないのかね?」
共和国の中心世界では信用されている共和国クレジット。
しかし、ここは共和国の法も及ばない辺境惑星タトゥイーン。
ワトーにとっては価値のない紙切れでしかない。
クワイ=ガンも状況は理解していたが、それでも確認する。
「生憎それしかないが、クレジットはどうだ?」
「いんや、駄目だ」
わずかな沈黙。
そしてクワイ=ガンは、静かに右手を持ち上げた。
「……クレジットで売ってくれ」
フォースによる精神感応。
相手の意識へ穏やかに働き掛け、判断を誘導するジェダイの技。
しかし──。
ワトーは眉一つ動かさず、豪快に笑い飛ばした。
「駄目だ、お断りだね! ジェダイみたいに手をひらひらさせて無駄なことはよしな! ワシはトイダリア。まやかしなんざ効かねえ、効くのは金だけだ。金がなきゃ客じゃねえ!
トイダリアという種族には、ジェダイの精神感応は通用しない。
それはクワイ=ガンも知っていた。
それでも万が一を期待したが、結果は予想どおりだった。
ワトーは念を押すように付け加える。
「念の為言っとくがT-14型を持ってんのはワシだけだぜ?」
代わりの店もない。
この星で部品を手に入れるなら、どうにかしてワトーと取引するしかなかった。
一方その頃、店内では──。
アナキンとウィクリフたちが機械の話で盛り上がっていた。
アナキンは少し照れ臭そうに笑う。
「今まで生きてこられたのは手先が器用で物作りが上手いからさ」
その言葉にウィクリフも共感するように頷く。
「なるほどな。生き方は違えど、俺も両親の仕事を手伝っているうちに機械いじりが得意になったんだ。手先が器用なのは俺と同じだな」
年齢は近い。
育った環境はまったく違う。
それでも、機械を触ることが好きだという一点だけで、不思議と会話は弾んでいた。
その様子を見ていたパドメも感心したように微笑む。
「凄いわね」
和やかな空気が流れる中、当然のように平穏は長続きしなかった。
「これ面白そうなのね!」
ジャージャーが近くに積まれていたジャンク部品を興味本位でいくつも抱え上げる。
しかし次の瞬間。
足元の部品へ躓き、盛大に体勢を崩した。
「わわわわっ!」
ガシャン!
ガラガラガラッ!
抱えていたジャンクが一斉に床へ散乱する。
幸い壊れた物はなかったものの、店内へ派手な音が響き渡った。
グローザは額へ手を当て、小さくため息を吐く。
「……もう彼の行動はやることなすことが全て空回りね」
クルカイは呆れ顔のままジャージャーを見つめた。
「……ジャージャー。もうアナタ、物に触るの禁止よ」
「えぇっ!? ミーただ持ってみてただけよ?」
「それでこうなってるでしょう?」
ぐうの音も出ない。
ジャージャーは肩を落としながら、しょんぼりとその場へ座り込んだ。
そのタイミングで、店の奥からクワイ=ガンが戻ってくる。
表情を見るだけで、交渉が上手くいかなかったことは誰の目にも明らかだった。
「もう行くぞ。すこし他のを調べる」
ウィクリフはその言葉を聞いて、ふと前世の記憶を思い出す。
(あーっ……そういえばこの星で共和国クレジットが使えなかったんだな)
映画では知っていた出来事でも、実際に目の当たりにすると印象はまったく違う。
共和国の通貨が紙くず同然。
辺境と共和国の隔たりを、改めて実感させられる出来事だった。
一行は店を後にする。
その際、ウィクリフはアナキンへ笑顔を向けた。
「アナキン、会えて嬉しかったよ。運が良かったらまた会おう」
アナキンも嬉しそうに笑い返す。
「僕も嬉しかったよ。僕と同じで手先が器用な人と話せて」
二人は軽く手を振り合う。
短い時間ではあったが、同じ機械好きとして親近感を抱いていた。
やがてクワイ=ガンたちの姿は通りの向こうへ消えていく。
しばらくして裏から戻ってきたワトーは、まだ不機嫌そうに鼻を鳴らした。
《……よそ者めが! ナメられてたまるか!》
その様子を見たアナキンは苦笑する。
《いい人たちだよ》
しかしワトーは聞く耳を持たない。
《棚を片付けろ。済んだら帰れ》
その一言で仕事は終わりだった。
アナキンはぱっと表情を明るくする。
「やったー!」
少年らしい無邪気な笑顔を浮かべながら、片付けを始めるのだった。
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ワトーの店を後にした一行は、人通りの少ない路地へ移動していた。
クワイ=ガンは周囲を警戒しながらコムリンクを取り出し、スターシップで待機しているオビ=ワンへ連絡を入れる。
「すると交換できるものは無いのか?」
通信の向こうから、オビ=ワンの落ち着いた声が返ってきた。
『日用品のコンテナだけです。女王の衣装ならありますが、数は限られてます。交換できるほどの量では……』
「分かった、他に言い手が無いか考えてみよう。また連絡する」
通信を切ったクワイ=ガンは、小さく息を吐く。
部品はある。
しかし金がない。
共和国クレジットは役に立たず、交換できる物資も足りない。
完全に手詰まりだった。
そんな重苦しい空気とは対照的に、ジャージャーは今にも泣きそうな顔をしていた。
「……もうたくさん! 船に帰ろう、こんな恐ろしいとこミー、居たくないよ! 強盗に襲われたらどうすんの!?」
ウィクリフは苦笑しながら肩をすくめる。
「襲われても盗られるものがないからこっちは困ってるんだジャージャー。ただでさえ部品が買えなかったんだ」
「アゥゥ……」
反論できず、ジャージャーは肩を落とした。
一行は考えを巡らせながらモス・エスパの市場を歩く。
そこかしこから異星人たちの呼び込みや値切り交渉の声が聞こえてくる。
そんな中、ジャージャーの視線が一軒の屋台へ釘付けになった。
食用として売られている小さな生き物が、フックで吊るされてうごめいている。
「ん? ……おおぅ、ムイムイ」
その一言を聞いたクルカイは嫌な予感しかしなかった。
「……ジャージャー?」
振り返る。
すると予想どおりだった。
ジャージャーは長い舌を伸ばし、屋台の商品を器用に巻き取ると、そのまま口の中へ放り込んでしまう。
「ちょっ!? 何やってんの!」
店主が血相を変えて飛び出してくる。
《おいっコラ! 金を払え!》
「ふぇ……ふぁにが?」
《7ユピウピだ!》
「ウピウピ……?」
意味が分かっていない。
クルカイは頭を抱えた。
「いいから早く口から出しなさい!!」
バシンッ!
容赦なく頭を叩かれたジャージャーは驚き、その拍子に飲み込もうとしていた商品を吹き出してしまう。
ぺっ──!
勢いよく飛んだそれは、ちょうど食事をしていた一人のダグ族へ一直線に飛んでいった。
「おっと……」
異物は見事に彼の顔へ直撃する。
クルカイは右手で顔を覆った。
「本当に何をやってるの!」
「そんなこと言っても……アゥッ!?」
ダグ族──セブルバはゆっくり立ち上がる。
周囲の空気が一瞬で凍り付いた。
このモス・エスパで知らぬ者はいない、ポッドレースの絶対王者。
粗暴さでも有名な男だった。
セブルバはジャージャーに飛びかかり、彼の胸ぐらを掴み上げ、先ほどの商品を突き付ける。
《これはお前のか?》
「何、ミー? アゥッ!?」
ジャージャーは状況を理解できないまま悲鳴を上げる。
「あーもー、これだから……!」
クルカイが止めに入ろうとした、その時だった。
《やめろセブルバ。死んだら困るよ、レース相手がいなくなる》
聞き慣れた少年の声。
アナキンだった。
セブルバは忌々しそうに睨み返す。
《今度こそ、お前の息の根を止めてやる。奴隷でなきゃ今殺してぇ》
しかしアナキンはまったく怯まない。
《弁償金を払わされるよ》
その一言にセブルバは舌打ちする。
店主へ代金を乱暴に投げ渡すと、ジャージャーを地面へ突き飛ばした。
《チッ……》
怒りを露わにしながら、自分の席へ戻っていく。
ジャージャーは腰をさすりながら立ち上がった。
その頃には騒ぎを聞きつけたクワイ=ガンたちも引き返してきていた。
どうやらクルカイとジャージャーが何か問題を起こしたと察したらしい。
アナキンは苦笑しながら手を振る。
「ハァーイ」
クワイ=ガンも穏やかに応じた。
「やあ坊や」
アナキンは困ったようにジャージャーを指差す。
「お友達がもう少しで殺されるところだったよ。ダグと喧嘩になった。それもセブルバってちょーワルと」
ジャージャーは情けない声を上げる。
「ミー、喧嘩大っ嫌い。一番したくないの喧嘩ね……アゥッ!」
ゴツン!
クルカイの拳骨が再び頭へ落ちた。
「そもそもそうなったのはアナタが余計なことをしたせいでしょうが!!」
「しどいわ。いくら何でもどつかなくてもいいじゃない、あんまりじゃん!」
「だったら余計なことをしない! 指揮官が困るでしょうが!!」
ジャージャーは涙目になりながら頭を押さえる。
グローザは呆れたようにため息をつき、パドメも苦笑いを浮かべるしかなかった。
そんな二人のやり取りを眺めながら、ウィクリフは心の中で苦笑する。
(あっちゃー……クルカイとジャージャーの相性悪いな。やらかしのジャージャーにツッコミのクルカイ。これじゃあ水と油だな)
まるで終わることのない漫才を見ているようだった。
もっとも、この先もジャージャーが騒動を起こすたびに、クルカイが頭を抱える未来が容易に想像できるのだった。
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一方その頃──
町の外れに着陸したナブー・ロイヤル・スターシップでは、オビ=ワンたちが周囲の警戒を続けていた。
乾いた風が吹き始めたかと思うと、地平線の彼方から茶色い砂煙がゆっくりと広がっていく。
オビ=ワンは目を細め、その様子を見つめた。
「……この砂嵐では帰れない」
隣で双眼鏡を覗いていたパナカ隊長も険しい表情になる。
「どんどんひどくなる」
風は時間を追うごとに勢いを増し、砂粒が機体の外装を叩き始める。
やがて、この一帯を巨大な砂嵐が飲み込むことは誰の目にも明らかだった。
その時だった。
ピピッ──。
パナカのコムリンクが短く電子音を鳴らす。
「パナカだ」
通信士の声が返ってきた。
『ナブーからメッセージです』
パナカは一瞬だけオビ=ワンと視線を交わす。
「……すぐ行く」
これ以上ここで警戒を続けるのは危険だ。
オビ=ワンたちは一旦スターシップ内へ戻り、砂嵐をやり過ごしながら届いたメッセージを確認することにした。
その頃──。
クワイ=ガンたちはアナキンの案内でモス・エスパの市場を歩いていた。
少年はこの町のことをよく知っており、露店を見つけるたびに楽しそうに説明してくれる。
「あっ、これ美味しいんだ!」
そう言って露店で買った小さな菓子のような食べ物をクワイ=ガンへ差し出した。
「ほらっこれ。ここだとこれが美味しいんだ。はい」
クワイ=ガンは穏やかに受け取り、小さく微笑む。
「ありがとう」
受け取った品を懐へしまうと、その仕草に合わせて腰に提げたライトセーバーがわずかに揺れた。
アナキンの視線は自然とその武器へ向けられる。
どこか憧れるような眼差しだった。
その時、近くの露店で店番をしていた年老いた異星人が、空を見上げながら呟く。
「あぁ、骨が痛くなったよ。砂嵐が来るよアニー、早くお家に帰んな」
その言葉にアナキンは空を見上げる。
乾いた風が先ほどよりも強くなり、町の向こうでは砂煙がゆっくりと立ち上っていた。
「本当だ……」
すぐにクワイ=ガンたちへ向き直る。
「隠れるとこあるの?」
クワイ=ガンは即座に答えた。
「自分たちの船に帰る」
するとアナキンは首を傾げる。
「そこ近いの?」
今度はパドメが答えた。
「町の外の砂漠」
その返答を聞いた瞬間、アナキンの表情が変わる。
「無理だよ、今からじゃとても間に合わない。砂嵐はとっても、とても危険なんだ」
タトゥイーンで生まれ育った少年だからこそ、その恐ろしさを誰よりも知っていた。
砂嵐は視界を奪うだけではない。
猛烈な風と砂粒が機械を故障させ、人間すら容易に命を落としかねない自然災害である。
ウィクリフも遠くの空を見つめ、小さく息を呑んだ。
茶色い壁のような砂煙は、刻一刻とこちらへ近付いてきている。
「あれは……確かに走って逃げ切れる距離じゃないな」
グローザも冷静に周囲を見渡す。
「このまま町の外へ向かうのは危険よ」
クルカイも静かに頷いた。
「同感だわ。遮蔽物も少ないここじゃあ、砂漠で巻き込まれたら身動きが取れなくなるわ」
クワイ=ガンは素早く周囲を見渡した。
しかし、今から大人数で身を寄せられる建物は見当たらない。
「じゃあどうする? 今から砂嵐をやり過ごす場所はなさそうだが……」
少しだけ考え込んだアナキンは、すぐに笑顔を浮かべた。
「……だったら僕ん家においでよ。家はすぐそこだ」
その言葉に一同は顔を見合わせる。
思いがけない少年からの申し出だった。
しかし、この状況ではそれが最善の選択肢でもあった。
クワイ=ガンは静かに頷く。
「世話になる」
アナキンは嬉しそうに笑うと、一行を先導するように駆け出した。
砂嵐が町へ到達するまで、残された時間はもう多くはなかった。
────────────────────────────────────────────
激しい砂嵐が吹き荒れる中、一行は身を寄せ合うようにしてアナキンの家へ駆け込んだ。
背後では砂粒が壁を叩きつける音が絶え間なく響いている。
扉を閉めると同時に、ようやく静寂が戻った。
アナキンは大きく息を吐きながら声を上げる。
「ふぅ……ママァ! ママ、ただいまー!」
ジャージャーはその場へへたり込み、安堵したように胸を撫で下ろした。
「オゥ、生き返ったみたい」
しばらくして、奥の部屋から一人の女性が姿を現す。
優しげな笑みを浮かべたその女性こそ、アナキンの母──シミ・スカイウォーカーだった。
「アニー、お帰りなさい。この人たちは?」
アナキンは嬉しそうに答える。
「友達連れて来たよ」
ジャージャーが元気よく片手を上げる。
「ハイドゥ」
「お邪魔します」
パドメが丁寧に頭を下げる。
「こんにちは」
ウィクリフも笑顔で挨拶した。
「……失礼します」
グローザとクルカイも続き、最後にクワイ=ガンが一歩前へ出る。
「私はクワイ=ガン・ジン。パドメにジャージャー、ウィクリフにグローザ、クルカイです。息子さんの親切に甘えて避難を」
シミは穏やかに微笑み、一行を迎え入れた。
「どうぞ。こんな家で良ければゆっくりしていってください」
そのやり取りの最中、アナキンは待ちきれない様子でウィクリフたちの袖を引く。
「ドロイド作ってんだ。ねぇ見たい?」
その一言に、ウィクリフの目が輝いた。
「ドロイド? ……タイプは?」
「プロトコル・ドロイドなんだ。行こう、3PO見せてあげる!」
「いいね、少し気になるな」
ウィクリフは笑顔で頷く。
(本当は生の3POを見られるチャンスであることは内緒にしとこ……)
アナキンに案内され、自室へ入る。
部屋の中央には大きな布が掛けられた物体が置かれていた。
アナキンは得意げな表情で布を取り払う。
そこに現れたのは、まだ外装こそ付いていないものの、骨格部分がほぼ完成したプロトコル・ドロイドだった。
「ほらっ凄いでしょ? まだ未完成だけど……」
パドメは思わず感嘆の声を漏らす。
「本当ステキ……」
ウィクリフは細部まで眺めながら感心したように頷く。
「外装を張り付ければもう完成だな。流石」
グローザも完成度を見極めるように各部を観察する。
「ええ。ここまで一人で作れたのならいい腕ね」
クルカイも率直に評価した。
「そうね。器用ってレベルに収まるほどじゃない腕なのは確かね」
四人から立て続けに褒められ、アナキンは少し照れ臭そうに笑う。
「ほんとに? 気に入った? ママの手伝いをさせようと思ってる。見てて……」
そう言うと、胸部のスイッチを操作する。
「カチッ」
わずかな駆動音の後、ドロイドの身体がゆっくりと動き始めた。
《ア……ゥ……な、何です? 皆さん、どちらです?》
「あっ、いけね! ……ほらっ」
アナキンは慌てて工具箱から右目の光学パーツを取り出し、空いたソケットへ差し込む。
カチリ、と軽い音が響く。
《アゥ、どうも。私、3POと申します。プロトコル・ドロイドでございます。ご用は何でしょうか?》
パドメは思わず笑みを浮かべた。
「完璧だわ」
《アゥ!? 完璧……?》
3POは意味が分からない様子で首を傾げる。
アナキンは嬉しそうに続けた。
「砂嵐が去ったらレーサーを見せてあげるよ。ポッド・レーサーを作ってんだ」
その時、廊下から電子音が聞こえてきた。
「♪ ~」
R2-D2だった。
3POは音のする方へ顔を向ける。
《この世は怠惰じゃございませんですね?》
「♪ ~」
《アァゥ……どうも。お互い、紹介がまだでございました》
「♪ ~」
《R2-D2? アァ、どうぞ宜しく。私、プロトコル・ドロイドの3POをと申しますデスデスデス》
「♪ ~!」
《何ですと? どういう事です? 裸?》
その様子を見てウィクリフは思い出したように笑う。
「あ~、そういえば3POはまだフレームむき出しの状態だったんだっけ?」
アナキンも苦笑する。
「うん。外装パーツは中々集まらなくて時間がかかるんだ」
「♪ ~!」
《私のパーツが丸見え? アゥ、どうしましょう!?》
その慌てぶりに部屋の空気は一気に和み、思わず皆から笑みがこぼれた。
一方その頃──。
ナブー・ロイヤル・スターシップでは、ナブーから送られてきたメッセージの内容が再生されていた。
送り主は、シオ・ビブル。
ホログラムに映る彼の表情は疲弊し切っていた。
『街は死者で溢れております。要求に屈するしかありません! 今すぐ、ご連絡を!』
重苦しい沈黙が船内を包む。
オビ=ワンは映像が消えると同時に、アミダラ女王へ静かに告げた。
「これは罠です。無視してください。返事をなさらぬことです」
女王は苦しげな表情を浮かべながらも、小さく頷いた。
オビ=ワンはすぐにコムリンクを起動し、タトゥイーンへいる師へ通信を送る。
「お前の読み通り逆探知が目的の罠だ」
通信越しにクワイ=ガンの落ち着いた声が返る。
『……でも虐殺が、本当ならば……』
「どの道今はどうしようもない」
現状では部品を調達しなければタトゥイーンから脱出すらできない。
助けたくとも、その術がなかった。
そして──。
銀河共和国の中心。
コア・ワールドに位置する都市惑星コルサント。
深夜の闇に包まれた高層ビルのバルコニーでは、二つの黒い影が静かに夜景を見下ろしていた。
赤い肌に角を持つザブラクの戦士が、片膝をついて報告する。
「タトゥイーンは人口も知れてます。すぐにも見つけ出してごらんに入れます、マスター」
その前に立つ黒衣の男は、フードの奥から静かに命じた。
「先ず、ジェダイを片付けよ。そうすればナブーで女王に署名させることなど簡単だ」
ザブラクの口元に獰猛な笑みが浮かぶ。
「ついにジェダイの前に姿を見せる時が……。復讐の時が来ました」
黒衣の男──ダース・シディアスは静かに告げる。
「弟子としてお前に全てを授けた。ジェダイなど敵ではない」
その言葉に、ダース・モールはゆっくりと頭を垂れた。
銀河を揺るがす運命の歯車は、静かに、そして確実に動き始めていた。
EP.1を書き終わったら、EP.1とEP.2の空白期間のエピソードを執筆しようと思います。読者の皆様はどれがいいですか?
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