問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
ちなみにですがこの話で司君は普通ではなくなりますのでご注意を
それでは、お楽しみください!
「よろしくお願いします!」
頭を下げる司に白夜叉。
「うむ。まあ立ち話もなんだから入ると良い」
そう言うと白夜叉は中に入っていった。みんなもそれに続く。
「・・・・・・入らないのですか?」
拗ねた店員がそう訪ねてきた。・・・・・・心が痛い。
「・・・驚かして悪かった」
頭を下げわりと本気で謝る。
「いえ、こちらも申し訳ありませんでした。あのようなことをしてしまって」
店員も謝ってくれた。この子いい子だ・・・・・・!
「まあこれからもよろしく」
そう俺は返した。・・・・・・え、何?もうちょと、気の効いた言葉はないのかって?ないよ!そんなのあったらこんなお通夜みたいな空気、どうにかなってるよ!
「・・・はい、こちらこそ。それより早く入った方がいいのでは?」
返答はごく普通だった。ここで、汚らわしいとか言われたら逃げ出すところだった。・・・・・・現実から。
「ああ、ありがと」
さて、まだ見ぬギフトに会いに行きますか!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
白夜叉の部屋に入ると、何故か十六夜、飛鳥、耀の三人が立ち上がっており、黒ウサギはオロオロしている。・・・・・・何があったんだよ?
「司さんもこの三人を止めてくださいよ!」
いや、訳が分からん。説明を省くな。
「司君もどう?この自称最強さんを倒すのだけれど」
「おい、待て小娘。誰が自称最強と言ったのじゃ?」
「「「あんただよ。自称最強さん」」」
「・・・声揃えて言うんじゃねぇよ」
誰だ、こんな打合せしたの?
「まあよい。それと聞くが、おんしらが望むのは“挑戦”かそれとも――――――――
“決闘”か?」
そう白夜叉が言うと、ガラリと目の前の景色が変わった。
一面氷で覆われた大地、水平に廻る太陽ってまさか・・・・・・!
「・・・・・・あんた、まさか・・・!」
俺が顔面蒼白になって叫ぶ。
「そう!私こそが白き夜の魔王、太陽と白夜の星霊・白夜叉。もう一度問おう。おんしらが望むのは“挑戦”か?もしくは、対等な“決闘”か?」
鋭い眼光で不気味に笑いながら訪ねてくる。
「水平に廻る太陽と・・・・・・そうか、白夜と夜叉。この土地はすべて、オマエを表現しているのか」
「如何にも。このフィールド全てが私が持つゲーム盤の一つだ」
そんな言葉に四人が戦慄する。それもそのはず、これほどの世界をゲーム盤だと言うのだから。
「これだけの莫大な土地が、ただのゲーム盤・・・・・・!?」
「その通りだ。して、おんしらの解答を聞こうかの?」
「・・・降参だ、白夜叉。仕方ないが今回ばかりは試されてやってもいいぜ、魔王様」
「ええ、私も同じよ・・・・・・。耀さんは?」
「・・・・・・右に同じ」
三人とも渋々試練を受けることにした。一人を除いて
「?・・・・・・司?」
耀が心配してくる。
「(・・・・・・なんだ、これは?)」
不思議と込み上げてくる何か。なんだこれは?なんだこの景色は?なんだこの世界は?この感覚は、この感じたことのない高揚感は・・・?
「(・・・・・・そうか)」
面白いんだ。今この瞬間が楽しくてたまらないんだ、俺は。そう思うと自然とにやけてくる。
「(ヤバイ・・・・・・。笑いが止まらねぇ・・・!)」
俺は堪らず大声で笑いだした。
「くく・・・・・・・・・、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
いきなりのことにこの場にいる全ての者が固まった。はたから見れば、頭がおかしい、狂ったとか言われそうだが、司はそんなのはお構い無しだった。
「ハハハハハハハハハハハハ!なんだこれは?なんだこの世界は!?楽しすぎるだろちくしょう!!」
堪らない、笑いが堪えられない。
「・・・・・・大丈夫、司?」
再度心配してくる耀。っていうか、なんでそんなに心配してくれるの?
「・・・・・・友達、だから。心配したらダメ?」
上目遣いで聞いてくる。・・・・・・しれっとしてるけど何故分かった?まあ、嬉しいけど。
「ああ、大丈夫。いや、こんな体験したことなくてさ。面白くて笑っただけだから」
「これがゲーム盤だと知って震えておったではないか」
「ああ、確かに震えてたよ。まあ、恐怖半分であとは楽しいっていう感覚だった」
この発言に白夜叉は堪らず笑みがこぼれた。
「くく・・・、この状況を楽しいと言うか。ならば答えを聞こうかの。おんしは試練と決闘どちらだ?」
白夜叉が再三尋ねてくる。
「試練で頼む。ギフトが分からない状況じゃ、なにしていいか分からないからな」
そういった途端、聞き覚えのない鳴き声が聞こえた。
「・・・この鳴き声は!」
飛んできたのは獣の体を持ち、手足と頭が鷲である幻獣。いわゆる、鷲獅子グリフォンだろうな。
「グリフォン!?本物!?」
「如何にも。おんしらにはこやつの相手をしてもらおうかの」
すると、俺達の前に契約書類が現れた。
『ギフトゲーム名 “鷲獅子の手綱”
・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜
久遠 飛鳥
春日部 耀
神野 司
・クリア条件 グリフォンの背に跨り、湖畔を舞う。
・クリア方法 “力”“知恵”“勇気”の何れかでグリフォンに認められる。
・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“サウザンドアイズ”印』
「私がやる」
指先までピシ!っと伸ばして耀が宣言した。
『お、お嬢・・・・・・ホンマにやるんか?なんか獅子の旦那より怖そうやけど』
「大丈夫、問題ない」
「OK、先手は譲ってやるよ」
「気をつけてね、耀さん」
「うん。頑張る」
耀は頷き、グリフォンのところへ行こうとする。
「あ、耀!ちょっと待って!」
俺は今来ているパーカーを脱いで耀に渡す。
「寒いと思うから使って」
「・・・・・・う、うん。ありがと////」
赤面して走って行った。後ろでニヤニヤしているやつらがいるが面倒くさいので無視する。
「あ、あの、こんにちは。初めまして、春日部耀です」
『・・・!?』
ビクンッ!!とグリフォンの肢体が跳ねた。
「ほう、あの小娘、グリフォンと言葉を交わすか」
「なあ、黒ウサギ。俺にも聞こえるんだけど。グリフォンの声」
「それは本当なのですか!?」
「あ、ああ・・・」
迫力があり、少し気押された。
「それならば、司さんには翻訳系のギフトがあるのでしょう。でなければ、グリフォンの言葉は分かりませんから」
なるほどね、そういうことか。
「(まあ・・・、今は耀の勇姿を見届けるか)」
そう思い、ゲームに集中した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結果、耀が勝利した。
すると、
「白夜叉様。実はお願い事が・・・・・・」
「なんじゃ?」
「ギフトの鑑定をしてもらいたいのです」
「おお、司も言っておったの。・・・・・・しかし、鑑定か・・・。専門外もいいところなのだが・・・、いや待てよ・・・」
とたん黙りこみ考えている。
「ところでおんしら。自分のギフトはどこまで知っておるのだ?」
「企業秘密」
「以下同文」
「以後省略」
「所持しているかも不明」
「うおおおい!!それでは話が進まんだろうに!最後のは仕方ないかもしれんが」
だってホントに知らないんだもの・・・・・・。
「別に鑑定なんて必要ない。人に値札貼られるのは好きじゃない」
まあお前はそうだろうな・・・、性格から言って。困った様に頭を掻いていた白夜叉だが、妙案が浮かんだようにニヤリと笑い、
「ふむ。“主催者”として“試練”をクリアした者に“恩恵”を与えなければならん。少々贅沢な代物だが、復興の前祝いだ。受けとるがよい!」
白夜叉がパンパンと手を叩く。すると、十六夜、飛鳥、耀、司の四人の目の前に輝くカードが現れた。そのカードには自分の身に宿るギフトのネームが記されていた。
コバルトブルーのカードに逆廻十六夜
・ギフトネーム『正体不明《コード・アンノウン》』
ワインレッドのカードに久遠飛鳥
・ギフトネーム『威光』
パールエメラルドのカードに春日部耀
・ギフトネーム『生命の目録《ゲノムツリー》』
『ノーフォーマー』
ルビーレッドのカードに神野司
・ギフトネーム『属性憑依:炎《タイプ・ポゼッション:フレイム》
『属性憑依:氷《タイプ・ポゼッション:アイス》
『獣使い《ビーストテイマー》』
『武器錬成《クリエイト・ウェポン》』
『? ? ?』
それぞれが渡されたギフトカードを覗きこみ、自分のギフトを確認する。
「そ、それは・・・、ギフトカード!!」
「何それ、お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「クレジットカード?」
四人が四人とも思い思いに感想を述べる。
「違いますよ!というか何で皆さんそんなに息が合ってるんですか!このカードは顕現しているギフトを収納することのできる超高価なカードなのですよ!この水樹や耀さんの『生命の目録』も収納できる優れものなんですよ!」
「え、マジで・・・・・・?」
「つまり超素敵アイテムってことでいいか?」
「聞いていなかったんですか!?そうですよ、もうそれでいいですよ!!」
黒ウサギが諦めたかのように言った。あとで愚痴でも聞いてやるか・・・・・・。
「そのカードは正真正銘“ラプラスの紙片”、すなわち全知の一端だ。そこに記されているのはおんしらの魂と繋がった“恩恵”の名称。鑑定せずとも大体の正体が分かるようになっている代物だ」
「へぇ、じゃあ俺のはレアケースってやつだ」
「(・・・・・・なんじゃと?)」
白夜叉は疑問に思い、十六夜のギフトカードを覗き込む。
「(な、正体不明じゃと・・・!?)」
その真実に戦慄する。
「(全知のラプラスがエラーを起こしたのか?いや、だがそんなことは・・・・・・)」
真剣に考えている白夜叉。
「・・・・・・なんだこれ?」
司のカードには複数のギフトが書いてあった。
「どうしたのだ?」
「いや、どんなギフトか分からなくてな・・・」
『獣使い』はまだ分かるが、何だ『属性憑依』と『武器錬成』、それに『? ? ?』って。
「・・・・・・ふむ。説明は必要か?」
「是非とも」
間髪入れずに答えた。
「よかろう。ならばまずは『属性憑依』じゃが、それは自分に記されている属性、おんしの場合炎と氷じゃな。やってみるといい」
やれと言われてもなぁ・・・・・。
そう言われて俺は手に炎が宿るように想像してみると、
自分の手が燃えていた。
「・・・・・・・・・」
えーと、意外に簡単だったんだけど・・・。しかも操るの簡単だし。
司がしているのは、ただ想像するだけで簡単にできた。氷も同じ要領で。
「ふむ。そのように使うギフトじゃ。次に『獣使い』。これは獣、幻獣、妖精、精霊etc・・・。まあいわゆる隷属させるためのギフトじゃ。『武器錬成』はその名の通りだ。最後のは私にも分からん」
なるほど・・・、大体ギフトについては分かった。
「ありがと。恩にきるよ」
感謝の言葉を言い、俺達は白夜叉の部屋を出た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺達は白夜叉と別れ、今は“ノーネーム”の本拠地に来たが・・・・・・、
「な・・・んだよ・・・・・・、これ・・・・・・?」
荒れ果て朽ちていた土地を見た。
「・・・・・・おい、黒ウサギ。魔王に教われたのは何百年前の話だ?」
「・・・僅か三年前のことです」
黒ウサギが悔しそうに言う。
「(これが、三年だって・・・・・・!?)」
・・・・・・・・・・
馬鹿げてると思った。いや、そう思うしかなかった。
「ありえない。これが三年前だと?・・・こんな朽ちてるのに三年だけだと?ふざけるなよ」
ダン!とそこにあった建物の残骸を殴った。
「・・・・・・まるで人だけが居なくなったみたいね」
「・・・・・・動物が廃墟に居ないなんて・・・」
飛鳥と耀もそろって戦慄する。
「・・・ハハ、いいなあ、いいなあ、いいぜオイ!上等だぜ魔王・・・・・・!面白くなってきたじゃねぇか!!」
心底面白そうに言う。
「(・・・・・・・・・)」
ふざけてる、こんなのふざけてる!!
「・・・・・・ざ・・なよ」
「ど、どうしたのですか?」
尋ねてくる黒ウサギ。
「ふざけるなよ!!」
本気で叫ぶ。
「上等じゃねぇか・・・魔王。おまえらがこんなことを続けるなら、
俺はオマエらの全てをぶち壊す!!」
俺は殺気を込めながら宣言する。
繰り返させない、こんな悲しい出来事を。
「・・・・・・黒ウサギ」
「!?は、はい!」
俺は決意を込めて言った。
「絶対復活させるぞ、このコミュニティ」
「!!・・・・・・はいっ!!!」
何としてでも復活させてやる、と決意して俺達は本拠へ向かった。
今回のあとがきのゲストは十六夜君です!
十六夜「よう、よろしくな」
司「おう、来たか」
十六夜「とりあえず、死ねやァァァァ!」ドゴッ!
司「グハァ!!」
何してるんですか!?
十六夜「いや、なんとなくな」
司「なんとなく殴るなよ!」
十六夜君・・・・・・。
十六夜「あ?なんだよ?」
グッジョブ!
十六夜「フッ・・・・・」
司「何で俺が・・・・・・」
まあまあ、やっと本編でギフト分かったんですから。
司「確かにそうだけど」
十六夜「普通じゃねぇわな」
いいじゃないですか、楽しそうで
司「・・・・・・それ前提ですか?」
夜明け・十六夜「もちろん」
司「・・・・・・はあ」
大変そうですねぇ~
十六夜「そうだなぁ~」
司「誰のせいだ誰の!」
サテナンノコトカナ
司「おい、逃げるな!」
十六夜「そろそろ締めるぞ」
皆さん今回も読んでいただきありがとうございました
司「次回も楽しみにしてくれよな!」
十六夜「誤字脱字注意や感想待ってるぜ!」