問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》   作:夜明けの月

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すみませんでしたーーー!!m(__)m

今回大幅に更新が遅れてしまいました。すみません。

事前に書くように頑張りますのでよろしくお願いします。

それでは本編をお楽しみください。


負けられない戦いだそうですよ?

ルイオスにギフトゲーム参加権を見せ、ギフトゲームを行うことができるようになった。

 

そして今、司は英太に気になっていたことを問いかけていた。

 

「何でお前はここにいるんだよ?」

 

「ん?」

 

聞いたことはただ一つ、なぜ司が元いた世界の友人、篠宮英太が招待状をもらってもいないにも関わらず箱庭に来ているのかということだった。

 

「ん~、司がいなくなったから?」

 

「気持ち悪いわ。しかもなんで疑問系なんだよ」

 

その場しのぎの言葉を告げる英太に司がつっこむ。

 

「嘘だよ。ただ暇だったから転移魔法を使ったらここにいた」

 

「お前は暇になったら魔法使う癖どうにかなんねぇのか………」

 

司は呆れて言葉もでない。なぜなら元の世界でも英太の魔法の実験台になっていたからだ。

 

「全く……、俺がどれだけ苦労したか………」

 

「だから、やった時に謝ってたじゃん」

 

「まあ、別にいいけどさ」

 

二人とも笑みを浮かべて話していた。

 

「でも、何で寝てた癖に俺らの行動分かったの?勘付かれないように配慮してたんだけど」

 

「別になんとなくだよ。長い付き合いだろ?」

 

「なんだよそれ」

 

二人は声を出して笑う。

 

「さて、そろそろ行こうか」

 

「ああ」

 

犠牲を出さないために、そして仲間を助け出すために二人はゲームエリアへと歩き出した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

『ギフトゲーム名 "FAIRYTALE in PERSEUS

 

・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

神野 司

篠宮 英太

 

・"ノーネーム"ゲームマスター ジン=ラッセル

・"ペルセウス"ゲームマスター ルイオス=ペルセウス

 

・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒

・敗北条件 プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。

プレイヤー側のゲームマスターの失格。

プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

・舞台詳細・ルール

*ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。

*ホスト側の参加者は最奥には入ってはならない。

*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはならない(・・・・・・・・・・・)

*姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う。

*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行することはできる。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、"ノーネーム"はギフトゲームに参加します。

"ペルセウス"印』

 

"契約書類"を承諾した直後、七人の視界は間を置かずに光へと呑まれた。

 

次元の歪みは七人を門前へと追いやり、ギフトゲームへの入口へと誘う。

 

門前に立った司達が不意に振り返ると、そこには白亜の宮殿の周辺は箱庭から切り離され、未知の空域を浮かぶ宮殿に変貌していた。

 

「姿を見られれば失格、か。つまりペルセウスを暗殺しろってことか?」

 

胸を躍らせているかのような声音で十六夜が呟く。その呟きにジンが答える。

 

「それならルイオスも伝説に倣って睡眠中ということになりますけど、おそらくそこまで甘くはないと思います」

 

「YES。そのルイオスは最奥で待ち構えているはずデス。それにはまず宮殿の攻略が先でございますが、伝説のペルセウスとは違い、黒ウサギ達はハデスのギフトを持っていません。不可視のギフトを持たない黒ウサギ達には綿密な作戦が必要です」

 

黒ウサギが人差し指を立てて説明する。

 

「役割としては、ジンと一緒にゲームマスターを倒す役。次に不可視の敵を感知して撃退する索敵の役。最後は失格覚悟で囮と露払いをする役だな」

 

「春日部さんは鼻が効くし、耳も目もいい。不可視の相手には最適なんじゃないかな?」

 

英太の提案に黒ウサギが続く。

 

「黒ウサギは審判としてしかゲームに参加することができません。ですからゲームマスターを倒す役割は、十六夜さんと英太さんにお願いします」

 

「あら、じゃあ私は露払い役かしら?」

 

む、っと少し不満そうな声を漏らす飛鳥。少し拗ねた口ぶりの飛鳥を十六夜はからかう。

 

「悪いなお嬢様。俺も譲ってやりたいのは山々なんだが、勝負は勝たなきゃ意味がない。あの野郎の相手はどう考えても俺たちが適してる」

 

「ごめんね久遠さん。このギフトゲームに負けるわけにはいかないんだ」

 

「………ふん。いいわ。今回は譲ってあげる。ただし負けたら承知しないから」

 

飄々と肩を竦める十六夜。

 

「あのさ、俺は?」

 

どの役割にも当てはまっていない司は尋ねる。

 

「「「「お留守番」」」」

 

「………………………」

 

目に涙を貯める司。慌てて英太が訂正する。

 

「う、嘘だからね!?司は保険だよ保険。もし俺たち二人のうちどちらか、または二人とも見つかった場合、司がゲームマスターに挑んでもらうから」

 

「…………………うん。分かった」

 

グス、っと鼻をすすりながら答える司。

 

「でも、そんなに簡単に勝てる相手でもないのですよ。おそらく厳しい戦いになると思われます」

 

その場の全員が黒ウサギの発言を聞き、黒ウサギの方を見る。飛鳥がやや緊張した面持ちで問う。

 

「………あの外道それほどまでに強いの?」

 

「いえ、ルイオスさんご自身の力はさほど。問題は彼が所持しているギフトなのです。もし黒ウサギの推測が外れていなければ、彼のギフトはーーー」

 

「「「隷属させた元・元魔王様」」」

 

「そう、元・魔王の………え?」

 

十六夜、司、英太の補足に黒ウサギは一瞬、言葉を失った。素知らぬ顔で十六夜はかまわず続ける。

 

「もしペルセウスの神話どおりなら、ゴーゴンの生首がこの世界にあるはずがない。あれは戦神に献上されているはずだからな。それにもかかわらず、奴らは石化のギフトを使っている。ーーー星座として招かれたのが、箱庭の"ペルセウス"。ならさしずめ、奴の首にぶら下がっていたのは、アルゴルの悪魔ってところか?」

 

「………アルゴルの悪魔?」

 

話が分からない飛鳥と耀とジンは顔を見合わせ、小首を傾げる。しかし、黒ウサギだけは驚愕したままで固まっていた。

 

「十六夜さん達………まさか、箱庭の星々の秘密に………?」

 

「まあな。この前星を見上げた時に推測して、ルイオスを見た時にほぼ確信した。後は手が空いた時にアルゴルの星を観測して、答えを固めたってところだ」

 

「白夜叉さんが機材貸してくれたからできたんだけどね~」

 

「俺はただの勘だ」

 

フフンと自慢げに笑う十六夜と英太。司は何食わぬ顔で答えた。

 

「もしかして御三人は意外に知能派でございます?」

 

「何を今さら。俺は生粋の知能派だぜ」

 

「そうだよ。黒ウサギの部屋の扉だって、ドアノブ回さずに開けられただろうが」

 

「………。いえいえ、そもそもドアノブなんて付いてませんでしたから」

 

黒ウサギが冷静にツッコミを入れる。

 

「あ、そうだったね。だけど付いてたってドアノブを使わずに開けられるよ」

 

「………ちなみに、どうやって?」

 

司が問いかける。

 

「「こうやって開けるに決まってんだろ!!(・・・・・・・・・・・・・・・・)」」

 

こうして負けることの許されないギフトゲームが始まった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

宮殿に入ってすぐに飛鳥と別れ、今は耀が不可視の相手を索敵してハデスのギフトを手に入れようとしている。

 

「…………そこ!!」

 

何かを感じ取った耀は虚空に拳を突き出す。

 

「ガッ……………!?」

 

苦痛の声が聞こえたと思うと鎧を纏った騎士が倒れていた。

 

十六夜が騎士が落とした兜を拾い上げ、それをジンに投げる。

 

「まずはおチビ、お前がつけろ。ゲームマスターが見つかったら洒落にならねぇ」

 

そう言われてジンは兜をかぶる。するとジンの姿は一瞬で見えなくなった。そうかあの兜がハデスのギフトなのか!

 

「よし、まずは一個だな」

 

「………ッ!!十六夜!」

 

耀が何かを感知し、十六夜に叫ぶ。途端、十六夜の体が後ろに飛んだ。

 

「ぐッ……!」

 

「……………このッ!!」

 

十六夜が殴られたと同時のタイミングで耀が虚空を殴る。するとそこにはルイオスの側近らしき男が現れた。頭には兜はのっておらず、床に転がっていた。

 

「くッ……、見つかってしまったなら仕方がない。貴様らを倒し、隠れている貴様らの同士を討ち取るだけだ!!」

 

「させるかよ!!!」

 

十六夜が側近の男に渾身の力で殴る。すると吹き飛ぶことはなくその場て踏ん張る。

 

「ぐ、ぬぅ………!ここまでとは………」

 

側近の男は膝をつき言った。

 

「見事だ。お前達は、ルイオス様に挑むだけの資格がある」

 

そう言い倒れる騎士。

 

「これで問題ないだろ」

 

「英太のがないけど?」

 

「俺は魔法でどうにかなるよ」

 

英太は自身のギフト"魔法"(スペル)を使い、不可視となる。

 

「それならいいけどよ、これどうすればいいんだよ!十六夜見つかっちまったじゃねぇか!」

 

「なら、お前の役割は?」

 

「保険………あ」

 

「そうだ。俺が見つかっちまった。なら、お前が英太と一緒にルイオスに挑め。そして勝ってこい!」

 

そう言って拳を突き出す十六夜。

 

「ああ、必ず勝ってくる!!」

 

司は十六夜の拳に自分の拳を突き出す。そうして司達は先を急ぐのだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

不可視のギフトを手に入れた司、英太、ジンは白亜の宮殿を真っ直ぐ突き進んで最奥、最上階に着く。天井はなく、闘技場のような簡素な造りになっていた。

 

「司さん、英太さん、ジン坊ちゃん……………!」

 

最上階で待っていた黒ウサギは安堵したように三人を確認し、ため息を漏らす。

 

「そういえば、十六夜さんは?」

 

「見つかった。今耀と一緒にいると思う」

 

十六夜の居場所を伝える。ふと上空を見上げると、見下す影があった。

 

「ホントに使えない奴らだな。後でまとめて粛清しないと」

 

空に浮かぶ人影には、確かに翼があった。ロングブーツから光り輝く対の翼が。

 

「まあでも、これでこのコミュニティを存続できているかわかーーーーー」

 

「黙りやがれ、ルイオス=ペルセウス」

 

空に浮かぶルイオスを睨みつけ、告げる司。

 

「つ、司さん………?」

 

「あ~あ、やっちゃった」

 

心配する黒ウサギと気だるげな声を出す英太。

 

「英太さん、司さんはどうしたのですが?」

 

「あいつは自分に関係有ろうが無かろうが仲間をバカにしたり、命を粗末に扱う者にはああなるだよ。過去に色々あったせいだって本人は言ってるけど」

 

「………そうなのですが」

 

英太の簡単な説明で黒ウサギは内にある疑問を胸の内に止める。

 

司は告げる。

 

「あいつらは使えない?粛清しないといけない?誰のお陰でこのコミュニティを存続できているかだと?なめたこと言ってんじゃねぇ!!」

 

司は叫ぶ。

 

「お前みたいにここでのうのうと居座ってたわけじゃない、お前の、ペルセウスの騎士達は命をかけて、自分達の旗印をかけて戦ってんだぞ!それを使えないだと?ふざけんな!!」

 

司は右腕には炎を、左腕には氷を纏わせ叫ぶ。

 

「お前は必ず倒す。どんな手を使ってでも」

 

「くく………、なら来いよ。君ら名無しがどれだけ無能かを分からせてやる」

 

そう言って、ルイオスはギフトカードから光とともに燃え盛る炎の弓を取り出した。

 

「………炎の弓?ペルセウスの武器で戦うつもりはない、ということでしょうか?」

 

「当然。空飛べるのになんで同じ土俵で戦わなければいけないのさ」

 

顔色をかけ問う黒ウサギに小馬鹿にするように天へと舞い上がる。ルイオスは首にかかったチョーカーを外し、付属している装飾を掲げた。

 

「メインで戦うのは僕じゃない。こいつだよ。目覚めろーーーー"アルゴールの魔王"!!」

 

ギフトが輝き、その光は褐色に染まる。白亜の宮殿に共鳴するかのように甲高い女の声が響き渡った。

 

「ra………RA、GEEEEEYAAAAAaaaaaaa!!!」

 

人の理解できる言語ではない叫びだった。現れた女は体中に拘束具と捕縛用のベルトを巻いており、乱れた灰色の髪を逆立たせ叫び続ける。女は両腕で拘束するベルトを引きちぎり、半身を反らせてさらなる絶叫を上げた。

 

「ra、GEEEEEYAAAAAaaaaaaa!!」

 

「なんて絶叫を」

 

「避けろ、黒ウサギ!」

 

えっ、と硬直する黒ウサギ。司はジンを、英太は黒ウサギを抱き抱え飛び退く。

 

直後に空から巨大な岩塊が降ってくる。

 

「いやあ、飛べない人間って不便だよねえ。落下してくる雲も避けられないんだから」

 

「く、雲ですって!?」

 

ハッと外に目を見やると雲だけではなく、この世界すべてに対して石化の光を放ったのだ。

 

「今頃君らのお仲間も部下も石化してるだろうね。ま、無能にはいい体罰かな」

 

「おい、ゲームマスター」

 

司と英太は黙って前に出る。

 

「「覚悟はいいか、クソ野郎!!」」

 

二人は同時に駆け出したが、

 

「な………!!」

 

目の前に突然アルゴールが現れ、2人を拳でなぎ払う。

 

「だから、僕には勝てないんだよ。名無し風情が歯向かうからだよ」

 

二人は壁に激突する。アルゴールはそこに追撃をかけるように拳を連続で振り下ろす。

 

「司さん、英太さん!!」

 

ジンが叫ぶ。

 

「もういいアルゴール。どうせ抗えないよ。元から僕らが勝つ運命だったんだ」

 

アルゴールはルイオスが言うと殴るのをやめ、ルイオスの近くまで舞い上がる。

 

「ま……てよ………」

 

司が片膝をついて立ち上がる。

 

「まだ………、まだ終わってねぇだろ……!」

 

今度は両腕に今までで最大の力で炎を纏う。

 

「俺は任されたんだ。必ず勝つとあいつらに誓ったんだ!!」

 

司は手を前に掲げ炎の球体を創り出す。

 

「(想像しろ……。あいつらを、ルイオスやアルゴールに匹敵するような武器(ギフト)を……!)」

 

徐々に球体の形が変わり、剣の形を成していく。

 

「(勝つために、約束を守るために、失わないために!!)」

 

炎はある神具の形を成した。

 

「あ、あれは、レーヴァテイン!?そんな、なんで司さんが!?」

 

「どんなものを持とうと変わりはない!やれ、アルゴール!」

 

アルゴールはルイオス命令に従い、司に突撃するが、

 

「遅い!!」

 

司はその突撃をかわし、レーヴァテインで切りつける。

 

「Gya………!?」

 

「まだまだいくよ!」

 

英太は追撃しようと詠唱する。

 

「"炎魔法"爆炎(イグナイト)!!」

 

アルゴールに直撃し壁まで吹き飛ぶ。

 

「英太、大丈夫か?」

 

「そっちこそ。じゃあ、一気に決めるよ司!」

 

英太は再度詠唱を始める。それを合図に司はルイオスへと走り出す。それを阻止するためにルイオスは炎の弓て矢をいくつか放つが、

 

「くらうかよ!」

 

その全てを切り落とす。

 

「ば、バカな!?アルゴール!」

 

自分を守るようにアルゴールに指示するが、

 

「詠唱完了。全員衝撃に備えて!」

 

英太が叫ぶ。途端、宮殿が揺れる。

 

"土魔法"(アーススペル)岩石弾(アースマシンガン)!」

 

突如、床から二つの岩塊が生まれる。それは空中に浮かび上がるや否や砕け、細かい欠片へと変わる。

 

「撃ち抜け!」

 

それをアルゴールへと撃ち、全弾命中する。

 

「Gya……!?」

 

「今だ、司!」

 

アルゴールが撃ち抜かれているのを見て呆然としているルイオスに飛びかかろうとする司だが、

 

「そこまで甘いわけないだろ!!」

 

ルイオスは再度矢を放ち司を射抜く。だが、司は止まらない。

 

「な……!?そんなバカな!?射抜いたはずだ、僕の放った矢はしっかり射抜いたはずなのになんで!?」

 

「関係ねーよ……」

 

司はルイオスの弓を切り、蹴ってルイオスを地面に落とす。

 

「こんな傷、皆が受けたものに比べれば些細なことだ」

 

剣をルイオスの顔の前に振り下ろす。

 

「さあ、どうする?俺には降参以外の手はないと思うけどな」

 

ルイオスは震え、アルゴールに命令する。

 

「………殺せ、殺せアルゴール!もう生きては帰さない!!ここで全員殺してやる!」

 

魔王の謳うような不協和音が鳴り響き、白亜の宮殿が変幻し魔宮と化し、外壁、柱を蛇蝎の如き姿に変え変えて二人に襲いかかる。

 

「司さん、英太さん!!」

 

「これは全て宮殿なんだよな?」

 

「だったら答えはひとつだね」

 

司と英太は千の蛇に飲み込まれる。その中心で叫ぶ。

 

「燃え盛れ、レーヴァテイン!!」

 

「"失われた魔法"太陽の焔!!」

 

司は宮殿の床を切り、英太は渾身の力で魔法をぶつける。宮殿はその一点を起点に崩れ落ちる。

 

「……馬鹿な……どういうことなんだ!?」

 

上空に飛び上がったルイオスは怒りとも恐怖ともいえる叫びを上げた。

 

「くそッ……!もういい、終わらせろ(・・・・・)、アルゴール」

 

石化のギフトを解放し、星霊・アルゴールは謳うような不協和音と共に、褐色の光を放つ。司と英太は並んで真正面からその光を捉えーーー

 

 

 

司は炎で、英太は氷魔法で氷を展開させ受け止める。

 

 

 

「ぐ……、はぁぁぁぁぁ!!」

 

「が、ああああぁぁぁぁ!」

 

全ての力を注ぎ受け止める。

 

「く、あははははははは!!そのまま押しつぶされろ!僕の勝ちだ!あははははははは!!!」

 

勝ちが確定したかのようにルイオスは笑う。だが、すぐに驚愕の声へと変わる。

 

「なぜだ、なぜ押し負けない!?どこにそんな力がーーー」

 

「知るかよ………」

 

司が呟く。

 

「負けないために、もう二度と失わないために!!」

 

「勝つために、仲間を救うために、ここまで来させてくれた仲間のために!!」

 

 

「「誓いを、約束を果たすために!!!」」

 

 

二人は最大限の力を込める。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

褐色の光は炎と氷に呑み込まれる。

 

「ば、馬鹿な!!?」

 

ルイオスが叫ぶ。司達は力を緩めることなく叫ぶ。

 

「「"響命"(クロススペル)氷炎の翼(ツイン・ウィング)!」」

 

白亜の宮殿の最奥を炎と氷が包む。赤と青の二つの竜巻(二つの翼)が発生し、アルゴールを呑み込む。

 

そして竜巻が消え、アルゴールは倒れ伏す。

 

「さあ、どうする?ルイオス=ペルセウス」

 

「来るなら来い。いくらでも相手をしてやるよ」

 

目に一つの意思を込め呟く。

 

『必ず勝ってこい!』

 

十六夜が司達に告げた言葉。この言葉だけを胸に秘めていた。

 

「君らが負けたら旗印をいただくよ」

 

「その次は名をもらうか」

 

「は、はぁ!?そんな話聞いてないぞ!どういうことだ!?」

 

「どうもこうもない。君に拒否権はない。なら答えは簡単だよね?」

 

「そうなりたくないなら全力で来いよ」

 

構える二人。ルイオスはアルゴールに叫ぶ。

 

「く、くそッ!起きろアルゴール!負けるか、負けてたまるか!」

 

ルイオスとアルゴールは司と英太に敗北覚悟で向かい走り出した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

ギフトゲームには勝利し、レティシアを取り戻すことに成功した。

 

"ノーネーム"本拠でレティシアの石化を解いた途端、司以外の四人は口を揃えて、

 

 

「「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」」

 

 

「え?」

 

「え?」

 

「……え?」

 

「お前ら頭大丈夫か?」

 

そう司が言うと耀は司を睨む。

 

「司は後でお話(お説教)しようね」

 

そう言いながら黒いオーラを纏いニッコリと微笑む耀。

 

「それできれば、したくないというか………」

 

「え、何?明日までずっとしたいの?」

 

「なんでもないです………」

 

黙って座る司。

 

「話を戻すけど、そんなこと言われる筋合いはないわよ?今回のゲームで活躍したのは私達だもの」

 

「うん、私石にされたし」

 

「つーか挑戦権持ってきたの俺だろ」

 

「ま、魔力が………」

 

「俺は矢で射抜かれたしな」

 

「「「「それは自己責任だろ(でしょ)」」」」

 

「声揃えて言うんじゃねーよ」

 

「というわけで所有権は俺たちで等分、3:3:2:1:1でどうだ?」

 

「あ、じゃあ俺は1でいいわ。人をこき使うとか嫌だし」

 

「何言っちゃってるんですかこの人達!?」

 

もはやツッコミが追いつかず、黒ウサギは混乱していた。

 

当事者であるレティシアは冷静に言う。

 

「んっ………ふ、む。そうだな。今回の件で、私はみんなに恩義を感じている。コミュニティに帰れたことに、この上なく感動している。だが親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同士にもそれを忘れてはならない。君達が家政婦をしろと言うなら、喜んでやろうじゃないか」

 

「レ、レティシア様!?」

 

黒ウサギは今までにないくらい焦っていた。だが、飛鳥は嬉々として服の用意を始めた。

 

「私、ずっと金髪の使用人に憧れていたのよ。これからよろしく、レティシア」

 

「よろしく………いや、主従なのだから『よろしくお願いします』のほうがいいかな?」

 

「使い勝手がいいのを使えばいいよ」

 

「そ、そうか。………いや、そうですか?んん、そうでございますか?」

 

「黒ウサギの真似はやめとけ」

 

ヤハハと笑う十六夜。意外と和んでいる五人を見て肩を落とす黒ウサギ。

 

「ドンマイ、黒ウサギ」

 

司は肩に手を置き、黒ウサギに同情するのだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

「それでは!新たな同士を迎えた"ノーネーム"の歓迎会を始めます!」

 

ワッと子供達から歓声が上がる。

 

「だけどどうして屋外で歓迎会なのかしら?」

 

「私も思った」

 

「黒ウサギなりの精一杯のサプライズってところじゃねえか?」

 

「おそらくそうだと思います」

 

「司、この子誰?」

 

「フィーナだ。というかしれっと会話に入ってくるのな」

 

だが飛鳥はため息をつき、

 

「無理しなくていいって言ったのに……馬鹿な子ね」

 

「そうだね」

 

苦笑をして話す二人。確かにここ"ノーネーム"の財政事情は厳しく、屋外で腹一杯飲み食いするというのは贅沢だと言える。

 

「それでは本日の大イベントが始まります!みなさん、箱庭の天幕に注目してください!」

 

そう言われて上を見上げると、数多の星が流星群となって降り注いでいる。コミュニティの全員が口々に歓声を上げる。

 

黒ウサギはその場の全員に言い聞かせるような口調で語る。

 

「この流星群を起こしたのは他でもありません。我々の新たな同士、異世界からの五人がこの流星群のきっかけを作ったのです」

 

「え?」

 

子供達の歓声の裏で、司達が驚きの声を上げる。黒ウサギは構わず話を続ける。

 

「箱庭の世界は天動説のように、全てのルールが此処、箱庭の都市を中心に回っております。先日、同士が倒した"ペルセウス"のコミュニティは、敗北の為に"サウザンドアイズ"を追放されたのです。そして彼らは、あの星々からも旗をおろすことになりました」

 

司達は驚愕する。

 

「ーーー……なっ……まさか、あの星空から星座をなくすというの………!?」

 

刹那、一際大きな光が星空を満たした。そこにあったはずのペルセウス座は、流星群と共に跡形もなく消滅した。

 

そんな中黒ウサギは進行を続ける。

 

「今夜の流星群は"サウザンドアイズ"から"ノーネーム"への、コミュニティ再出発に対する祝福も兼ねております。星に願いをかけるもよし、みんなで観賞するもよし、今日は一杯騒ぎましょう♪」

 

嬉々として杯を掲げる黒ウサギと子供達。だが五人はそれどころではなかった。

 

「星座の存在まで思うがままにするなんて……ではあの星々の彼方まで、その全てが、箱庭を盛り上げる為の舞台装置だというの?」

 

「そうだね。こんなシステムを作ったやつには、素直に感心するよ」

 

その絶大とも言える力を見上げ、四人は茫然とする。

 

だが十六夜だけは、流星群を見ながら感慨深くため息を吐いていた。

 

「………アルゴルの星が食変光星じゃないところまでは分かったんだかな。まさかこの星空全てが箱庭のためだけに作られているとは思わなかったぜ……」

 

星空を見上げ、先ほどまでペルセウス座が輝いていた場所を見る。

 

すると元気な声が十六夜を訪ねる。

 

「ふっふーん。驚きました?」

 

黒ウサギはピョンと跳んで十六夜の元へと来る。十六夜は両手を広げ頷く。

 

「やられた、とは思っている。おかげ様、いい個人的な目標もできた」

 

「おや?なんでこざいます?」

 

あそこに(・・・・)俺達の旗を飾る。………どうだ?面白そうだろ?」

 

今度は黒ウサギが絶句する。が、途端に弾けるような笑い声を上げた。

 

「それは………とてもロマンが御座います」

 

「だろ?」

 

「はい♪」

 

満面の笑みで答えるが、道のりは険しい。なぜなら彼らの生活はまだ始まったばかりなのだから。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

司は本拠の屋根へと登り、星空を見上げていた。

 

「何してるの?」

 

「ん?考え事」

 

耀が司の隣に座る。

 

「考え事って、何の?」

 

「俺の家族の事」

 

簡潔に答える司。それがきになった耀は問う。

 

「司の家族ってどんな人だったの?」

 

「今は義母しか居ないけどその人も優しいよ」

 

え?と耀は首をかしげる。

 

「血の繋がった家族は死んだ。まあ正確に言えば殺されたかな」

 

な!?と絶句する。突然言われたのだから驚くのも無理はない。

 

だが司は淡々と告げる。

 

「俺の住んでた地区にさテロリストみたいのが来てさ。それで俺を含む三人以外は皆殺し。刀だったり銃だったりそういった武器で殺されたんだ」

 

「……そうなんだ」

 

「俺が自分の身を捨ててまで守ろうとするのは、もう失いたくないからだよ。大切な物を守るために強くなるって決めたしな」

 

そう呟く司はどこか寂しげだった。

 

「なあ耀」

 

「……ん?何?」

 

「俺強くなれてるかなあ」

 

その質問に耀は自信を持って答える。

 

「うん。だから、これからも頑張ろう?」

 

「……ああ、そうだな!」

 

そう言い、二人は向かい合い笑いあった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

???side

 

「準備は進んでるの?」

 

「あ、うん。というかもう終わったよ」

 

どこかの空き地で準備を進める男女二人組。女性は赤い髪をポニーテールにしており、非常にラフな格好をしている。男性の方は紺色の髪であり、こちらもいたって普通な格好だった。

 

「さてと、じゃあこの世界ともお別れか……」

 

「だね。でも僕は心残りはないよ」

 

「そりゃ、私もないよ。でなきゃこんなことしない」

 

そうして二人は頷き、女性は呟く。

 

 

「待っててね司。今からそっちに行くから」




10000字いった………。((((;゚Д゚)))))))

司「それにしては時間かかり過ぎじゃない?」

スキー合宿あったんだから大目にみてください。それで今回のゲストは、

レティ「私だ」

レティシアさんです。

司「おう来たか」

なんですか?その残念そうな顔は?もしかして、

レティ「おそらく耀に来て欲しかったんだよ」

司「んな!?///ち、違う!!」

顔赤くしていっても説得力ないですねぇ。(・∀・)ニヤニヤ

司「くそっ、殴りたいあの笑顔!!」

レティ「ああそうだったな、二人は付き合ってるんだったな」(・∀・)ニヤニヤ

司「レティシアお前もか!!」

司君いじりもここまでにして、合宿疲れたぁ〜。

司「それほどでもないだろ?まあ、スキーはコケまくってたけどな」

レティ「それも二日目足を痛めるほどのこけ方をしたからな」

あれは痛かった。インストラクターさんがいてくれなきゃ僕雪だるまになるとこだった。

司「そうだな。さて思い出話はここまでにして、やっと終わったなペルセウス戦」

レティ「私も助け出してくれたしな。だが司と英太はあそこまで強いのだな」

司「いやいや、俺より英太の方が何倍も強いよ。俺も頑張らないとな」

そうそう前向きに考えましょう!それではそろそろ締めますか。

レティ「お気に入りしてくださった皆様方、誠にありがとうございました。これからも精一杯頑張らせていただきます」

司「お気に入り登録、誤字脱字の注意、評価、感想などもお待ちしております。では」


「「「今回も読んでいただきありがとうございました!!次回もお楽しみに」」」
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