問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
後二、三話で終わるかな。
そしてサブタイトルが思いつかなくなってきた……。
それでは本編をどうぞお楽しみください。
耀side
「司……」
さっき私たちがジンを本拠に運んで治療してたら司まで運び込まれてきた。今は私が司を看病している。いわゆる二人きりというやつ。でも運び込まれた時は本当にびっくりした。
「こんなことされたらまた心配するじゃん……」
心配する人のことも考えて欲しい。いつもいつも自分が傷つくことばかりして人を心配させるんだから。………主に私だけど。
「本当に、マスターを好きなんですね」
「ひゃあ!!?」
いきなり後ろから声が聞こえて驚く。
「そこまで驚かなくてもいいんじゃ……?」
「いきなり声かけないでよ!もうっ!」
「すみません……てなんで僕謝ってるんだ?」
そんなことは知らないよ。
「それで、クロウ…だったっけ?どうしたの?私が看病するって言ったのに」
「あなたに伝えたいことがあったんですよ」
「伝えたいこと?」
何だろうと思っているとクロウは口を開いた。
「マスターのことを頼みます」
「………え?」
「いつかマスターは暴走して、誰かを傷つけるかもしれません。だからその時は、貴女がマスターを止めてください。お願いします」
そんなこと言われなくてもわかってるよ。
「当然。その時は私が司を止める」
「お願いします。では、僕はこれで失礼します」
そう言ってクロウは部屋を出て行った。
バタンとドアの閉まる音がしてから司が寝てい るベッドに突っ伏した。
「……私が守るから。だから今はーーーー」
「よ、耀さん!!大変なことが!」
「黒ウサギ?どうしたの?」
荒々しくドアは開き、そこには急いで走ってきたのか、息切れしている黒ウサギがいた。
「黒月がまたここに戻ってきたんですよ!!」
「嘘?!帰ったんじゃないの?」
「それが『つまらないから戻ってきた』とか言ってるのですよ!皆さんが応戦してますが耀さんも早く来てください!」
そう言って黒ウサギは急いで部屋を出て行った。
「……待ってて、終わらせてくるから」
聞こえるはずがないのに私は司にそう言って部屋を出た。
耀side out
・・・・・・・・・・・・・・・・・
司side
ここはどこだ?
さっきいきなり目の前が真っ黒になったと思ったら、次は一面真っ白だぞ?
「訳わかんねえ……」
『おや?どうしたのかな?こんなところに人が来るなんて』
声がした方を見ると燕尾服をきた男がそこにいた。
知らないから困ってるんじゃないか。ここはどこなんだ?
『ここかい?ん〜そうだな〜……。ここは私が作った空間なんだけど……。あえて言うなら、試練の空間かな?』
試練の空間……?
『あえて言うならね。ここに来ること自体が稀なんだけど、まずは君の名前を聞こうかな?」
「神野司だ。あんたは?」
『神野……なるほど。だからここに……』
燕尾服の男は何かを考えていたが俺には全くわからない。
『いやごめんね。もしかしてさ、君の知り合い桜花という人はいるかな?』
「それ俺の母さんなんだけど……。なんであんたが知ってるの?」
『やっぱりか………』
何がやっぱりなんだ?さっぱり分からない。
『いやね、その子が君の前にここに来た子なんだよ。今までその子しか来てなかったけれど』
「へぇ〜そうなん………ってなんでお前は俺の心をしれっと読んでるんだよ?」
『ここに来た者は嘘がつけないようになってるのさ。だから君の心も読めるというわけ』
「もう常識を逸してるだろ……」
『ここでは常識は通用しないからね』
笑顔でそんなことを言う燕尾服の男。考えれば考えようとするほどわからなくなってくし、ああもうっ!!
「それで、あんたは誰なんだよ!?」
『ん?私かい?私はーーーっと時間だね』
「はぁ!?なんのだよ?」
『君の試練のためさ』
すると突然、男の後ろから巨大な扉が現れる。
『ここに入ると君の
ここに入るとギフトゲームが開始するのか……。
「なあ、一つだけ聞きたい」
『なんだい?』
「俺がそこに入って、もし試練をクリアすれば、強くなれるか?仲間を、みんなを守れるように強くなれるか?」
『………君次第、と言っておくよ』
……そうか。
「なら一つだけあんたに約束する。俺がまたここに来た時にあんたの名前を教えろ」
『ーーー検討しておこう』
微笑みを漏らす燕尾服の男に俺は宣言して扉の前に立つ。
すると目の前から突如契約書類が現れる。そこにはこう記されていた。
『ギフトゲーム名 "憑依者の意志"
・プレイヤー一覧 神野 司
・クリア条件 偽りの過去の打倒。
・敗北条件 降参か、または上記の勝利条件が満たせなくなった場合。
ルール
*プレイヤーは偽り以外に攻撃を加えた場合、敗北とみなしゲームの舞台から出られなくなる。
*偽りは見破られるまでは攻撃してはならない。
*舞台で起こる事件への干渉は不可とする。
*ギフトの使用は禁ずる。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、神野 司はゲームに参加することを誓います。
" "印』
読み終えると目の前の扉が音を立てながら開く。
「さてと、行きますか」
俺は絶対に勝つと心に決めて扉をくぐった。
司side out
・・・・・・・・・・・・・・・・・
一人しかいない空間で燕尾服の男は呟く。
「本当にこれで良かったのか?」
「良かったと思うよ?」
女性の声が聞こえる。だが燕尾服の男にとっては聞き覚えのある声だったらしい。
「本当に大丈夫なのだろうな?彼が苦戦するのは目に見えてると思うが?」
「大丈夫だよ。なんたって私のーーなんだもん」
「ふむ、それもそうか。悪かったな。だが、もし失敗したら君のせいだ」
「失敗しないよ」
「よくもまあそんなに自信満々に言えるな」
フッと微笑を浮かべる燕尾服の男。女性はそんな男に向かって言った。
「ねえ、彼を君が支えてくれないかな?もし彼が壊れそうになった時、君がなんとかしてくれない?私じゃ無理だからさ」
「……分かった、その時は任せてくれたまえ」
「良かった。それじゃあ行ってくるね
「ああ、行ってこい
そう言って女性は姿を消した。ふう、とため息をつき燕尾服の男は呟いた。
「さて、このゲームどうクリアする?神野司」
心底面白そうに笑いながらそう言った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
耀side
私が外に出た時にはもう戦闘は始まっていた。この場にいたのは英太、十六夜、クロウ、黒ウサギ、三月だった。浩也と白夜叉は治療中であり看病のため飛鳥がそこにいるはず。司とジンは未だに目覚めていないという状況だ。
「当たれ!」
「くくく、ハハハハハ!!当たるわけないだろ!」
黒月は英太の放った火球を難なく切り捨てた。
十六夜がその隙に背後に回って蹴ろうとするが、
「そんな速さじゃ俺には届かねえぜ?」
グルン!と首を後ろに向けて刀で斬り払う。
十六夜はとっさの判断でかわそうとしたが、刀は容赦なく十六夜の左腕を切り裂いた。
「ぐっ!!?」
「ヒャハハハ!どうしたどうした?そんなもんか?」
かわし損ねた結果、地面を転がる十六夜。黒月は十六夜にトドメを刺そうと倒れている十六夜のもとに歩いていく。
「これなら、"
英太はありったけの魔力を込めて魔法を放った。すると黒月の上空に大量の雷雲が生成される。
「落ちろ!」
その言葉に応じてものすごい勢いで大量の雷が黒月に直撃する。十六夜はクロウが守ってくれたらしい。
その雷は地面がえぐれるほどの威力でこれで黒月も死んだと思われたが、
「ヒャハハ!これぐらいで死ぬと思ってんのか?!」
「ガハッ!!??」
いつの間に移動したのか、黒月は英太を蹴り飛ばす。
「そ、そんな………!?皆さんがこんな……!」
「………許さない」
「二人とも下がってて」
戦慄する黒ウサギと激怒する私に三月は冷静に言った。
「………なんでそんなに落ち着いていられるの?皆んながやられてるんだよ?」
「私だって十分怒ってるよ」
三月の顔から表情が消える。
「お願いだから邪魔はしないでね?行くよ、クーフーリン」
「承知した」
「"半神半人の英雄"」
そう言った途端、三月の目が赤に染まる。そしてその手には真紅の槍が握られていた。
「………三月?」
「そ、それは……ゲイボルグ?!なぜ三月さんが?!」
「話は後!僕がこの戦いを終わらせる!」
三月は槍を構え、それを黒月に向ける。
「突き穿て!ゲイボルグ!」
それを音速で射出する。だが、
「甘い甘い!」
必中の槍と呼ばれているゲイボルグが黒月には当たらなかった。それだけでは終わらない。音速で迫ってきているはずの槍を刀一本で止めたのだ。
「嘘?!」
「ああ、メンドクセェなぁ!!」
黒月は三月をも傷つけようとする。それを私は黙って見ていられるはずもなく、
「はぁ!!」
「……!?」
黒月は突然のことで反応できなかったのか、耀の蹴りが命中する。
後ろに吹き飛ばされる黒月だがすぐに立て直す。
「まさか、俺が一発食らうなんてな。正直驚きだわ」
「そういえば、あなたと一緒にいた悪魔たちは?」
「あ?ああ、あいつらか。拘束を解いただけだが?」
拘束…?と思っていると黒月が言った。
「俺はあいつらに俺の命令を聞くように拘束してたんだよ。まあもうあいつらいらねえから拘束といてやったがな」
笑いながら言う黒月。私は考えもせずに気づいたら駆け出していた。
「おいおい、見てなかったのか?あいつらでも敵わなかった、でお前が俺に敵うわけねえだろうが!!」
黒月は容赦なく私の腹部を殴る。肺の中の空気が全部抜けた気がした。
「春日部さん!!」
倒れていた英太、十六夜を安全なところに移動していたクロウが帰ってきた。
「くく、どうだ?俺の蹴りは?」
痛い…と正直に答えようか迷っている場合じゃない。ヤバい、全身に力が入らない。
「ああ、それといいこと教えてやるよ。お前、あのガキはもう見捨てたほうがいいぜ?」
「………?あ…のガキ……?」
「神野司って奴だよ」
なんでこいつはこんなことを言うのだろうか?
「まさか気づいてなかったのか?くくく、とんだお気楽者だなぁおい!ヒャハハハハハ!!」
「な…にが…面白い……?」
「あいつはお前らを見捨てる気でいるんだよ」
「え……?」
「お前らはあいつが強くなるための道具としか思われてないって言ったんだよ」
「………!」
そんなことあるはずがない!司はそんな人じゃ……。
「あいつは妙に強くなることに固執してなかったか?」
「………あ」
そういえば、前に言ってた。『強くなりたい』って。まさか………。
「ようやく気づいたか。お前らはまんまと利用されたんだよ。第一、あいつはお前らのことを一度でも頼ったことはあったか?」
………ほとんどない。それでも………。
「分かんねえ奴だな!あいつの中ではお前らはただの道具なんだよ!」
途端、私の中で何かが崩れ落ちた。
「その表情を待ってたんだよ!ヒャハハハ!」
嘘だよ……そんなの嘘だよ………!
「苦しいか?辛いか?泣きたいか?……ヒャハハハハハハハハハハ!!」
そんなの、そんなの嫌だよ………!
「安心しろよ。もう苦しまなくていいようにしてやるから」
黒月は刀を上にあげ、その先を私に向けた。
それを見た私の頭の中はいろいろなことが浮かんでは消えていった。
嫌だ、嘘だ、死にたくない。こんなことだけで頭の中がいっぱいになる。
だが、一瞬だけ私は心の中で助けを求めた。私が愛した人に。
助けて……司………。
刀は私を貫こうと迫ってくる。
だけど、それが私に当たることはなかった。
キイン!という金属音と共に刀がはじかれる。
私の目の前には、目を覚ましていないはずの最愛の人がいた。黒月が言っていたような人ではない、優しい彼が。
「すまない。待たせた」
はい、あとがきのコーナーです。
司「俺復活のお知らせ」
早かったですね。まあ、次回はあなたのギフトゲームのこと書くんですけどね。
司「だろうな。じゃないと意味わかんねえな」
そうだよね。
司「それにしても今回は本当に中途半端なところで終わったな。ギフトゲームの内容書いてすらいないのに」
い、いや、そうやったほうが僕的にはいいと思いましてね?!今回のはうまくかけてるかどうか本当にわかんないし……。それにもうそろそろ特別編も終わっちゃいますしね。
司「ちなみに終わったら原作通りに進めるのか?」
そのつもりではいます。でも、この頃書く時間が取れない……。
司「宿題もしてないのにか?」
ちゃんとしてますよ失礼な!!ただ、寝落ちする回数が多くてですね……。
司「よおし、そこに立て馬鹿主!その眠気で満ちた脳に恐怖を刻みつけて寝れなくしてやる!」
止めて!過労死しちゃう!!
司「とりあえず締めるぞ。刻み付けるのはその後だ!」
ぐぅ………。お気に入り登録していただいた皆様、誠にありがとうございました!
司「感想、評価、誤字脱字などの注意なども気軽に頼むぜ。それでは」
『読んでいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!』
P.S. この後ものすごく斬られました。