問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
そして今回特別編の最終回です。
それではお楽しみください!
司side
「んな!?テメェ……一体どこから……!」
俺はその言葉を聞かずに剣を振るう。だが、運が良かったのか、もしくは俺の行動を読んでいたのか知らないが黒月は難なく避ける。
「人の話ぐらいは聞こうか糞ガキ」
「黙れ外道。お前の話なんて聞く必要はない」
そう言って俺は剣を構える。ふと俺は疑問に思った。
「そういやあの悪魔たちは?」
「ああ、あいつらにかけてた拘束を解いてやったらどっかに行っちまってなあ。それからは知らん」
笑わずに黒月は言う。
仲間になっていたのをわざわざ裏切らせるようなことをするか普通?
「まあ、そんなことはどうでもいいんだよ。どっから出てきたんだよテメェ。見ればお前を纏う雰囲気も変わってやがる」
さすがと言うべきか、こいつは俺の変化に気づいていた。まあ分かりやすいからなあこれ。
「司さん!どうしたのですかその髪と目は!」
「髪が白くなってて、目が赤に……。どういうことなの司……?」
「「憑依者のギフト」」
俺と三月の言葉が重なる。俺より理解してるのか三月が説明し始めた。
「私たちには同系のギフトがあるの。それが"属性憑依"。いわゆる憑依系統のギフトだよ。憑依系統のギフト保持者は揃って同じギフトを持つの。それが"憑依者"。自らが従える者の力を統率し、行使するギフト」
「簡単に言うとそんなところだ。言いすぎるとそこのクズが何しでかすかわからないから今はこれぐらいしか言えねえけど」
「……なるほどな。これで合点がいったわ」
黒月は何かに納得したかのように頷いていた。
「はあ?何がだよ?」
「テメェらとあの村のやつらとの関係だよ。テメェは氷河と桜花の息子だったわけだ」
「!?なんで父さんたちの名前を……!?」
「な、なぜ氷河さんたちを知っているのですか!?」
え?今黒ウサギなんて言った?
「おい黒ウサギ、なんでーーーーー」
「おしゃべりはここまでだ。ここからは
そう言って黒月は俺たちのもとに走ってくる。
「チッ!やらせるかよ!"炎剣:蜃炎閃"!!」
こちらも迎え撃つ。黒月の剣は弾かれ、蜃気楼で不可視にした剣で斬ろうとするが、
「甘いんだよクソガキ!!」
「んな!?」
それは全て弾かれる。
「嘘だろ!?見えていないはずなのに……」
「予想がつきやすいんだよクソが!!」
「ガァ!!?」
大技を最初から使ったことで隙のできた俺を黒月は容赦なく斬る。かわそうとするが躱しきれず少しだけ斬られる。
「運がいいなぁ。本当なら真っ二つだぜ?」
「……本当になんなんだよテメェは」
「言わなかったか?俺は魔王だってなあ」
「……ケッ!言ってないくせによく言うぜ」
「そうか。なら仕方がねえ。身をもって体験してもらわねえとな!」
黒月がそう言うと俺の目の前に黒い契約書類が現れる。
そこにはこう記されていた。
『ギフトゲーム名 "絶望と希望"
・プレイヤー一覧 憑依者
希望の意志を継ぐ者
・ゲームマスター 絶望
・プレイヤー側勝利条件 絶望の殺害
・ホストマスター側勝利条件 憑依者または希望の意志を継ぐ者の殺害
・プレイヤーまたはホストマスター側の敗北条件 死亡するまたは勝利条件を満たせなくなる
・中断条件 命を捧げる
宣誓 上記を尊重し、ギフトゲームを行います
"絶望の魔王"印』
「くく、さあお前はどうする?」
不気味に笑い、黒月は俺に尋ねた。
「なんだよ……これ………?」
「これはお前と俺のギフトゲームだ。他の誰にも邪魔はできねえ」
「違う!俺が言いたいのは
「ああ、それか。このゲームを中断するための条件さ。以前に一人だけこれをやっ他奴がいたなあ。あれは傑作だったなあ!」
「……………」
その人物は誰だか分かった気がした。というか分からないはずがない。それが、その人物が自分の身内なのだから。
「ああ、そうだったなぁ!あれはお前の父親だったなあ!!傑作だよ本当!!」
父さんはこいつに負けたんじゃない。俺たちがこのゲームに巻き込まれていて、それを阻止するためにやったんだ。なら、俺のやることは………。
「父さん、俺が終わらせるから。だから」
もう安心して休んでいいよ。そう心の中で言い、俺は剣を構えそれを横薙ぎし、炎を纏わせて衝撃波を放つ。
「あ?なんだよ、お前は自分から死なねえのかよ。なら
俺がその希望もろとも絶望の淵に落としてやるよ!!」
黒月はいとも容易くそれを切り裂く。
瞬間、黒月の体が消える。
「……!?」
「後ろだよ!!」
とっさの判断で紙一重でかわす。
「ヒャハハ!やっとギフトが使える。これでテメェらは逃げることなんてできねえよ!」
また姿を消す黒月。
「くそ、またかよ!」
俺は剣を地面に突き刺し叫ぶ。
「"炎剣:爆炎陣"!」
地面に半径五メートルの魔法陣が現れる。そして、爆発。
「グア!?」
黒月の苦痛に耐える声が聞こえた。俺はそれを頼りにそこへ向かい、
「"業火よ、我が身を焦がし今その力を解放せよ"」
そう唱える。途端、剣を握っている右手と剣が業火を纏う。
俺はまた唱える。
「"氷よ、全てを止めよ『
刹那、その場にいたノーネームのメンバー以外が完全に例外なく凍る。
「"炎よ、全てを焦がし、燃やし尽くせ『
凍った空間が灼熱の炎で包まれる。
「す、すごいのですよ……」
「司ってここまで使えたの………?」
後ろから黒ウサギと三月の驚きの声が聞こえた。
『まだだよ相棒!』
「この糞ガキィ!!」
「くそッ!まるで効いてねえじゃねえか!」
灼熱の炎の中から突撃してきたのは無傷の黒月だった。ダメージを全く受けていないかのように刀を振るう。俺は少し反応が遅れたため、かわさず剣で受けた。
ガキィン!という音が響く。
強い、さっきより力が格段に上がってる!?
「ガキ、怒らす相手を間違えたな」
「!!?」
途端、手応えが消える。
目線を上げると黒月は飛び上がり獰猛な笑みを浮かべていた。
「死ねや」
そう言って刀を振り下ろーーー
「"
聞き覚えのある声が響き空中にいる黒月を黒い何かが捉える。
「遅いぜ……」
「お待たせいたしましたマイマスター」
クロウが深々と頭を下げて俺に言った。
「テメェか、こんなものぐらい俺にかかれば、こうなるんだよ!」
クロウが出した影は簡単に斬られ、黒月は拘束から外れる。
「クロウ、援護頼む」
「分かりました」
俺はそれを聞くと黒月に剣を向けて突く。黒月は身をひるがえし避けるが、
「甘い!」
「……!」
横を通り抜けると同時に体をひねり黒月を斬る。だが速度が速度だったため、決定打にはならずかすり傷程度のダメージしか与えられなかった。
「効くと思ってんのかぁ?」
「なんなんだよお前!さっきから攻撃してるのにかすり傷一つも付きやしねえし、斬ったとしても表情は変えないし、なんなんだよ一体!?」
「くくく、さあなんだろうな!」
黒月は俺らに向かい刀を投擲する。
「そんな攻撃がーーー」
「避けてくださいマスター!」
クロウの叫ぶ声が聞こえる。俺はもう刀を斬り落とそうとしていたが、
「ちゃんと言うこと聞かなきゃダメだゼェ?糞ガキ」
「!?」
目の前に突然黒月が現れ、自らが投擲した刀を取り俺を斬りつけようとする。
「"守りの影"」
クロウはこの事態を予想していたのか、俺と黒月の間に入り影を前方に展開する。
斬撃はその影に阻まれて俺に当たることはなかった。
「クロウすまない」
「冷静になってください。そうじゃなきゃ、いつか大切なものを見失いますよ?」
「……分かってる」
油断していた自分に心の中で喝を入れる。
「僕が仕掛けます。その隙に頼みます」
「分かった」
クロウは自分の足元から影を化現しそれを黒月の元へと伸ばす。先を剣のように鋭くした影を。
「効くかよ!!」
それを全て弾くがクロウは追撃し続ける。
「今です!」
「"焔剣:紅蓮"!」
クロウに注意がいっているうちに俺は背後に回り、大技を仕掛ける。
赤い光を纏う剣は黒月の背中を捉える。が、
「んな?!」
それは黒月の体には届かず一定の空間を開けて剣が止まる。
「な…んで…斬れねえんだよ……!?」
「どれだけ力を入れようが無駄だ。お前じゃ届きはしねえよ糞ガキ」
気味の悪い笑みを浮かべる黒月。途端、黒い空気が黒月から溢れ出る。
それは俺を包み、飲み込んだ。
視界が黒く染まり、周りの状況が分からなくなる。
「なんだよこれ!」
周りを斬るがただ空を切るだけで何もない。
「なんだよ、これ…」
黒く閉ざされた空間は俺一人だけで他の誰もいなかった。
「この空間、黒月が作ったものなのか?………くそ、どうしろってんだよ……」
少しずつ心の中が黒く染まっていくのが分かる。侵食されていっている、あいつが発する絶望に。
「希望の殺害ってこういうことかよ……。なんだよ……それ………」
希望を絶望に変える。それがホストマスターのクリア条件らしい。
痛くもない、苦しくもない。ただ自分が絶望に堕ちるのをじっと待っているだけだった。体が麻痺するかのように動かなくなっていく。
「動けよ……」
さっきまでは動いた手足などが全て動かなくなる。
「動けよ!!」
必死に力を込めるが一向に動く気配がない。
「動いて…くれ……。もう、失いたくないんだよ………」
脳裏にある光景が浮かんだ。コミュニティの全員が殺されてしまうという光景が。
「い…やだ……」
徐々に侵食していた絶望は俺の全てを染め上げようとしていた。意識が遠のき、全身の感覚が消える。
これで終わりなのかよ………。
そう思った時、かすかだが声が聞こえた。
『君の力はこんなものなのか?』
違う。
『なら君はここで諦めるのか?』
そんな訳ないだろ。
『友を、仲間を見捨てるか?』
そんなことするなら俺は自殺してる。
『ならばなぜ諦める?なぜ見捨てようとする?』
仕方ないだろ?抗えないんだよ、俺の力じゃ……。
『なんのために強くなる?何を求め精進する?』
そんなの、仲間を、友達を守ることだけだ。
『無理を承知で言うぞ。ならば、立ち上がれ』
無理だろ……?俺はもう動けないんだよ。
『ならばそれを乗り越えるほどの力を行使しろ』
それを……乗り越える……?
『絶望に染まらないほどの希望を君は持っているんだ。それを行使しろ。以前君の父親がやっていたように』
父さん…が……?
『彼は幾度となく染まりかけた。だが全て振り払い、このゲームのクリアを他の誰かに任せて死んだのだ』
……………。
『そう、自らが持つ希望を引き継ぐ者にな。それがお前なのだ』
俺が………。
『君のギフト"属性憑依"父親と母親から引継いだものなのだ。君にはそれだけの力がある』
それを使えば…守れるか?あいつに、黒月に勝てるか?
『ああ。必ずだ。だから、
目覚めよ少年』
俺の意識は突然覚醒し、蝕んでいた空気が、絶望が消える。一気にからだが軽くなった。
『任せたぞ、少年』
そう言って言葉は途切れた。俺は黒い世界に浮いている。何もせずただ浮いているだけ。
「レーヴァテイン出てこい」
「はいはーい!」
目の前に炎が現れ、弾ける。そこから出てきたのは身長130cmぐらいの女の子だった。
「この世界をぶっ壊すぞ」
「了解!でもマスターはどうするの?今何も憑依してないでしょ?」
「いや大丈夫だ。やるぞ」
「わかったよ〜」
俺はそのあとこう言った。
「"
司side out
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「グッ!!」
「おいおい、さっきの威勢はどうしたんだヨォ!!」
司が黒い空気に飲み込まれてからは黒月の一方的な戦闘だった。
連携をとることも、満足に攻撃することもできない。クロウはこの状況では到底勝つのは不可能だと思っていた。
「マスターを、返せ!!」
影を化現し射出するが、
「その程度じゃ効かねえなぁ」
司が攻撃して届かなかったように一定空間を開けて影が止まった。
「なんなんだよ、アレは!」
「知りたいか?まあこれが俺のギフト"絶望"だ。他人の絶望という感情が俺の味方だ。それを化現し他の人物を飲み込むことで絶望に堕とす事もできれば、肉体強化またこういう風に攻撃だって防ぐことも可能なんだよ」
「ならマスターは!?」
「今頃染まってるだろうな。ヒャハハ!このゲームは俺の勝ちだ!残念だったなぁ〜、親の仇も打てずに終わる。これほどの絶望はねえよ!ヒャハハハハハ!!」
「マスター…………!」
だがすぐに黒月の様子が変わる。
「あ…?なんだこれ?なんであいつを絶望にできない?なぜあいつは染まらない?なぜだ!?」
「そんなの簡単だろ。まだ終わってねえからだよ」
ドスッという音がした。黒月の体を貫いたのだ。
「!?マスター……!?」
「少し力借りてるぞクロウ」
声の主は司だった。なぜか髪は白く、目は赤くなっているが。
クロウはさっき、なぜか全力が出せなかった。
「(その理由がわからなかったが今はどうでもいい。マスターが無事なんだから)」
そう思い、司に言った。
「あとは、任せましたマスター」
クロウは自分を救ってくれた
・・・・・・・・・・・・・・・・・
司side
俺はクロウがやっていたように足元から影を化現し射出した。それは見事に黒月の腹部を捉え貫く。
「な……!?どういう……ガハッ!?」
吐血する黒月。比較的失うとまずい臓器を狙って放ったためダメージが大きかったようだ。
「テメェ…………!」
「そろそろ終わらせようぜ
「つけあがるなよガキ!」
黒月は刀を振るが、
「遅いんだよ!」
影でそれを弾き、黒月に撃ち込む。
「ガ……!?」
全て当たらなかったが着実にダメージは与えているはずだ。
「死ねぇ!糞ガキィ!!」
すぐに体制を直した黒月は刀を俺に向け突き刺そうとするが、
「"守りの影"」
それは展開した影によって防がれる。
俺は黒月が疲れ果てるまでその攻防を続けた。俺が攻撃しては黒月の攻撃を防ぐ。そうしていると、流石の黒月の体力でも持たなかったらしい。息が切れて片膝をついていた。
「どうする?このまま続けるか?」
「……どうなるか分かってるくせによく言うなガキ。もういい、次で終わらせる」
途端、黒月の体から負のオーラが溢れる。
絶望の化身というにふさわしいと俺は思った。
「レーヴァ!」
『了解。神格解放、フルスロットル!』
レーヴァテインがさっきよりも赤く輝く。
「もう死ねやガキ」
見たこともないスピードで迫ってくる黒月。
「"絆剣:
それは母さんが使っていたもの。レーヴァテインは赤から白に色が変わり輝き始める。だけどまだ足りない。これじゃあまた止められる……。
「"炎よ、己が身を焦がし、我が力で汝を穿て"!」
右腕を炎が包む。
俺は今出せる全力を黒月にぶつけた。
ガキィン!という音とともに衝撃波が出る。それほどの突進だったということだと思う。
でも、
「死ねえェェェェェェェェェ!!」
狂気で満ちた黒月の目にはもう人という概念は残っていないかのように思えた。
「(容赦なんていらない……。みんなのためにも、ここまで頑張ってくれたあいつらのためにも……)」
「ハァァァァァァァァァァァ!!」
衝撃波は地面をえぐり、周囲の砂を舞い上がらせた。
強い。今まで俺の全力をぶつけてきたが今が一番強い。気を抜けば押し切られると思えるぐらいに。
「届け……届けぇぇぇぇぇぇ!!」
今を持てる全ての力をレーヴァテインに注ぎ込む。すると黒月の持つ刀に罅が入る。
「ガァ!!?」
そして金属音とともに黒月の声が響いた。刀は折れ、レーヴァテインはと黒月の心臓部分を突き刺し、貫いていた。
「な……!?馬鹿な、俺が………」
「終わりだ黒月。お前の人生も、お前の殺しもな」
黒月の体が光で包まれる。足元から徐々に崩れていく。
「クソが……テメェ……覚えてろよ……。いつか、その希望をーーーー」
言い終わる前に黒月は消滅した。光の粒子となって。
「…………終わったよみんな」
俺はどこにもいない、もう生きてすらいないあの頃のみんなにそう言った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
目がさめると、見覚えのある天井だった。おそらく俺の部屋のベッドの上だろう。起き上がろうとすると、
「……ッ!!」
体全体が軋んだ。多分、
「力出しすぎたかな?」
まあこれぐらいなら……。
と思って横を見ると、耀がいた。俯いていた。
「………ッ!?」
ヤバい怒られると思っていた俺は身構える。だが予想に反して耀はこう言った。
「ありがとう司」
「……………………………………へ?」
ダメだ理解できない。こういった場合は大体怒られてたはずなのに。
「あの時、助けてくれて」
あの時………、そういうことか。
「当然のことをしたまでだよ」
「でもすごいよ。倒れてたのに助けてくれるなんて……」
何だろう、耀様子がさっきから変だと思うんだけど……気のせいかな?
「私にはもったいないよ」
「は?」
「私さ、黒月の言ってたことちょっとだけ信じちゃったんだ。司が私達のことを仲間と認識していないとか、私を本当は好きじゃないとか」
「………………」
「助けられて思った。私弱いんだ。ずっと司の横に居られるかわからない。いつ死ぬかわからないし、司が私を捨てるのかもしれない」
「……………」
なんでそんなこと言うかなこの子は?
「だから私はんむッ!!?」
俺はそんなことを言っていた耀の口を塞いだ。もちろん俺の口で。
耀は最初は抵抗したが、俺が肩に手を置き逃れられないようにしているためどうにもできない。耀は少しするとだんだんとそれを受け入れていた。
唇を離して耀の顔を見ると、真っ赤だった。多分俺もだけど。
「これが俺の気持ちだ」
「え…………?」
「俺はお前が隣にいなきゃダメなんだよ。じゃなきゃいつか本当に死んじまう」
「……………でも」
もどかしく思い俺の気持ちをストレートに言う。
「俺はお前が、春日部耀が好きなんだよ!文句あるか!」
「………!!」
耀を見ると目に涙がたまって今にも泣き出しそうだった。
「ったく、俺は自分から捨てたりすることはねえよ。絶対だ」
耀の頭を優しく撫でて落ち着かせる。
「だから、お前が弱いっていうんだったら俺が守ってやるよ。どこにいても必ず」
「………うん」
耀は笑顔で頷いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらくして食事を取ろうということになり現在食事中である。
久々にまともなものを食べた気がするのは気のせいではないはずだ、多分。
「よお、朝から熱いことで」
十六夜が茶化してくる。そんなはずはない。ただ耀が食べさせてと言ったからやってるだけであって、
「はたから見たらイチャイチャしてるカップルにしか見えないって」
三月にそんなことを言われるなんて俺も末期?
「私に言われる=末期ていう方程式作るのやめてくれない!?」
いつものことだ気にすんな。
「司、さっきから心の中で言ってると思ってるけど、全部声に出してるよ?」
マジ?
「マジ」
「まあ別にいいか。はい耀」
「はむ。……うん美味しい」
「まったくそういうのは子供たちに影響するのでやめてくださいと言っているでしょう?!というか前よりひどくなってませんか!?」
「「別にいいでしょ。気にしない気にしない」」
「気になるんですよこのお馬鹿様方!!」
スパーンッ!とハリセンの音が響く。この頃威力が上がってきたと思うんだけど?
「それでどうしたんだ?正直言って朝飯食うには遅すぎると思うんだけど?」
「司君が言うセリフではないわねそれ」
ごもっともですお嬢様。
「ん〜なんというかね〜。司の所持してるギフトが気になってね」
「俺の?」
「そう司の」
訳わからんぞ。
「だって異様に強すぎじゃん。俺らが傷一つつけられなかった相手を一人で倒したんだよ?そりゃきになるわ」
デスヨネー。ていうかそんなギフトあったっけ………いやあったな。
「ならこれ見たら済む話じゃねえの?」
そう言って俺はギフトカードを投げて渡す。
「お前なぁ、高価なものなんだか…ら……ってなんだこれ?」
「ん?何が?」
「黒ウサギ、これどう思う?」
「何でしょうか?……!?これは……!?」
なんか反応おかしくね!?
「お、おい!何があったんだよ!?」
「司さん、この"血塗られた過去"というのに聞き覚えは?」
「ないよ」
「そう、ですか……」
だからなんなの!?
「まあそれはいいとして、この憑依者ってのは私も持ってるよ」
「それは知ってた。っと忘れてた」
俺はギフトカードからレーヴァテインを取り出した。いつもの感じが違う。
感触は柔らかく以前より細い気がするが………って
「は?」
「痛いよ」
そう言ったのはここの年長組とそう変わらない年齢ぐらいの少女だった。
しかしその声には聞き覚えがあり、
「お前、レーヴァテインか!?」
「その通り!呼ばれたから出てきちゃった♪」
「出てきちゃった♪じゃねえよ!まったく………」
心臓に悪いわ馬鹿野郎。
「ということで皆さん、今後ともよろしくお願いしまーす!」
ノーネームに元気な仲間が加わりました。本当に大丈夫かこの
その後は十六夜と英太によるレーヴァテイン弄り大会(笑)が開催されコミュニティの本拠に笑い声が響いていた。
こうして戦いは幕を閉じた。
さああとがきのコーナーですよ!
「「「「「「…………」」」」」」
え?なんですかこの空気?
英太「だって……ねぇ……?」
司「悲しいな………」
三月「本当にね……」
え?!本当になんなんですーーーっては?なんですかこれ?
十六夜「【問題児と高校生が異世界から来るそうですよ?】完結!だけど?」
耀「だって今回最終回でしょ?」
飛鳥「本当に悲しいわね」
ストォーーーップ!!勘違いですそれ!!
「「「「「「は?」」」」」」
今回は特別編の最終回なだけであって作品はまだ続きますよ!?
「「「「「「つまり?」」」」」」
あなた方の盛大な勘違いですはい。
「「「「「「なんだそうだったのか!ハハハハハハハハ!」」」」」」
アハハハ!
司「三月、そいつを縛れ」
三月「了解〜」
へ?!なんですかこれ?!
英太「まあ仕方ないよな」
十六夜「気にすんなよ。世界からゴミが一つ消えるだけだ」
え?!なんですかこれ?!ほ、解いて!
飛鳥「仕方ないわね」
なんでですか!?というかなにするつもりですか!?
耀「私たちを勘違いさせた罪は重いよ?」
へ?!いや訳わかんないですって!
司「じゃあ、更新が遅れた罰だな」
うぐっそれを言われると………。
三月「それでは!」
「「「「「「
イヤァァァァァァァァァァァ!!
クロウ「連れて行かれた主の代わりにいうと、この作品はまだまだ続きます。上のはマスターたちが勘違いしただけの嘘ですから」
黒ウサギ「なので、これからもこの作品をよろしくお願いしますなのです!!」
レティシア「それと感想、評価、誤字脱字などの指摘も待っているぞ」
レーヴァ「次回も楽しみにしててね!」
フィーナ「あと、次回から火龍誕生祭の内容に入っていきます」