問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
執筆時間がちょっと少なくなりつつありますけど、多分問題ないと思います(睡眠時間削れば)。
それでは、本編をお楽しみください!
注意:今回上手くかけてるかどうか本当に分かりません。ご了承ください。
司side
意識を失ってどれぐらい経っただろうか。……分からない、というか自分がどこでいるのかさえ分からない。
「………か…………かさ……!!」
誰かが大声で叫んでいるのが聞こえる。俺は意識が戻ったので目を開けると、
「…………………………………は?」
そこは完全無欠に
「何素っ頓狂な声上げてんだお前は」
声がした方向を見るとそこにはあの時死んだはずの、鋭い目つきで金髪の
「…………………………………は?」
「どした?寝ぼけてんのか?」
俺は夢でも見てるのだろうか?死んだはずの人間がいるなんて……………夢だなこれは。
「何悟ったような目して空見上げてんだよ?」
「…………知るか」
「お前が知らなきゃ俺らも知らねえよ。ほら行くぞ」
改めて思う。ここはどこだ?それと、
「どこに?」
全然状況が読めない。ていうか訳わかんなくて頭がパンクしそうなんだけど。
「どこってお前………。ボケるのも大概にしろ。
そう言って悠斗は走っていく。高校だと?箱庭は?じゃあ今いるのはどこなんだ?ますます訳がわからなくなっていくぞコラ……。
『再度言っとく。お目覚めはどうだ?』
「ここはどこだ?」
『俺の発言はスルーかよ。まあいい。お前にはこのギフトゲームを受けてもらう』
ピロン、と機械的な音が鳴り響く。おそらく携帯からだろう。確認するとメールが届いており、そこにはこう記されてあった。
『ギフトゲーム名 全てを終わらす希望
・プレイヤー資格 希望の意志を継ぐ者
・勝利条件 間違った過去をその手で終わらせよ。
・敗北条件 偽りを受け入れる。
・ゲームルール このゲームは勝利するか敗北するかのどちらかになるまで続き、期限は無制限である。
宣誓、上記を尊重し、誇りと御旗の下、ギフトゲームを開催します。
"
『それがお前に与えられた試練だ。まあ頑張れよ』
そう言って声は消えた。
俺はその文面を見ながら呟く。
「間違った過去ってなんなんだよ一体……?」
そこでまたピロン、と機械的な音が鳴る。メールボックスを開き、文面を見ると、
『From 風間悠斗
To 神野司
本文
時間にご注目!』
「んあ?時間?」
ケータイの時計が示す時刻は八時二十五分。学校開始が三十五分。残り、あと十分。
「ヤバッ!遅刻する!?」
俺はギフトゲームのことも忘れて走り出した。ゲームスタート直後からお叱りなど食らいたくない。そうして学校に着いた時にはチャイムが鳴り終わったあとだった。………初っ端からお叱りを受けるとか最悪にもほどがあるだろう……。
司side out
・・・・・・・・・・・・・・・・・
英太side
『解読不可禁書目録』を使ってから数十分。戦況は全くと言っていいほど変わらなかった。
てか、最終手段使ってでも押されるのかよ…………。
「ハァ…ハァ……」
「『どうしタ?もうオワりか?』」
「はっ!誰が終わりって言ったよクソッタレ!」
足に力を入れるがうまく入らない。というより今は立っているだけでキツかった。限界、そろそろだと思っていたし予想よりはもったのだが、
みんなが来るまでは、もしくは司が正気に戻るまでは………!
俺としても譲れないところがあった。 このまま倒れるのはあの約束に反する。
「カッ!まだ戦えるはずだ………。まだいける……!」
俺は杖を構え直す。
「『こリナいやつダナ。さっサトアキラメればいいものを』」
「簡単に諦められないから今立ってるんだろうが!諦められたらもう倒れてるよクソ!」
あいつらが、司を助けに来るあいつらが来るまでは耐えるしかねえ。
そう思いながら、俺は再度詠唱を始めた。
英太side out
・・・・・・・・・・・・・・・・・
司side
「サッパリわかんねえ……」
俺は教室の自分の机に突っ伏してケータイの画面を見ていた。そこに一人の少女がやってくる。
「どうしたのです?」
「んあ?」
そこには首を傾げていた腰ぐらいまである亜麻色の髪が特徴的な
「ああ、ちょっと考え事をな……」
「何をです?」
「これだよ」
俺は柚葉にケータイを手渡し、画面を見せるが、
「…………?どれです?」
「いやその画面のはずなんだけど?」
「えーと、これは
なんだって………?いやそんなはずは………。
柚葉はおもむろに自分のケータイを取り出し俺のケータイの画面の写真を撮る。
「ほら、何もありませんよ?」
そこに写っていたのは俺のケータイ、そして、
「司君がボケる方になるなんて珍しいですね。でも、そんなことで人を騙しちゃいけませんよ」
そう言ってニコリと笑って柚葉は自分の他の友達のもとに向かった。それにしてもだ、
一体どういうことだ?俺以外にはこの本文は見れないということなのか?てかなんなんだよ、この勝利条件。『間違った過去をこの手で終わらせよ』ってどいうことだよ?あー、訳わかんねえ。間違ったって、俺がいた世界と違うのは死んだはずの人間が生きてるってことだ……け…………?
「ちょっと待て。誰かを忘れてるような………?」
あの村の住民………あ!
三月だ。あいつだけ今のところ見ていない。でも、何でだ?
「どした?難しい顔して。考え事か?」
悠斗が尋ねてくる。こいつなら知ってるかもしれないな。
「なあ、お前東雲三月ってやつ知ってるか?」
「あ?どうしたよ藪から棒に?」
「いいから答えてくれ」
「と言われてもな……お前も知ってるはずなんだけど、てか忘れたのか?」
「いやそういうわけでは………」
「まあ、あの時のお前結構ヤバかったから覚えてないのも無理はないか」
何を言ってるんだこいつは?
「三月は
…………………は?
「あの時お前は動揺してたからな。覚えていないのも無理はねえな。悩み事はそれか?」
「…………ああ」
「なら俺ちょっと職員室行ってくるわ。用事を思い出した」
動揺してるのを隠して行ってらっしゃい、と言って手をひらひらと振る。
少し整理しよう。
この世界には俺たちが元いた世界とは違って黒月が来ておらず、なおかつ村の住民は一人を除き、全員生存している。
その一人、生きていたはずの三月は事故に遭って死んだという。
この
極め付けには俺の親友であるはずの英太とは出会っていなかった。
「とりあえず、元の世界との相違点はこんなもんか………」
そして、この勝利条件と敗北条件。間違った過去と偽り。
「まさかとは思うけど………」
俺の推測が正しければ、勝利するには俺が最も嫌う方法をしなければならない。
「でも…………」
くそッ、答えはもうわかってんだよ!!俺には勝つしかねえんだよ!みんなの元に、箱庭に戻るにはこの方法しかねえんだ!
「となると放課後、村に帰った時………、その時に…………」
終わらせる。終わらせてやる。この間違った
司side out
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「黒月様、これは…………」
「ああ、俺とは違う道を選んだな。やはりあいつが選んだだけのことはある」
黒月とアスタロトは薄暗い空間の中、目の前に移るギフトゲームの状況を見ていた。映されているのは二つ。一つはハーメルンの街で繰り広げられている戦闘。もう一つは当初の目的であった司のギフトゲームだった。
「黒月様は現在、神野様が攻略しているゲームをしたことがあるのですか?」
「ああ、俺はそのゲームに敗北し、現在に至るわけだ」
「あのゲームに負けるとどうなるのですか?」
「本当の過去よりも、もっと残酷なものを見ることになる。そして持っていた希望は絶望に変化する」
「………え?」
「俺はこのゲームに負けて希望を失わされた。そして絶望に染まり、いつしか"絶望の魔王"とか呼ばれてた」
黒月が言うのであれば相当なものだったのだろうとアスタロトは予想する。
「では、神野様が敗北すれば」
「奴は必ず氷河から譲り受けた"希望"を失う。だからあいつには負けてもらっちゃ困るんだがな」
「どうしてですか?」
「"絶望"は二人もいらない。それに、"絶望"は"希望"と二つ一対なんだよ。だから、あいつが"絶望"に染まってもらっちゃ困る訳だ。分かるか?」
「いいえ、全く」
「だろうな。まあ分からなくていい。これは、俺とあいつの問題だ」
「そうですか………。それで、黒月様から見た神野様はどうですか?」
「"希望"としては及第点、としか言いようがねえな。こればかりはあいつの選択に委ねるしかねえ。夢のような時間を生かすか殺すか。全てあいつが決めることだ」
「そうなのですか………」
黒月の言葉を聞き、頷くアスタロト。
「アスタロト、コーヒー淹れてきてくれないか?」
「了解しました」
そうするとアスタロトは姿を消した。薄暗い空間に一人になった黒月は不敵に笑い呟く。
「その世界を壊せるのはお前だけだ。期待しているぞ"
・・・・・・・・・・・・・・・・・
英太side
諦めないとか言っちゃったけど、そろそろヤバイ。全身が軋みだしている。脳内では警鐘が鳴り響き、これ以上戦えば体がもたないことぐらい俺でもわかっていた。
「『カンガえごとをしてルバアいか?』」
「五月蝿え!!」
手を横に薙ぎ、無詠唱で光の槍を生み出し投擲する。司はそれをいともたやすく打砕き、地面を蹴って走ってくる。俺はそれを見てニヤリと笑う。
「『………………!!?』」
「ようやくかかりやがったか」
司は何が起きたのかわからないという表情だ。それもそうだろう。走っているといきなり地面から闇が司を取り押さえたのだから。
「"
「『いつノマニ!?』」
「全く大変だったぜ。戦いながら設置するの。おかげで体力の消耗がいつもより早かったじゃねえか」
そう、俺が想定以上に疲れていたのは魔法で罠を仕掛けるためだった。そのために幾多の罠を仕掛けたのだ。そりゃあ、疲れもするだろう。
「英太さん!!」
「やっと来やがったか」
声の下方向を向くとそこには"ノーネーム"の同士とサンドラがいた。
「遅えんだよ。お陰で結構疲れたじゃねえか」
「全速力で戻ってきたんだ。そこは許せよ」
「それより英太君、それは何かしら?」
飛鳥は俺の右腕と目を指差したが、今はそれどころではない。
「後で話す。それよりもあいつだ」
俺は再度司の方を向いて睨む。しかし、罠はもう破壊されていた。闇は分散し、司は拘束から逃れる。
「チッ、どこまでチートなんだよお前は」
「『カズをふやしタノカ?イミのないコトを。すべテムダナことダ。おマエたちにオレはすくえナイ!!』」
司は霊格を肥大化し、俺たちを見ている。
「救えない、だと?」
俺はその言葉にキレた。今まで我慢していたものが溢れてきた。
「………テメェ、何が救えないだと?」
「『オレをすクエないといっタンダ』」
「それは俺が弱いからか?俺たちがどんなに集まってもお前に勝てないからか?」
「『ソウだ』」
「ふざけんなよ…………ふざけんじゃねえぞ!!」
俺は我慢していた思いを全てぶちまけた。
「………俺はあいつと、お前と約束した。お前が道を踏み外したら俺が正すって、もし苦しいなら俺が相談でもなんでものってやるって、お前の背負ってるものを少しは担いでやるって!!それができないだと?救えないだと?ふざけるのも大概にしやがれ!」
俺は叫ぶ。
「俺は約束したんだよ、誓ったんだよ!!あいつが感じる苦痛は俺が分かち合ってやるって!もしお前が迷うなら俺が手を引いてやる、立ち止まりそうなら俺がその背中を押してやる、お前を誰かが否定しても俺だけはお前の味方でいてやるって!お前はいつも自分一人で抱え込んでいた。いつも自分が辛いと思う選択をしてた。何事にも一人で立ち向かっていった。でも、それは頼る相手がいなかったからだ。だけど、今は違うだろ!?今はお前が頼るべき人物は周りにたくさんいるだろうが!!お前が悩むなら、抱え込んで辛いなら俺たちに言えよ!俺たちにもその思いを背負わせろよ!お前の周りにお前を否定する奴はもういないんだよ!!いい加減、俺たちを、他人を頼りやがれ!!」
俺はまだ叫ぶ。俺の言葉があいつに、司に届くことを信じて。
「お前はもう一人じゃないんだよ!!もう、何にも恐れなくていいんだよ!!お前は十分一人で戦ってきたんだよ!!少しはお前の抱えてるもんを俺たちにも担がせやがれ!!たとえお前がどんなことを悩んでても俺たちが受け止めてやる。どんなことでもだ。だからお前は、もう抱え込むんじゃねえよ!!目を覚ましたらどんなことだって聞いてやる。愚痴だって、悩み事だって、全部聞いてやる!だから、もう迷うんじゃねえよ!!お前を支えてやれる奴はここにいる、お前を認めてくれる奴もここにいるんだよ!お前を否定する奴なんていねえんだよ!!だから………だから、さっさと目を覚ましやがれ親友!!!」
俺はそう叫び、司を見る。すると司は、涙を流していた。司はその状況に当惑していた。俺にはその涙の理由はすぐに分かった。
「どこにいたって、どんな状況だってお前を助け出してやる!!あとは俺たちが終わらせてやるから、だからーーーーー」
全て俺たちに任せろ、と杖を投げ捨てて拳を握り叫んだ。
俺の言葉に反対するものはいない。そこにいる全員の思いは俺と一緒だった。『必ず助け出す』という決意があった。全員が戦闘態勢に入る。
「今、迎えに行くぞ
さあ、ラストバトルだ。お前の全てを俺たちが受け止めて、助け出してやる!!
英太side out
さて、本編にあった通り、ラストバトルつまり次回第二章終了すると思います!(予定ですが)
黒月「おい、隠れてないぞ」
ってなんで貴方が?!
黒月「あの状況で来れるの俺だけだろ?」
アスタ「私もいますよ」
アスタロトさんまで!?ぼ、僕に何する気ですか!?
アスタ「安心してください。私は基本、黒月様しか痛めつけませんので」
黒月「おい今なんて言った?」
アスタ「さて、何のことやら」
黒月「てか俺たちが出ていいのか?」
貴方今立場が分からない状態ですからね?本当は出てはいけませんが、そろそろ締めるので問題ないかと。
黒月「そうか。ならアスタロト、頼んだ」
アスタ「はい、今回も読んでいただきありがとうございました。感想、評価、誤字脱字の指摘、ダメ出しなども気軽によろしくお願いします」
それでは次回もお楽しみに!!