問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
それでは本編をどうぞ。
司side
翌朝、本拠はいつも異常に賑やかだった。その理由は、昨日三人兄妹が来たからだ。安倍要、安倍風明、安倍龍明の三人だ。そして現在その三人は、
「いや〜、ここまでわかってくれる人はいなかったな〜。まさか風明もそういうのに詳しいとは」
「英太もやるな。おかげで色々と分かったことがあった」
英太と風明はおそらくだが魔法関係のことで話し合い、
「ねえ、三月ちゃんはそれ以外の服着ないの?」
「え?あー、他の服あるにはあるんだけどイマイチで………」
「じゃあ選んであげてもいい?」
「え!?いいの!?」
「ふふ、私に任せなさい」
要と三月は服装のことについて話し合っていた。てかお前らいつの間に仲良くなったんだよ?
「楽しそうだね」
「ったく、朝ぐらいは静かにできんのか………」
まあ、そういう俺は今龍明と話してるんだが。
そんなことを思ってコーヒーを飲んでいると視界の中に突然三月が現れる。
「おわっ!?」
「どんだけ驚いてんの司?」
「いきなり現れんな…………。それでどうしたんだ?」
「要ちゃん達と出かけてくる!」
「は?」
「ショッキングしてくる!」
「それを言うならショッピングだ。分かったが、てかその前にみんなどこに行ったんだ?」
今朝から十六夜達を見ておらず不思議に思ったので俺より先に起きていた三月に問う。
「ん?十六夜達?確か出かけたはずだよ。いつものメンバーでギフトゲームに」
あいつらは来客が来ても相変わらずか………。………………あれ?誰か忘れてるような………?………あ、浩也。
「浩也は?」
「知らない」
あのヤロウ……一体どこで何してやがるんだ……?
「まあいい。留守番は「あ、俺たちもいいか?」………なんで?」
「俺の魔法を見せてやろうかと。ここの敷地内だと危ないから世界の果て辺りでやる」
まずそんなものしなければいい話じゃないのか………?
「はぁ……分かったよ。行ってこい」
「ありがと!行こ、要ちゃん!」
「うん」
「行こうぜ風明」
「どんなものが見れるか楽しみだ」
四人全員が笑いながら本拠を出て行く。バタンと玄関の扉が閉まる。途端、本拠が静寂で包まれる。
「一気に静かになったな……」
「こうも静かだと不気味だね……」
苦笑いしながら言うと龍明も苦笑いだった。
「さてと、じゃあ本題に入るか」
「だね」
本題とは、昨日約束した過去を『覗く』ということだ。俺のギフトの"過去を繋ぐ者"は他人の過去を見ることができる。戦闘とかでは使用用途が変わってくるが。
「さてとそれじゃあ始める。目を閉じててくれるか?その方がやりやすい」
「うん、分かった」
俺は龍明が目を閉じたのを確認してある言葉を口にする。
「"
俺は目を閉じ、意識を集中させる。そして目を開けるとそこは、
「…………なんだよこれ」
俺が見ているものは目の前に転がる死体。喉笛を噛みちぎられている者、上半身と下半身が離れている者、頭がない者と様々だった。その中に佇む一人の男性。真っ黒な服を着て、身体中に血をつけている。
そしてそこに向かっていく三人の少年少女。
「あれが過去の要と風明、龍明なのか」
戦っていたが完全に黒服の男の方が優勢であり、すぐに要達は男の攻撃にあたり、風明や龍明は術によって動けなくされる。その男は要に近寄っていく。それを見た要はおそらく自分の力を使っている。
「血を、抜いている………?!」
自分の血が抜き終わったのか、要はそこに倒れる。黒服の男は心底悔しそうな顔をして去っていく。
「もう十分だ」
『もういいのか?』
「これ以上見る必要はない。この後は大体わかる」
大切な者を失ったことによる悲しき叫び。そして後悔、絶望だ。かつて俺もそうだったから。
『そうか』
「閉じるぞ"
俺は接続していた過去を切り離す。そして目を開けると目の前には目を瞑る龍明。
「もう目を開けてもいいぞ」
「……あれ?もう終わったの?」
「あれぐらいはすぐに終わる。だけど、」
言い終わる前に視界がぐらつき、俺は横に倒れる。床につく寸前のところで龍明が受け止めてくれる。
「ど、どうしたの!?」
「い、や……これさ、結構キツイんだわ………。少しの間だけでも、終わった後の反動がすごくてな………今は頭が物凄く痛い」
「そうだったんだ……」
「まあ、気にするな。すぐに元に戻る」
というものの、過去を強制的にそして一方的に見たのだ。そりゃあこうなるだろうな。
俺は龍明に支えてもらいながら立ち上がり言った。
「にしても、お前のも酷いものだったな………」
「うん。でも……、あれがあったから今の僕らがある。そう思えば頑張れる気がする。それに、もう乗り越えたしね」
「そうか。あれを乗り越えるのは凄いことだぜ」
「そんなことない。三人でやったからできたんだよ。それと、僕のは見せたんだから司の過去も聞かせてくれない?そういう約束だよね」
そうだったっけ?ん?そうだったか?まあどっちでもいいか。
「俺のはな「司お兄ちゃん大変!!」………なんだ?」
いきなり呼ぶ声が聞こえたと思ったらそこにいたのは年長組の子供だった。走ってきたのか、汗をかいている。その子は涙目で、
「みんなが、みんなが………!!」
そう言った。
「何があった?」
「誰かがいきなり来てみんなを……!」
小さな嗚咽が聞こえ、床にはポタポタと雫が落ちていた。
「それはどこだ?」
「廃墟の近くのところ」
「分かった。お前は他のみんなに外に出ないように言っておいてくれ」
俺はその子の頭の上に手を乗せ撫でてやり少しでも安心させようとする。
「クロウ、フェニックス。この子を連れてどこかに隠れてろ。それと他の子達を守ってやってくれ。いいな」
「「了解ですマスター(神野様)」」
俺がそう言うとクロウとフェニックスは泣いている子を連れて行く。
「すまないな龍明。少し待ってて「僕も行くよ」
「僕だけここで待ってるなんて嫌だからね」
「……本当にすまない」
「いいよ。それより早く行こう」
そうだ。急がなければ子供達が。
そう思い、目的地へと全速力で向かった。
*****
廃墟の近くにたどり着いたときには遅かった。そこで遊んでいたであろう子供達はそこに倒れ伏していた。そしてその真ん中に立つ黒いローブの人物。
「おや?どうしたのですか貴方?」
「お前、うちのコミュニティの子供達に手を出すとはどういう了見だ?」
「ん?そんなの決まってるじゃない。私が快感を求めたから。それだけだよ」
黒いローブの人がそういった直後、俺は弓を錬成し、炎で矢を型取り構える。
「そんな理由だけで子供達を」
「殺してはいないよ。まあ眠ってもらっているだけだよ。それに、新しい玩具も見つかったし」
「龍明、下がってていいぞ」
「いや僕もやる。さすがに全て任せるというわけにはいかないよ」
「そうか、なら頼むぞ。放て、"
俺は矢を最大まで引き、放つ。完全に黒いローブの人を捉え貫くーーーーはずだった。
「そんな物、私には効かないよ?」
黒いローブの人は左手を前に出し、炎矢を正面から受け、
「なら、ならこれならどうだ!」
龍明は鎌鼬で風を生み出し、風の刃を放つ。
「………!?」
それを黒のローブの人は慌てたように避ける。風の刃は地面を抉り、少しいったところで消える。
慌てたってことは………。
「龍明、風の刃を複数出せるか?」
「一応できると思うけど、どうするの?」
「ちょっと考えがある」
俺はニヤリと笑い再度弓を構えた。
司side out
******
龍明side
俺は司に言われた通り風の刃を目の前にいる敵に向けて複数だしている。
これで大丈夫なのかな……?
「いい、加減にして!!」
痺れを切らしたのか、敵は手を横に振り地面を隆起させて風の刃を防ぐ。
「それを待ってたんだよ"
司は風を纏った矢を生み出し放つ。それは隆起した地面をたやすく貫き、
「ぐあ………!?」
敵の肩を射抜く。
「やっぱりか。お前
え?と司の方を向く。そういえばさっき地面を隆起させてたような……。
「………あら?やっぱりわかるかしら?」
敵と思われた人物はフードを取る。
褐色の肌に灰色の長髪、整った顔立ちの女性だった。
「風を慌てて避けたあげく地面を隆起させた。それだけで十分わかる」
「やっぱりそうよね。せっかくローブ着たのに意味ないじゃないの。それと名前はアルスよ」
「で、何が目的なんだ?」
司はアルスを睨みつけて問う。僕らはアルスの言葉を待つ。するとノームが言った言葉は意外な言葉だった。
「力が知りたかったのよ。あの子が尊敬する貴方の。それと昨日来た子達もね」
……………え?どういうこと?
僕らはもっと危険な事だと思っていたがそうではなかったようだ。あっけにとられポカンと口を開けている。
「………あの子って誰だ?」
「フィーナ=ラッセルよ。知ってるでしょ?」
「おう………………」
心当たりがあったのか肩を落とし頭を抱える司。ってちょっと待って!
「ラッセルってまさか………」
「ジンの妹だ。ああ、お前は知らなかったっけ?」
こっちの世界ではジンには妹がいるんだ………。なんか見てみたい。
「じゃあそこに倒れてる子達とあの泣いてた子は「「「司お兄ちゃん!!!」」」グフゥ!!?」
いきなり起きた子供達に腹にタックルされ後ろに吹き飛ぶ司。うん、痛そうだねあれ。
「どうだった!?」
「演技うまかった!?」
「演技かよ………。ああ、うまかったよ」
「「「わーい!!」」」
司の言葉に歓喜する子供達。
「もしかして、アルスが仕組んだの?」
「クロウやフェニックス、レーヴァテインも協力してくれたわよ?」
「……………おいコラレーヴァ。どういう事だ?」
『私は悪くない』
「クロウ含めてお前ら
『嫌だーーーー!!』
という事はさ、さっきやってた事って無駄だった?
結局、アルスが仕組んだことだったため、することがなくなり本拠に戻る事にした。
今日の教訓、子供を遠慮無用に信じてはいけない。
「それにしても、風明や要は大丈夫だったのかな?」
「まあ、三月や英太がついてるから問題ねえだろ」
「あの方達も強いの?」
「ああ。俺が認めるほど」
「「司(貴方)は何様なんだよ(なのよ)?」」
「人間様だ………っておいあれって」
そんな事を話していると司が何かを見つける。司が見ている方向には何かが倒れていた。側には細い刀のようなものがあり、血溜まりができている。
「ま、さか………!!」
司は僕らを置いて走り出す。僕とアルスはその後をつける。司は倒れている人を抱き上げる。
「浩也!どうしたんだよ!?」
「ごめ、ん…………や、られた………」
霧崎浩也。昨日紹介された人のうちの一人だった。今朝から姿が見えなかったはずだけど。
「誰にやられたの?」
僕が問うと、
「そ、れはーーーーーーー」
言い終わる前に浩也は気を失った。
「早く運ぶぞ!アルスはみんなに知らせてくれ!龍明は俺と一緒に運ぶのを手伝ってくれ!」
「わ、わかった!」
僕と司は傷だらけの浩也を急いで運んだ。
さてと、あとがきですよ?
司「黒ウサギの真似か?」
要「てかなんで私呼ばれたの?」
あとがきのコーナーです。コラボ中は要さんが参加します。
要「これって何するの?」
司「ただ駄弁る」
あとがきですよこれ!?
司「さてと、今回は「無視ですか!?」五月蝿い」グシャァ
ギャァァァァァーーー!!?
要「なんか腕が一瞬にして潰れたよ!?」
司「放っておけ。にしても中途半端だな今回」
要「私なんて最初しか出てない」
司「次回は出すんだろう主?」
だ、しますよ………。
司「そうか。それじゃあ締めるか」
要「そうだね」
よ、読んでくださってありがとうございました。次回もお楽しみに。
司「感想、評価、誤字脱字の指摘、ダメだしよろしく頼む」グシャァッ
二ギャァァァァァ!!
要「ちょ、これ以上はヤバイって!!」
次回予告
一方その頃、要と三月は買い物を楽しんで、風明と英太は世界の果てにいた。
その二組はどのように過ごしていたのか。
そして、浩也を襲ったのは誰なのか。
「問題児達の日常、そして戦いの幕は上がる」