問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》   作:夜明けの月

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最初に言っておきましょう。どうしてこうなった………。

ということでコラボ五話目です。

それでは本編をお楽しみください。


共同戦線 憑依者と陰陽師

「さてと、覚悟はいいな犬神?」

 

司は淡々とそう告げる。それに犬神は、

 

「ふん。貴様らごときが我を倒せるだと?笑わせるなよクソガキども。寝言は寝て言え」

 

盛大な挑発を返した。

 

プチン、という音が五つ聞こえる。

 

「………ほお?」

 

「………へえ?」

 

「……ふーん、そういうんだ」

 

「……………」

 

「……ブッ殺ス」

 

英太、風明、龍明、浩也から黒いオーラが出ている。司に関しては半鬼人化している。

 

「貴様らの相手など、こいつらで十分だ。やれ!」

 

犬神がそう叫ぶと同時に無数の犬が四方八方から現れる。その全ての犬が犬神と同等の霊格を宿している。

 

「さあ、どうする?」

 

獰猛な笑みを浮かべている犬神。だが、犬神は知らない。この問題児達を決して敵に回してはいけないことを。

 

「「「「「は?それがどうしたんだ?」」」」」

 

途端、四方八方の犬に変化が起きる。四肢がバラバラになるもの、燃え上がり黒く焦げるものや灰すら残ら無いもの、風に押しつぶされるもの、氷漬けにされるもの、首から上がないものと様々であった。その様子を見て犬神は目を見開く。

 

「彼らを敵に回したのが間違いだったみたいね。だって、怒ったら容赦がないものあの子達。あそこの二人は初対面だけど」

 

桜花は楽しそうに言っている。

 

「さて、反撃を始めましょうか。貴女達も戦える?」

 

桜花は優しい微笑みを三月と要に向ける。二人は悩む暇もなくフラフラしながら立って、

 

「は、はは、やられてるだけじゃ終われないからね」

 

「やる……みんなに任せてばっかじゃ申し訳ないよ」

 

目に決意を灯し宣言する。

 

司達は屋根の上から下りて犬神の目の前に立つ。

 

「手加減はなしだ。容赦なんて必要ない、本気で行くぞお前ら」

 

『了解ですマイマスター』

 

『仰せのままに』

 

『OK!全力全開フルスロットルでいくよ!』

 

「よし、なら頼む"全憑依(オールディペンド)

 

司は自分が隷属する者の全てのギフトを自分に憑依させる。髪は白くなり目は赤く染まる。

 

「なら、こっちも本気で行くか"我に宿りし全ての魂、そして魔力よ、今誓いを果たすために覚醒せよ。己が身を滅ぼしてでもその誓いを果たすために『解読不可禁書目録(アンノウンインデックス)』"!!」

 

英太の目の色が金色に変化し、右腕の周りに光が漂う。

 

「僕も本気を出そうかな。久しぶりなんだ、少しは頑張ってくれよ」

 

浩也は刀を抜き構える。

 

「手は抜かねえ。要を傷つけた罪、ここで償ってもらう」

 

風明は背中から翼を生やし、風明の周りに風が吹き荒れる。

 

「僕らの兄妹に手を出したらどうなるか教えてあげるよ」

 

龍明は腕から刃を出してそれを犬神に向ける。

 

「ま、だ……負けたわけじゃない……!お願いクーフーリン、力貸して!」

 

『任せろ我が主よ』

 

「それじゃあいくよ……"半神半人の英雄"」

 

三月の目が緑色に変わり、真紅の槍を構える。

 

「このまま、終わらせるわけにはいきません。いきますよーーーー孤宥」

 

要は孤宥を変幻させて剣にする。

 

「さて黒、白、準備はいい?」

 

『いつでも大丈夫ですマスター』

 

『まあ、問題ないが』

 

「なら、私達も久しぶりに本気、出そうかな〜?いくわよ"紫電の白銃"、"蒼炎の黒剣"」

 

桜花は右手に蒼炎が宿る黒い剣、左手に紫電が宿る白い銃を構える。

 

「さあ、準備は揃った。ありったけの戦力もな。始めようぜ犬神。これがお前の最後だ」

 

犬神はその言葉の圧力に一歩後ずさる。その顔に先ほどまでの笑みはなく、見えるのは恐怖と怒りのみだ。

 

「我が恐れている、だと……………?この我が……………。巫山戯るな…………巫山戯るな、人間共ォ!!」

 

犬神は目が張り裂けそうなぐらい見開いて叫ぶ。

 

「貴様らに恐怖することなど絶対にありえんのだ!貴様らなんぞに、貴様らなんぞに負けてたまるかァ!!」

 

犬神は腕を横に振り風を巻き起こす。それを風明が生み出した風が相殺しようとするが、

 

「んな!?そんな馬鹿な!?」

 

風明の放った風はいともたやすく犬神が放った風に負ける。その風は一直線に風明の元へ向かう。当たれば体がズタズタになることは確実であるが、

 

「安倍君、油断大敵だよ"結界ノ陣"」

 

浩也が風明にあたる前に斬り裂いた。

 

「さ、サンキュー……助かった……」

 

「風にぃ、気を抜かないでください!」

 

「な、わ、分かってるよ!」

 

要に注意され気合いを入れ直す風明。犬神はそれを気に留めず咆哮する。周りに霊気が吹き荒れる。

 

「ただでは済まさんぞ貴様ら……いたぶった上で皆殺しにしてやるッ……!!」

 

犬神は先ほどまでの理性を完全になくしていた。

 

「皆さん、容赦はいりません。あれは理性を完全に失っています。狙うならば今しかありません!」

 

要がそう告げる。全員が戦闘態勢に入る。

 

「それじゃあ、さっさと終わらせるぞ!」

 

 

 

******

 

 

 

英太side

 

目の前の犬神は理性を失ってる。なら、大技でも簡単に当たるかもしれないな。

 

「おい風明、ちょっと手伝え」

 

「あ?なんだ?」

 

「特大魔法ぶっ放す!」

 

「その考え乗った!」

 

英太と風明はガッチリと手を組む。そして英太は杖を前に出して詠唱を開始する。

 

「"世界に光があるのなら、対極の闇も存在する。世界に希望があるのなら、絶望もある。その対極を司りしものは混沌。光と闇、希望と絶望の対極を司りし混沌。今それをここに具現し、我が敵を打ち払え『混沌を纏いし龍の息吹(カオスドラゴニックブレス)』"」

 

俺の目の前には巨大な黒い魔法陣が現れる。

 

「頼むぜバハムート。一思いにやれ!!」

 

『GYAAAAAAAAAaaaaaaaaaAAAAAAA!!!』

 

魔法陣から黒い巨龍が首を出し英太の声に応えるように叫ぶ。英太の周りを黒い霧が漂う。

 

その光景を見て風明は戦慄する。

 

「おいおい………マジかお前………」

 

「この頃召喚術も使えるようになってな。まあ試し撃ちだ。あいつをぶっ殺すぐらいは十分だろ」

 

「だからってこれはどうかと思うぜ………?」

 

黒い巨龍は口を閉じていて、その中から黒い光を放ち始める。

 

「さてと、それじゃあ風明は今までで最高威力の魔法を頼むぜ。俺もそこそこの威力のやつを撃つ」

 

「あいよ。それじゃあ」

 

「「狂った犬っころに素晴らしき天誅を!!」」

 

『GYAAAAAaaaaaaaaaAAAAAAA!』

 

英太side out

 

 

 

******

 

 

 

三月side

 

英太の方から何かものすごい音が聞こえた気がする。

 

「さて三月ちゃん、少し手伝ってくれるかしら?」

 

桜花さんが僕に言ってくる。一体何を?と問うと戻ってきた答えは、

 

「その槍にこの子の銃弾を纏わせようかと思ってね」

 

白い銃を私の目の前に持ってきて言った。まあそれぐらいなら構わないか。

 

「分かりました。ですが、タイミングは桜花さんが合わせてくださいよ?」

 

「ふふ、分かってるわよ。そこまで任せる気は無いわ」

 

「それでは交渉成立です」

 

そう言って私は槍を構えて投擲する準備に入る。構えて槍に力を貯めていく。真紅の槍は力を貯めるごとに赤く輝く。でも、最大限まで力を貯めないと意味が無い……!

 

「あと……少し………!」

 

「さて、と……黒、白準備はいい?」

 

『勿論です!マスターのためならいつでも準備OKです!』

 

『構わない。本気でやってもいい』

 

「ふふ、ありがと。さあ、こんなくだらない戦い早く終わらせるわよ!」

 

「『『はい!(おう)』』」

 

三月side out

 

 

 

******

 

 

 

浩也side

 

東雲さんたちも準備が整ったらしい。なら僕らもそろそろし始めなければ。

 

「安倍君、手伝ってくれる?」

 

「龍明でいいよ。安倍だと分からなくなるから」

 

「分かった。それで少し手伝ってくれるかい?」

 

「勿論。あの犬に一発入れなきゃ気が済まないからね」

 

「そう。なら風を起こしてくれる?」

 

「それをしてどうするの?」

 

僕はニヤリと笑って答える。

 

「さっきやったこと覚えてる?」

 

「犬を四散させて………ってまさか」

 

「神殺を本気で放つ。だからそれに風を纏わせたり魔法で威力を増強して欲しいんだ。僕だけじゃ満足な力が出せないからね。それに、君は強いからね」

 

「ああ、分かった。あの犬が殺せるなら構わないよ」

 

僕は刀を鞘に収め抜刀の体制をとる。龍明君は右手には風、左手には魔法で発生させた雷を纏わせている。

 

「「さあ、終わらせよう。この無意味な戦いを、僕達の手で」」

 

浩也side out

 

 

 

******

 

 

 

司side

 

みんな準備が整ったみたいだな。

 

「さて、俺らはどうする、か………」

 

「私にいい考えがあります。少しリスクはありますが」

 

要が真剣な表情でそう言ってくる。

 

「なんだ?」

 

「あなたに孤宥を預けます」

 

「…………どういうことだ?」

 

「その代わり、あなたの持っている剣を私に貸してください」

 

あー、そういうことね。つまり、お互いの剣を一旦交換しようぜ、ということか。

 

「どうだ?いけるか?」

 

『問題無い!というか女の子の方が力出しやすい!』

 

「OKらしいな。それじゃあ、レーヴァテインを頼むぜ」

 

「はい。それでは孤宥をお願いします」

 

レーヴァテインを要に渡し、要から孤宥を受け取る。その瞬間体の奥底から力が溢れ出る。

 

「へえ、面白い"孤宥"」

 

俺は孤宥を自分に憑依させる。形は要から渡された時と同じ剣だ。

 

「私の手燃えてるんですけど………」

 

「それは問題ない。気にする必要なしだ。レーヴァテイン、要となら本気出せそうか?」

 

『うん!自然と力湧いてくる!!』

 

「よし、じゃあいくぜ孤宥!!クロウ、フェニックス、お前らもいいか?」

 

『構いません。思いっきりやってください!』

 

『神野様、手加減はいりません。全力でいってください!』

 

「いきますよレーヴァテインさん!」

 

『いいよ!全力前回フルスロットルだ!!』

 

孤宥は白い光に包まれ、レーヴァテインは赤く煌めく。

 

「「終わらせる(ます)。こんな狂った戦いを、俺(私)の手で!!!」」

 

司side out

 

 

 

******

 

 

 

自分を取り囲む光景を見て犬神は戦慄する。そして思い知る。確実な戦力差を。

 

「……な………?う、そ…………だろ…………こんな、こんな戦力………どこから………!?」

 

「終わりだ犬神。一思いに逝かせてやる」

 

「く……まだ……まだ終わっては……!」

 

「終わっているんですよ。あなたが私たちに勝負を仕掛けた時点で、こうなる運命なんです」

 

「まだだ……まだ終わってはおらんぞ小僧共ォォォォォ!!」

 

犬神はありったけの力を使い司達を攻撃する。それを合図に全員が犬神に向けて一斉放射する。

 

黒い巨龍は黒い息吹を放ち、英太は太陽の焔を撃ち込む。

 

風明は火、水、風をそれぞれ圧縮した三つの球体からレーザーのように放つ。その全てに風を纏わせている。

 

三月は渾身の力で真紅の槍を放つ。

 

桜花は三月の放った槍を白い銃弾で撃ち、黒い剣で斬撃を放つ。それは全て槍に取り込まれ、槍は紫電と蒼炎を放ちつつ犬神のもとに飛んでいく。

 

浩也は抜刀と同時に"神殺"を放つ。

 

龍明はそれに風、そして雷を纏わせて勢いを増強させる。

 

司は片手剣となった孤宥を躊躇なく振り下ろす。するとその斬撃が地面を抉って犬神のもとに向かう。

 

要はレーヴァテインを振り業火を打ち出す。進むにつれてその勢いは増していく。

 

そして犬神の攻撃は凄まじい力に打ち消され犬神にあたる。そこから爆音が鳴り響き土煙が舞う。先ほどの攻撃の中に犬神ならば避けられるものもあった。だが、犬神はそれをしなかった。人間への怨嗟、たとえどんな人間だとしても屈しないという意志の表れだったのかもしれない、と司は推測する。

 

土煙が晴れたところを見るとそこには犬神の姿はなかった。霊格も完全に消え去っている。

 

「安らかに眠れ。次は怨嗟なんてもん抱えて生まれてくるんじゃねえぞ」

 

司はそう言ってそこに背を向けて歩き出した。

 

 

 

******

 

 

 

「あー終わった終わった!」

 

桜花は伸びをして笑顔でそう言う。

 

「はぁー、面倒くさかった………」

 

「司はそればっかだね本当に」

 

「会ってからそんなに時間は経ってないけど三月ちゃんに同意」

 

「それにしても龍明君強いね」

 

「僕はまだまだだよ」

 

本拠へと帰りながら他愛もない話をする。だが、その中で一人。完全に場違いな雰囲気を出す奴がいた。

 

「ん?どうした英太?なんかものすごく暗いけど……?」

 

そう、普通ならはしゃいでいる英太がなぜか暗い雰囲気を出している。珍しい、と彼の素性知るメンバーはそう思う。

 

「………………あ、いや、なんでもないなんでもない」

 

「「嘘吐くな」」

 

司と風明がその言葉をあっさり否定。

 

「何かで悩んでるんだったら話せよ」

 

「一人で抱え込むのはよくないぜ?」

 

司と風明の言葉を聞き、恐る恐る英太は言った。

 

「…………………本当に?」

 

「ああ」

 

「…………………聞いても怒らない?」

 

「うん………………え?」

 

「風明達ってさ、確か気づいたらこの世界にいたんだよな?」

 

司はここで英太の話そうとしている内容が理解できた。司は頭を痛そうに抑える。

 

「お前……まさか……」

 

「さっき思い出したんだが、お前らをここに転送した主犯、おそらく俺です……………テヘッ♪」

 

その瞬間、全員の上がり気味だったテンションが地の底に落ちる。

 

「馬鹿が………どうせまた実験してたんだろうが……」

 

「これはそろそろきつーいお説教が必要かな………?」

 

「………………………もう言うことはないよ。逝ってらっしゃい」

 

「プクク………さっき司から事情は聞いたけど……ふふ、犯人が第三者かと思ったら、まさかの英太君なんて………ブッ!アハハハハハ!!」

 

「母さんは笑いすぎ。で、死ぬことは確定だが何をどうやったんだよ?そこの三人もポカンとしてないでなんか反応しろ」

 

三月はどす黒いオーラを出し、浩也はどこか諦めた感じに言い、桜花は爆笑。司は桜花の頭を叩き、固まっている三人をクロウから借りたハリセンで叩く。

 

「えーと……森の獣が邪魔だって苦情が来てたから退治しに行ったんだよ。そしたら獣の数が百匹を超えててさ……。面倒くさいなぁと思って全部転移させて解決させようとしたんだ………多分その時に巻き込んだ」

 

「……………全面的にお前が悪い」

 

「さあて、逝こっか♪」

 

司は英太のフォローをしないどころか完全に見捨てた。三月は英太の服の襟首を掴み引きずっていく。拒否しないということは完全に自分がしたことがわかっているやつだ。いつもなら断固拒否!とかいうのにと司と浩也は思う。

 

「ということはさ、私達って帰れるの?」

 

「英太が回復したらな。でもあれだと今日は無理だぞ。三月の怒り具合からして」

 

「過去最大かなあれ?」

 

「こっちに来てからの最大だな」

 

その場の全員は心の中で英太に合掌しながら本拠へと帰った。

 

 




最初にも言った通り、どうしてこうなったんだ………。

司「英太が完全にチートを超えていたぞ。なんだよ巨龍召喚って」

要「何がどうしたらそうなったの?」

あーいや、もとより召喚術は使えるようにするつもりだったんです。

司「だからってあれはまずいだろ………」

要「そして主犯も英太って何をしたらそうなるの……?」

…………それではここら辺で締めましょうか。

要「あ、逃げた!」

ここまで読んでくださりありがとうございます!それでは次回もお楽しみに!

司「感想、評価、誤字脱字の指摘、駄目出しなんかも気軽に頼むぞ」

次回予告

犬神との戦いも終わり、ついに要達が元の世界へと帰る日がやってくる。

だが、桜花の提案で帰る前に手合わせをすることになった。

そして、英太の考えでバトルのルールが告げられ、そしてそのバトルの幕が上がる。

「開戦 シャッフルバトル」
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