問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
あと一話で終わる予定です。
それでは、本編をお楽しみください。
「で、どういうことかな………?」
「ご、ごめんってば……」
犬神との戦いの翌朝、司は客間で耀に言い寄られていた。昨日の戦いでどこかに傷を負っていたらしい。それについてのことと、
「なんで勝手にそんなことしてるの?」
「いや、だってお前ら本拠にいなかったし……」
「心配した……」
そう言って俯く耀。司は耀を抱きしめる。
「大丈夫、俺は何があっても耀の隣からはいなくならないよ」
「うん……」
「あの、もういいですかね?」
司と耀のやり取りを面倒くさそうに見る三月がいた。昨日の面子は客間にあるソファーに座っている。昨日はいなかった十六夜、飛鳥、黒ウサギ、ジン達もいる。そしてその全員がうんざりした顔をしていた。
「毎度毎度その茶番じみたことすんのやめてもらえるか?」
「なんで?」
「あーもういい。何も言うな」
十六夜が頭を痛そうに押さえる。
「司、私達何か間違えた?」
「さあ?なんでだろうな?」
「「「「爆発しろ」」」」
十六夜、三月、風明、龍明が二人に向かって言う。浩也は素知らぬ顔でお茶を飲み、要はぼーっとしている。桜花は爆笑し、黒ウサギと飛鳥はため息をついている。だが、一人足りないことに司が気づく。
「あれ、英太は?」
「ん?あの馬鹿ならそこで死んでる」
三月が指差したところを見ると床に倒れてのびている英太がいた。
「おーい、大丈夫かー?」
「だ、い………じょうぶ、じゃね……え………………」
返事はあるから大丈夫だな、と司は思いその場にいる全員に告げる。
「さてと、そろそろ要達を元の世界に帰す。ということで英太、頼む」
「おま、えは……悪、魔か………」
「残念だったな、悪魔ではない。というかお前がしたことなんだから落とし前つけろよ」
「も、う…準備は済んで……る……。だが、……昨日のアレのせいで……ちゃんとした時間が指定できてなくてな……。帰るのは今日の夕方ぐらいになると思う……」
「まあ、そのくらいならいいだろ。ていうか喋れるなら立てれよ」
「……………………なぜ立てれるとわかった?」
「親友なめんな」
英太は司の言葉を聞いてつまらなさそうなそして、どこか嬉しそうな顔をして立てる。
「さて、それでこれからどうするか……。完全に夕方まで暇なんだよな……」
司がそう言うとその場の全員が黙り込む。その沈黙を破る人物が一人いた。
「なら、要ちゃん達と手合わせしてみたらどうかしら?」
先ほどまで爆笑していた桜花が告げる。
「手合わせ?」
「別分岐の箱庭の"ノーネーム"のメンバーなんて会うことは全くと言っていいほどない。なら、そう言う経験をしておくというのもいいと思うんだけれど?」
「…………なるほど、確かにそうだな」
司は顎に手を当てて考える。その時横から、
「面白そうだなそれ!やろうぜ!」
というなんとも楽しそうな声が聞こえた。風明が目を輝かせて言っていた。
「いいんじゃないかな?経験を積むっていう点では僕はいいと思うよ。要は?」
「はー……………………」
龍明がそう言い要に意見を求めると、要はまだぼーっとしていた。龍明が要の頭に軽く手刀をおとし、
「話聞いてた?」
と問うが要は可愛らしく首をかしげるだけ。それを見て風明と龍明はため息をつく。
「俺たちとお前らで手合わせしようぜ、ってことになってるんだけど?」
「ん?いいねそれ。面白そう」
即答だった。間髪入れずに要は答えた。
そう、問題児たちはなぜかは知らないが面白いことを好むのだ。………少なくともうちの四人(司、英太、三月、浩也)は(by 作者)
「なんか言われようもない誤解を受けた気が………………」
「さて、そうと決まれば外にレッツゴーだ!」
要を先頭にして全員が出て行く。司は首を傾げながら外に出た。
******
司side
「はぁ?シャッフルバトル?」
「そう。クジを引いて二つのチームに分かれる。そして別れた二つのチームでチーム戦をするってわけだ」
なぜかそう言うことになっている。そして参加するメンバーは、俺、英太、三月、浩也、要、風明、龍明、そして十六夜だ。なぜ十六夜かって?俺も知らん。
「さあ、それじゃあクジを引いてくれ」
英太が割り箸を八本持っている。おそらくあれでチームが分かれるのだろう。俺はそのうちの一本を引き抜く。そこには壱と書かれていた。
「さて、何番が書いてあるか言ってくれ。ちなみに俺は弍だ」
「俺は壱だ」(司)
「壱だよ」(三月)
「弍、だね」(龍明)
「弍だな」(十六夜)
「弍だよ」(浩也)
「壱!」(要)
「おっしゃ壱だ!」(風明)
俺、三月、要、風明が壱で、英太、十六夜、浩也、龍明が弍を引いた。
「ということは俺は三月と要と風明が同じチームか」
「わーい、要ちゃんと一緒だ!」
「よろしくね三月ちゃん!」
「よろしく頼むぜ司!」
「ああ、よろしく」
「なら、俺のチームは十六夜、浩也、龍明というわけだな」
「ヤハハ、よろしく頼むぜ」
「よろしく」
「よろしくね」
「よっしゃ、燃えてきた!」
チームが決まった。あとは誰と誰が当たるかだ。
「で、誰と誰が対戦するんだ?」
「それもクジに書いてある。番号の下を見てみろ」
そう言われ番号の下を見るとそこには参と書いてあった。
「ん?参って書いてあるな」(司)
「私は零だよ」(三月)
「私は……弍だね」(要)
「俺は壱か」(風明)
「俺は参だな」(十六夜)
「僕は弍だね」(龍明)
「僕は零かな」(浩也)
「その番号が同じもの同士が当たる。ちなみに俺は壱だ」
英太がそう言う。なるほど………いや待てよ。
「おい、それだと四戦するから決着がつかない場合があるんじゃ……?」
「くくく、それも手を打ってある。番号が弍と参の人は同時に戦ってもらう。タッグマッチ、というやつだ」
弍と参。ということは俺は要とタッグを組むというわけになるのか。俺は細かいルールを確認するため"契約書類"を出す。
『ギフトゲーム名 "シャッフルバトル"
・プレイヤー一覧 壱、神野 司
安倍 要
東雲 三月
安倍 風明
弐、安倍 龍明
篠宮 英太
逆廻 十六夜
霧崎 浩也
・勝利条件 三回勝負でチームで二回先に勝つ。
・敗北条件 降参または戦闘が続行出来ない状況に陥った時。
・ゲームルール 決して対戦相手を殺したり、傷つけることは不可。
宣誓、上記を尊重し、我々はギフトゲームを行います。
"過去を繋ぐ者"印』
「おお!?"契約書類"!?」
「ないよりあった方がマシだろ?」
「気が利いてるな。よし、それじゃあ黒ウサギ!審判頼むぞ!」
「はいな!任せてくださいませ!」
「よっしゃ、それじゃあシャッフルバトルのスタートだ!」
こうして、
司side out
******(基本、壱のチーム視点でいきます)
三月side
「浩也が相手か……手加減しないよ」
「こっちもするつもりはないからね」
私達は五メートルほど離れたところで向かい合う。
「それでは、この黒ウサギが審判をさせていただきます。両者、準備はいいですか?」
「構わないよ」
「どっからでもかかってこい!」
「それでは、始めてください!!」
黒ウサギの合図で私達が同時に地面を蹴る。浩也は刀を抜刀し斬りかかる。私は刀を風でいなす。
「くっ………!やるね………!
「ちょ!?傷つかないとはいえ刀フルスイングは怖いって!!」
「これが僕の戦い方、なんでね!!」
そう言ってまたフルスイング。今度は顔をめがけて。
「んな!?ああもうぶっ飛べ!!」
私は咄嗟に風の塊を浩也の腹部に打ち込む。見事にクリーンヒットし、浩也は後ろに吹き飛び倒れる。
「き、みには手加減という言葉、はないの………?」
「顔に向かって刀をフルスイングをするのはどうかと思います!!さっさと終わらせる、"半神半人の英雄"!!」
僕は右手に真紅の槍を構え、浩也が倒れているところに投げ込む。
「ちょっ!?"撃滅ノ乱"!!」
浩也は急いで槍を一瞬のうちに数回斬りつけ弾く。真紅の槍は弾かれたと同時に僕の元に戻ってくる。
「へぇ……よく弾いたね」
「ほんっとに君は容赦ないね!?」
このゲームは傷つけられない代わりに攻撃を受けた際、ノックバックが発生するようになっているため、浩也は倒れたまま言う。
「これは勝負なんだよ?容赦なんて、いらないでしょ!」
僕はもう一度、思いっきり槍を投げる。槍はそのまま地面へと突き刺さり土煙をあげる。
「ふぅ………終了かな………」
そう言って僕は勝利を確信する。だけど、それがまずかった。
浩也を包んでいた土煙がだんだん晴れていく。おそらく浩也はそこでのびているはずだ。
ついに土煙が晴れる。そこには、地面に突き刺さる真紅の槍以外は何もなかった。
そして僕の首筋にひんやりとした者が当てられる。
「油断大敵、だよ」
後ろには消えていたはずの浩也がいた。
「どう、して………!?」
「僕のギフトに"気配消失"ってのがあってね。意図的に気配を消せるんだよね。ということで君の後ろを取れたんだ」
「ハハ………そういうことか…………」
「と、いうことで勝負ありだね」
僕は足から力が抜け、そこに崩れ落ちる。その瞬間、勝者が決まった。
「そこまで!
三月side out
******
初戦は浩也の勝利で幕を閉じた。
「あー、三月ちゃん負けちゃったか………」
「よっし、まずは一勝!!」
要は残念そうに言い、英太は心底嬉しそうにガッツポーズをする。
だが、司だけは何故かやってしまった、という顔をしていた。
「どうしたんだ?」
「あーいや……すぐに分かるよ………」
一方、浩也は座り込んで俯いている三月に手を差し伸べる。
「はい、立てる?」
「………………………うぅ」
「ん?」
「うぅぅぅぅぅ………!!」
突然、三月はポタポタと涙を流し始めた。
「うぇ!?ちょ、え、なんで!?」
「うわ、浩也が女の子を泣かせた」
「最低ね」
「男性としてどうなのでしょう?」
「うーわ、やっちゃったね」
「女性陣から言われると相当傷つくからやめて!?」
女性陣からボロクソに言われる浩也。
「うわぁぁぁぁん!」
そんな中泣き続ける三月。それを見てオロオロする浩也。
「こ、これどうすれば………!?」
「とりあえず浩也、三月の頭撫でとけ。それで一応泣き止むはずだ」
「え……?こ、こう?」
そう司に言われ、三月の頭を撫でる浩也。その光景はその後数十分続き、その場の全員は二人を生暖かい目で見ていたのはまた別の話。
さて、今回あとがきはなしです。
司「んなわけないだろ馬鹿主」
な、何故ここに!?要さんは来てないのに!?
司「なんとなくだ。で、次回どうなるんだ?」
次回は完全にバトル回になる気がします……。
司「ま、戦闘描写頑張れよ」
が、頑張ります………。それでは、次回もお楽しみに。
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次回予告
手合わせと言う名のシャッフルバトルなるものが開始した。
問題児達はどんな戦いを繰り広げるのかーーー!?
「終幕、そして別れ」