問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》   作:夜明けの月

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遅れて申し訳ありませんでした。

コラボ最終話です。戦闘描写が心配ですが……。

それでは本編をお楽しみください!


終幕、そして別れ

英太side

 

「さて、次は俺らか!」

 

「腕がなるな!」

 

二回戦は俺と風明との勝負だ。まあどうでもいい話だが、浩也はまだ東雲さんの頭を撫でている。泣きやまないのは仕方ないと思うけど、ずっとするのはいかがなものだろうか?

 

「英太、手は抜くなよ。本気でこい!!」

 

風明が俺に堂々と宣言する。へぇ、本気でいいのか。

 

「よし分かった。本気でぶっ飛ばす!」

 

「両者、準備はよろしいですね?それでは始めてください!」

 

黒ウサギの合図によりバトルが始まる。俺はギフトカードから龍源の杖を取り出す。風明は長剣で斬りかかってくる。俺はそれを杖で受け止める。

 

キィンという金属音が鳴り、双方が後ろへ下がる。俺はすかさず詠唱する。

 

「"水よ、全てを押し流せ『クラウスウェーブ』"!!」

 

俺の目の前には大量の水が現れ、濁流となり風明を飲み込もうとする。

 

だが、濁流は風明を飲み込むことなく消える。

 

「なあ、知ってたか?水って沸騰すると水蒸気になるんだぜ?」

 

原因は簡単。風明が魔法で水を沸騰させて水蒸気に変えたのだ。

 

「へぇ、なかなかやるな」

 

「それは褒めてんのか?」

 

「ああ、褒めてるさ。俺の魔法に耐えた、またはいともたやすく消したことのあるやつなんて司以外見たことないからな!」

 

俺は無詠唱で雷球を打ち出す。それを風明は地面を隆起させて防ぐ。だが、

 

 

 

隆起した地面の壁はバンッという音とともに弾けた。

 

 

 

「ガッ!!?」

 

地面の壁は多数の塊となり弾け、風明を襲う。全身に塊が当たり後ろに吹き飛ぶ。

 

「地面を隆起させて防ごうというところは良かった。だが決定的にお前は選択を間違えた。誰が普通の雷球といった?」

 

俺はニヤリと笑みを浮かべて風明に言う。風明は俺の言いたいことがわかったらしく、よろよろしながら立ち上がる。

 

「なる、ほどね………弾ける雷球か………」

 

「まあそういうことだ。ということで、休憩はもう終わりだぜ!」

 

俺はすかさず上空に多数の魔法陣を展開し全ての炎の矢に変換する。

 

「これ、避けきれるか?」

 

その言葉とともに一斉に矢が降り注ぐ。それは全て風明のもとに向かい、他の方向に飛んでいく(・・・・・・・・・・)

 

「んな!?」

 

「これを待ってたんだよ!」

 

風明は待ってましたと言わんばかりに俺のもとに爆走する。俺はそれによって焦る。

 

何が起こった!?あの数の矢の向きを変えたって……?一体何をしたんだ!?

 

そうして俺は何も考えずに炎の矢を三本放つ。

 

「効くかよ!」

 

それは全て風明に当たることはなく他の方向へと飛んでいく。風明は持っていた長剣で俺を斬りつける。それは見事にあたりノックバックが発生して俺は後ろに吹き飛ばされる。

 

倒れることはなく踏み止まるが、風明はそれを許さない。俺が踏み止まると同時にもう一度斬りつける。

 

さすがに俺もそこまで馬鹿ではない。必ず避けられる、なんて思い込みが間違っていた。

 

風明は長剣を斬りおろすがそれを簡単に避ける。だが、

 

「グッ!?」

 

風明は新たな剣を取り出しており、それが俺の腹に突き刺さる。そして俺は後方に吹き飛び、地面に倒れる。

 

起き上がろうとすると目の前に長剣の先が向けられていた。

 

「どうする?このまま続けても結果は見えてると思うけど」

 

詰んだ、俺はそう思うしかなかった。

 

「お前、あの矢をどうやってふさぎやがった……?」

 

「あん?ああ、あれは単に反射というか矢の飛ぶ方向を変えただけだよ」

 

はは、なるほどそういうことか……。それなら納得がいく。

 

「はー……………負けだ」

 

「あ?」

 

「俺の負けだ」

 

俺は起き上がらずに地面に大の字になって寝そべる。

 

「だー、ここまで魔法でやりあえたやつなんて今までいなかった!まさかあれが防がれるなんてな。いやぁーあっぱれだ!」

 

「へ?え、えーと、どゆこと?」

 

「だから、俺の負けだ!俺はここまでやれれば十分だ!黒ウサギ!」

 

「は、はいな!第二ゲーム勝者、安倍風明!」

 

そう告げられ、第二ゲームは風明の勝ちで終了した。

 

英太side out

 

 

 

******

 

 

 

司side

 

まさかあの英太がまさか負けを認めるなんてな。まあ、理由は分からなくもないけど。

 

「さてと、それじゃあ次は俺らか」

 

「やっとやれる!」

 

「勝てる、のかなぁ?」

 

「勝てるじゃなくて勝つ!強気を挫き、弱気も挫く!それが俺のモットーだ!」

 

「そんなモットー消えてしまえ」

 

俺が浮かれ気味の十六夜にツッコミをいれていると黒ウサギがコールする。

 

「それでは、ファイナルゲームを始めます!双方、準備はよろしいですか?」

 

「おう、構わねえ」

 

「うん、いけるよ」

 

「大丈夫だ」

 

「問題ない!」

 

十六夜と龍明は普通に、俺と要は完全にネタで返す。盛大なフラグを建てつつ。

 

「それでは、始めてください!」

 

黒ウサギの合図で十六夜は地面を蹴る。龍明は鎌鼬で風の刃を飛ばす。

 

要は孤宥を薙刀に変幻させて風の刃を切り裂いていく。十六夜は地面を蹴った勢いのまま俺を殴ろうと拳を握る。俺はその拳を、

 

「しゃらくせぇ!!」

 

「くそッ!!」

 

拳をぶつけて止める。だが、受け止められることもなく後ろに吹き飛ぶ。

 

「ヤハハ、どうしたどうした?その程度か?」

 

「……テメェの力がデタラメすぎるんだよ!!」

 

そう叫んでいると隣に何かが飛んできた。

 

「龍にぃ、妹にこんな、ことするって酷、くない………?」

 

「十六夜に絶対に勝つ、って言われたからね。手加減はするつもりはないよ」

 

要は龍明に吹き飛ばされたらしい。

 

「(ど、どうする……?)」

 

「(………仕方ない、あれをするか)」

 

俺と要はヒソヒソと話す。そして俺はある提案をする。

 

この案について事前に話しておいてよかったと今は思う。未だと説明なんてできない。

 

「(こんな早くにあれを使っていいの?)」

 

「(ならさっさとこっちが終わるのか、あっちが終わるのか………どっちがいい?)」

 

「(そりゃ、勝ちたいけど………)」

 

「(ならやるしかない。そうじゃないと、あの二人には勝てない)」

 

「(分かった)」

 

「おい、何ヒソヒソ話してやがる?」

 

十六夜の言葉で俺たちは話をやめ、要は薙刀を、俺はレーヴァテインを構える。

 

「お話は終わった?ならいくよ!」

 

龍明はこっちに突撃してくる。十六夜も同じタイミングで地面を蹴る。

 

俺らは同時にニヤリと笑う。十六夜と龍明はそれに気づいて後ろに飛びのこうとするがもう遅い。

 

「「"炎印(ファイアエンブレム):爆炎の舞(フレイムダンス)"!!」」

 

地面に炎の形を模した刻印が浮かび上がり、炎が舞う。

 

十六夜と龍明は飲み込まれる。だが、すぐに抜け出す。

 

「こ、これは…………!?」

 

「炎の刻印、略して炎印(ファイアエンブレム)

 

俺は右手の甲を見せながらそういう。そこには炎を模した刻印、三つの炎の玉の刻印がある。

 

「私の魔術と司の属性憑依を合わせたものです。これを使用することによって炎を自由自在に操ることができ、そして一時的に神格化することもできます。その代わり使用回数に限りがありますが」

 

そう、俺たちの秘策というのは炎印だ。勝てるかどうかはわからない、だが可能性は格段に上がった。

 

「さて、それならまずは一発、撃ち込むぞ!」

 

「はい!私達の力、見せてあげます!」

 

俺は右手の拳を要は左手の拳を前に出す。

 

「「"炎印:朱雀の舞"!!」」

 

すると炎が吹き荒れ、俺の右の拳と要の左の拳に何かが降り立つ。

 

「それは朱雀!?どうしてここに!?」

 

「擬似のだがな。言ったろ?炎を自由自在に操ることができるって」

 

「つまり、炎で朱雀をかたどったんです」

 

「なるほど。で、それをどうするんだ?」

 

十六夜がそう問うので実際にやって答えてやることにした。

 

「「こうするんだよ(ですよ)!!」」

 

俺たちは一度後ろに拳を引き、勢いよく前に出す。それと同時に朱雀は十六夜たちの方に飛んでいく。

 

「そう使うのか」

 

「いや、感心してる場合じゃないでしょ!?」

 

「はっ、俺が何もせずにやられると思ってんのか?」

 

十六夜と龍明がそう話している内に朱雀は十六夜の目の前に迫る。それを一瞥して十六夜はニヤリと笑う。

 

「こんなのが俺に聞くと思ってんのか?ったく、しゃらくせぇ!!!」

 

十六夜は足を振り上げかかと落としで朱雀を地面に叩きつける。それによって朱雀が炎の複数の欠片となって消え去る。

 

「へぇ、そうやって打ち消すか………」

 

「それにしてもまずいですね……あと残り二回しか使えませんよ?」

 

俺は手の甲を見ると炎の玉の刻印の数が一つ減って二つになっている。

 

「………もう終わらせるぞ。これがないと俺らには勝ち目がない」

 

「………分かりました。それでどうします?」

 

「孤宥を剣に変幻してくれ」

 

「はい」

 

そう言って孤宥を薙刀から剣に変幻させる。

 

「俺が炎を付与させる。それを思い切り打ち出せ。あと炎印を一気に二つ使え」

 

「ふ、二つ同時ですか!?」

 

「ああ、そうだ」

 

「………でも」

 

「言っておくぞ。それでもあいつらの力とはトントンだ。勝てるなんて確証はない。だけど、負けるとしても全力を出して負けたい。違うか?」

 

「…………一理あります」

 

「なら、やるしかないだろ。どのみち、俺らにはこの方法しか残されちゃいねえ」

 

「分かりました。それでは付与お願いします」

 

そう言われ、孤宥に炎を付与する。赤い炎だったはずが孤宥に宿った途端、白く輝く炎へと変わる。

 

「あっちもやる気だな。よし龍明、次の一撃で終わらせるぞ!」

 

「分かったよ。やれるだけのことはやるつもりさ」

 

十六夜は俺たちから何かを感じ取ったのか拳を強く握りしめる。龍明は腕から刃を出して構える。

 

「いくぞ」

 

「はい!」

 

「「炎印:業火の剣舞!」」

 

それと同時に刻印は消え、レーヴァと孤宥を包む炎が勢いを増す。

 

「いくぞレーヴァ!」

 

『了解だよ!』

 

「『全力全開フルスロットルだ!!』」

 

「いきますよ孤宥ーーー業火よ、今ここで舞なさい!!」

 

「『全てを焦がす魔の業火(ヘルブレイズ)!!』」

 

俺と要は己の剣に宿る炎を打ち出す。それは十六夜たちの方に向かって地面を焦がしながらその勢いを増していく。

 

「ハッ、こんなもんが効くと思ってんのか!」

 

「止める!!」

 

「しゃらくせぇ!!!」

 

龍明は腕から刃を出して炎を斬り裂こうとし、十六夜は全力で炎を殴る。

 

「はああぁぁぁぁ!」

 

「届いてください……!」

 

「ま、けるかッ……!!」

 

「がああぁぁぁぁ!!」

 

そして勢いを増し続けて止まることのなかった業火は凄まじい爆音とともに止まり、その場に吹き荒れる。あたかも、炎が舞い踊っているかのように。

 

そしてそこには倒れている龍明と片膝をついている十六夜がいた。

 

「そこまでです!ファイナルゲーム勝者、神野司 安倍要!」

 

俺らはそれを聞いてハイタッチをする。そうしてシャッフルゲームは俺たちの勝ちで幕を閉じた。

 

司side out

 

 

 

******

 

 

 

バトルが終わってからは駄弁ったりしていた。これまでこっちの箱庭であったことも。

 

「そろそろだな」

 

気づくと英太の言っていた夕方になっていた。要達三人が立つところの地面に魔法陣が現れ、三人は光に包まれ始める。

 

「楽しかったよ」

 

「それはこちらこそ」

 

「まあ、暇になったらまた来いよ」

 

「もうあんなで相方は嫌だけどね」

 

「……ファーストコンタクト最悪」

 

「ああいうのは勘弁して欲しいのデス」

 

「あ、あれは俺らの責任じゃねえだろ!?」

 

「楽しかったよ要ちゃん、またね!」

 

「うん、またね!」

 

各々が別れの挨拶(?)をしている。三人を包む光が一層強くなる。

 

「じゃあね憑依者()。楽しかったよ」

 

「じゃあな陰陽師()。こっちも楽しかったぜ」

 

その言葉を残し要達は消え、自分たちの世界へと帰っていった。

 

 




紫空さん、三兄弟を貸していただきありがとうございました!

これにてコラボは終了です。

次回ですが……、乙編をやるか3巻の内容に突入するか悩んでます。おそらく決まり次第どちらかを投稿します。

それではここまで読んでいただきありがとうございました!次回もお楽しみに。

感想、評価、誤字脱字の指摘、駄目出し等もよろしくお願いします。
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