問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
という事で本編をお楽しみください!
「作戦会議をしましょう。闇雲に動いても無駄に体力を消費するだけですから、突破口になりうる案を出すべきなのです!」
「気をつけて進む!」(飛鳥)
「前向きに進む!」(耀)
「明日を見据えて進む!」(十六夜)
「足元に注意して進む!」(三月)
「テキトーに進む!」(英太)
「未来に向かってまっすぐ進む!」(司)
「「「「「「ガンガン進もうぜ!!」」」」」」
「作戦会議終わったーーー!?」
作戦会議(偽)をして右腕を振り上げて進む六人。それを見て悲痛な叫び声を上げる黒ウサギ。
「もうっ、待ってくださいよー!」
「ったく何やってんだよ」
「あまり遅いと置いてくよ?」
「皆さんは石橋を叩いて渡るという諺を知らないのですか!?」
「知らん」
「知っとけ。というかお前は少しは勉強しろ。特に現国」
「そういうお前は英語をしろよ」
涙を浮かべながらいう黒ウサギの言葉を司は一蹴する。
いや、そのことわざ知ってないってやばくないかな?(by作者)
「五月蝿え、俺はそういうことが苦手なんだよ」
ちょ、ナレーターに話しかけないで!
「ヤダ」
ヤダじゃないですこの問題児が!!
コホン、それでは話を戻しましょう。
黒ウサギは問題児たちに言う。
「どんなに平坦で強固な橋でも一度叩いて安全性を確かめて渡る。そうあるように用心深く慎重に進むべきなのですよ!」
そう言って先頭に行き前を見ずに司たちのほうを見ながら進む黒ウサギ。
「どのような罠が仕掛けられているか分かりません!とにかく十分に注意してーーーーきゃああああああああああ!?」
黒ウサギが一歩踏み出した途端、地面がパカッと開いて黒ウサギが落ちる。
「「「「「ガンガン進もうぜ!!」」」」」
「いや助けてやれよ………」
「助けてくださーい!!
******
無視しようとしたのが気に入らなかったのか引き上げられてから黒ウサギはむっすーとしたまんまだ。
「完全にヘソ曲げちゃったね………」
「まあほっときゃ治るだろ」
耀と十六夜は黒ウサギを一瞥しそう言う。英太と司に関してはヘソを曲げている黒ウサギを睨んでいた。
「なあ司よ」
「言うな、俺も分かってる」
「とりあえず様子見か?」
「それでいいだろ。動くにはまだ早すぎる」
司と英太はそんなことを話していると飛鳥がディーンを召喚していた。
「壁を薙ぎ倒して一直線に進むのよ!」
「おおっ豪快だな!」
「豪快すぎるだろ……」
ディーンは自分の主人の言葉に従い迷路の壁を破壊しようと己の拳を振り下ろす。それを見てハッとなる黒ウサギ。
「だ……ダメーーー!!」
黒ウサギは物凄い剣幕で両手を広げてディーンの拳と壁の間に立つ。その光景に全員(司と英太を除く)が戦慄する。
黒ウサギに拳が当たる寸前で十六夜がそれを止める。
「何やってるんだよ駄ウサギ!」
「そうよ、危ないでしょう!」
「チッ、当たらなかったか……」
「すみません……反則だったので!というか英太さんは何不穏な事言っているのですか!?」
黒ウサギは怒号を放つ二人にオロオロしながら答える。英太はディーンの拳が当たらなかった事に舌打ちをしていた。そして、黒ウサギの言葉に飛鳥は驚きの声を上げる。
「え……!?」
「このゲームのクリア条件は『ステージの謎を解き迷宮を突破』。つまり、壁を破壊するなどして『迷宮』としての形を崩してしまうことはルール違反という事です!」
「なるほど……で、黒ウサギが審判だから反則はできない……」
「なるほどね。だからあいつが黒ウサギを審判に指定したのね」
黒ウサギの説明に納得する女性陣と十六夜。
「申し訳ございません……」
「いえ、仕方ないわよ。無理に判定を覆すと爆死するんでしょう?」
「空中も破壊もダメなら地道に行くしかねえな、やっぱり」
「大丈夫ですよ。とにかく進みましょう!黒ウサギについてきてください!」
そう言ってその場にいる六人を先導する黒ウサギ。
ーーー数時間後。
「あれ……?この道さっきも通りました……?」
「「「「ほら迷った」」」」
結果黒ウサギのせいで迷っていた。
「はぁ……これだけ歩いているとさすがに疲れるわね………」
「お腹すいた……」
飛鳥は歩き疲れ、耀は空腹という状態になっている。
「やっぱ壊そう速やかに!」
「爆死しろと速やかに!」
三月がしびれを切らし壁を殴って壊そうとするが黒ウサギが止める。
「あ、そこに何やら大きな建物があります!あそこに入ってみませんか?」
「入ってみるのはいいけど、どこに行くの黒ウサギ?」
入ろうといった矢先に近い方の道を選ばず、遠回りする道を選ぶ黒ウサギ。それを見た耀は黒ウサギそう言うが、
「い、いやダメです!こっちの道の方が安全そうなんですから!」
「分かったわよ。耀さん、三月さん、とりあえずここは黒ウサギについて行きましょう」
「むー、分かった」
「はーい」
飛鳥にそう言われ渋々黒ウサギについていく二人。残りの三人はというと、
「おい十六夜、お前はどう思う?」
「どう思う……ねえ……。まあ、このゲームのクリア方法は分かってる。お前らは?」
「黒ウサギを穴から引き上げた瞬間に分かったね。でも、少し様子見しようかな、と思ってさ」
「で、いつ動くつもりなんだ?」
「あの建物の中でやる。おそらく誘導に何か使えそうなものがあるはずだ」
ニヤリと笑う司。そして三人ともが悪そうな笑みを浮かべる。
「それじゃあ行こうか。このくだらないゲームを終わらせるためにさ」
******
場所は大きな建物の中の中に移る。その中には沢山の壁画があった。
「この壁画はさしずめミノタウロス伝説ってところか」
「ミノタウロス?」
「ミノタウロスとは、牡牛と人間の間に生まれた子供のことで、頭は牛で体は人間という異形の姿を持つ怪物だ」
十六夜が伝説の事について説明を始める。
「そいつは暴走するにつれて凶暴化、やがて誰の手にも追えなくなってしまった。そこで一度入ると二度と出られない迷宮、ラビュリントスを作らせ、ミノタウロスを放り込んだって話だ」
「相変わらず博識ね」
「その伝説……これとどう関係があるの?」
「ああ関係あるさ」
十六夜の言葉を英太が紡ぐ。
「迷宮には毎年七人の生贄が入れられたんだけど、その中にミノタウロス退治を志すテセウスっていう王子がいたんだ。で、そのテセウスって奴は迷宮に糸玉と短剣を持って迷宮に入った」
「………なるほど、糸玉は脱出の際の道標。短剣はミノタウロスを退治するためのものってこと?」
「ご名答。それでテセウスは見事迷宮から脱出しました、めでたしめでたし」
その話が終わると同時に司は壁画の下にある瓦礫をのけてその下にあった短剣を取り出す。
「短剣!?」
「瓦礫の下に隠れてたんだね」
「流石です十六夜さん、英太さん、司さん!それはきっと迷宮を攻略するためのカギなのですよ!それを大切に持ちつつ他の建物も探れば……きっとクリアできますよ!」
短剣を発見した途端黒ウサギのテンションが上がり嬉々としてそう言う。司はその短剣を十六夜に渡す。
「ああ、そうだな。これは」
「大切に」
「持っておこう!」
今起こったことを説明しよう。十六夜は渡された短剣を真っ二つに折る。それを司は業火で燃やす。最後に英太が焦げた短剣をかけらも残さず濃縮した魔力を打ち出して灰すらも消す。鍵となるかもしれない短剣は完全に姿を消した(消されたの方が正しいが)。そして当の本人たちは満面の笑みでそれを行っていた。
「ななななな……何しちゃってくれてるんですか御三人方!?」
「発言と行動が全く噛み合ってないわよ!?」
「一体全体どういうこと!?」
司たちの行動に耀を除く女性陣がツッコむ。
「……ったく、クソくだらねえ茶番劇に付き合ってやってるんだよ」
「さてと、ここでみなさんに問題です。このゲームのクリア条件とは一体何だったのでしょうか?」
「それでは、はい三月。答えをどうぞ」
十六夜は先ほどの笑みを消し、英太は両手を広げて愉快そうに笑いながらそう問いかける。司に関しては無表情である。
「え……?え、えーと……確か『ステージの謎を解き迷宮を突破』……であとは『ステージ内に潜むホストの打倒』だったっけ?」
「正解だ。それが今ならもれなく同時に満たせるんだよなこれが」
飛鳥と耀と三月は状況が読み込めていないのか首を傾げている。
「ということだ。覚悟しやがれーーー!!」
その次の瞬間、司が影で黒ウサギの動きを止め、英太が十六夜の拳に力を倍にする"
「なっ………!?」
「嘘でしょ!?」
「何をしているの十六夜君!?なぜ黒ウサギを……!?」
「よく見やがれ。あれは黒ウサギじゃねえ。それにこの迷宮も、案外チープなもんだ!」
そうしていると黒ウサギが壁にぶつかった部分から亀裂が走る。
そしてパキィンと音を立てて弾ける。そして目の前に広がっていた光景は、ゲームが始まる前に見たものだった。
「戻って……来たの……?」
「私達勝ったのかしら………?」
未だに状況を読み込めていない女性陣。十六夜が指差して言う。
「ちなみにさっき俺たちがやったのはアレだ」
「え、あれって…………!?」
「ま、まさかさっきまで一緒にいたのって…………」
顔を強張らせる飛鳥と三月。司と英太はそれに追い打ちをかけるように笑顔で言う。
「おっさん(変態)」
「違う、ロリコン好きのおっさん(女装趣味の変態)だろ」
「まあそれは置いといて、おそらく姿を変えるギフトを持っていたんだろ。黒ウサギが穴に落ちた時に入れ替わったと考えられるしな。で、俺たちよりも率先して動き体力を消耗させようとした」
「あ、だから飛鳥ちゃんがディーン召喚した時も必死で止めてたんだ」
「で、でもさ、なんで三人は黒ウサギじゃないって分かったの?」
耀が訳がわからないという風に問いかける。
「それは髪の毛で判断した。あいつの髪の毛は感情が高ぶった時のみ桜色になる。だけどさっきは常時桜色だった。だが、何より決定的だったのは………」
「「「あんまりアホ面じゃなかった事か……」」」
「「「ああ……!!」」」
真剣な顔で言う三人の言葉に納得する女性陣。
おいそれでいいのか問題児共、と突っ込みたくなる僕は間違えていない。(作者)
******
「あっ、いた黒ウサギ!」
「こんなところにいたのね」
「黒ウサギ〜、ひっさしっぶりぃ!」
「あ、皆さん!見てくださいこちらの方がこんなものを……ってあれ?」
黒ウサギは後ろに振り向くが誰もいない。黒ウサギに抱きついている三月が言った。
「どしたの?頭にクリティカルヒット食らってもっとおバカになっちゃった?」
「もっととはどういうことなのですか!?というか三月さん離れてください!」
「ヤダ〜、耳モフりたい!」
「ヤダではありませんしフリーダムにもほどがあります!それに唐突にそんな事をしないでくださいませこのお馬鹿様!」
「黒ウサギには馬鹿って言われたくない!」
「なんですって!?」
ギャーギャーと騒ぐ黒ウサギと三月。司は頭を痛そうに抑え、英太は「どっちもどっちだろ」などと言っている。十六夜はそのやりとりを無視しつつ黒ウサギに言う。
「あ、そうだ。ゲームクリアしたぜ!」
「ほ、本当ですか!?ということは黒ウサギは、お肉にならずに済んだのですね!」
「ああ!しかもチップにスゲーものを貰ったぜ!」
「すごいもの?それは新たなギフトですか!?」
黒ウサギは十六夜に期待の眼差しを向ける。そして十六夜は堂々と言った。
「お手軽バーベキューセットだ!」
カチン、と黒ウサギが固まる。
「コミュニティの子供達もきっと大喜びね!」
「たまには肉も食わねーとな!」
「料理は無理だけど焼くだけなら簡単だしね!」
「まあ東雲さんに料理をさせるなんて司が許さないだろうけど」
「お腹すいたー」
「耀、お前それしか言ってないんじゃねーか?」
「そんな事ない」
「ならいいけど……」
ワイワイと話しながら歩く六人を黒ウサギは遠い目で見る。そしてわなわなと震え始める。
「黒ウサギの命運を賭けたゲームだったというのに……バーベキューセットって………」
そして黒ウサギは両手を振り上げ泣きながら叫ぶ。
「もっと他になかったのですかー!このお馬鹿さん達はーーー!!」
******
とあるテントの中、ピエロと女性、そしてシルクハットを被った手品師が話していた。
「やぁオかえり団長さんアハハ。なンだか今日はご機嫌の様ダねアハハ!」
「どうしたんだい団長?君がそんなにご機嫌とは珍しいじゃないか」
「さっき可愛らしい子を街で見つけたんや。長いウサ耳の従順そうな子やった……是非ともご招待したいところやな、我が大サーカスに」
おまけ
「ところでウサギ肉って美味しいのかしら?」(飛鳥)
「鶏肉に似た味らしいぞ」(十六夜)
「…………(ぐー」(耀)
「!?」(黒ウサギ)
「よし、下処理と調理なら任せろ!」(司)
「しないでくださいこのお馬鹿様!」(黒ウサギ)
さて、あとがきですが……どうしてそんなに怒ってんの?
司「毎回思うんだけどさ、お前なんで遅れるの?」
え、あ、いや……それは……。
三月「素直に言えば許してあげない事もない」
ゲームしたり寝落ちしたりしていたら書く時間が減ってしまってました!すみませんでした!(土下座)
司「だろうと思ったよ。全く……書く時間ぐらいあっただろうに……」
昨日は学校から帰ってきて速攻で寝ちゃうし、調べ物あったしで書く時間がほとんど………。
三月「次からは気をつける様に」
はいです!それと次回ですが……少々甘くなる可能性が出てきます。
司「まあ戦闘もなければシリアスもないからな」
三月「よし、暴れよう!」
させませんよ?まあそこまで暴走はしないと思うので。それでは、次回もお楽しみに!