問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》   作:夜明けの月

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どうもー、この頃忙しくて終業式終わったくせに課外が10日以上あるってどういうことだ!と叫びたい夜明けの月です。

宿題多い……勉強嫌だー……。

ということで本編をお楽しみください。


行楽日に洒落込むらしいですよ?

「皆さんお肉が焼けましたよ〜。順番に取りに来ましょうね〜」

 

ノーネームの本拠で黒ウサギたちはバーベキューをしていた。この間手に入れたバーベキューセットで。

 

「なんだかんだでこのバーベキューセット役に立ってるね」

 

「そうですね。これほど重宝すればウサギ肉をかけて手に入れたかいがありましたよ。ですが………」

 

笑顔を浮かべて話すリリと黒ウサギ。だが黒ウサギは困ったような顔をして、

 

「あなた方は何をやってらっしゃるんですか!?」

 

「ふぇ?ふぁにふぁ?」

 

「食べ終わってから喋りなさい」

 

黒ウサギは司と耀に叫ぶ。二人が何をしていたかというと、

 

「なんだよ。別にいいだろ?食べさせてるだけなんだから」

 

「だからって口移しまでする必要はないでしょう!?」

 

「………………」

 

「いや……それは耀に頼まれたことであって俺がしたくてやったわけじゃ………」

 

「……………」

 

「あのー耀さん?なんでジト目でこっち見てくるんです?」

 

「……なんでもない」

 

プイッとそっぽを向く耀。訳が分からないという風な顔をして肉を頬張る司。そして頭を痛そうに抑える黒ウサギ。

 

「ヤハハ、またやったのか?」

 

「まったく飽きないわね」

 

「別にいいんじゃねえの?弄るネタが増えるだけだ」

 

「弄るな馬鹿」

 

司の元に十六夜、飛鳥、英太、三月の四人がやってくる。

 

「あ、司。これ食べてみて」

 

そう言って三月が差し出してきたのは黒ウサギが持っているものとそう違いがないお皿に乗った三本の肉串だった。

 

「…………は?」

 

「HA?じゃなくて食べてって言ってるんだけど」

 

「これを?俺が?」

 

「嫌なら…別に食べなくてもいいけど……」

 

そう言ってシュンとする三月。それを見て司はお皿から肉串を一本取る。

 

「食べるよ。別に食べない理由もないし」

 

「あ、ありがと……。それというの忘れてたけど……」

 

司が肉を口の中に入れた時に三月が言った。

 

「それ、私味見してないから(・・・・・・・・・)

 

三月がそう言った途端司が倒れる。

 

「つ、司!?」

 

「い、一体全体どうしたっていうのですか!?」

 

「ガハッ………忘れ、てた……こいつが料、理できな、いの…………」

 

司が倒れた理由は明白。三月が焼いた肉串を食べたからだ。司が倒れるほどの味が気になった英太はその串を取ろうとするが、

 

「やめとけ!!死にたいのか!!」

 

死にかけていたはずの司がすぐさま立ち上がり英太が取るのを阻止する。

 

「そんなにかよ……」

 

「初心者が食べればヤバイことになる。その味を感じたくなくて死にたいと思えるほどな」

 

「そ、そんなになのですか?」

 

「それちょっと食べてみたいかも」

 

「やめとけ。犠牲者は俺一人で十分だ」

 

一方、三月はお皿に乗っている肉串を見ながら言う。

 

「む〜やっぱりダメか………」

 

「お前どうやったらこんな味になるんだよ……」

 

「えーとね、まずは下味にデスソースと砂糖を大量に混ぜた醤油に漬けて串にネギと一緒に漬けた肉を刺してさっき言った醤油とシュールストレミングと納豆、あとレバーと青汁をミキサーにかけたものにもう一度漬けてそれを焼いた」

 

「アホか!そんなもん料理じゃねえ。ただの嫌がらせじゃねえか!!てかどうして見た目普通なんだよ!?」

 

「えー、レシピ見ながらやったんだけど。見た目はなんかそうなってた」

 

「訳分かんねえしそのレシピ作ったやつ教えろ。ぶっ殺してやる!!」

 

「いや、レシピは普通だった。だけど普通すぎたからアレンジ加えた」

 

「やっぱりそうなのかよ!!てかそれがダメだということに何故気付かない!?」

 

「え、だって普通ってなんか嫌じゃん」

 

「料理は普通でいいんだよ!面白さ求めんな!!てか味見しろよ!お前が俺に食わす時決まってお前は味見してねえじゃねえか!!」

 

必死にそういう司。三月の言葉を聞いた他の五人は顔を真っ青にする。

 

「む、どうしたのだ?司と三月以外顔色が優れないようだが」

 

そこに何も知らないレティシアがやってくる。

 

 

"レティシア=ドラクレア

所持ギフト『純潔の吸血姫(ロード・オブ・ヴァンパイア)』"

 

 

「あ、レティシアこれいる?」

 

「む、肉か。貰おうかな」

 

「ちょ、レティシアそれ食べるのやめろ!」

 

レティシアは司の制止も聞かず肉を頬張る。そして言った言葉は、

 

「まずまずの出来ではないか?」

 

「おお、意外に高評価」

 

「はぁ!?」

 

レティシアの評価はまずまずだった。

 

「司、お前嘘ついてたのか?」

 

十六夜が疑いの目を司に向ける。

 

「………そう思うなら食べてみろ。ほら」

 

そう言って司は手に持っていた串を手渡す。それを十六夜が食べると、

 

「…………………………」

 

無言そして何も言わずその場から崩れ落ちた。

 

「な、んだこ、れは………?」

 

「だから言ったろ。食わないほうがいいって。あいつの作る食べ物は以前から最高に不味いから」

 

そう言って十六夜に司は哀れみの目を向ける。そんな時だった。レティシアの横にある茂みが揺れた。

 

「何者だッ!!」

 

レティシアは手に持っていた串を投げる。そして小さな悲鳴が聞こえてそこを見ると、以前会った少女がいた。

 

「あ……えっと……」

 

「本当に何者だ……?」

 

「あ……あなたはもしかしてあの時の!」

 

 

 

******

 

 

 

「「「「え!?サーカスのチケット!?」」」」

 

場所は変わってコミュニティの大広間。そこで先ほど現れた少女から話を聞いていた。その話とは、東の街に移動サーカスが来てるらしく、そのチケットが手に入ったからどうか、という話だった。

 

「私はフェルナっていうの。あの街の小さなコミュニティに属しているの。十日前に助けてもらったお礼がしたくて貴方達のことを尋ねて回ってたの。そしたらここじゃないかって言われて……」

 

「わあーっ、それでわざわざお礼に出迎えてくれたのですか!」

 

いい子ですー、と笑顔を浮かべて感心している黒ウサギ。そんな時、飛鳥は小首を傾げて尋ねる。

 

「ちょっと待って。サーカスって一体なんのことなの?」

 

「あ、飛鳥のいた時代じゃまだ知られてないんだね。サーカスはね、人や動物が火の輪っかをくぐったり空を飛んだり玉乗りしたりいろんな芸を見せるものなんだよ」

 

「へ、へぇ……何だか野蛮そうだけど気にはなる……かしら……」

 

「ねー」

 

「黒ウサギも大変興味があります!」

 

「私も興味ある、かな……」

 

女性陣は興味津々といった様子だ。十六夜はその様子を見て少し驚いている。

 

「なんだお前ら。サーカスも見たことないのかよ」

 

「東側はそう言った娯楽が少ないから無理もないさ」

 

そう言ってレティシアが十六夜に説明する。フェルナは女性陣の言葉を聞き笑顔で問いかける。

 

「行ったことがないならなおさら良かった!絶対楽しめると思うよ?」

 

「で、でも私たちはいろいろ忙しいし……?」

 

「そ、そうなんです。お気持ちはとっても嬉しいのですが、今コミュニティを放って黒ウサギ達だけ遊びにかまけるわけには……」

 

うずうずそわそわしながら断ろうとする飛鳥と黒ウサギ。

 

「気にしないで行ってくるといいよ黒ウサギ」

 

するとコミュニティのリーダーのジンがそう言う。

 

「黒ウサギにはこれまで苦労かけっぱなしだったから羽を休めるいい機会じゃないか」

 

「ジン坊ちゃん……」

 

「コミュニティのリーダーがこう言ってるんだし行こーぜ行こーぜ!」

 

「だな。コミュニティのリーダーであるこのジンくんが言ってるんだもんな!」

 

人の言葉を間に受け、十六夜と英太は人の頭を叩く。

 

「外に行きたくてたまらない小学生ですか貴方はーー!!」

 

「それならお嬢様もそんな感じだぜ?」

 

そう言って十六夜は飛鳥がいるほうを指差す。すると飛鳥はいそいそと準備をしていた。

 

「実は行きたくてたまらないんですね……」

 

「よしじゃあ決まりだな!」

 

「YES♪本日はギフトゲームもお休みにして、行楽日と洒落込みましょう!」

 

そう言って行こうとする黒ウサギ達に司は、

 

「行ってらっしゃい」

 

と笑顔で手を振っていた。

 

「いや、司も行くんでしょ?」

 

「いや、コミュニティのこととかあるし。なぁフィーナ」

 

「?」

 

先ほどレティシアと一緒にお茶を持ってきたフィーナがそこにいたが、司の言葉に小首を傾げる。

 

「いえ、コミュニティのことは大丈夫なので行ってもらって構いませんよ」

 

「うーんだけど……」

 

「なら私が残りましょうか?」

 

凛と響き渡る声。その声の主はジンの横に立つ。

 

「母さん!?一体どこから……」

 

「さあ、どこでしょうね」

 

ふふふと笑っている声の主は司の母親、神野桜花だった。

 

 

"神野桜花

所持ギフト『憑依者』"

 

 

「だ、だけど……」

 

「いいから行って来なさい。それとも、私だけじゃ不安かしら?」

 

「いや、十分すぎる」

 

「ならいいでしょう。ついでにそこのおチビさんも連れて行ってあげたらどうかしら」

 

桜花はフィーナを指して言った。

 

「どうするフィーナ?一緒に行くか?」

 

「!行く、行きたい!」

 

フィーナは目を輝かせてそう言う。

 

「分かった。それじゃあ母さん、行って来ます」

 

「行ってらっしゃい」

 

そう言って司達は本拠を後にした。

 

「あれ?誰か忘れてないか?」

 

「……?気のせいじゃない?」

 

 

 

******

 

 

 

「わぁー大きなテントですね」

 

「この辺りは商業施設もずいぶん活気付いてるわね」

 

「うん、みんなあのテントが物珍しくてこの町に集まるから自然と賑わってきたんだ」

 

そう話しながら黒ウサギ達はテントの入り口まで歩いて行く。

 

「そういえば公演は何時からなんでしょうか?」

 

「えーと、お昼過ぎからだって。このサーカス一日に一回しか公演しないの。その割に観客があちこちから集まって来るの」

 

「つまり、それはとても貴重なチケットなんですね!?」

 

黒ウサギは嬉しかったのかフェルナを抱きしめて言う。

 

「そのようなものを黒ウサギ達のためにわざわざ集めてくださったなんて……フェルナさんはなんと良い子なのでしょう!」

 

「く……苦しいよ……」

 

「それに比べてうちの問題児ときたらもう大変でしてね!いつも少し目を離した隙に……」

 

そう言ってクルリと振り返る黒ウサギ。そして一瞬カチンと固まる。なぜなら先ほどまでいたはずの問題児達がいないのだから。

 

「やっぱり突然の自由行動してたーーー!!」

 

 

飛鳥の場合

 

「ねえ黒ウサギ見て!そこの露店のおじさまが『幸福になるツボ』を格安で売ってくれたわよ!」

 

「詐欺られてるんで今すぐリリースしてきてください!!」

 

 

耀の場合

 

「ポップコーンメガ盛りにしてもらった」

 

「もはや屋台荒らしじゃないですか!!」

 

 

十六夜の場合

 

「着ぐるみが喧嘩売ってきたからボコっといたぞ」

 

「謝ってください!!」

 

英太の場合

 

「あっちでムカつく奴がいたから魔法ぶっ放してきた。本気で」

 

「今すぐその人の治療をして謝って来なさい!!」

 

 

三月の場合

 

「さっき本拠で司に食べさせた肉串そこら辺りの人に渡してきた」

 

「もはやテロじゃないですか!!」

 

 

司の場合

 

「フィーナと一緒に遊んできた」

 

「うん」

 

「あーよかったのですよ。何かしでかしたのではないかとヒヤヒヤしましたよ」

 

「まあ屋台が二三個潰れたけど、別にいいよな!」

 

「よくないですよ、というか問題起こしてるじゃないですかー!!」

 

 

 

「「「祭の空気に浮かれてやった。今は反省している」」」

 

「「「いつもの感じで行動した。反省という文字は知らない!!」」」

 

「せっかくの休日だというのに胃がねじ切れそうです……」

 

「大丈夫?」

 

「た、大変なんだね……」

 

 

******

 

 

そして場所は変わってテントの中。

 

「It's show time!!」

 

全員が席に着いたところでサーカスの公演はスタートした。色々な芸が行われてゆく中、黒ウサギははしゃいでいた。それを横目に見る英太は黒ウサギに尋ねる。

 

「そんなに楽しいのか?」

 

「はい!気がねなく物見遊山に興じることなんて久しぶりなので……」

 

「なら今のうちに楽しんどけ。そういう時間は楽しんだもん勝ちだ」

 

「はい!」

 

パァ、と笑顔を咲かせる黒ウサギ。それを見て少しドキッとする英太。

 

「(さっきの可愛すぎるだろ………)」

 

英太はニヤける口を押さえる。

 

そんな中、サーカスの演目は終盤を迎えていた。

 

「さあさあショーもクライマックス!ラストは大マジックで締め括りどすえ!」

 

サーカスの団長と思われる女性は両手を大きく広げそう言った。

 

「これからそのマジックの主役を二名、お客はんの中から選ぶさかい!それはこの方々!!」

 

そうしてスポットライトが当てられたのは、

 

「えっ!!く、黒ウサギですか!?」

 

「私も!?」

 

黒ウサギと三月だった。

 

「おめでとうどすウサギはんにお嬢ちゃん。さあ舞台でおいでやす」

 

「でも何をすれば良いのやら………」

 

「分かんないんですけど……」

 

恥ずかしそうに、そして嬉しそうに頭をかきながらそう言う二人。

 

「ご心配なく。お二人はそこに座っとるだけでええので」

 

ステージには椅子が二つあった。そこに黒ウサギと三月が座る。

 

「ほんでは今から、こちらのウサギはんの姿を変えて見せるどす。スリー、ツー、ワン!!!」

 

すると二人の姿はたちまちドラゴンとなる。観客はそれを見て盛り上がる。

 

「これにて本日の公演は終了どす。皆様のまたのお越しを待っとります」

 

そう言って締める女性。

 

一方、ノーネームの面子は驚きを隠せなかった。

 

「すごい……けど……」

 

「ええ……」

 

「黒ウサギや東雲さんはどこに行ったんだ……?」

 

 

 

******

 

 

 

「待たせた……」

 

「どうだった司?」

 

「それがスタッフに尋ねたら裏口から退場させたっていうんだよ。もしかしたらこのあたりをうろついてるんじゃないかって」

 

「面倒だな。先に帰るわけにもいかねえし」

 

「ったく、探すしかねえか」

 

公演で黒ウサギと三月の姿を変えるマジックを行ってから二人は行方不明となっていた。

 

「耀、五感である程度の居場所は把握できないか?」

 

「さっきやってみたんだけど、この街雑然としすぎてて匂いの判別がつかなかった」

 

「司お兄ちゃんの隷属してる人は?」

 

「……あ、そうか!クロウ、周辺を探れるか!?」

 

そう言うと司の横に黒のコートを着たクロウと呼ばれる青年が現れる。

 

「やってはみたのですが……どうも変でして」

 

「変?」

 

「この街にいる人々の判別がつかないのです。普通なら僕の場合、地面に映る影で判別できるのですが、なぜかは知りませんが正確に判別ができず、黒ウサギ様や東雲様がどこにいるかわからなかったんです」

 

「そうか……」

 

「みんなーっ」

 

「フェルナ。どこに行ってたの?」

 

トコトコと走ってきたフェルナに耀が問いかける。

 

「とりあえず向こうに宿を取っておいたの。どっちにしろ今から帰っても暗くなるし、今夜はこの街に滞在したらどうかって」

 

「そうだな……とりあえずそうするか」

 

 

 

******

 

 

 

フェルナの取った宿の中、司は窓から外を眺めていた。

 

「どうしたんだよ司。そんなに外眺めて」

 

後ろのベッドに腰掛けている英太が尋ねてくる。

 

「いや、なんでもない」

 

「東雲さんいなくて不安か?」

 

「ブッ!!だ、誰が!!」

 

「はいはい。お前ちゃんと休めよ」

 

「そっちこそ」

 

そう言って部屋を出て行く英太。司は再度外を見て、

 

「サーカスのテントに灯りがついたような気がしたが……気のせいだよな」

 

 

 

おまけ

 

「つーかレティシア、お前どうしてあれがなかなかだと」(司)

 

「目の前で不味いと言えなかったからそう言っただけだ。実を言うと私も倒れたかった」(レティシア)

 

「あいつには料理はさせないでおこう」(司)

 

「そうだな。それがいい」(レティシア)

 

「人がいないところで他の人のこと悪く言うのやめような」(英太)

 

 




ということで前回言った甘くなるというのはできなかったので、一人の秘密をバラしました!

司「本当に料理させちゃいけねえ……」

英太「意外だったな。あの東雲さんができないとは」

十六夜「もうあれは食いたくねえ……」

ということであとがき行きますが、少し原作とは展開を変えてみました。

司「黒ウサギと三月が行方不明か……」

英太「二人が行方不明……もしかしてこれからの展開も変わってくる?」

ええもちろん。

十六夜「まあそれはいいんだが……俺たち何か忘れてねえか?」

それは次回ということで。それで締めましょう。

司「ここまで読んでくださりありがとうございます」

英太「次回もお楽しみに!」


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