問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
……どうしてこうなったんだろう。
では、お楽しみください。
森の中に立つ大きなログハウスがあった。そこでは四人の少年少女が来るべき時のための準備を進めていた。
「おーい、司ー。これどこに置くんだー?」
「三月にでも聞いてくれ。こっちは料理作るので忙しいんだよ」
「……三月さん、ソファーで寝てるけど」
「その馬鹿叩き起こせぇ!!」
騒々しくも準備を進めていく司、英太、浩也、三月の四人。何の準備かというと、
「東雲さん、起きないと司が修羅になっちゃうから。そうなるとパーティーどころじゃなくなるから」
「まあパーティーになるんじゃない?血祭りだけど」
「上手くないからな?」
「むぅ……。疲れたー……」
「頼むからさっさとしてくれ!他の奴ら来ちゃうから!」
司が切羽詰まったように嘆く。
そう、ここでは、これから多くの異世界人を招待したクリスマスパーティーを行うのだ。その為の準備をしているのだが………。
「まだ、六割も済んでないじゃないか!」
料理がひと段落し、エプロンをつけた司が周りを見ながら三人の元に来る。
「俺は手が離せないから頼むって言わなかったか?」
「と言われても、東雲さんこの状態だし、俺やる気ないし、どうしろと?」
「報酬あるって言ったろ」
「その報酬は?」
「以前作ったチョコケーキ」
「「よし、張り切って頑張ろう!」」
「切り替え速くないかな!?」
こうして準備は着々と進んでいく。今日は12月25日。聖なる夜である。聖夜の奇跡が今、始まろうとしていた。
☆☆☆☆☆☆
「はぁ……なんとか終わった……」
「てか、お前料理は?」
「ふふ、すべて作り終わってる」
「抜かりないなぁ。料理に関しては」
四人がソファーに座り込む中、英太が何かに反応する。
「どした?」
「誰か来たぞ」
「お、早速か」
すると、早にノックの音が響く。
「はいはい、誰ですかっと」
司がドアに近づき、開けるとそこには、寒そうに腕を摩る少女と少年二人がいた。
「来たか詩音、真尋、千斗」
「こんばんわ」
「よぉ、俺たちが一番乗りか?」
「そんなことより中に入れて。寒すぎる」
そう言われて、とりあえずリビングに通す。
「はぁ……温い……」
「全員揃ったら大広間に移動してもらうから。それまでは待っててくれ」
そんなことを言っていると、ドアがまたもやノックされる。ドアの向こう側からは何やら楽しそうに話している声が聞こえてくる。
「はいはーい」
司が適当に返事をしてドアを開けると、そこには見知った人たちがいた。
「メリークリスマス!」
「どうしてログハウス……?」
「初っ端からツッコまない」
「ハッピークリスマス!」
「何かが違う気がするがまあいいか……」
「こんばんわ〜」
「こんばんわ……なのか?」
「おお、安倍三兄妹に凍夜と琉璃、それに信也、秋人。いらっしゃい」
「他にもいるぞ」
凍夜が後ろを指さすと、そこにははしゃぐ少女と捕まえようと追いかける少年。それを暖かく見守る少女がいた。
「わぁ〜、雪だ!」
「子供かテメェは!走るな、止まれ!」
「あはは〜、二人とも元気だね〜」
吹雪、玲華、楓の三人だった。
「吹雪達か。一体何やってるんだ?」
「追いかけっこじゃね?」
「どうでもいいから中に入りたい」
信也が体を震わせながらそう言った。
司は走っていた玲華を止め、全員を中に入れて確認する。
「………えっと、あと来てないの誰だっけ?」
「あいつらじゃないか?颯人と初愛」
「ああ、そうだったな」
その時、ドアが控えめにノックされる。司はドアを開けて来た人を中に入れる。
「いらっしゃい」
「はぁ……寒かったです」
「呼んでくれてありがとうね」
ジャージを着た少年、颯人と着物を身につけた初愛だった。
「お、全員揃ったんじゃない」
「よし、それじゃあ始めるか!」
「クリスマスパーティーの開始だ!!」
『いぇーい!』
☆☆☆☆☆☆
場所は変わって大広間。そこには大きなテーブルが一つと様々な料理があった。
「僭越ながら、僕が乾杯の音頭をとらせていただきます。それでは、この素晴らしき聖夜と集まっていただいた皆様に、乾杯!!」
浩也がそう言った瞬間、広間が騒がしくなる。なぜ、浩也なのかというと、
『乾杯の音頭、誰がとる?』
『じゃんけんで負けたやつでいいんじゃね?』
という英太の提案により、浩也に決まったのだ。
「キマってたぞ浩也」
「………何で僕が」
「よかったぞ」
「そうそう」
「そう言われると余計に恥ずかしいんだよ!!」
司、凍夜、吹雪の三人が笑いつつ浩也を褒める。浩也は吹っ切れたように叫ぶ。
「篠宮君、お酒ある?」
「おう。ここにあるぞ」
「よし、こうなったら自棄飲みしてやる!!」
浩也は恥ずかしさのあまりキャラを壊しながら一升瓶を煽る。
「おお、いい飲みっぷりだな」
「酒か……飲んだことはないが興味はあるな」
「なら飲むか?ここにもあるし。前飲んでからハマったんだよ」
「「よし、飲むか!」」
司たちが酒を飲もうとする中、他の人たちはというと、
「……これ普通に美味しくない?」
「まあ、司が腕によりをかけて作ってたからね」
「これ司が作ったのか!?」
司が作った料理に舌鼓をうっていた。
「ぷはぁ〜、お酒おいしい〜」
「要ちゃん、飲み過ぎ注意だよ」
「そうだぞ要。飲みすぎはダメだぞ(ゴクゴク」
「要、程々にしないとダメなんだよ(ゴクゴク」
「お前らが言える立場じゃないだろ」
酒を飲むことにエンジンがかかりつつある要達を注意する三月と秋人。そんな中、その他はというと、
「料理美味しいね」
「初めて食べました……美味しいですね、このお肉」
「うん、これはこれで美味しいよね。あっさりしてて食べやすいし」
「ケーキ美味しい〜」
「お姉ちゃん、ケーキばっか食べたらダメだよ〜」
「にしても美味いな」
「千斗も肉ばっか食べない」
「というか、みんな普通に飲んでるけど、お酒って二十歳からだよね?」
「「「「「「「気にするな」」」」」」」
「いやそこ気にするところだよね!?」
飲んでいる全員に颯人が告げるが、全員聞く耳なしである。そのうち、要はというと、
「そんなに注意しなくてもいいじゃん。三月ちゃんも飲んでみたら?美味しいよ?」
「やめとく。なんか嫌な予感が「えいっ♪」んぐっ!?」
要は拒んだ三月の口に一升瓶の先を入れ、無理やり酒を飲ませた。
「ぷはぁ!!普通に苦しいよ!!」
「でも美味しいでしょ?」
「………否定はできない」
「ほらほら、詩音ちゃんも飲んで飲んで!」
「いや、私はいいyんぐ!?」
要は、詩音にも三月にした同じことをする。
この後、要のこの行為が悲劇を招くことをその場の誰も知らなかった。
☆☆☆☆☆☆
「暇だし、何かやるか?」
凍夜がそう切り出す。料理とケーキは一通り食べ終わり、全員が手持ち無沙汰になっていた。
「と言われてもどうする?」
「対戦とかは嫌だぞ」
「じゃあ何するの?」
司達が話し合っていると、そこに、
「王様ゲームやるー!」
テンションMAXの三月が提案してきた。
「王様ゲームか……。面白そうだが」
「この中にとんでもないことを命令するやついるかもだし……」
「というかクリスマス関係なくないか?」
凍夜と吹雪が疑問に思う中、司は固まり口角をひくつかせていた。
「………………おい、誰だ。そこの方向音痴に酒飲ませたの」
その声に近くにいた英太がビクンッと跳ね上がる。
「………へ?」
二人が三月に注目する。三月の頰は赤く染まっており、目がとろんとしていた。そして、だらしなく笑っている。
極め付けに、
「私、お酒なんて飲んでないよ〜えへへ〜」
「「その発言が飲んでることを示しているんですがそれはどうなんですかね!?」」
「てか、本当に誰だよ!この悪魔再臨させた人は!?」
周りを見渡す司に、酒を飲ませた主犯である要が名乗り出た。
「あ、それ私」
「何やってくれてんだよ!」
「そんなにまずいのか?」
「………見境なく接吻迫るとしてもか?」
司がそう言った途端、吹雪と凍夜が三月を見る。すると、三月はにへらと笑い、
「ふふ、大丈夫だよ。じっとして目を閉じてたらすぐに終わるから」
「「遠慮させてもらいます!!」」
「「こっち来んな!!」」
四人と一人(酔っ払い)の追いかけっこが始まる。それを眺めている真尋、千斗、秋人、信也は思った。
『あそこにいなくてよかった』と。
「まーひーろー♪」
「うわっ!って詩音か。どうしたの?」
「にゃーんでもにゃーい」
「こっちも酔っ払ってね?」
詩音も三月のような表情になっていた。
「………ねえ千斗、秋人、信也」
「………なんだよ真尋」
「………何だ、真尋」
「………言わなくていいよ真尋。いやな予感しかしないから」
「………これ、まずいやつだよね」
真尋は遠い目をしながらそう言った。それはそこにいた四人が全員思っていた。その予想は当たっていたみたいで、
「むにゅぅ……ねぇ、真尋」
「何?」
「一緒に寝よ?」
「信也パス!!」
「えぇ!?」
真尋は詩音を信也に向かって投げる。それを律儀に受け止めた信也。
「むぎゃう!」
「わわっ!ちょっと、なんで投げ「信也でもいいよ?」後で謝るから許して。千斗パス!」
「投げてくるんじゃねぇ!秋人に渡せ!」
「何故俺なんだ!元はと言えば真尋に頼んだんだろう?ならば、真尋に渡すのが普通じゃないのか?」
「それもそうだね」
「納得しないで!」
こっちもこっちで負けられない?戦いが始まった。
それを要は他人事のように眺めながら、コップを煽る。
「みんな元気だね」
「元凶のお前が言うか?」
「うちの妹っていつからこんな悪魔みたいになったんだろう」
呑気に言う要に頭を抱える兄二人。
「ねえ日陰、どうして私の目を覆うんですか?」
「君は見ちゃダメだ。絶対に」
純粋な初愛を守ろうと颯人は目を塞ぐ。
琉璃と浩也はというと、
「すぴー………」
「すぅ………」
「こんなにうるさいのによく寝てられるね」
「はしゃぎすぎ疲れたんじゃないかな」
寝てしまった玲華と楓に膝枕をしていた。
「あ、そうだった。あれやってないんだ」
「ん?どうしたの?」
琉璃はハッとして重大なことを忘れていたことに気づく。浩也はそれを問うが、琉璃は笑顔で答える。
「この事態が収まったらみんなに言うから、楽しみにね」
浩也は疑問に思いつつ、目の前に繰り広げられたカオスをまた眺める。この事態が収まったのは、これから二時間後だった。
☆☆☆☆☆☆
「お疲れ様。大丈夫?」
「琉璃、この状況を見て大丈夫だと思うか?」
大広間では、被害にあいかけた男性陣がグロッキー状態になっていた。そうさせた詩音と三月は、酔っていた頃の記憶がないようで、状況を飲み込めずにいた。
「まあ大丈夫じゃないのはいいとして。私からひとつ言うことがあるんだけど」
他の全員が琉璃に注目する。
「プレゼント交換、してなくない?」
『あ……』
全員が思い出したかのように声を出す。
「そういや、やってねぇな」
「せっかく用意したのにね」
「じゃあ、やるか」
「賛成ー!」
「お姉ちゃん……寝起きなのにテンション高いね〜……」
そうして始まるプレゼント交換。大広間が再度賑やかになる。
そうして夜が更けていくのだが、それはまた、別の話。
参加していただいた皆様、キャラ崩壊してたらすみません。
終わり方が端切れ悪かったらすみません……。
次の正月の特別編を出します。
それでは、次回もお楽しみに。