問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》 作:夜明けの月
あの外道がでてきます。正直あまり好きじゃないんですよねあの場面。
ということで、どうぞお楽しみください!
「世界の果てまで行こうぜ!」
「・・・・・・は?」
上機嫌な黒ウサギを先頭にして箱庭へと向かう最中に十六夜に声をかけられた。
唐突すぎるし、訳わかんねぇ・・・
「あのなぁ、今から箱庭行こうって時に何を言ってやがるお前は。頭の中に妖精でもいるのか?」
「俺はそんなファンタジー野郎じゃない。いたって普通の人間だぜ?」
はあ?何を言ってやがる。
「じゃあ、なんで頭殴られた時、俺気絶したんだよ!一発で意識落ちるって完全におかしいだろ!!」
「今大丈夫だから問題なし」
「んなわけねぇだろ!問題あるわ!」
宣言通り、さっき本気で殴られた。おかげで今も頭痛いし、あのとき走馬灯みえたし・・・・、今日は厄日か?
「んなことより、どうすんだよ?」
そんなに行きたいのか?世界の果て。
(興味がないわけではないけど・・・)
「やっぱりいいわ。俺じゃお前と同じ速度で走れないし、何より気がのらない。嫌な予感するから」
「あら、心配してくれるのかしら?」
そういって声をかけたのは久遠だった。
「・・・・・・心配無用」
一言だけ言ったのが春日部だ。
「別にそういうわけじゃない。ただ行くのが面倒なだけ」
「根性がないんだよな♪」
「それをいうなら意気地無しね♪」
「根性なしがー」
「そんなんじゃねーよ!ただ行きたくないんだ。それになんでそんなにディスるのかな?春日部はなんか違う気がするし」
まあ、可愛いけどさこういうの。って何考えてんだろ俺?
「とりあえず分かった。黒ウサギには適当に言い訳しといてくれ」
そう言って十六夜は世界の果てへと走って行った。
「言い訳するのは絶対かよ・・・」
返答待たずに行くってどういう思考回路してるんだ?
「まあ、適当にやり過ごせばいいでしょ?あの子、気づいてないし」
そう、黒ウサギはウサ耳かあるのにかかわらず全くこちらを向かず、スキップしながら俺達を先導している。・・・・・・既に一人いないが。
(そういう久遠は、俺と春日部置いて先に行ってるし・・・・・・。)
全くの自由人である。
「それは主の責任だろーが!」
いきなり大声を出した俺にビクッとふるえて驚く春日部。なにこれ可愛い・・・。
「・・・・・・いきなりどうしたの?」
「いや、なんでもない。それより行こうぜ、見失しなっちまう」
「う、うん・・・・・・」
話を切り上げ、足を進める司。これ以上作者の思考にはいらないでほしいものである。
(あ”?なめてんのか?)
いや、その・・・、すんませんでした調子にのりすぎました・・・(涙)
(わかればよろしい)
何故負けるのだろうか、不思議である。
少年少女移動中
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ジン坊っちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」
上機嫌だが、どうしよう一人いないよ?世界の果て行っちゃったよ?
「お帰り、黒ウサギ。そちらの三人が?」
「はいな、こちらの御四人様が―――――――ってあれ?もう一人いませんでした?ちょっと目つきが悪くて、かなり口の悪い、いかにも『俺問題児!』っていう殿方が」
カチン、と固まり告げる黒ウサギ。
「ああ、十六夜君のこと?彼なら『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』と言って駆け出して行ったわよ?」
固まっていた黒ウサギはウサ耳を逆立てて
「な、なんで止めてくれなかったんですか!」
「『止めてくれるなよ』と言われたから」
と、久遠が主張する。
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」
「『黒ウサギには言うなよ』と言われたから」
と、春日部も主張する。
「じゃあ、何故一番の常識人の司さんは教えてくれなかったのですか!」
と言われてもなぁ・・・・・・
「結構大声で言ってたし、聞こえてるかなぁと思って。だって、お前の自慢のウサ耳あるじゃん」
ウサ耳を指差して言うが
「え、え?聞こえなかったのですよ・・・・・・?」
やっぱりか・・・、ホントにこいつは・・・
「・・・・・・・・・黒ウサギ(笑)」
俺は誰にも聞こえないような声で呟いたが、
「フフッ・・・・・・・・・」
春日部が笑った。てことは聞こえてるなこいつ。まあ、別にいいだろ聞こえても。
「で、でも!言ってくれる機会はあったはず!実は面倒くさかっただけでしょう御三人さん!!」
そう言われたなら答えは一つ!!
「「「うん」」」
ガクリと倒れる黒ウサギ。さすがにやり過ぎたか?
「た、大変です!『世界の果て』には野放しになっている幻獣が」
「・・・・・・幻獣?」
「は、はい!ギフトを持った獣を指し、出くわせば最後、人間では太刀打ちできません!」
そんなに力説するってことは、結構やばいやつらなんだな。
「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバー?」
「ゲーム参加前にゲームオーバー?・・・・・・斬新?」
「はっ、ざまあねぇな十六夜!」
「冗談ではありません!でなぜ貴方はそんなに嬉しそうなんですか!?」
それは・・・・・、なんとなく?
そうこうしている間に黒ウサギはため息を吐きつつ立ち上がった。
「はあ・・・・・・・・・・ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが、御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「分かった。黒ウサギはどうするの?」
「私は問題児を捕まえに参ります。『箱庭の貴族』とうたわれるこのウサギを馬鹿にしたことを骨の髄まで後悔させてやるのですよ!」
黒ウサギの髪が艶のある黒から淡い緋色に染めた。そして、世界の果てに行った問題児が行った方向を睨み
「一刻ほどで戻ります!皆さんはゆっくりと箱庭ライフを御堪能ございませ!」
「・・・・・・。箱庭の兎は随分と速く跳べるのね。素直に感心するわ」
「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属ですから」
そう、と久遠は空返事した。
「黒ウサギもああ言っていたし、御言葉に甘えて先に入りましょう。エスコートは貴方がしてくれるのかしら?」
「え、あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。御三人の名前は?」
あ、そういや自己紹介まだだったな。
「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱えているのが」
「春日部耀。そこの普通の人?は」
「なぜ疑問形になるんだよ。神野司だ。よろしく、ジン」
挨拶の意味も込めて手を差し出した。
「はい!よろしくお願いします!」
そういって、ジンは差し出した手をつかみ、握手した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうして、五人と一匹は箱庭の幕下にでる。ぱっと頭上に眩しい光が降り注いだ。あれ?天幕あったのに、なんで太陽の光が・・・?
「スゲェ・・・、ここの建造物もすごいが、あの天幕はなんだ?なんで太陽が見えてやがる?」
「箱庭を覆う天幕は内側に入ると不可視になるんですよ。そもそもあの天幕は太陽の光を直接受けられない種族のために設置されていますから」
「あら、それならこの都市には吸血鬼でもいるのかしら?」
「え、居ますけど」
「・・・・・・・・・・・。そう」
そうこうしていると、久遠の提案でカフェで話すことにした。
「いらっしゃいませー。御注文はどうしますか?」
「えーと、紅茶2つと緑茶一つ、コーヒーを一つ。それと軽食にコレとコレと」
『司の兄貴、ネコマンマを!』
「ああ、あとネコマンマ」
「神野くん。あなたそんなもの食べるの?」
久遠とジンは頭の上に[?]を浮かべ、春日部と猫耳の少女は目を見開き驚いている。
「俺じゃない、春日部の三毛猫だよ」
俺の発言に一同が騒然とした。なんか変なこと言った?
「神野、三毛猫と話せるの?」
春日部に聞かれるが、あまり自覚してないんだけど・・・・・・。
「いまさっきつい聞こえたから気のせいかもしれないからな~。つまり自分じゃ全く分からん」
「にゃーにゃにゃにゃー。にゃにゃーにゃーにゃにゃにゃーにゃー」
うん、やっぱりわからない。にゃーしか言ってないじゃん。
「やだも~、お客様ったらお上手なんだから♪」
猫耳の少女は長い鉤尻尾をフリフリ揺らしながら店内へ戻っていった。
「・・・・・・箱庭ってすごいね、三毛猫。私以外に三毛猫と言葉が分かる人いたよ」
『来てよかったなあお嬢』
「ちょ、ちょっと待って。貴女もしかして猫と会話できるの?」
珍しく久遠が動揺し、ジンも興味深く質問していた。俺はというと、コーヒーを飲みつつ軽食をとっていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どれくらい時間が経っただろうか。司が食事している最中に結構話が進んでいた。
なぜか同席することになった、ガルド=ガスパーというやつだった。そいつの話によると、ジンのコミュニティが存続できているのがやっとのものであり、コミュニティのシンボルである“名”と“旗印”をあるギフトゲームによって失ったらしい。それにより、仲間が減り、今は黒ウサギとジン以外はギフトゲームに参加できない子供達だという。
そして、その“名”と“旗印”を取られたギフトゲームを開催したのが、箱庭の最悪の天災、“魔王”らしい。今の話の内容はこんなものだろうか。
(こいつ、つまんねーな・・・)
俺はガルドを見ながら思った。
「このジン=ラッセルのコミュニティに入るよりかは、他のコミュニティに入った方がよろしいかと」
「確かに、それはそうよね」
話の相づちを打つ久遠、黙って話を聞く春日部、怯えたように顔を青ざめているジン、自慢気に話を進めるガルド。誰が見てもジンが劣勢なのはみてとれた。俺はそれが気に入らない。
「単刀直入に聞きます。黒ウサギ共々私のコミュニティへきませんか?」
「なっ・・・・・・!」
そうきりだしたガルドの言葉に絶句するジン。
「どうですかレディ達とジェントルマン。返事はすぐにとは言いません。貴女達は箱庭で30日間の自由が与えられます。一度、両方のコミュニティを視察し、十分に検討してから――――――」
「はぁ・・・・・・」
全くこうも清々しいと、呆れるをとおりこして尊敬するよ。
「あの、どうかしましたか、ジェントルマン?何か不満がありましたら―――――」
「・・・・・・俺はお前が気に入らない」
今まで生きていた中でも最高の殺気を放ちながら言った。
「・・・・・・・・・っ!!」
「なんでお前みたいな外道に付き合わなきゃいけないんだよ。だいたい、隠し事だったらお前もしてるじゃねーか」
わざとらしく次の言葉を煽るように言う。
「そ、それはどういうことでしょうか?私にはさっぱり・・・」
恐る恐る聞いてくるガルドに最大の爆弾を投下した。
「と ぼ け て ん じ ゃ ね ぇ よ 」
その言葉にその場が騒然とする。
「お前のコミュニティは、他のコミュニティを吸収したとか言ってたな。普通はそんなにホイホイ自分達の“名”や“旗印”を売るようなことはしない。じゃあ、どうするか。答えは簡単、相手のコミュニティから人質をとりギフトゲームせざるをえなくした。そして不利なゲームを仕掛け勝ち、そして今に至るっとそんな感じか?」
「へえ、ならその人質たちは?」
お、久遠はなかなかノリがいいな~。
「ちょっとお待ちを。それは単なる憶測の話では――――」
「『黙りなさい』」
ガチン!とガルドの口は不自然な形で勢いよく閉じた。
「・・・・・・!?・・・・・・・・・!?」
「私は貴女には聞いてないわ。『そこに座って大人しくしてなさい』」
すると、ガルドは勢いよく椅子に座り込んだ。
「それで続きを話してくださる?」
「あ、ああ・・・・・・」
怖えぇ・・・・・・、将来旦那になったやつはしりにしかれるな。
「つまり、こいつは、ギフトゲームをするために人質をとって、強制的に行った訳だ」
「・・・・・・じゃあ、その人質は?」
次は春日部が聞いてきた。こいつもノリがいい。
「もう、殺したんだろ。半分は証拠隠滅半分は腹いせだろうな」
俺はそう断定した。
「そういうわけだ。で、久遠と春日部はどうするんだ?」
まあ、答えは見えてるが
「そんなのジン君のコミュニティがいいわよ。春日部さんは?」
「うん、私はこの世界に友達を作りに来たからどこでもかまわない。・・・・・・・・・・・・司がいるならどこでも」
ん?最後のほうが聞こえなかったがまあいい。
「じゃあ、私が友達一号に立候補していいかしら?」
「あ、ずりぃぞ久遠!俺も立候補していいか?友達二号として!」
「・・・・・・うん。二人とも私の知らないような人だからかまわない」
やった、異世界で友達ゲット!
「久遠さん、神野、よろしく」
「あら、飛鳥でいいわよ。神野君もね?」
「俺も司でいいぜ」
「・・・・・・うん。私も耀でいい」
「「よろしく、耀/耀さん」」
ああ、これはいい。すごく心が休まる。ふと、思い出した。
「ということで、満場一致だ似非紳士」
「ええ、もう帰っていいわよ」
パチンと指を鳴らすと、ガルドの拘束がとけた。
「・・・・・・っ!?ふざけるなあァ、小娘共ォォォォ!!」
飛鳥に襲いかかろうとするが
「喧嘩はダメ」
簡単に耀に取り押さえられた。ざまあねぇな!
「いまさっきは見逃そうと思ったけれど、やめるわ。ジン君、この外道を裁くにはどうしたらいいのかしら?」
「は、ええと、箱庭に申請して下調べを行ってからになるので、最低一ヶ月は必要かと」
わぉ、意外にかかるなおい。
「遅すぎるわ。速くてこの外道に絶望を与えるようなものじゃないと」
この場のノーネームの全員が次の言葉を予想できた。
「ギフトゲームで勝負しましょう。私達ノーネームと貴方のコミュニティで。名誉と誇りをかけてね」
さあ、楽しい箱庭生活の幕開けだ。
どうでしたか?
司「あまりにも腹が立ちすぎたな、この場面は」
まあ、僕もあまり好きじゃないですし
司「それで今回のゲストは?」
はい!この方に来ていただきました!それでは、どうぞ!
耀「いえい」
司君のヒロイン、春日部耀さんです!
司「そういえば、分かりやすすぎるだろあの耀の発言」
いいじゃないですか。やりたかったんですよ、こういうこと。
耀「別に私の気持ちは変わらない」
そういうのはくっついてからやってくださいね~
司「やらせてるのはお前だろ」
サテ、ナンノコトヤラ
司「おい、逃げるな」
耀「そろそろ締めるよ」
今回も見ていただきありがとうごさいました!
司「次回も楽しみにしてくれよな」
耀「誤字脱字の注意、感想もよろしくお願いします」