問題児たちと憑依者たちが異世界から来るそうですよ? 《凍結中》   作:夜明けの月

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どうも、夜明けの月です。

今話で今日3話目です。

まだまだ頑張りますよ~

というわけで、本編をどうぞ


白髪の少女だそうですよ?

「何をしているのですか、お馬鹿様方!!」

 

ガルド=ガスパーが帰り、少しして黒ウサギと合流して先ほどあったことを伝えると説教された。今もその最中である。

 

「な、何故あの短時間のうちに『フォレスガロ』のリーダーと出会い、喧嘩を売る状況になるのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリーの中で戦うなんて考えなしにも程があります!!」「準備している時間もありません!」「どういう心算のあってのものです!!」

 

「聞いているのですか御四人方!!」

 

 

「「「むしゃくしゃしてやった、今は反省しています」」」

 

 

「黙らっしゃい!!!」

 

まるで口裏を合わせたのかのように言い訳する三人に激怒する黒ウサギ。

 

「司さんは聞いているのですか!!」

 

あと一人の声が聞こえないと思って司のほうに向くと

 

 

「くーーーーーーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「寝るな!!」

 

黒ウサギが司をハリセンでたたく。

 

「ウガッ!!!」

 

突然の衝撃に驚く。

 

「何だ!?敵か!?」

 

「ボケるのも大概にしなさい!!」

 

またハリセンで叩かれる。・・・・・・地味に痛いんですが・・・。

 

「全くなんなんだよ。人が気持ちよく寝てたのに」

 

「説教中に寝るとは何事ですか!?いい加減真面目に行動してください!!」

 

「俺はいつでも大真面目だッ!!」

 

「どの口からそんな言葉が出るのですか、このお馬鹿様!!」

 

連続してハリセンでしばかれって痛いわ!!

 

「まあ、いいじゃねーか。見境なく喧嘩売ったわけじゃないんだし」

 

後ろでニヤニヤしていた十六夜がそう言った。いや、見てないで助けてくれよ・・・。

 

「い、十六夜さんはいいと思っているかもしれませんが、このゲームで得られるのは自己満足だけなのですよ?『契約書類』を見てください」

 

「ああ、確かに自己満足だな」

 

「じゃあ、何故このようなことを・・・・・!」

 

そんなの決まってるだろ・・・・

 

「死んでいった子達が報われない」

 

俺には明確な目的があった。ガルドに殺された子供たちを埋葬してやることだ。死体はないだろうが、墓を立ててやることは可能だ。それに・・・・、

 

「あんな思いをするのはもう嫌だからな・・・・・・」

 

俺は小さな声でつぶやいた。思い出すと浮かんでくるのは、自分を犠牲にして死んでいった人たち。赤い鮮血に染まっていく知り合い。

 

「・・・・・・・・・・・・ッ!!」

 

・・・・思い出すなと脳が警告鐘を鳴らした。これ以上考えてしまえば俺は、どうなるかわからない。そんなことを考えていると耀が顔を覗き込んできていた。

 

「・・・・大丈夫?」

 

「あ、ああ、大丈夫」

 

んなわけあるか、心臓がバクバクしてるよ。・・・・・・・・ってなんで?何でそんなこと考えてるんだ?耀は友達だし、そんなバクバクすることないだろ。まさかとは思うけど、まさか・・・・・・・・・・・・・・。

 

「まあ、いいのですよ。十六夜さんが出てくれればフォレスガロ相手には負けませんし」

 

おいおい、そんなこと言ったら・・・・・・・・、

 

「何言ってんだ?俺は出ないぞ」

 

「何言ってるの?出さないわよ」

 

まあ、こうなるよな・・・・・・。耀なんて呆れてるし。まあ、俺もだが・・・・・。

 

「だ、駄目ですよ!コミュニティが同じもの同士協力し合わなければ・・・・・」

 

「勘違いするなよ黒ウサギ。この喧嘩はこいつらが売って、やつらが買った。なのに、俺が手を出すのは無粋だろ?」

 

「あら、分かってるじゃない」

 

疲弊しきった黒ウサギに追い討ちをかける。言わなくても、もう黒ウサギには言い返す気力もなく、

 

「・・・・・・・・。ああもう、好きにしてください」

 

といって、肩を落とすのだった。

 

ドンマイ、黒ウサギ!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

コホンと咳払いをして全員に切り出した。

 

「さて、そろそろ行きましょうか。本当は素敵なお店を予約していて色々とセッティングしていたのですが・・・・・・、不慮の事故続きで今日はお流れとなってしまいました。また後日、きちんと歓迎を」

 

律儀だなあと思いつつ、俺は言った。

 

「別にいいよ。俺はコミュニティがどんな状況であったとしても、ジンと黒ウサギのところに行く気だったし」

 

そう告げると黒ウサギはいっそうウサ耳をへにょらせ、

 

「も、申し訳ありません。騙すのは気が引けたのですが・・・、黒ウサギたちも必死だったので」

 

「もういいわよ。私は組織の水準なんてどうでもよかったもの。耀さんはどう?」

 

「私も怒ってない。友達も出来たし、そんなのはどうでもいい・・・・、あ、けど」

 

「どうぞ気兼ねなく言ってください。僕らに出来ることならば最低限度は用意しますので」

 

ジンがそういうと耀は遠慮なく

 

「そ、そんな大それたものじゃないよ。ただ、私は三食お風呂付で寝床があればいいな、と思っただけだから」

 

あ、ジンが固まった。そこまでヤバイのかよ、お前のコミュニティは。

 

「大丈夫ですよ、ジン坊ちゃん。十六夜さんがこんな大きな水樹の苗を手に入れてくれました!これで、水路を復活させることが出来ますよ~♪」

 

一同の顔が明るくなった。それはありがたいな、拝んどくか・・・・。いや、やめとこう、後で何されるか分かったもんじゃない。

 

「場所が違ったらそういうのも違うのね。私の世界は水が豊富だったから分からないけれど、場所が違えば文化も違うのね。でも、今日は入っておきたいわね、湖に落とされたからお風呂に入っておきたかったのよ」

 

「それには同意だ、お嬢様。あんな手洗い招待はもうゴメンだ」

 

「あぅ・・・・、それは黒ウサギの専門外なのですよ・・・・・」

 

まあ、済んだことだし気にしてないけどな。

 

「あはは・・・、じゃあ今日はコミュニティに帰る?」

 

「いえ、ジン坊ちゃんは先にお帰りください。私は、皆様方を『サウザンドアイズ』に言ってギフト鑑定をしてもらおうと思っておりますので。この水樹のこともありますし」

 

聞きなれない単語が出てきた。何だ、『サウザンドアイズ』ってなんだよ?

 

「・・・・・・『サウザンドアイズ』?コミュニティの名前か?」

 

「Yes!『サウザンドアイズ』は特殊な『瞳』のギフトを持つ者達によって構成された群体コミュニティです。箱庭の東西南北、上層下層に精通する商業コミュニティなのです」

 

そんなところに行くのかよ。なんか緊張してきた・・・・・・。

 

ジンと別れ、サウザンドアイズに向かう並木道に桃色の花を散らす木が目にうつった。

 

「なあ、あれは桜の木か?・・・・・時期的にはあってるが」

 

「なに言ってんだよ。今はまだ初夏だったはずだろ?」

 

「・・・・・もう真夏でしょう?そっちこそ何を言ってるの?」

 

「・・・・・・・え?今は秋じゃないの?」

 

全く話が噛み合わない。え?っと首を傾げる俺達に黒ウサギは笑って説明した。

 

「皆さんは違う世界から召喚されているのですよ。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系などの様々な違うところがあるはずですよ」

 

「へえ?パラレルワールドってやつか?」

 

「近いですね。正しくは立体交差並行世界論というものなんですけれど・・・・・、今からこれを説明すると一日二日では説明しきれないので、またの機会ということに」

 

蒼い生地に互いが向かい合う二人の女神像が記された旗印が見えた。

 

(あれが、『サウザンドアイズ』・・・・・・)

 

日が暮れて看板を下げる割烹着の女性店員に、黒ウサギはストップを、

 

「まっ」

 

「待ったなしです。うちは時間外営業をやっておりません」

 

かけられなかった。黒ウサギは悔しそうに店員を見つめる。

 

(この店員、性格悪いな・・・・・・・)

 

こいつ、俺らを見てから店じまいしたぞ・・・・。

 

「なんて商売っ気の無い店なのかしら」

 

「ま、全くです!閉店時間五分前に客を締め出すなんて!」

 

「文句があるなら他所へどうぞ。今後あなた方は出禁です」

 

「出禁!?これだけで出禁なんておかしいのですよ!!」

 

キャーキャーと喚く黒ウサギに、店員は冷たい視線を向けた。

 

「なああんた。もしかしてわざとやってないか?」

 

「は?なんのことでしょうか?」

 

「…………」

 

俺はこんな見え見えの嘘をつく奴が一番嫌いなんだよ。

 

「……なんでしょうか?何か文句でも?」

 

「ああ。お前のその態度にな」

 

空気は一触即発の状態。俺の雰囲気の変わりように驚く四人。だがその空気を破ったのは、見知らぬ人物だった。

 

「いやっほぉぉぉぉぉぉぉ!!会いたかったぞ!黒ウサギィィィィィィ!!」

 

「キャァァァァァァ!!」

 

バシャン!という音を立てて水路に飛び込んだ。

 

「おい店員。この店はあんなドッキリをやってるのか?」

 

「やってません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

何を真剣にそんなやりとりをしてるんだよお前ら……。それと黒ウサギにひっついてるやつ、なんかハァハァしてるぞ気持ち悪い……。

 

「し、白夜叉様?!なんでこんな下層に……、ていうか離れてください!」

 

黒ウサギに投げられクルクルと回転しながら飛んでくる。それは十六夜の元へと行き、

 

「てい」

 

「グボァ!!」

 

それは飛んできた和服を着た幼女の腹にクリーンヒットした。あれは痛いだろうな。

 

「大丈夫か?」

 

「む?おんしなかなかいいやつじゃの〜。だが心配は無用だ」

 

そう言って和服の幼女は立っていった。

 

「すまんのう。こやつは少しばかり、いや結構無愛想での。大目に見て欲しい。詫びと言ってはなんだが、私の部屋で手を打たないか?」

 

「し、白夜叉様!それでは……」

 

「別によかろう」

 

この子、太っ腹だな。

 

「それでおんしらは私に用があるのであろう?」

 

「へ?」

 

「私がコミュニティ"サウザンドアイズ"の幹部、白夜叉である!」

 

ドーン!と効果音がつきそうなポーズをする。それと同時に俺は白夜叉に頭を下げた。

 

「む?どうしたのじゃ?」

 

「俺の、俺のギフトを鑑定してください!お願いします!」

 

みんなの役に立つためなら俺はプライドすら捨てる覚悟があった。

 

ようやく分かるんだ。俺のギフトが!




今回はあとがきはなしです

次回のゲストは十六夜です

それではまた次話で
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