オンリー・ロンリー・リリィ・ステップ~ダンジョンにしか居場所がなかった独りぼっちの大剣妖精は、友達が出来たので孤独を孤高に変えて『敵』に抗うことにしました~ 作:北乃ゆうひ/YU-Hi
ちまちまと書いていたモノがキリの良いところまで書き上がったので放出です٩( 'ω' )و
とりあえず、そのキリの良いとこまでは毎日更新を予定しております。
お読み頂いた皆さまが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
――30年くらい前に突如地球上に現れた
――現在も各地で増えたり減ったりを繰り返している
――わたしは、そんなダンジョンを潜って仕事する探索者だ
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「ううぅ、やっぱりダンジョン怖いよー……武器重いよー……なんでわたし探索者やってんだろう……ぅぅ」
湿地帯を思わせる湿った洞窟のかなり広い通路。
そこを涙混じりに独りごちるアッシュブロンドの髪をした少女の声が反響する。
その少女――
手足も細く、胸も、お尻も、太ももも薄い。
さらに童顔であるのも相俟って、年齢よりもずいぶん幼い見目だ。
「来るダンジョン、間違えたかなぁ……暗くてジメジメで、なんかやだぁ……ああ、でも依頼はここだもんなぁ……」
小学生に見間違うような容姿もさることながら、それ以上にその四肢の細さや身体の薄さは、見ていて
上に羽織っているダンジョン探索用フード付きコートは使い古されてボロボロだし、その下にのぞく学生服らしきものも、どこかヨレている。
イギリス人である祖母ゆずりの天然のアッシュブロンドも伸び放題で手入れもされていないのか、ボサボサのゴワゴワだった。
「うぅぅ……お腹空いたな……食べられるモンスター……出てこないかな……」
リリィはズリズリと何かを引きずりながら、メソメソと独りごちて、ダンジョンと呼ばれるこの洞窟を進んでいく。
彼女が引きずっているのは巨大な剣だ。
それどころか、柄と刃の付け根は留め金が緩んでしまっているのか、紐がわりの包帯らしきモノと針金でグルグル巻きにして補強されていた。
先端が折れてなおも、自分自身の
「討伐対象の……グレートマンダー……食べたら美味しいかな……」
リリィが名前を独りごちた名称は、このダンジョンの10階に出てくる、サンショウウオのような見た目の大型モンスターだ。
それがここ最近、初心者が多い3階で目撃されているという話が多数出てきたという。
その為、探索者協会――通称ギルドの地元支部が、リリィを指名しての調査と討伐を依頼をしてきたのだ。
「食べられなくても……報酬が入るから……ご飯は食べられる……よし!」
そう思うと、気合いが入る。
調査した結果でモンスターがいないと、報酬を貰えないので是非ともモンスターには出てきて欲しいのだが……。
「あ、でも……こんな低層に出てくるってコトは、どこかで人が襲われるかもしれないのか……それは、なんかヤだな……」
報酬は欲しいが、傷つく人は出て欲しくない。
そんな想いを抱きながら、リリィがダンジョンを進んでいると――
「何、コイツ……ッ!!」
――どこかから、女性の悲鳴のような声が聞こえてきた。
続けて、なんらかの攻撃手段を講じただろうドン、ドン、ドンという炸裂音。
「……!?」
直後、リリィの表情から泣きべそ顔が消え、代わりに高潔な戦士を思わせるモノに切り替わる。
「……どっちだろ? 向こうかな……?」
ちょっと
足早に声のした方へと走り出す。剣は相変わらず引きずりながら。
「これッ、絶対に3階にいるようなヤツじゃないでしょッ!」
再び聞こえる大声と、ドンという音。
声と音は、だいぶ近づいてきた。
「女の人の声……どこ……!?」
声の主は、恐らくリリィがターゲットにしているモンスター、グレートマンダーに襲われているのだろう。
元々10階に生息しているモンスターだ。当然、この辺りにいるモンスターと比べものにならないほど強い。
3階あたりをメインにしている人からしたら、強敵どころか出会うだけで危険なレベルの相手だ。
「どこ……!?」
手遅れにならないうちに見つけないと。
水たまりもある
その時、リリィの目が、必死にこちらへと走っている長い黒髪をツインテールにしている綺麗な女性を捉えた。
(え? メイド服?)
探索者の装備としては珍しい
「え? 女の子……ッ!?」
「みつけた……ッ!」
「逃げてッ、危ない……ッ!」
「……うしろ……ッ!」
「えッ?」
わざわざこちらを気に掛けてくれたその瞬間に、ドタバタと足を動かしていたグレートマンダーが大きく跳躍したのだ。
物理的な意味で硬い石頭を持つグレートマンダーのジャンピングヘッドバット。
リリィを気にしたせいで、女性の反応が明らかにそれへの反応が遅れてしまっていた。
(……助けないと……ッ!)
力一杯地面を踏みしめる。
次の瞬間、水と
一瞬で距離を詰めて、女性とグレートマンダーの間に入る。
「え? え?」
戸惑う女性を背に感じながら、リリィは愛剣の腹をグレートマンダーへ向け、裏側に手を添えた。
そして勢いあるヘッドバットを受け止める。
「させない」
激しい衝撃が剣を通じて両手を、踏ん張る足を揺るがす。
水たまりが弾け、泥が跳ね、踏ん張る両足が、泥濘に僅かな
だが、リリィは気にした様子もなく、押し返すようにグレートマンダーを弾いた。
その際に、グレートマンダーは空中で器用に一回転すると、腹を下にして着地。
とはいえ何が起きとか分かっていないようで、戸惑うように頭を振っている。
ちょうど良い
「
剣を右肩に背負うように構えて、スキルを宣言。
すると、剣が
「いく」
右肩に背負うように構えたまま、リリィはグレートマンダーに踊り掛かる。
「
鋭い斬撃と共に、闇色のオーラが弾け、黒い
振り下ろした姿勢から腰だめに剣を構え直しす。
剣が、今度は白いオーラを纏った。そしてその剣を返す。
「
地面を蹴って、目にも留まらぬ速さで湿った土の上を駆けた。
すれ違いざまに横一閃。勢いのままに払い抜ける。
黒いオーラと白いオーラが混ざり合い、それが鮮血のように吹き上がった。
グレートマンダーは深々とした十字傷を刻みながら地面に伏す。
明らかに致命傷。これで決着したのだと、誰の目から見ても明らかだ。
そして、強烈な斬撃とオーラの衝撃で絶命したグレートマンダーを
そんな中、残心をしながら本当に倒せたのか様子を伺っているリリィの横顔は下手な男性よりも
あまり手入れのされてないボサ髪や、雑に剣に巻き付けられた包帯に、リボンや服の装飾などをたなびかせながら、白と黒の花吹雪の中に佇む様子はもはや一枚の絵のようだ。
「……イケ幼女……やばい……」
助けられたメイド服の女性は、割と本気で、その横顔にひと
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――わたしにとってダンジョンは恐い場所で
――だけど同時に、わたしが唯一存在を許されている場所でもある
――だからわたしはダンジョンに潜る。潜り続ける。
本日は初回ですので、複数話いきます。
準備が出来次第、次話も公開しますのでよしなに٩( 'ω' )و