個性図書館によるヒーローアカデミア   作:ヨガマスター

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16.マスコミの突撃と組み手

 学食にて、俺は峰田と緑谷たちと共に昼食を取っていた。

 

「お米がうまい!」

 

「うわぁ……いざ委員長やるとなると務まるか不安だよ」

 

 あれ、委員長って飯田じゃ……? 

 

「ん? 緑谷が委員長になったのか?」

 

「あぁ、ホームルームで投票で決まったんだ」

 

 あ、そういえばそうか、委員長が飯田になるのはこのあとマスコミの突撃があってからだったな……

 

「けどきっと大丈夫さ」

「緑谷君のここぞという時の胆力と判断力は多を牽引するに値する」

「だから君に投票したのだ」

 

「あれ、入れたの飯田だったんだな……」

 

「でも飯田君も委員長やりたかったんじゃないの?」

「メガネだし」

 

「……なんでメガネ=委員長になってんだよ」

 

 微妙にツッコミどころ多いよな麗日って……

 

「やりたいとふさわしいか否かは別の話」

「僕は僕の正しいと思う判断をしたまでだ」

 

「「……僕!?」」

 

「いつもは俺って……」

 

「たまに飯田って一人称僕になるよな」

 

「んっ……いや、あ、それは……」

 

「ちょっと思ってたけど飯田君って坊ちゃん?」

 

 一人称が僕だからって坊ちゃんになるわけではなくないか? 

 

「ぼっ……、そう言われるのが嫌で一人称を変えていたんだが……」

 

 そこから飯田は自分の家系がヒーロー一家であることを語りだした。

 ……にしても随分と自慢げに話すよな。

 

「しかし、人を導く立場はまだ俺には早いのだと思う」

「俺と違って、実技入試の構造に気づいていた上手の緑谷君が就任するのが正しい」

「おっ?」

 

「「「あぁ……」」」

 

「何か、初めて笑ったかもね、飯田君」

 

「えっ、そうだったか?」

「笑うぞ俺は」

 

 ……確かに俺が学食で見た限りではいっつも硬い表情で笑ってはなかったかもな。

 いや、さすがにそれ以外の場所で1回ぐらいは笑ってるだろとは思うけど。

 ……笑ってるよね? 

 と、そんな事を考えていると緑谷が口を開いた。

 

「実技試験のことなんだけど……」

 

 そう緑谷が話そうとしたとき、突如として食堂中に警報音が響き渡った。

 

「警報!?」

 

『セキュリティー3が突破されました』

『生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください』

 

 あ〜……、これが例のマスコミの突撃か。

 確かこの裏でヴィラン連合、多分黒霧が侵入してカリキュラムを盗んだんだよな。

 

「……確認しておくか」

 

「え? 確認って!?」

 

「峰田はここにいてくれ」

 

「……わかった」

 

 若干峰田が不服そうな顔をするが、まぁそれはしょうがない。

 俺は警報音によるパニックによって生まれた人混みの間をすり抜け、職員室へと向かった。

 

「一応……、認識阻害仮面と黒い手袋をつけておくか」

 

 個性図書館は本を纏うだけじゃなくその人物のアイテムだけを引き出すこともできる。

 俺はローランの本から認識阻害仮面と黒い手袋を取り出し装着した。

 ……つまり今の俺って認識阻害仮面と黒い手袋をつけたカーリーの姿なんだよな。

 なんだこの不審者……

 

「っと……、職員室に着いたな、中は……いた」

 

 あの黒いモヤでできた身体、間違いなく黒霧だ。

 黒霧の素体となる白雲はまだ俺の中で本の状態でいるはずだが、まぁ、おそらくあのときにあった大量の血痕とかから個性因子を培養したのだろう。

 

「ここで倒すか? ……いや、まだやめとこう」

 

 黒霧を倒したところでそれほどの意味はないだろう。

 今は監視するにとどめるとしよう。

 

「……これですね、ではいただいて帰るとしましょう」

 

 そう黒霧がつぶやくと、そのままワープで消えていく。

 あれが黒霧のワープ……

 

「……戻るか」

 

 認識阻害仮面と黒い手袋を外しつつ、そうつぶやき歩き出す。

 峰田の時間割によると、確か次のヒーロー基礎学は来週の水曜日だったな……

 つまりその日がヴィランの襲撃日のはずだ。

 

「……俺も行くしかないよな」

 

 峰田には特に被害はなかったはずだけど、何かが変わって死ぬ可能性もある。

 それに相澤先生がそこで後遺症が残るほどの負傷を負うし、行かない理由はない。

 

「ま、今は学校生活を満喫するとしよう」

 

 今考えても仕方ないしね。

 確か今日の放課後は心操との訓練の予定があったはずだし、それを楽しむとするか。

 

 *  *  *

 

 というわけで放課後になって俺と心操がやってきたのは体育館のような見た目の訓練場だ。

 ここなら多少強めに地面に心操を叩きつけても大怪我にはならないだろう。

 

「使えるのは17時までだ、危険だと俺が判断したら止めにはいるからその時はしっかり言うことを聞くように」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

 監視役の先生、相澤先生にそう言われ返事をする。

 ……やっぱり相澤先生が監視役になってるあたり、心操に目をつけてるっぽいな。

 

「さてと……、とりあえず準備運動しようか」

「あぁ、わかった」

 

 ということで、屈伸や長座体前屈などをして体をほぐす。

 そして完全に身体がほぐれたと判断した俺と心操が向かい合った。

 

「……訓練場を借りたのはいいけど具体的には何すればいいんだ?」

 

「……組み手とかじゃない? まぁ、とりあえず俺に殴りかかってきなよ」

 

「え? いや、女子に対してそういうのは……」

 

「いや、それだと何のための訓練なのかわかんねぇだろ」

「怪我したときはリカバリーガールのいる保健室で治せばいいんだからはよこい」

 

「……わかった」

 

 う〜ん、俺が今カーリーの姿のせいでイマイチ力が入ってないな。

 パンチも全然全力じゃなさそうだし。

 

「まぁ、だからって手加減はしないが、『蛇の隔壁』」

 

「っ!? ぐぁっ!?」

 

 俺の防御により混乱ダメージを受けた心操が大きくバランスを崩し転倒する。

 ……まぁ、カーリーで防御すればそりゃこうなるよな。

 

「な、何が起きたんだ今……?」

 

「パンチを防御されたときの衝撃で転んだんだよ」

 

「なっ、防御だけで転んだのか!?」

 

「あぁ、攻撃は一切してないぞ、相澤先生も見てましたよね?」

 

「……あぁ、確かに本読がしたのは防御だけだったな……」

 

「マジか……」

 

 ……相澤先生がなんか言いたげな表情をしているな。

 どうしたんだろ? 

 そう思っていると、相澤先生が口を開いた。

 

「本読、その防御技術はどこで習った?」

 

「ん〜……、ほぼ自己流ですね」

 

「自己流?」

 

「はい、相澤先生のクラスには峰田が居ますよね?」

「俺は峰田と幼馴染でよく一緒に組手してたんですよ」

「だから自然とできるようになりました」

 

「……なるほどな」

 

 実際はバトルページの効果なんだけど、まぁ、それを言うわけにはいかないので適当に誤魔化す。

 

「さて、これで俺の防御技術の高さはわかったろ?」

「全力で来な」

 

「あぁ……、どうやら全力でやっても問題なさそうだな」

 

 それからというもの、心操が何度も俺に殴りかかり、その度に防御で転倒するのを繰り返す。

 所々で俺や相澤先生が心操にアドバイスを伝え、終わった頃には俺に一撃を入れることこそできないものの、着実に格闘能力は上がっていた。

 ……このまま続ければ体育祭の緑谷戦でも勝てるぐらい強くなれるんじゃねぇかな?




この小説における混乱状態はバランスを崩して隙ができた状態を表します。

高評価と感想と誤字報告をくれ!!!!!!!!

今後赤い霧の本を使うときどっちの姿にする?

  • カーリー
  • ゲブラー
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