先生相手に4対3をすることになったオイラたちは、早速作戦会議を始めた。
「とりあえずお互いに個性の説明をしようぜ、お互いにわかんないと作戦の立てようがないだろ?」
「だな、じゃあ早速オイラから……」
瀬呂の提案でそれぞれ個性の説明をしていく。
「じゃあ次は俺だな腕からテープみたいなものを発射できる、巻き戻すことも可能で、拘束とか移動に使える」
「次俺、他人の姿に変身できる、男女ともに可、でも条件が厳しいからこのチームの人とか先生に変身するのは実質不可能、変身する人物の衣服や持ち物も変身するとき一緒に生み出せる、ただし生み出したものは俺が持ってないと数分で消える、以上!」
「最後か……、俺の個性洗脳は意識した対象に応答させられれば洗脳完了、かかり具合によるけどある程度の衝撃を受けると洗脳は解ける」
「試したことないけど多数を一斉洗脳とかは多分無理、それと洗脳したものを喋らせることはできない、頭を使わせるような命令も無理だ」
「なんつうか……二人は俺等と比べてだいぶ複雑な個性だな……」
まぁ、オイラと瀬呂は結構シンプルな個性だからな。
それと比べると本読も心操も個性がだいぶ複雑だ。
「それと個性とは別に説明しておきたいサポートアイテムがある、それがこれだ」
そう言って心操が2つのサポートアイテムを取り出した。
これは……
「マスクと……え、これって相澤先生の捕縛布!?」
「そうだ、まぁ相澤先生ほど上手くは使えないから今のところは不意打ちからの拘束用だ」
「……峰田のモギモギと瀬呂のテープからさらに心操の捕縛布って……だいぶこのチーム拘束手段が多いな?」
確かに……
4人中3人が拘束技持ちは多いな……
そう思っていると心操が話を再開する。
「それでこっちのマスクなんだが、もう一つの声帯、変声可変機構マスク『ペルソナコード』と言って、本来俺の声はマイクや拡声器を通すと効果がなくなるんだが、こいつは幾多のプレートを変形・共鳴させることで俺の声色を変えて直接外部に放出してくれる」
「つまりは敵の声に成り代わって洗脳できるようになったか」
う〜ん……
それだけ聞くと強いけど……
「出力調整は自分でするのか?」
「あぁ、だから毎回相手の声を聞いて調整する手間がかかる」
「つまりそこは心操の腕次第ってことか……」
だいぶ使いづらいな……
調整をミスれば洗脳だってバレるし、咄嗟には使えない……
「けどまぁ今の心操なら20秒ぐらいで正確に調整できる筈だ」
「ん、そうなのか」
20秒……それぐらいなら実戦でも使えるな。
「さて……、じゃあこれまでの情報をを元に作戦を考えようか」
「おけ、じゃあまずは……」
* * *
『瀬呂・峰田・心操・本読チーム、演習試験レディーゴー』
その声と共にオイラたちはまず逃走ゲートに向けて走り出す。
試験会場はビル並び立つ都市ステージ、障害物が多い比較的逃げやすい。
そう思っていると突如として無数の壁が現れ……
「『振り下ろす』」
そのすべてが本読の大剣による一撃で破壊された。
「おぉ!聞いてはいたけどホントにできるのかよ!」
「瀬呂! 驚いてる暇があるなら早く行動しろ! 心操はとっくに動いてんぞ!」
「あっ、お、おう!」
今の壁は十中八九セメントスによるものだろう、となるときっと近くにいるはずだ。
そのためオイラたちはセメントを破壊できる本読だけを残し、一旦散開する。
「それで肝心のセメントスは……」
居た!
本読近くの裏路地!
セメントスを見つけたオイラは早速モギモギを投げまくる。
「っと……危ないですね」
「ちっ」
が、生み出されたセメントの壁で防がれてしまった。
まぁ、さすがに通らないよな……
「そこだ!」
「口に出してちゃ通じるものも通じません」
「げっ」
瀬呂が後ろから攻撃を仕掛けたが、なぜか叫びながらだったせいで防がれる。
こうなったらもう防ぎようがないぐらいの猛攻を仕掛けるしかない!
「『グレープラッシュ』!」
「四方八方からのモギモギ……、攻撃されないように動き回ってますね」
「"大丈夫かしらセメントス!"」
「えぇ、だいじょ……」
「……おぉ!」
オイラが攻撃をしているとどこかからミッドナイトの声がした。
そしてセメントスがそれに返事をし、動きが止まる。
心操の洗脳だ。
「よくやった心操!」
「手錠掛けたぜ! これでセメントスはもう行動できねぇ!」
「あぁ」
これであとはミッドナイトとエクトプラズムだけ……
いや、全然まだクソ難易度だな?
「おっ、セメントが来なくなったと思ったら倒してたのか」
「あぁ、囮サンキューな本読」
「セメントの壁を一撃で破壊とかすげぇな!」
「ふっふ〜ん」
よし、本読とも合流できたし脱出ゲートに急ごう。
制限時間がある以上時間を無駄にはできない。
そうしてオイラたちは脱出ゲート付近のビルの屋上まで来ていた。
「ん〜……やっぱりゲート前でミッドナイトと一緒にエクトプラズムの分身がいるね、本体は多分どっかに隠れてる」
個性で生み出した双眼鏡をのぞきながら本読がそう言った。
「うげ、マジか……」
ミッドナイトとエクトプラズムが組んだ時の対策は結局作戦会議でも出なかったんだよなぁ……
「エクトプラズムの分身は多分呼吸してないからな……、ミッドナイトの眠り香が充満した空間でエクトプラズムと戦うことになる……」
「本読、ガスマスクとか生み出せないか?」
「無理」
「だよな……」
息を止めて戦えるとしたらせいぜい2分ぐらい……
それまでにエクトプラズムの分身を全員倒す?
無理だろ……
「どうにかしてミッドナイトに洗脳を掛けて眠り香を消したいな」
「一回ならペルソナコードで洗脳できるだろうが……」
「エクトプラズムがミッドナイトの洗脳を解くまでに手錠を掛けるのは厳しくないか?」
「ペルソナコードがバレるともう効かないだろうしな……」
「……あ……一つ案を思いついたんだが……」
「ん? どんなだ?」
話し合っていると本読が案を思いついたらしく、オイラたちはそれを聞く。
「……あ〜……確かにそれでいいわ」
「よくよく考えたら別にわざわざ戦う必要ないもんな……」
「ちょっとズルい気もするが……まぁ、それしかないか」
そうしてオイラたちは本読の案に乗ることにした。
「よっしゃ行くぞお前ら!」
そんな本読の掛け声と共にオイラ以外の3人がミッドナイトとエクトプラズムに突撃していく。
『まさか正面突破する気?』
『流石にそれは通らなっ……上から!?』
「……とか言ってんだろうな」
ミッドナイトが眠り香を放ち、エクトプラズムが突撃していく光景をオイラはビルの屋上から眺めながらオイラはモギモギを投げまくる。
ミッドナイトの香りが効くまでおよそ2分、それまでに決着をつける!
「上からのモギモギを避けながら地面に着いたモギモギにも注意、さらに突撃した本読たちの対処!」
「いくらプロでもこれはキツイだろ!」
実際エクトプラズムの何体かはモギモギで動けなくなってい……!
「っと、あぶねぇな!」
オイラの後ろにエクトプラズムが現れたため、モギモギで別のビルへと跳び移り逃げる。
まぁ、そりゃ簡単にはずっと攻撃させてはくれねぇよな!
「けどこれぐらいの攻撃なら余裕だぜ!」
オイラは『スクランブル』でビルを跳び回り、モギモギを投げ続ける。
「……そろそろ2分か」
地面を見ると本読と数体のエクトプラズム、そしてミッドナイトだけが立っており、他はオイラのモギモギに引っ掛かったか眠り香で眠っていた。
「……よし! これなら!」
行ける!
そう判断したオイラはビルから飛び降りた。
「っ峰田君!?」
そんなミッドナイトの驚きの声を聞きつつオイラはあの技を発動する。
「『跳峰田』!」
「っ、まさかこのモギモギは攻撃用じゃ!?」
「気づいたところでもう遅いぜミッドナイト!」
そう、ビルの屋上からモギモギを投げまくっていたのはすべて『跳峰田』を使う為!
このままオイラは脱出ゲートから逃げさせてもらうぜ!
『瀬呂・峰田・心操・本読チーム、条件達成』
そんなアナウンスが試験会場中に響いた。
割とシンプルな勝負になりました。
これ以上思いつかなかったとも言う。
林間学校に心操を連れて行く?
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行く
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行かない