遊☆戯☆王ーデュエルモンスターズー BattleCity 作:NONAME0195
5ターン目 シルヴィア LP 1900
ユウの場には、3枚の伏せカード
それでも……
ここは攻める!!
「ワタシのターン! ドロー!」
スタンバイフェイズ
その瞬間――
ユウが動いた。
「リバースカードオープン!《悪夢の蜃気楼》!!」
────
悪夢の蜃気楼
効果
永続魔法
カードテキスト
相手のスタンバイフェイズ時に1度、自分の手札が4枚になるまでデッキからカードをドローする。この効果でドローした場合、次の自分のスタンバイフェイズ時に1度、ドローした枚数分だけ自分の手札をランダムに捨てる。
────
「俺は3枚ドローする!」
ユウがデッキからカードを引く。
1枚
2枚
そして――3枚
手札を増やしながら、ユウは静かにカードを確認する。
次のユウのターンで手札は5枚……
確実に攻めの展開をしてくるはず
ならば!このターンはワタシも攻める!
「行くよ!ユウ!」
ワタシは墓地に眠るヒーローを呼び覚ます。
「墓地の《D-HERO ディアボリックガイ》の効果を発動!」
────
D-HERO ディアボリックガイ
闇属性
レベル 6
ATK800DEF800
戦士族
/
効果
カードテキスト
①:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「D-HERO ディアボリックガイ」1体を特殊召喚する。
────
《D-HERO ディアボリックガイ》を除外し、デッキから同名モンスターを特殊召喚する。
続けて、ワタシは手札からモンスターを召喚した。
「《D-HERO ダイヤモンドガイ》を召喚!」
その効果でデッキトップを確認する。
モンスターカード
くっ……通常魔法でないからダイヤモンドガイの効果は使えない
いや、焦っちゃダメだ
まだ、こちらの手は残っている。
「《融合》発動!」
《D-HERO ダイヤモンドガイ》
《D-HERO ディシジョンガイ》
《D-HERO ディアボリックガイ》
3体のD-HEROが融合の光に包まれる。
「運命を支配するD-HERO!
《D-HERO ドミネイトガイ》!!」
融合召喚されたドミネイトガイを見上げ、ワタシは小さく息を吐いた。
────
デステニーヒーロー ドミネイトガイ
D-HERO ドミネイトガイ
闇属性
レベル 10
ATK2900DEF2600
戦士族
/
融合/効果
カードテキスト
「D-HERO」モンスター×3
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分メインフェイズに発動できる。自分か相手のデッキの上からカードを5枚確認し、好きな順番でデッキの上に戻す。
②:このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。自分は1枚ドローする。
③:融合召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地のレベル9以下の「D-HERO」モンスター3体を対象として発動できる(同名カードは1枚まで)。そのモンスターを特殊召喚する。
────
ドミネイトガイの効果でデッキの上から5枚を確認する。
!
……きた!
5枚の中にワタシが待ち望んでいたカードがあった。
必要な準備は整った。
「バトルフェイズ!」
「《D-HERO ドミネイトガイ》で《E・HERO フォレストマン》を攻撃!」
ドミネイトガイがフォレストマンへと襲いかかる。
激突の衝撃。
フォレストマンが破壊され、フィールドから消滅した。
さらにドミネイトガイの効果が発動する。
ワタシはデッキからカードを一枚引いた。
そして────
「《D-HERO ドリルガイ》でダイレクトアタック!!」
ドリルガイが突撃する。
「ぐっ……!」
ユウのLPが大きく削られた。
雄輝LP 3200 → 1600
「これでワタシのターンは――」
ワタシがエンド宣言を告げようとした、その瞬間――
「その前に!! リバースカードオープン!
《非常食》を発動!!」
────
非常食
効果
速攻魔法
カードテキスト
①:このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。
────
「《悪夢の蜃気楼》を墓地へ送る!」
雄輝LP 1600 → 2600
ワタシはフィールドを見つめた。
ユウ……さすがね
でも――
ワタシの仕込みは完了
さて、次のターン
ユウがどう動いてくるか
それを迎え撃つための準備は、できた。
◇◇◇
お兄ちゃんが、せっかく発動した《悪夢の蜃気楼》を墓地へ送った?
「なんで、先生は発動した《悪夢の蜃気楼》を墓地へ送ったの?」
瑠奈も同じ疑問を感じていたみたい。
すると、黒機くんが答えてくれた。
「《悪夢の蜃気楼》は、次の自分のスタンバイフェイズに、ドローした枚数分だけ手札を捨てなきゃならないんだ」
!
なるほど、そういうことか!
私は今ので分かったけど、瑠奈はまだピンと来ていないみたい。
「つまり、どういうこと?」
黒機くんは、やれやれと首を振った。
「つまり、先生は《悪夢の蜃気楼》のデメリットを《非常食》で打ち消したんだ
それだけじゃない
《悪夢の蜃気楼》を墓地へ送ったことで、ライフまで回復している」
「!」
さらに黒機くんは、このコンボが融合デッキの弱点である手札不足を補いながら、ライフまで回復する高度なコンボなのだと説明してくれた。
……それでも、不利な状況であることに変わりはない
お兄ちゃんのフィールドには、モンスターがいない
それに対して、シルヴィアさんのフィールドには攻撃力2900の《D-HERO ドミネイトガイ》
そして、フィールド魔法《幽獄の時計塔》
盤面だけを見れば、お兄ちゃんが圧倒的に不利だ
それでも――
お兄ちゃんなら、きっと何とかするはず
私は目を離さず、このデュエルを見届ける
◇◇◇
6ターン目 雄輝 LP 2600
さすがシルヴィ
世界ランカーは伊達じゃない
フィールドの《D-HERO ドミネイトガイ》も脅威ではあるが……
それよりも、あの効果で山札を確認した時の反応
おそらく、切り札を引いたんだ
幽獄の時計塔も、あと1ターンでカウンターが4つ……
ドレッドガイとドミネイトガイ
そして、シルヴィの切り札……
3枚並ばれると、もう手が付けられない
────とすれば!
「俺のターン! ドロー!!」
盤面だけでも崩させてもらう!!
スタンバイフェイズ
その瞬間――
シルヴィのフィールドにそびえ立つ《幽獄の時計塔》から、鐘の音が鳴る
カチッ……
時計塔へ三つ目の時計カウンターが刻まれる。
時計カウンター:3
「リバースカードオープン!《融合》!!」
伏せカードを開き、俺は手札の二枚を構える。
《E・HERO オーシャン》
そして――
《E・HERO クレイマン》
この二体を融合素材にする!
「現れろ!!」
融合の光がフィールドを包み込む。
「大地のヒーロー!
《E・HERO ガイア》!!」
大地を揺るがす咆哮とともに、融合した二体のE・HEROが一体の戦士となって姿を現した。
────
エレメンタルヒーロー ガイア
E・HERO ガイア
地属性
レベル 6
ATK 2200
DEF 2600
戦士族
/
融合/効果
カードテキスト
「E・HERO」モンスター+地属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
①:このカードが融合召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、このカードの攻撃力はその数値分アップする。
────
「俺は《D-HERO ドミネイトガイ》を対象にする!」
ガイアが大地を踏みしめた。
次の瞬間――
ドミネイトガイの全身から、黒い闘気が引き剥がされていく。
まるで大地そのものに力を吸い取られているかのように、その巨体から少しずつ力が失われていく。
「……っ!」
ドミネイトガイの攻撃力が半分まで落ちる。
ATK 2900 → 1450
そして――
吸い上げられた力が、大地を伝ってガイアへと流れ込んでいく。
ガイアの身体を覆う鎧が震え、その拳にさらなる力が宿った。
ATK 2200 → 3650
ドミネイトガイから奪った力を、自らの力へと変えたのだ。
「これで……俺のガイアのほうが上だ!」
ドミネイトガイの攻撃力は1450
対するガイアは3650
その差、2200
「さらに行くぜ!手札からE・HEROソリッドマンを召喚!」
────
エレメンタルヒーロー ソリッドマン
E・HERO ソリッドマン
地属性
レベル 4
ATK1300DEF1100
戦士族
効果
カードテキスト
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下の「HERO」モンスター1体を特殊召喚する。②:このカードが魔法カードの効果でモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、「E・HERO ソリッドマン」以外の自分の墓地の「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
────
「《E・HERO ソリッドマン》の効果により!
《E・HERO エアーマン》を特殊召喚!」
────
E・HERO エアーマン
風属性
レベル 4
ATK 1800
DEF 300
戦士族
/
効果
カードテキスト
①:このカードが召喚・特殊召喚した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドの他の「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
────
俺のフィールドには、エアーマン以外にも2体のHEROがいる
つまり――!
「エアーマンの効果により!
フィールド魔法《幽獄の時計塔》と、シルヴィの場にある伏せカードを破壊する!!」
エアーマンが、フィールドのカードへと手を伸ばす。
これで――
《幽獄の時計塔》と伏せカードの2枚を破壊する!
そう思った、その時――
「その効果にチェーンするよ!
リバースカードオープン!《非常食》!」
シルヴィが伏せていたカードを発動する。
「ワタシは《非常食》の効果により
《幽獄の時計塔》を墓地へ送る!」
幽獄の時計塔が、ゆっくりとその姿を消していく。
「そして――その効果で、ワタシは1000LP回復する!」
シルヴィア LP 1900 → 2900
「くっ……バトル!
《E・HERO ガイア》で《D-HERO ドミネイトガイ》を攻撃!!」
ガイアの巨体が、大地を揺らしながらドミネイトガイへと迫る。
このままぶつかれば――
ドミネイトガイは破壊される!
その瞬間――
「墓地の《D-HERO ドリームガイ》の効果発動!」
「なに!?」
────
デステニーヒーロー ドリームガイ
D-HERO ドリームガイ
闇属性
レベル 1
ATK 0
DEF 600
戦士族
/
効果
カードテキスト
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが墓地に存在し、自分の「D-HERO」モンスターが戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚し、その自分のモンスターはその戦闘では破壊されず、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
────
「《D-HERO ドリームガイ》を守備表示で特殊召喚!
これでワタシは戦闘でダメージを受けない!
そして――《D-HERO ドミネイトガイ》も、この戦闘では破壊されない!」
ガイアの一撃を受けても、ドミネイトガイはフィールドに立ち続けている。
それでも――
まだ、攻撃は終わっていない。
「まだまだァ!!
さらに《E・HERO エアーマン》で《D-HERO ドミネイトガイ》に攻撃!!」
エアーマンが両腕を広げる。
巻き起こった風が、エアーマンの全身を包み込んだ。
風を纏ったエアーマンが、ドミネイトガイへと突撃する。
ドリームガイによって守られたのは、あくまで先ほどの戦闘だけ。
今度は――
「ドミネイトガイを破壊する!!」
エアーマンの一撃が、ドミネイトガイを真正面から捉えた。
黒い闘気を纏った巨体が、大きく弾き飛ばされる。
そして――
《D-HERO ドミネイトガイ》撃破!!
「くう……!」
シルヴィのLPが削られる。
シルヴィア LP 2900 → 2550
だが――
ドミネイトガイが砕け散った、その直後。
「《D-HERO ドミネイトガイ》の効果発動!」
墓地に眠るD-HEROたちが、再びその姿を現す。
「墓地から――」
シルヴィは3体のD-HEROを選択する。
《D-HERO ダイヤモンドガイ》
《D-HERO ディアボリックガイ》
《D-HERO ディシジョンガイ》
「この3体を守備表示で特殊召喚する!」
墓地から蘇った3体のD-HEROが、再びシルヴィのフィールドに並び立った。
だが、まだ俺のバトルフェイズは終わっていない。
「《E・HERO ソリッドマン》で《D-HERO ドリームガイ》を攻撃!!」
ソリッドマンの刃がドリームガイを切り伏せ、破壊する。
その瞬間、ドリームガイの姿が光となって消え去り――
そのまま除外された。
俺は、思わず舌打ちしたくなる気分だった。
確かに、《幽獄の時計塔》と《D-HERO ドミネイトガイ》は処理できた。
だが……
《幽獄の時計塔》はシルヴィの《非常食》によって、エアーマンの効果をかわされた
そのうえ、シルヴィのLPまで回復させてしまった
ドミネイトガイも同じだ
最大打点まで引き上げた《E・HERO ガイア》の攻撃は、《D-HERO ドリームガイ》によって防がれてしまった
結果としてドミネイトガイこそ破壊できたものの、その効果で3体のD-HEROを墓地から蘇生されている
……思ったほど、盤面は崩せていない
それでも――
今の俺にできることは、やった。
「リバースカードを1枚セットし――
ターンエンド」
◇◇◇
7ターン目 シルヴィア
LP 2550
「ワタシのターン!ドロー!」
……さすが、ユウね
《D-HERO ドミネイトガイ》を破壊し
さらに《幽獄の時計塔》の破壊も予想通り狙ってきた……
そうーー
予想通りね
正直、ユウの実力が衰えていないことは
よく分かった
だから――
ここからは、本気で勝たせてもらうね!!
「フィールドの《D-HERO ディアボリックガイ》《D-HERO ディシジョンガイ》《D-HERO ダイヤモンドガイ》をリリース!」
フィールドに並んでいた3体のD-HEROが、同時に光へと変わっていく。
3つの光が空中へと舞い上がり――
やがて、ひとつの巨大な光へと重なっていく。
その光の中から、青白い影がゆっくりと姿を現した。
「蒼き血潮に宿りし運命よ
絶望の闇を喰らい
未来を奪い取れ!」
光が弾け飛ぶ。
「運命の英雄――《D-HERO Bloo-D》!!」
────
D-HERO Bloo-D
闇属性
レベル 8
ATK1900 DEF600
戦士族
/
特殊召喚/効果
カードテキスト
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドのモンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。
②:1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターを装備魔法カード扱いでこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
③:このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力の半分アップする。
────
「なに!?なんだそのカードは!?」
ユウが驚きの声を上げる。
それもそのはず……
このカードは、ユウにとって初めて見るモンスターのはず。
ワタシは、そんなユウの反応を見て微笑む。
「びっくりした?
初めて見るでしょ?」
そして――
その瞳に、強い闘志を宿す。
「ユウに勝つために、ワタシが考えた新しい切り札だよ」
そして――
ワタシは《E・HERO ガイア》へと視線を向ける。
「《D-HERO Bloo-D》の効果発動!
まずは《E・HERO ガイア》から貰うよ!」
Bloo-Dが右手を伸ばす。
次の瞬間――
《E・HERO ガイア》の身体が青白い光へと変わり、Bloo-Dへと吸い込まれていく。
「これで――」
ガイアの力を取り込んだBloo-Dの身体から、凄まじい闇の力が噴き出す。
ATK 1900 → 3000
「モンスターを吸収する効果……か 厄介な効果だな」
ユウが状況を確認するようにつぶやく。
「そう! でも、それだけじゃないよ
《D-HERO Bloo-D》がいる限り
フィールドのモンスターの効果は無効化される」
「……っ!」
ユウの表情が変わった。
ワタシがこのカードを切り札に選んだ理由をどうやら、察したみたいね。
でも――
まだワタシのコンボは終わってない!
「さらに手札から永続魔法《D-フォース》発動!」
────
D-フォース
永続魔法
カードテキスト
①:このカードの発動時の効果処理として、自分のデッキ・墓地から「D-HERO Bloo-D」1体を手札に加える事ができる。
②:自分フィールドに「D-HERO Bloo-D」が存在する限り、以下の効果を適用する。
●自分はドローフェイズにドローできない。
●自分フィールドのカードを相手は効果の対象にできない。
●自分のモンスターゾーンの「D-HERO Bloo-D」は、攻撃力がお互いの墓地のモンスターの数×100アップし、相手の効果では破壊されず、1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
────
D-フォースが発動した瞬間――
Bloo-Dの身体から、さらに凄まじい力が溢れ出す。
ワタシはBloo-Dを見上げる。
「ワタシとユウの墓地には、合計9体のモンスター……
よって――900ポイントアップするよ!」
Bloo-D
ATK 3000 → 3900
Bloo-Dの身体から溢れ出す闇の力が、さらに膨れ上がる。
その姿を見つめながら、ワタシは静かに右手を前へ突き出した。
「いくよ!」
そして――
「《D-HERO Bloo-D》で《E・HERO エアーマン》に攻撃!!ブラッディ・フィアーズ!!」
Bloo-Dから放たれた血の槍が、エアーマンへと迫る。
そのまま直撃する――
そう思った、その瞬間ーー
「リバースカードオープン!《攻撃の無力化》!!」
ユウが伏せていたカードを開く。
次の瞬間――
ユウのフィールドから、不可視のバリアが展開された。
血の槍がバリアへと激突する。
凄まじい衝撃がフィールドを駆け抜け――
血の槍が弾き飛ばされ、Bloo-Dの攻撃が防がれた。
「さすがね……そう簡単にはやられてくれないか」
ワタシは小さく笑う。
そして――
「ターンエンド」
◇◇◇
すごい……
あのお兄ちゃんを防戦一方にするなんて
しかも、一瞬でも気を抜けば
そのまま押し切られてしまいそうなほどの攻撃。
これが……
世界レベルのデュエル
そう思っていたところ、黒機くんが口を開いた。
「すごいハイレベルなデュエルだが……
このままだと、先生が不利すぎる……」
「確かに、ずっと攻められてるところを
何とか凌いでる感じよね?」
と瑠奈が続ける。
でも――
たぶん、黒機くんが言いたいことは
そうじゃない
「違うよ、瑠奈
問題は、あの《D-HERO Bloo-D》によって
モンスター効果を封じられてることだと思う」
黒機くんは頷いた。
「その通りだ……
E・HEROは、コンボを繋げて戦うデッキなんだ」
「……!」
瑠奈の表情が変わる。
「そうか……
つまり先生は、モンスター効果を使ってのコンボを封じられてる!?」
黒機くんは続けて
「さらにモンスターを吸収する能力と
攻撃力3900……
生半可なモンスターでは、太刀打ちできない」
「攻撃力3900……」
私はフィールドのBloo-Dを見つめる。
お兄ちゃんのモンスター効果を封じながら
そのモンスターまで吸収してしまう
しかも、D-フォースによって二回攻撃まで可能になっている。
……確かに、厄介すぎる
それでも――
私はお兄ちゃんの背中を見る。
……まだ、終わってない
お兄ちゃんが
こんなところで終わるはずがない
私はそう信じて
次のターンを見つめた