遊☆戯☆王ーデュエルモンスターズー BattleCity   作:NONAME0195

24 / 24
お久しぶりです、NONAME0195です!

申し訳ありません!!
投稿が1日遅れました!

私情なんですが、私は趣味でバドミントンをしておりまして
大会やらなんならで忙しく執筆が遅れてしまいました……

なるべく毎週月曜に更新できるよう今後も頑張りますので
評価とお気に入り登録をして貰えるとモチベーションにもなりすのでよろしくお願いします!

ではでは、駄文ですが本分をお楽しみください!
どうぞ!!↓


第18話 絶望のダークデュエル

 

「「デュエル!!」」

 

掛け声とともに、デュエルが開始された瞬間

 

俺は、違和感を覚えた

 

……!?

何だ、この感覚は

 

まるで突然、酸素が薄くなったような

 

息苦しさ――

 

一体、何が起きている?

 

そんな俺をよそに、御堂はデッキからカードを1枚引く

 

1ターン目 御堂 LP4000

 

「私のターン……ドロー!」

 

そして御堂は、迷いなく

 

手札から1枚……

 

2枚……

 

3枚……

 

そして――

 

魔法・罠ゾーン全てをセットした

 

……5枚全部?

 

初手から魔法・罠カードを5枚

 

一体、何を狙っている?

 

「私のターンはエンドです」

 

御堂は、何事もなかったかのようにエンド宣言をした

 

……まるで、俺の困惑など最初から知っていたかのように

 

2ターン目 雄輝 LP4000

 

「俺のターン! ドロー!!」

 

何が狙いかは分からんが……

 

相手フィールドにモンスターはいない!

 

ならば!

 

「俺は手札から《E・HERO スパークマン》を召喚!」

 

────

 

《E・HERO スパークマン》

 

光属性

 

レベル4

ATK 1600

DEF 1400

戦士族/通常

 

様々な武器を使いこなす、光の戦士のE・HERO

聖なる輝きスパークフラッシュが悪の退路を断つ

 

────

 

一気に攻めさせてもらう!!

 

「《スパークマン》で、ダイレクトアタック!!」

 

俺のスパークマンが御堂へ迫った、その瞬間――

 

御堂は、伏せカードの1枚へ手を伸ばした

 

「なるほど……ダイレクトアタックですか」

 

そして、まるで慌てる様子もなくカードを表にする

 

「では、こちらも使わせてもらいましょう」

 

伏せカードから現れたのは――

 

「《アポピスの化神》を守備表示召喚」

 

────

 

《アポピスの化神》

 

効果 永続罠

 

カードテキスト

 

①:自分・相手のメインフェイズにこのカードを発動できる。このカードは通常モンスター(爬虫類族・地・星4・攻1600/守1800)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する(罠カードとしても扱う)

 

────

 

ちぃっ!

 

罠モンスターか!

 

《アポピスの化神》は守備力1800

 

対して、俺の《スパークマン》は攻撃力1600

 

これじゃ、突破できねぇ!

 

俺は攻撃を中止し、バトルフェイズを終了する

 

このままじゃ攻めきれない

 

俺は魔法・罠ゾーンにカードを2枚セットした

 

「俺はこれでターン……」

 

「お待ちください」

 

御堂が静かに声をかける

 

「こちらの罠カードを発動させてもらいます」

 

御堂はゆっくりとした手付きで、伏せカードに手をかける

 

「リバースカードオープン、《神の恵み》発動」

 

────

 

《神の恵み》

 

効果 永続罠

 

カードテキスト

 

①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分がカードをドローする度に、自分は500LP回復する

 

────

 

回復系の罠?

 

まだライフを削られてすらいないのに?

 

困惑する俺をよそに、御堂はさらに別の伏せカードへ手を伸ばす

 

「そして、さらにリバースカードオープン、《強欲な瓶》」

 

────

 

《強欲な瓶》

 

効果 通常罠

 

カードテキスト

 

①:自分はデッキから1枚ドローする

 

────

 

御堂は《強欲な瓶》のカードを墓地へ送ると、静かにデッキからカードを1枚引いた

 

その瞬間――

 

《神の恵み》が淡い光を放つ

 

御堂のフィールドに広がった光が、ゆっくりと御堂を包み込んでいく

 

「神の恵みの効果です」

 

御堂のライフポイントが500回復する

 

LP4000 → 4500

 

カードを1枚ドローするだけで、ライフを回復する罠か

 

なるほど……

 

御堂のデッキは、罠カードを使って相手の攻撃を凌ぎながら

 

少しずつライフを回復していく、耐久型のデッキらしい

 

なら、長期戦になる前に決着をつけてやる!

 

「私のチェーンは以上です…神崎さん、いかが致しますか?」

 

こいつ…いちいち癇に障る

 

「…ターンエンドだ」

 

3ターン目 御堂一真 LP4500

 

「私のターン……ドロー」

 

御堂は、ゆっくりとデッキからカードを引く

 

その瞬間、神の恵みの効果によりライフを回復させる

 

御堂LP4500→5000

 

そして、手札を確認すると

 

「モンスターをセットします」

 

御堂は伏せたモンスターを一瞥することもなく、続けてカードを1枚手に取る

 

「さらに、リバースカードを1枚セット」

 

また、伏せカード……

 

「私はこれでターンエンドです」

 

御堂は静かにこちらを見る

 

「……どうぞ」

 

俺は御堂のフィールドを見つめる

 

アポピスの化神と裏守備のモンスター

 

そして2枚の伏せカードに神の恵み

 

……こいつ

 

本当に、序盤から守りを固めるつもりなのか?

 

4ターン目 雄輝 LP4000

 

「俺のターン! ドロー!!」

 

御堂のデッキは、おそらく耐久型の罠デッキだ

 

このまま悠長にしていれば、罠を次々と伏せられ、盤面を固められてしまう

そうなれば、突破するのはかなり厄介になる

 

なら――

 

このターンは、こちらから攻める!

 

「俺は手札から《強欲な壺》を発動!」

 

────

 

《強欲な壺》

 

通常魔法

 

効果

 

デッキからカードを2枚ドローする

 

────

 

カードを引き、手札を整える

 

よし!これならいける!!

 

俺は続けて、別のカードを掲げた

 

「さらに手札から《融合》を発動!」

 

────

 

《融合》

 

通常魔法

 

カードテキスト

 

①:自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、融合モンスター1体を融合召喚する

 

────

 

「手札の《E・HERO フェザーマン》と《E・HERO バーストレディ》を融合!!」

 

その瞬間、2体のHEROがまばゆい光に包まれた

 

フェザーマンの翼から巻き起こる風と、バーストレディを包む炎が絡み合う

 

炎と風は一つの巨大な渦となってフィールドを駆け抜け、光の中で新たなHEROの姿を形作っていく

 

そして――

 

渦の中心から、炎の翼が大きく広がった

 

「炎の翼を羽ばたかせ! 現れろ!! 《E・HERO フレイム・ウィングマン》!!」

 

────

 

《E・HERO フレイム・ウィングマン》

 

風属性

 

レベル6

 

ATK 2100

DEF 1200

 

戦士族/融合/効果

 

カードテキスト

 

「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」

 

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない

 

①:このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える

 

────

 

俺のフィールドに、炎の翼を広げたHEROが降り立つ

 

攻撃力は2100

 

御堂のフィールドにいる《アポピスの化神》を上回っている

 

「……」

 

御堂は、口元をわずかに吊り上げた

 

「さすがですね……このタイミングで《フレイム・ウィングマン》ですか」

 

その余裕ぶった笑みが、癇に障る

 

この野郎……。

 

「いけっ! 《フレイム・ウィングマン》! 《アポピスの化神》に攻撃!!」

 

フレイム・ウィングマンが大きく翼を広げ

 

その場から勢いよく飛び上がる

 

そして――

 

炎を纏った脚を振り上げ

 

《アポピスの化神》へと一直線に突っ込んでいく

 

「フレイム・シュート!!!」

 

炎を纏った蹴りが、《アポピスの化神》を真正面から捉える

 

ガシャァァン!!

 

轟音とともに、《アポピスの化神》の身体に亀裂が走りそのまま砕け散った

 

そして――

 

「《フレイム・ウィングマン》の効果発動!

破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを受けてもらうぜ!」

 

《フレイム・ウィングマン》は右手から炎を放つ

 

炎は真っ直ぐに御堂へと襲いかかり――

 

「ぐっ……ぐあァァァァ!!」

 

御堂の身体を炎が包み込む

 

「ぐっ……!」

 

御堂は思わず身体をよろめかせる

 

炎が消えると

御堂は荒い息を吐きながら、ゆっくりと顔を上げた

 

「……」

 

その表情には、明らかな苦痛が浮かんでいる

 

!?

 

なんだ?

 

まるで……本当に痛みを感じているような反応だ

 

いや……

 

いくらリアルに見えても

これはソリッドビジョン……

 

実際に痛みがあるわけじゃない!

 

御堂LP

5000→ 3400

 

俺はさらに攻撃を続ける

 

「《スパークマン》でセットされてるモンスターへ攻撃!!」

 

《スパークマン》が駆け出す

 

全身に電撃が走り

右拳へと雷が集束していく

 

そして――

 

雷をまとった拳で

セットされたモンスターを真正面から撃ち抜く!

 

「スパーク・フラッシュ!!」

 

雷撃がフィールドを駆け抜ける

 

裏側表示だったモンスターが、電撃に包まれ――

 

その姿を晒した

 

《カードガンナー》

 

────

 

カードガンナー

地属性

 

レベル3

ATK 400

DEF 400

 

機械族/効果

 

カードテキスト

 

①:1ターンに1度、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送った数×500アップする

 

②:自分フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。自分は1枚ドローする

 

────

 

スパークマンの拳が、カードガンナーを撃ち抜く

 

バチィィッ!!

 

《カードガンナー》の身体が砕け散った

 

その瞬間――

 

「ぐっ……!」

 

御堂が胸元を押さえ、身体を大きくよろめかせた

 

「……く、ぅ……!」

 

苦しそうに息を吐きながら

御堂は数歩後ずさる

 

「……」

 

やがて、ゆっくりと顔を上げる

 

その表情には、先ほどと同じように苦痛が浮かんでいた

 

……まただ

 

モンスターが破壊された瞬間に、こいつが苦しんだ

 

まるで……

 

いや

 

俺は小さく首を振る

 

考えすぎだ

 

ソリッドビジョンの演出が、それだけリアルなんだろう

 

俺は御堂から視線を外し、フィールドへ向き直った

 

その直後――

 

「……《カードガンナー》の効果です」

 

御堂の淡々とした声が届く

 

「このカードが破壊され、墓地へ送られたことで、カードを1枚ドローします」

 

まるで、モンスターを失ったことなど意に介していない

 

御堂は急ぐ様子もなくデッキへ手を伸ばす

 

だが――

 

一瞬だけ、その動きが止まった

 

御堂は、それを振り払うようにカードを1枚引いた

 

そして――

 

引いたカードを見つめる

 

その瞬間

 

御堂の口元が、ゆっくりと吊り上がった

 

「……いいカードが引けました」

 

「……!」

 

こいつ……一体何を引いたんだ?

 

俺は確かに攻撃を通した

 

なのに、追い詰めたはずの御堂のほうが、少しも揺らいでいない

 

その時、《神の恵み》が再び淡い光を放った

 

「続いて、《神の恵み》の効果です」

 

御堂のライフが500回復する

 

御堂LP

3400 → 3900

 

「……これで、問題ありません」

 

それだけ言って、御堂はフィールドを見つめた

 

まるで、俺の攻撃など最初から痛手ではなかったとでも言うように

 

そんなことを思いながら

俺は魔法・罠ゾーンにカードを2枚セットした

 

「……リバースカードを2枚セットし、ターンエンドだ」

 

こっちは必死に攻めている

 

一手ごとに勝機を探し、相手を崩そうとしている

 

それなのに――

 

御堂は、俺の攻撃を受けるたびに、それすら自分の手札と余裕へ変えていく

 

攻めているはずの俺のほうが、追い詰められている

 

そんな錯覚が、じわじわと胸の奥へ広がっていった

 

◇◇◇

 

このデュエル……何かおかしい

 

そんなことをワタシは、漠然と思っていた

 

御堂という男は、ただ盤面を固めているだけ

 

まだ、明確に攻めてきているわけじゃない……

 

なのに――

 

攻めているはずのユウが

追い詰められているように見えるのは、なぜ?

 

そして何より――

 

ユウの攻撃を受けた時の、あの反応……

 

まるで、本当に痛みを感じているような

 

言葉にできない不安が、胸をよぎる

 

「ユウ……」

 

どうか……

 

無事にデュエルが終わりますように

 

ワタシは、ただ祈ることしかできなかった

 

◇◇◇

 

5ターン目 御堂 LP3900

 

「私のターン……ドロー」

 

御堂はデッキからカードを引き抜く

 

その瞬間、《神の恵み》の効果により御堂のライフが回復する

 

LP3900 → 4400

 

だが!

 

俺も、このタイミングで魔法カードを発動する!

 

「リバースカードオープン! 《悪夢の蜃気楼》発動!」

 

────

 

《悪夢の蜃気楼》

 

効果 永続魔法

 

カードテキスト

 

①:相手スタンバイフェイズに発動する。自分は手札が4枚になるようにドローする

 

②:このカードの①の効果でドローした場合、次の自分スタンバイフェイズに発動する。そのドローした数だけ自分の手札をランダムに捨てる

 

────

 

「俺の手札は0! よって4枚ドロー!」

 

よし!

 

これで次のターンも動くことができる!

 

……だが

 

御堂は、不気味な笑みを浮かべた

 

「さすが神崎さんですね……

手札を補充し、リソースを回復するとは」

 

……やはり、こいつは余裕を崩さない

 

「……ですが」

 

御堂は、手札から1枚の永続魔法カードを掲げる

 

「私は手札から……

永続魔法《七精の解門》を発動します」

 

────

 

《七精の解門》

 

効果 永続魔法

 

カードテキスト

 

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない

 

①:このカードの発動時の効果処理として、「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれか1体、またはそのいずれかのカード名が記されたモンスター1体をデッキから手札に加える

 

②:1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。自分の墓地から攻撃力と守備力が0の悪魔族モンスター1体を特殊召喚する

 

③:1ターンに1度、自分フィールドにレベル10モンスターが存在する場合に発動できる。自分の墓地から永続魔法カード1枚を手札に加える

 

────

 

「私は効果により、《神炎皇ウリア》を手札に加えます」

 

 

《神炎皇ウリア》……

 

三幻魔のカードか!?

 

だが、フィールドには生け贄にできるモンスターがいない

 

《ウリア》を召喚することは、でき……

 

「召喚することはできない」

 

御堂の声が、俺の言葉を遮った

 

「……そう思っているのなら、甘いですよ」

 

御堂は不気味な笑みを浮かべたまま

 

伏せカードへ手を伸ばした

 

「リバースカードオープン

《ハイパーブレイズ》を発動させます」

 

────

 

《ハイパーブレイズ》

 

効果 永続罠

 

カードテキスト

 

①:「神炎皇ウリア」を自身の方法で特殊召喚する場合、自分フィールドの裏側表示の罠カードを墓地へ送る事もできる

 

②:自分の「神炎皇ウリア」が戦闘を行う攻撃宣言時に1度、手札・デッキから罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。このターン、そのモンスターの攻撃力・守備力はお互いのフィールド・墓地の罠カードの数×1000になる

 

③:1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」のいずれか1体を自分の墓地から手札に加えるか召喚条件を無視して特殊召喚する

 

────

 

「《ハイパーブレイズ》の効果により……」

 

御堂は、ゆっくりと伏せカードへ手を伸ばす

 

「裏側表示で伏せていた《砂塵の大竜巻》

《リビングデッドの呼び声》……」

 

そして――

 

御堂は、表側表示の《神の恵み》へ視線を向ける

 

「そして、発動している《神の恵み》を墓地へ送ります」

 

「なに!? 罠カードをコストに!?」

 

3枚の罠カードが、墓地へ送られていく

 

御堂は手札のカードを1枚、ゆっくりと掲げる

 

「さあ……」

 

そのカードに描かれているのは――

 

炎に包まれた、巨大な竜

 

「お見せしましょう」

 

御堂の口元が、再び吊り上がった

 

「三幻魔の一角……」

 

「《神炎皇ウリア》を特殊召喚します」

 

フィールドに巨大な赤き竜が出現し

 

その咆哮が轟く

 

────

 

《神炎皇ウリア》

 

炎属性

 

レベル10

ATK 0

DEF 0

炎族

特殊召喚/効果

 

カードテキスト

 

このカードは通常召喚できない

自分フィールドの表側表示の罠カード3枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる

 

①:このカードの攻撃力は、自分の墓地の永続罠カードの数×1000アップする

 

②:1ターンに1度、相手フィールドの裏側表示の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる(この発動に対して魔法・罠カードは発動できない)。その裏側表示カードを破壊する

 

────

 

「ウリアの攻撃力は……私の墓地の永続罠の数×1000」

 

御堂は、墓地へ送られたカードを確認する

 

「現在、永続罠は《神の恵み》、《リビングデッドの呼び声》、そして《アポピスの化身》の3枚」

 

その瞬間

 

ウリアの身体を覆う炎が、さらに激しく燃え上がる

 

「よって……攻撃力は3000です」

 

「な……に……?」

 

永続罠をコストにし、さらに墓地の永続罠の数だけ攻撃力をあげる……

 

ということは……

 

こいつの狙いは、耐久じゃなく

 

初めから……!?

 

「どうやら、お気づきのようですねぇ」

 

御堂の口元が、わずかに歪む

 

「そうです」

 

「最初のターンから、私の狙いはただ一つ」

 

御堂は《神炎皇ウリア》を見上げる

 

「《ウリア》の力を最大限に引き出すことだったのですよ」

 

クソったれ!!

 

最初からこいつの掌の上で転がされたってことかよ!!

 

「さて、次にウリアの第2の効果……」

 

御堂は、俺の伏せカードへ視線を向ける

 

「あなたのリバースカードを1枚破壊します」

 

「トラップディストラクション!」

 

左端のカードへ指を向ける

 

「……!」

 

俺の《ヒーローアライブ》が、音を立てて砕け散った

 

「ぐっ……」

 

御堂は、そのまま《神炎皇ウリア》へ視線を戻す

 

「ウリア……《スパークマン》に攻撃なさい」

 

来た……!!

 

ウリアが、ゆっくりと《スパークマン》へ狙いを定める

 

その瞬間――

 

《ハイパーブレイズ》が、強烈な光を放った

 

「《ハイパーブレイズ》の第2の効果を発動します」

 

御堂は、デッキへ手を伸ばす

 

「デッキから《アポピスの化神》を墓地へ送ります」

 

カードが墓地へ送られた瞬間

 

ウリアを包む炎が、一気に燃え上がった

 

「!?」

 

ウリアの攻撃力が跳ね上がっていく

 

3000……

 

4000……

 

5000……

 

そして――

 

7000!!

 

「攻撃力7000だと!?」

 

なぜ、いきなり倍以上も!?

 

その疑問を見透かしたように

 

御堂が、薄い笑みを浮かべる

 

「攻撃宣言時に発動した《ハイパーブレイズ》の第2の効果により……」

 

御堂は、俺の墓地へ視線を向ける

 

「ウリアの攻撃力は、お互いのフィールドと墓地に存在する罠カードの数×1000ポイントとなります」

 

「互いの……フィールドと墓地の罠の数だけ……だと?」

 

俺の墓地には、罠カードは無い

 

だが――

 

御堂の墓地には、6枚

 

そしてフィールドには、《ハイパーブレイズ》が1枚

 

合計7枚

 

「よって……」

 

御堂は、再び《スパークマン》へ視線を向ける

 

「攻撃力7000です」

 

「……!」

 

御堂は淡々と告げる

 

「神崎さんのライフは4000」

 

その視線が、スパークマンへ移る

 

「そして、《スパークマン》の攻撃力は1600ですねぇ」

 

御堂は、淡々と告げる

 

「このままでは、5400ポイントのダメージを受けることになりますねぇ」

 

一拍おき、御堂は宣言した

 

「やりなさい、ウリア!」

 

ウリアは御堂の宣言と同時に、その口に巨大なエネルギーを貯める

 

そして――

 

閃光とともに炎のブレスを吐き出す

 

くっ!

 

させるか!!

 

「リバースカードオープン! 速攻魔法! 《非常食》発動!!」

 

────

 

《非常食》

効果

速攻魔法

 

①:このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。

 

────

 

「俺は発動している《悪夢の蜃気楼》とセットしている《融合解除》を指定する!!」

 

雄輝LP4000→6000

 

これでギリギリ耐えられる!!

 

そして――

 

スパークマンが炎のブレスに飲み込まれる

 

その瞬間ーー

 

!?!?!?

 

「ぐあぁァァァァァァ!」

 

痛い!

 

熱い!

 

く、くるしい!

 

一体何が!?

 

身体中を焼かれているような激痛が走る

 

「ぐっ……あ……!」

 

息が……できない

 

視界が揺れる

 

立っているはずなのに

 

身体から力が抜けていく

 

まずい……

 

意識が……

 

遠くなって――

 

「……ュ……」

 

……?

 

何か……

 

聞こえた……?

 

「……ユ……ゥ……」

 

誰だ……

 

遠くから、誰かが呼んでいる

 

「ユウ!!」

 

その声が、はっきりと耳に届いた

 

「……っ!」

 

俺は、必死に目を開く

 

霞んでいた視界が、少しずつ戻ってくる

 

「はぁ……っ! はぁ……っ!」

 

荒い呼吸を繰り返す

 

身体に力が入らない

 

膝が、今にも崩れ落ちそうになる

 

「……くっ」

 

俺は必死に踏みとどまる

 

まだ……立っていなければ

 

意識は戻った

 

だが、身体はまだあの激痛を引きずっている

 

頭がぼんやりする

 

耳鳴りも止まらない

 

それでも――

 

俺はフィールドへ視線を向けた

 

「……何なんだ……これ……」

 

俺は震える手を見つめる

 

身体中に残る、焼けるような痛み

 

これは……

 

本当にソリッドビジョンなのか……?

 

「……っ」

 

だが――

 

まだ、デュエルは終わっていない

 

俺はフィールドへ視線を向ける

 

そこには、炎をまとった《神炎皇ウリア》

 

「……スパークマン……」

 

すでに、俺の《スパークマン》は消えている

 

そして……

 

俺のライフは

 

「……600……?」

 

LP6000 → 600

 

5400ポイントのダメージを受けた

 

ギリギリ……残った

 

「……はぁ……」

 

助かった……

 

そう思った瞬間

 

身体に残る痛みが、再び俺を襲う

 

「……っ!」

 

なんなんだ、この痛みは……

 

その時――

 

「くくく……」

 

御堂の声が聞こえた

 

「申し訳ありません……伝え忘れていました」

 

「……何を……?」

 

俺は御堂へ視線を向ける

 

御堂は、僅かに口元をあげながら

 

「このデュエルでは――」

 

御堂は、まるで役者のような仕草を見せながら俺を見つめる

 

「モンスターが受けた攻撃……そして、ライフへのダメージ」

 

一拍置いて

 

「そこから生じる苦痛はすべて、プレイヤー自身に伝わります」

 

「……何……?」

 

俺は思わず聞き返した

 

御堂は、淡々と続ける

 

「例えば……先ほどの《スパークマン》です」

 

御堂が、消滅したスパークマンのいた場所へ視線を向ける

 

「あなたの《スパークマン》は、《ウリア》の攻撃によって消滅しました」

 

「その瞬間……あなたは、激痛に襲われた」

 

「……っ」

 

思い出しただけで、身体が震える

 

あの焼けるような感覚

 

息ができなくなるほどの苦痛

 

「ですが……それだけではありません」

 

御堂は、静かに指を一本立てる

 

「モンスターが受けた攻撃」

 

「戦闘によって受けるダメージ」

 

「そして、カードの効果によって受けるダメージ……」

 

御堂は、俺の目を見つめる

 

「そのすべてが、プレイヤー自身へ伝わります」

 

「……!」

 

「つまり――」

 

御堂は、淡々と告げる

 

「モンスターが傷つけば、あなたも傷つく」

 

「ライフが削られれば、その痛みもあなた自身が受ける」

 

「魔法や罠の効果でライフを失ったとしても……逃れることはできません」

 

俺は言葉を失った

 

つまり……

 

このデュエルでは

 

モンスターは、ただのカードじゃない

 

俺の《スパークマン》を襲った攻撃も

 

消滅の瞬間に刻まれた苦しみも

 

そして俺自身のライフが削られた痛みも――

 

すべて、俺自身に返ってくる

 

御堂はそんな俺を見つめながら、静かに告げた

 

「このデュエルでは、モンスターを失うことさえ……命懸けなのですよ」

 

「……!」

 

御堂の笑みが、わずかに深くなる

 

「そして、敗者は……」

 

御堂は、ウリアへ視線を向ける

 

「その魂を、《ウリア》によって奪われることになります」

 

「……!」

 

その言葉を聞いた瞬間

 

俺は、海馬社長の言葉を思い出した

 

『三幻魔のカードは――』

 

『デュエリストの魂を喰らう』

 

すると――

 

「あなたたちの目的はなんなの!?」

 

シルヴィが声を荒らげる

 

「なぜ、デュエリストの魂を集めてるのよ!?」

 

「くくく……」

 

御堂は、答えることなく笑い声を漏らす

 

「答えなさい!!!」

 

シルヴィの声が、デュエルフィールドに響き渡った

 

「いいでしょう、教えて差し上げましょう」

 

御堂は両手を広げ、話し始めた

 

「我々の目的は……デュエリストの魂を集め」

 

御堂は、静かに言葉を続ける

 

「その膨大なエネルギーを利用して――」

 

そして、御堂は不気味な笑みを浮かべた

 

「三幻魔を、この世界に顕現させることです」

 

「三幻魔を……顕現させる?」

 

シルヴィが、驚いたように呟く

 

「ええ……」

 

御堂は頷く

 

「顕現した三幻魔は、蓄えたエネルギーを使い果たすまで暴れ続けるでしょう」

 

そして――

 

御堂の表情から、余裕が消える

 

そこに浮かんだのは、明らかな憤怒

 

「海馬瀬人の作った、この街を!」

 

御堂は声を荒らげる

 

「海の藻屑へと変えることでしょう!!」

 

シルヴィは、その言葉を聞き

 

怒りの表情を浮かべる

 

「この街に……一体何万人住んでいると思ってるの!!!」

 

御堂は、まるで大したことではないかのように答える

 

「ええ、約80万人ほどですね

それが……何か?」

 

「……っ!」

 

シルヴィの表情が、さらに険しくなる

 

「あなたたちは……80万人もの人を巻き込んで、何をしようとしているの!?」

 

すると――

 

御堂の表情が変わった

 

「何を……?」

 

その声には、初めて明確な怒気が混じっていた

 

「決まっているでしょう」

 

御堂は、デュエルシティを見渡す

 

「海馬瀬人への……復讐ですよ」

 

「復讐……?」

 

「ええ」

 

御堂は、吐き捨てるように続ける

 

「奴は、この街を作った ……ならば――」

 

御堂は、デュエルシティへ視線を向ける

 

「奴が築き上げたものを、すべて奪ってやる」

 

「そのためなら……」

 

御堂はシルヴィを見る

 

「80万人程度の犠牲など、安いものです」

 

「つまりテメェらは……」

 

俺は拳を握る

 

「自分のしたことを棚に上げて!

挙句に逆恨みで大勢を巻き込む……ってか?」

 

……ほんとにこいつら

 

「ふざけてんじゃねぇぞ!ガキの癇癪みたいもんで街一つ潰させてたまるか!!」

 

何があってもこいつらにだけは負けらんねぇ!

 

たとえ、魂に直接のダメージ受けようが!

 

ライフと、デッキがある限り!

 

絶対に俺は倒れねぇ!!

 

「ふん……なんとでも言いなさい」

 

御堂は、俺の怒りなど意に介した様子もなく

 

「私はこれでターンエンドです」

 

そう言って、静かに俺を見つめる

 

身体には、まだウリアの攻撃による痛みが残っている

 

呼吸も完全には戻っていない

 

俺は拳を握ったまま、御堂を睨み返す

 

ここで倒れるわけにはいかない

 

俺のライフは残り600

 

だが……何があっても負ける訳には!!

 

「さあ、あなたのターンですよ?」

 

御堂が、挑発するように告げる

 

「精々、足掻いて見せてください」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。